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41 残虐非道に、「 - 」される、、、
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•••「エドゥ、どうして•••?」
「言ったはずだ•••お前に傷一つつけないと•••」
『なっ•••!!』カイルとフェンリルの声が同時に重なる。2人の足元にも鎖が伸び足首に巻きつき、2人の攻撃の動きを止めていた•••そして、クリスが消えた場所に、今度は人質となっていた女性と子どもたちが次々と現れ、前に立ちはだかり、「助けてッ」「行かないで」と、口々に叫びながらカイルとフェンリルの足や腕に両手をからめ、2人を足止めしている•••!!
先ほどのクリスは霧のように消えた•••でも、私の前に現れた大男は実体があり、実際に攻撃を仕掛けてきた••••この人たちは本物•••????
その間にもカイルが男に狙いを定めて何とかナイフを投げようとするが、人質となっていた女性や子どもたちが身体にまとわりつき障害となっている•••
「チッ、••••俺を殺せば、鎖は一生そのままだ。邪魔すんじゃねえッ•••」
白眼を凶暴に剥き出し、赤髪の男が地面を乱暴に蹴とばす。
ガゴオッ
靴に何かを仕込んであるのか、男の蹴飛ばした所から粉塵のようなものが舞い上がる。
「オイッ、テメェ、俺が目ェつけたオンナを横取りしようとはいい度胸じゃねえか。」
男は、頬の傷を歪めるように、ニヘラニヘラと奇妙な笑いを顔に浮かべ、ドスの効いた声を出す。
鎖に拘束された王子は、立っているのもままならない状態のまま、ブラウンの瞳を男へ見据える。
「下衆が•••穢らわしい手でこいつに触れるな。」
「なんだぁ?あぁああ?」
男はズカズカと歩いてきたかと思うと、鼻息荒く勢いよく王子を蹴り飛ばした。
グガッンッ!!
嫌な音が響き、王子は鎖ごと壁に打ち付けられ、そのまま床に転がる•••男の靴が直接触れた部分だろうか•••破けた服の隙間から抉れた肉片のようなものが見え、一気にその部分が鮮血に染まる••••あと数センチ男の蹴る場所がズレていたら内臓が破裂していたかもしれない•••
ゾッとして私は思わず両手を口に当てたまま目前の光景を凝視する•••心臓がドクンッとぎこちない動きをして、血の気が一気に引いたかのように体全体が冷えていく•••隣にいるショーンからもハッと息を呑んだ音が聞こえ、彼の小さな身体の震えが伝染する様に、私まで伝わってくる•••
私は震える拳を握り直し、「エドゥ!」と喉のかぎり叫ぶ••「••••ッ••••来るなッ••••••••ッ•••!!! •••ハァッ••••ハァッ•••」•••!?•••冷たい石畳の上で、手負いの獣のように血を流しながら、闘志だけを激らせている•••王子のこめかみの汗の滴が、キラリと光りながら、その端正な顔についていた血の跡をゆっくりと洗い流す•••目を伏せ唇を噛み、銀髪が彼の顔を深く覆う•••でもッ••••••何だか様子がおかしい•••王子に一時的に分けてもらった私の中の『力』も急速に消滅している••••!?•••まさかっ•••?
男はギロリッと血走った目で王子を睨むと、口の端を不自然に引き上げ頬を引き攣らせた。
「何らかの能力を持っててもムダだ。その鎖は•••『封じる』•••からな•••」
!?•••やっぱり•••!! •••でも•••例え『力』が封じられた状態だとしても、鎖でがんじがらめにされただけにしては、王子のあの呻き声は尋常ではない•••• 王子は、腕も足も全身を拘束されたまま、時折、痛みに耐えかねるのか歯がギシリッと音を立てながら荒い息を吐き出す•••
ミシッミシッ
「•••ッ•••グハッッ•••ヴッ•••ハァッ•••ハァッ••••グハッッッ•••••」
!?
