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第五章 シエルとの逃避行
40 2人で過ごす朝
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(あの白くて甘い濃厚な味、クリームのコク、チーズケーキが食べたい~!!!)
「ん~~~。」
瞼に光が入ってくる。ぼんやりした頭がだんだんとハッキリしてくる。
窓から差す日差しに眩しさを感じてると、「ふ・・・クックックッ。」と、耳元で堪えた笑い声が聞こえてきて、完全に目が覚めた。
パチッと目を開けると、間近でドアップのシエルの顔。シエルだって寝起きでしょう??? なのに、きめ細かい肌にうっすら赤みがさして色気の塊のような顔だわ。しかも羽織っていたブランケットがズレて、肩から二の腕にかけて引き締まった筋肉が露出し、普通の令嬢なら確実に落ちてるような見た目だ。
でも目の下にうっすら隈があるからじつはよく眠れなかったのかも。まあ私はそんなことよりも、と目の前でなぜか笑いを必死で耐えているシエルを吊り目で睨む。
(人の顔見て笑いすぎっ!)
「リーチェ、おはよう。・・・ふっ・・・。」
片肘をベッドについて頭だけ起こし、こちらを向いたスミレ色の瞳に笑い皺ができている。
「何よっ?」
「何でもねぇ。ただ、こんな時なのにリーチェらしいなって。」
「へ?」
シエルは、私の耳たぶの後ろにそっと手を当てる。親指を私の唇に当て、プルンプルンと唇が揺れるのも構わず親指を左右に動かし優しく口元を拭った。
(もしかしてヨダレ垂れてた???)
ハッとしてシエルを見たら、ジッとこちらを見ていた。
ん? いつまで経っても私の顔に添えた手を離さない。そして、そのまま端正な顔を近づけてくる。鼻と鼻が触れ合うほどの距離で、シエルは「いつまでも寝てっと、食べちまうぞ。」とだけ言ってベッドから起き上がった。
(キ、キスされるかと思ったっ!普通、あんなに近くに寄る??? からかわれた???)
ぶっきらぼうな口調に似合わない優しい触れ方に、ドキドキする胸に思わず手を当てた。
(すっかり忘れてたけど形式上は夫婦だから、これぐらいは当たり前なのかしら??? 経験がないから全然分からない。)
「起きたらこの辺探検すっぞ。」というシエルの言葉に、のそのそと私はベッドから起き上がる。そして、部屋の隅に置いてあった魔道具の入った革袋を手に持った。
カランッ!!
持ち上げると金属同士のぶつかる音。
「さすが探索者たちの小屋ね。ここで生き延びるのに必要そうな調理魔道具がいくつか入ってたわ。」
「まあ、魔道具の材料ならそこら辺に転がってンからな。」
シエルがそう言って入り口のドアを開けると、朝日が部屋中に差し込み紺碧の髪が透き通るように煌めく。鳥の声が風とともに流れ込んできて一気にやかましくなった。
入り口を出ると、小屋の外は色鮮やかな木々や香り漂う花々、そして少し離れた小屋の裏手には澄んだ湖。
(ずっとここで暮らしてもいいぐらい・・・魔獣の棲家さえなければ。)
「カバノキだわ。」
湖のそばに、樹皮がなめらかで横に長い皮目の木があった。
シエルがパチンッと指を鳴らすと、ブワッと銀の風が起こり、緑の葉に包まれた実がポタンッポタンッと落ちてくる。
「朝飯はこれでいいだろ?」
(今朝夢で見たチーズケーキ、作れるかも!!)
でもその前に、、、
「シエル、私水浴びしたいから少しの間見張っててくれる???」
ドレスが体にまとわりついて居心地が悪い。せめて水で体を洗い流してさっぱりしたい。
(聞こえなかったかしら???)
「シエ・・・。」
「わ、わーた! 誰も来ねぇよう見てっから!」
そう言ってカバノキの下まで歩いていくと、私に背中を向けてドスンッと木陰に腰を下ろした。
前回、シエルにドレスを脱がせてもらったのを反省し、今回は自分でも脱ぎ着できるタイプだ。ひと目見ただけでは分からないけど、上と下で別々になっていて、上は首の後ろのボタンを1つ外せばハラリと襟ぐりが広がり脱ぎ着できる。
悪戦苦闘しながらもレモンイエローのドレスを脱いだ私は、それらを軽く畳んで岩の上に置いた。
足を入れるとチャポンと音がして、陽によく温められた温泉のような湖だった。ターコイズブルーの透き通った水は、底までよく見通せ目にも優しい。
(あー気持ち~!!)
手足を伸ばしてプカリと浮かびたかったが、さすがに野外で真っ裸でそれをやる勇気はない。
私が動くたび、タポンタポンと湖面に反射した陽の光が水と共にゆらめく。
(そろそろ上がろうかしら?)
