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25 蛇は、金眼を探す、、、

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「ああああああああああ!!」
髪や髭に白髪混じりの痩せこけた男性の断末魔が、とある地下牢の一角で響き渡る。


その様子をニタニタした様子で、薬物を鼻から吸いながら眺めている一人の男。首元に小さいが奇妙な蛇の刺青を入れた男は、目を血走らせ、醜い顔をさらに歪める。


「おい、もう一本の腕も切り落とせ。」

感情もなく言い放った言葉に、彼の部下は目の前の老人に同情する。つい先ほどまで元気に動いていた老人は、大量の血の海のなかで、今は彼の目の前で右腕を切られ気を失いかけていた。
「ですが、••このままでは死にます。」

蛇の刺青を入れた男は、一生懸命、自分の手の中にある薬物をセットし直し、その度に目の前の男を見ながら口の端を歪め笑う。

「はぁあああ•••??  これ位で死ぬなら死なせとけ。」

「ですが•••」


「てめえ、オレの言うこと聞けねえの??」

剣を部下の足の指に突き刺す。

「ッグッ•••ァアああああ!!」

オモチャでも弄るように剣をグリグリッと動かす。湿った暗い地下牢に響き渡る悲鳴になんら気を留めることなく、さらに自らの足で、たった今剣で刺した足を上から踏みつける。

「てめえ、てめえ、オレに何言ったあ?」

「ッガァああああ•••あああああああああ!!」

開ききった目は視点も定まらないまま、醜い顔をさらに歪めて、刺青男は別の部下に指図する。

「おい、そこのお前、早くもう一本の腕も切り落とせ。」

上司である刺青男に逆らうとどうなるか十分承知している部下は、慣れている様子で返答を返す。

「はい、今すぐに。」

先ほどまで大量に出血していた白髪混じりの髭の男性の傷跡は、なぜか不思議な光と共に血が止まりかけてはいる。だが、傷跡は大きく、男性はすでに虫の息だった•••にも関わらず、さらに追い討ちをかけるようにもう一人の部下が、その男性の反対側の腕を切り落とす。

「ぅヴッァあああああああああああああ!!」


「完全に気を失いました。」

「こいつも大した能力じゃなかったなあ。捨て置け。」

「かしこまりました。」

刺青男は乱暴な動作で準備されていた椅子に腰をおろし、カタカタッと音を鳴らしながら、神経質な声を放つ。

「おい、もっと別の魔力ある奴を早く探せ。オレの盾にしてあげるためになああ。邪魔する奴らは全員、こぉろぉせぇよぉオオ~。」

ダダダッと地下牢へ続く階段を駆け下りてきた部下がまた一人、刺青男の前で跪をつく。


「報告があります。カイラス国のエドゥアルト王子の暗殺が、失敗に終わりました。こちらが雇った者たちはほぼ全員ウンディーネ国の騎士に捕らえられ•••!?••••••グヴァッ!ハァハァッ!」

今入ってきたばかりの部下は、刺青男により肩を突き刺される。

「てめえ、死ね」

「ッお、お••待ちください••!•••その場に一人、、褐色肌の男が•••ぅおおおおオグッ•••ハァッハァッ••」

刺青男は、褐色肌、という言葉に嬉しそうに反応し、薬物でボロボロになった歯を剥き出しにして笑みを浮かべる。
「なんだあああ?」

「もッ•••目、撃した者が•••ヴッ•••ひ、とみ•••のイ••ロは•••確、認、できてい•••ない•••ヴああああああ!!」

刺青男は、細い目をさらに細めて舌なめずりをし、うっとりした顔をする。そして、一人自分を冷静な顔で見つめる先ほどの部下に話しかけた。

「へええ~、へええ~、どこにいるかと思えばなあ。ウンディーネ国に一人隠れてやがったかあ。おい、お前、し、ら、べ、ろ。」
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