突如、王子が地面をのたうち回りながら唸り声を漏らしたかと思うと、無機質な黒い石畳の上に、真っ赤な血の塊が落ちた•••
鎖が•••鎖がまるで蛇のようにその拘束を強めエドゥアルト王子の身体を這うように締めつけている•••
「俺はな、テメェみてえな、おキレイな顔の野郎見ると反吐が出るんだ。いつまで保つかな?」
ボサボサの赤髪から覗く整った顔が狂気に染まったように歪になり、この場にそぐわない笑い声が響く•••
「フッハハガァハハッァア•••ああぁあああ?オンナァッ!テメェの太ももの味が忘れられねえッ、早くコイツらぶっ殺して可愛がってやる。」
男の視線に背筋が凍るように戦慄する。ショーンが震える手で強く私の服を掴む。男に自分の裸を見られたわけでもないのに、不躾な視線と言葉に、とめどもない嫌悪感と、そして言いようのない恐怖が湧き上がる•••
エドゥアルト王子を締めつけている鎖が、ギシギシと嫌な音を立てて彼の身体の奥深く、肉片に喰い込んでいく•••銀髪の髪まで血で染まり、血管が断ち切られるほどになりながらも、王子は怒りをたぎらせるように男を睨んだ。「こ•••い•••ッ••••に•••ッ••••何••••を•••し••••••た••••ッガァアッ•••••••ハァッ•••••ハァッ••••••••」
男は肉切包丁のような刃先の尖ったノコギリを取り出し、王子に向かい振り上げる。「テメェ、生意気だ。まずはその口にぶっ刺•••••! 」
ドスンッ
「ッあああァアぁあああああああああああああああ!!」
男が刃物を落とし、大爆弾でも喰らったかのような悲鳴を上げる•••!! 一瞬の隙をついて、エドゥアルト王子が、全身で男を壁に叩きつけるように体当たりをしていた•••! あまりの不意打ちと衝撃に、男はしばらく立ち上がれずにいた••••。
王子のどこにまだそんな力が残っていたのか、全身から凄まじいまでの殺気を放ち、相手を威嚇する。オッドアイではない•••王子の瞳は銀色に燃えてるかのように荒々しく、そばにいるだけで全身の皮膚が逆立つような気迫を滲ませた。「お•••前•••ッ•••ぜっ•••たい••••許•••さ••••ぬ•••ッ••••••ッグガァッッ••••ゴホッ••••ゴホッ••••••。」血にまみれているからこそ余計に際立つ美貌が、今はただただ冷たく並大抵ではない迫力で相手を圧倒する•••
先ほどの王子の攻撃で吹き飛ばされた時に、足を痛めたのだろう。片足をブラブラさせながら立ち上がった男は、憤怒に我を忘れたように激昂し、「テメェを肉片にしてやる。」と、乱れた赤髪からギラついた目で王子を睨む••••
カツンッ
突然、誰かの靴音が響いた•••。
「言いたいことはそれだけか?」
凄惨な現場に、似つかわしくない低く底冷えのする声が割って入る••••。
!?•••••カイル•••!? 灯を反射し透き通った金色に変わったこげ茶色の髪の垣間からは、アンバー色に輝く瞳がはっきりと怒りを映しだしていた。
「言いたいことはそれだけ、みたいだよねえ•••。エドゥ、遅くなって済まなかった。」
!?•••••フェンリルッ•••!? 口元には笑みが浮かんでいるが、ターコイズブルーの瞳は冷たく男を見据え据わっている•••。
••••!?••••あの人たちはどこへ•••••??? あれほど2人を足止めしていた人質の女性や子どもたちの姿が見えない•••! そういえば、先ほどからブンブンと音を出しグルグル回っていたフェンリルの羽飾りが今はその動きを完全に止めている•••
スッと伸びた身体に纏った神官の薄い衣を、フェンリルが優雅に手を動かしながらパタパタと動かす。
「『まやかし』を装った『カガミ』を祓うのに思ったより時間がかかってしまってね。」
カイルは右手に持つナイフをカランっと床に落としたかと思うと、両手で青の剣を構え直した。
「アル、オレは、、•••オレたちは、この勝利をあなたに捧げます。」
「言ったはずだ•••お前に傷一つつけないと•••」
『なっ•••!!』カイルとフェンリルの声が同時に重なる。2人の足元にも鎖が伸び足首に巻きつき、2人の攻撃の動きを止めていた•••そして、クリスが消えた場所に、今度は人質となっていた女性と子どもたちが次々と現れ、前に立ちはだかり、「助けてッ」「行かないで」と、口々に叫びながらカイルとフェンリルの足や腕に両手をからめ、2人を足止めしている•••!!