などと思い、湖から上半身を出した時だった。
「きゃぁあああっ!!!!!」
ヌルッとした感触が足を這い回ってるッ!
「いやぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
「どうしたッ!」
パシャンと一気に私のとこまで跳び込んできたシエルに、「足ッ! 足ッ! 足のとこに何かいる~ッ!!」と叫び強く抱きついた。
シエルは眼光を湖の底へと走らせたかと思うと、銀の魔力を纏わせた木の棒でザッザッと何かを引っ掻く。
「水棲のヘビだ。」
そして、ヘビを巻きつけた木の棒をひっくり返して、ブンッと遠くに放り投げてしまった。
「ヘビ???」
ゔ~~気持ち悪い~。
「その、、、もう、、、いいか?」
シエルが消え入りそうな声で、耳まで真っ赤になって顔を背けてる。なぜか目が泳いで、体が熱を持ったように熱い。
ん? よく見ると下着も何もまとっていない露出された胸の膨らみが、シエルの引き締まった腹筋にそのまま当たってい、、、る??
(ぎゃぁあああっ!私、真っ裸でシエルに抱きついてるじゃないのっ!!)
水滴がツーと流れる中で互いの濡れた肌が吸い付くように密着し、胸がフルフルと揺れるたびにその振動の全てがシエルに伝わっていた。
な、何なのこのエロい物体は?見慣れてるはずの自分の胸の膨らみが、ハリのある筋肉に当たりいやらしい形に変わっていた。しかも先端の少し硬くなった部分のコリコリとした感触、これ絶対シエルも気づいてるわよね???
いくら何でもひどいっ!私まだ乙女なのにっ。
「見た・・・でしょっ! 私の裸、見たんでしょっ!!」
首まで湖にジャボンと浸かり、涙目になってしまう。こんな淫らな格好で水の中でシエルと肌を絡ませていたなんて。
「見た・・・と言うか、、、不可抗力と言うか、、、。」
「私もうお嫁にいけない・・・。」
震える声で泣きそうになる私に、シエルはなぜかすごくショックを受けたようにガクッと俯いた。
「・・・オレと結婚してンの、完全に忘れてンじゃねーか。」
「え?」
肩を下げてボソッと何事かを呟いたシエルは、聞き返す私に、「何でもねぇ。早く着替えろ!」と、1人で岸へ上がってしまった。
「ん~~~。」
瞼に光が入ってくる。ぼんやりした頭がだんだんとハッキリしてくる。
窓から差す日差しに眩しさを感じてると、「ふ・・・クックックッ。」と、耳元で堪えた笑い声が聞こえてきて、完全に目が覚めた。
パチッと目を開けると、間近でドアップのシエルの顔。シエルだって寝起きでしょう??? なのに、きめ細かい肌にうっすら赤みがさして色気の塊のような顔だわ。しかも羽織っていたブランケットがズレて、肩から二の腕にかけて引き締まった筋肉が露出し、普通の令嬢なら確実に落ちてるような見た目だ。
でも目の下にうっすら隈があるからじつはよく眠れなかったのかも。まあ私はそんなことよりも、と目の前でなぜか笑いを必死で耐えているシエルを吊り目で睨む。
(人の顔見て笑いすぎっ!)
「リーチェ、おはよう。・・・ふっ・・・。」
片肘をベッドについて頭だけ起こし、こちらを向いたスミレ色の瞳に笑い皺ができている。
「何よっ?」
「何でもねぇ。ただ、こんな時なのにリーチェらしいなって。」
「へ?」
シエルは、私の耳たぶの後ろにそっと手を当てる。親指を私の唇に当て、プルンプルンと唇が揺れるのも構わず親指を左右に動かし優しく口元を拭った。
(もしかしてヨダレ垂れてた???)
ハッとしてシエルを見たら、ジッとこちらを見ていた。
ん? いつまで経っても私の顔に添えた手を離さない。そして、そのまま端正な顔を近づけてくる。鼻と鼻が触れ合うほどの距離で、シエルは「いつまでも寝てっと、食べちまうぞ。」とだけ言ってベッドから起き上がった。
(キ、キスされるかと思ったっ!普通、あんなに近くに寄る??? からかわれた???)
ぶっきらぼうな口調に似合わない優しい触れ方に、ドキドキする胸に思わず手を当てた。
(すっかり忘れてたけど形式上は夫婦だから、これぐらいは当たり前なのかしら??? 経験がないから全然分からない。)
「起きたらこの辺探検すっぞ。」というシエルの言葉に、のそのそと私はベッドから起き上がる。そして、部屋の隅に置いてあった魔道具の入った革袋を手に持った。
カランッ!!
