忌み子と呼ばれた鬼が愛されるまで

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ここは紅緋の里 ___ 鬼達の住処


そして俺は 鬼灯 紅蓮葉
この紅緋の里を治める鬼灯家の嫡男だ

鬼灯家は数万年も前からこの里を治めているここら一帯でかなり有名な家系らしい
そんな由緒ある素晴らしい家系の嫡男として生まれた俺は、恵まれた暮らしと能力を持っている…きっとこの里に住んでいない奴らはそう思うのだろう

だけど、現実はそんな甘いものじゃない



俺は、、、、

俺は、、、、、、



この世に生まれて来た時から【 忌み子 】として周りの奴ら皆から指を刺されて、笑われて、そして疎ましがられて育ってきた


貴族家庭に生まれたから恵まれてる?そんな訳ねぇだろ


里の他の家の奴ら、家臣、使用人みんなが皆俺を疎んだ

2本角の家系なのに1本角で生まれ、赤い炎の妖力を使うはずの家系で黒い炎を使う。そんな俺は『 不吉な世の災い 』なんだ、と

小さい頃から罵詈雑言を浴びせられ、時には同い年くらいの鬼から嫌がらせをされた

唯一優しくしてくれていた使用人の老婆も、結局は我が家の当主…俺の父に媚びを売り、成り上がりたいだけ
父がいる時は優しく、いなくなれば他の使用人たちと同じ…偽りの優しさだった



俺は物心ついてすぐ、人間界で言う『 人間不信 』ならぬ『 鬼不信 』になった



誰も信用してはいけない___

信用してもどうせ裏切られる___



こんな気持ちだけが年々膨らみ、気づけば誰に対しても冷たい、出来損ないの王子『 出来損ないの無情な鬼 』そんな風に呼ばれるようになっていた


まぁ、救いがあるとすれば、
俺の家族、そして家臣として代々仕えている蛇穴家の次男『 蛇穴 蒼 』だけは俺の事を大切に思ってくれているということだけ

この事実だけが俺の唯一の心の支えになっている


家族に大切にされているのに何故使用人やら家臣やらに嫌がらせ・無視をされているのか…
それは、先程の老婆の様に親の前でだけ態度を変えて気付かれないようにしたり、忌み子の俺に近づくことすら嫌う奴が沢山いたりするからだ

ガキの頃は、父さんと母さんに嫌がらせの事を伝えて使用人や家臣に厳しく注意してから入れ替えてもらったり、時には辞めさせたりして貰った


けど、それをしてから使用人や家臣達からの当たりがより一層強まった


「 こんな出来損ないに仕えてやっているのに 」

「 あの忌み子のせいでまた1人辞めていった、本当に生きてるだけで迷惑だわ 」

「 紅郎様も葉月様もこんな息子が居てきっとお困りのはずよ 」







「 生まれて来なければよかったのに 」







俺が一体何をした____


お前達に1度でも災いが訪れたか?


お前達に俺が1度でも迷惑をかけたか?


1本角で生まれただけだろう…


炎の色が黒いだけだろう…






あぁ、なるほど……
あいつらにとって俺は、存在自体が忌むべき対象なんだ


そう思い込むようになってからは、父さんや母さんに迷惑をかけないよう何をされても言わなくなった






生まれてきた俺が…全て悪いんだ_____








……でも最近、昔程嫌がらせはされなくなったし、人の入れ替えも増えた気がする、両親に俺が言った訳でもない、何故だろう…

まぁ、そんなこと知ったことじゃねぇけど____

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「 ………様、……葉様、紅蓮葉様 」





▶︎ 続く
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