先ほどのクリスは霧のように消えた•••でも、私の前に現れた大男は実体があり、実際に攻撃を仕掛けてきた••••この人たちは本物•••????
その間にもカイルが男に狙いを定めて何とかナイフを投げようとするが、人質となっていた女性や子どもたちが身体にまとわりつき障害となっている•••
「チッ、••••俺を殺せば、鎖は一生そのままだ。邪魔すんじゃねえッ•••」
白眼を凶暴に剥き出し、赤髪の男が地面を乱暴に蹴とばす。
ガゴオッ
靴に何かを仕込んであるのか、男の蹴飛ばした所から粉塵のようなものが舞い上がる。
「オイッ、テメェ、俺が目ェつけたオンナを横取りしようとはいい度胸じゃねえか。」
男は、頬の傷を歪めるように、ニヘラニヘラと奇妙な笑いを顔に浮かべ、ドスの効いた声を出す。
鎖に拘束された王子は、立っているのもままならない状態のまま、ブラウンの瞳を男へ見据える。
「下衆が•••穢らわしい手でこいつに触れるな。」
「なんだぁ?あぁああ?」
男はズカズカと歩いてきたかと思うと、鼻息荒く勢いよく王子を蹴り飛ばした。
グガッンッ!!
嫌な音が響き、王子は鎖ごと壁に打ち付けられ、そのまま床に転がる•••男の靴が直接触れた部分だろうか•••破けた服の隙間から抉れた肉片のようなものが見え、一気にその部分が鮮血に染まる••••あと数センチ男の蹴る場所がズレていたら内臓が破裂していたかもしれない•••
ゾッとして私は思わず両手を口に当てたまま目前の光景を凝視する•••心臓がドクンッとぎこちない動きをして、血の気が一気に引いたかのように体全体が冷えていく•••隣にいるショーンからもハッと息を呑んだ音が聞こえ、彼の小さな身体の震えが伝染する様に、私まで伝わってくる•••
私は震える拳を握り直し、「エドゥ!」と喉のかぎり叫ぶ••「••••ッ••••来るなッ••••••••ッ•••!!! •••ハァッ••••ハァッ•••」•••!?•••冷たい石畳の上で、手負いの獣のように血を流しながら、闘志だけを激らせている•••王子のこめかみの汗の滴が、キラリと光りながら、その端正な顔についていた血の跡をゆっくりと洗い流す•••目を伏せ唇を噛み、銀髪が彼の顔を深く覆う•••でもッ••••••何だか様子がおかしい•••王子に一時的に分けてもらった私の中の『力』も急速に消滅している••••!?•••まさかっ•••?
男はギロリッと血走った目で王子を睨むと、口の端を不自然に引き上げ頬を引き攣らせた。
「何らかの能力を持っててもムダだ。その鎖は•••『封じる』•••からな•••」
!?•••やっぱり•••!! •••でも•••例え『力』が封じられた状態だとしても、鎖でがんじがらめにされただけにしては、王子のあの呻き声は尋常ではない•••• 王子は、腕も足も全身を拘束されたまま、時折、痛みに耐えかねるのか歯がギシリッと音を立てながら荒い息を吐き出す•••
ミシッミシッ
「•••ッ•••グハッッ•••ヴッ•••ハァッ•••ハァッ••••グハッッッ•••••」
!?