持ち上げると金属同士のぶつかる音。
「さすが探索者たちの小屋ね。ここで生き延びるのに必要そうな調理魔道具がいくつか入ってたわ。」
「まあ、魔道具の材料ならそこら辺に転がってンからな。」
シエルがそう言って入り口のドアを開けると、朝日が部屋中に差し込み紺碧の髪が透き通るように煌めく。鳥の声が風とともに流れ込んできて一気にやかましくなった。
入り口を出ると、小屋の外は色鮮やかな木々や香り漂う花々、そして少し離れた小屋の裏手には澄んだ湖。
(ずっとここで暮らしてもいいぐらい・・・魔獣の棲家さえなければ。)
「カバノキだわ。」
湖のそばに、樹皮がなめらかで横に長い皮目の木があった。
シエルがパチンッと指を鳴らすと、ブワッと銀の風が起こり、緑の葉に包まれた実がポタンッポタンッと落ちてくる。
「朝飯はこれでいいだろ?」
(今朝夢で見たチーズケーキ、作れるかも!!)
でもその前に、、、
「シエル、私水浴びしたいから少しの間見張っててくれる???」
ドレスが体にまとわりついて居心地が悪い。せめて水で体を洗い流してさっぱりしたい。
(聞こえなかったかしら???)
「シエ・・・。」
「わ、わーた! 誰も来ねぇよう見てっから!」
そう言ってカバノキの下まで歩いていくと、私に背中を向けてドスンッと木陰に腰を下ろした。
前回、シエルにドレスを脱がせてもらったのを反省し、今回は自分でも脱ぎ着できるタイプだ。ひと目見ただけでは分からないけど、上と下で別々になっていて、上は首の後ろのボタンを1つ外せばハラリと襟ぐりが広がり脱ぎ着できる。
悪戦苦闘しながらもレモンイエローのドレスを脱いだ私は、それらを軽く畳んで岩の上に置いた。
足を入れるとチャポンと音がして、陽によく温められた温泉のような湖だった。ターコイズブルーの透き通った水は、底までよく見通せ目にも優しい。
(あー気持ち~!!)
手足を伸ばしてプカリと浮かびたかったが、さすがに野外で真っ裸でそれをやる勇気はない。
私が動くたび、タポンタポンと湖面に反射した陽の光が水と共にゆらめく。
(そろそろ上がろうかしら?)
などと思い、湖から上半身を出した時だった。
「きゃぁあああっ!!!!!」
ヌルッとした感触が足を這い回ってるッ!
「いやぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
「どうしたッ!」
パシャンと一気に私のとこまで跳び込んできたシエルに、「足ッ! 足ッ! 足のとこに何かいる~ッ!!」と叫び強く抱きついた。
シエルは眼光を湖の底へと走らせたかと思うと、銀の魔力を纏わせた木の棒でザッザッと何かを引っ掻く。
「水棲のヘビだ。」
そして、ヘビを巻きつけた木の棒をひっくり返して、ブンッと遠くに放り投げてしまった。
「ヘビ???」
ゔ~~気持ち悪い~。
「その、、、もう、、、いいか?」
シエルが消え入りそうな声で、耳まで真っ赤になって顔を背けてる。なぜか目が泳いで、体が熱を持ったように熱い。
ん? よく見ると下着も何もまとっていない露出された胸の膨らみが、シエルの引き締まった腹筋にそのまま当たってい、、、る??
(ぎゃぁあああっ!私、真っ裸でシエルに抱きついてるじゃないのっ!!)
水滴がツーと流れる中で互いの濡れた肌が吸い付くように密着し、胸がフルフルと揺れるたびにその振動の全てがシエルに伝わっていた。
な、何なのこのエロい物体は?見慣れてるはずの自分の胸の膨らみが、ハリのある筋肉に当たりいやらしい形に変わっていた。しかも先端の少し硬くなった部分のコリコリとした感触、これ絶対シエルも気づいてるわよね???
いくら何でもひどいっ!私まだ乙女なのにっ。
「見た・・・でしょっ! 私の裸、見たんでしょっ!!」
首まで湖にジャボンと浸かり、涙目になってしまう。こんな淫らな格好で水の中でシエルと肌を絡ませていたなんて。
「見た・・・と言うか、、、不可抗力と言うか、、、。」
「私もうお嫁にいけない・・・。」
震える声で泣きそうになる私に、シエルはなぜかすごくショックを受けたようにガクッと俯いた。
「・・・オレと結婚してンの、完全に忘れてンじゃねーか。」
「え?」
肩を下げてボソッと何事かを呟いたシエルは、聞き返す私に、「何でもねぇ。早く着替えろ!」と、1人で岸へ上がってしまった。
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