突如、王子が地面をのたうち回りながら唸り声を漏らしたかと思うと、無機質な黒い石畳の上に、真っ赤な血の塊が落ちた•••
鎖が•••鎖がまるで蛇のようにその拘束を強めエドゥアルト王子の身体を這うように締めつけている•••
「俺はな、テメェみてえな、おキレイな顔の野郎見ると反吐が出るんだ。いつまで保つかな?」
ボサボサの赤髪から覗く整った顔が狂気に染まったように歪になり、この場にそぐわない笑い声が響く•••
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男の視線に背筋が凍るように戦慄する。ショーンが震える手で強く私の服を掴む。男に自分の裸を見られたわけでもないのに、不躾な視線と言葉に、とめどもない嫌悪感と、そして言いようのない恐怖が湧き上がる•••
エドゥアルト王子を締めつけている鎖が、ギシギシと嫌な音を立てて彼の身体の奥深く、肉片に喰い込んでいく•••銀髪の髪まで血で染まり、血管が断ち切られるほどになりながらも、王子は怒りをたぎらせるように男を睨んだ。「こ•••い•••ッ••••に•••ッ••••何••••を•••し••••••た••••ッガァアッ•••••••ハァッ•••••ハァッ••••••••」
男は肉切包丁のような刃先の尖ったノコギリを取り出し、王子に向かい振り上げる。「テメェ、生意気だ。まずはその口にぶっ刺•••••! 」
ドスンッ
「ッあああァアぁあああああああああああああああ!!」
男が刃物を落とし、大爆弾でも喰らったかのような悲鳴を上げる•••!! 一瞬の隙をついて、エドゥアルト王子が、全身で男を壁に叩きつけるように体当たりをしていた•••! あまりの不意打ちと衝撃に、男はしばらく立ち上がれずにいた••••。
王子のどこにまだそんな力が残っていたのか、全身から凄まじいまでの殺気を放ち、相手を威嚇する。オッドアイではない•••王子の瞳は銀色に燃えてるかのように荒々しく、そばにいるだけで全身の皮膚が逆立つような気迫を滲ませた。「お•••前•••ッ•••ぜっ•••たい••••許•••さ••••ぬ•••ッ••••••ッグガァッッ••••ゴホッ••••ゴホッ••••••。」血にまみれているからこそ余計に際立つ美貌が、今はただただ冷たく並大抵ではない迫力で相手を圧倒する•••
先ほどの王子の攻撃で吹き飛ばされた時に、足を痛めたのだろう。片足をブラブラさせながら立ち上がった男は、憤怒に我を忘れたように激昂し、「テメェを肉片にしてやる。」と、乱れた赤髪からギラついた目で王子を睨む••••
カツンッ
突然、誰かの靴音が響いた•••。
「言いたいことはそれだけか?」
凄惨な現場に、似つかわしくない低く底冷えのする声が割って入る••••。
!?•••••カイル•••!? 灯を反射し透き通った金色に変わったこげ茶色の髪の垣間からは、アンバー色に輝く瞳がはっきりと怒りを映しだしていた。
「言いたいことはそれだけ、みたいだよねえ•••。エドゥ、遅くなって済まなかった。」
!?•••••フェンリルッ•••!? 口元には笑みが浮かんでいるが、ターコイズブルーの瞳は冷たく男を見据え据わっている•••。
••••!?••••あの人たちはどこへ•••••??? あれほど2人を足止めしていた人質の女性や子どもたちの姿が見えない•••! そういえば、先ほどからブンブンと音を出しグルグル回っていたフェンリルの羽飾りが今はその動きを完全に止めている•••
スッと伸びた身体に纏った神官の薄い衣を、フェンリルが優雅に手を動かしながらパタパタと動かす。
「『まやかし』を装った『カガミ』を祓うのに思ったより時間がかかってしまってね。」
カイルは右手に持つナイフをカランっと床に落としたかと思うと、両手で青の剣を構え直した。
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