忌み子と呼ばれた鬼が愛されるまで

文字の大きさ
4 / 5
本編

参 前編( 蒼目線 )

しおりを挟む
‘’ 私は蛇穴蒼
鬼灯家の嫡男、紅蓮葉様の幼なじみであり側近です。私には家族が3人いますが、父母兄全員嫌いです。紅蓮葉様がと呼ばれていることは皆さんご存知でしょう。まぁ、私は忌み子等とは思いませんが…寧ろ紅蓮葉様が居てくれないと困ります。ですが、私の父は紅蓮葉様がだからと言う最低な理由で、私を利用して不当に利益を得ている。
『 誰も仕えようとしない不吉な忌み子に息子を仕えさせてあげている優しい父親 』
そんな意味のわからない名目で紅蓮葉様のお父上の紅郎様から金銭を受け取っているのです。私は紅郎様に金など渡さなくても大丈夫だと言ったのですが紅郎様は_____


「 私がお金を渡しているのは紅蓮葉が忌み子だからではない、寧ろ私と葉月にとって紅蓮葉は大切な宝物なんだ。だからこそ、紅蓮葉が小さい頃からお世話になっている蒼くん、君への感謝の気持ちとして払っているんだよ 」

「 だったらより一層払わなくても構いません、私は家族の事を家族だとは思っていません…それに私の方こそ紅蓮葉様にはお世話になっているんです 」

「 蒼君が御家族の事をどう思っているのかは、勝手だがわかっているつもりだ。それに紅蓮葉の事を悪くいうのは許せない。だけどね、紅蓮葉は君のことが本当に大切で、蛇穴の夫婦が居てくれなければ蒼君は生まれてこなかった。紅蓮葉に出会う事は無かったんだよ。この事実だけは変えられない、私達はただこの事実に感謝しているんだ 」


紅郎様はこうおっしゃったのです。
私は自分の親があんな2人だとは今でも信じたくありません_____




っと…すみません…軽く説明するつもりが長くなってしまいました…

では、本編へどうぞ↓↓↓


ーーーーーーーーーーーーーーー


「 ふぅ…すっきりした、、お世話係でも無いのにわざわざありがとうな、あお 」
「 いえ、私は紅蓮葉様の側近ですし、好きでやっていることですから 」
「 ほんっとお前は物好きだなぁ…、、 」
「 そうですか? 」
「 あぁ、物凄くな… 」

戦場から帰り、紅蓮葉は瘴気が染み込んだ服を脱ぎ、蒼特製の浄化水で体を洗った。魔物の瘴気は、例え鬼の強靭な身体を持ってしても後遺症が残る可能性が高いものだ
紅蓮葉は直ぐに魔物を倒した為、さほど侵されては居なかったが念の為…と蒼が用意してくれたのだ
蒼は水の妖力が使え、水を操る事はもちろん、この様に水の性質を変化させ、治癒効果のある水にする事も可能だ

‘’ 私は紅蓮葉様の入浴の手伝いを一通り終え、紅蓮葉様の髪の毛を手入れしていた ”

‘’ 紅蓮葉様は私の事を物好きな奴だと言った。恐らくの自分を世話することが好きだなんて…という意味で言ったのだろう。だが私は本当に好きでやっていることなのだ。私にとって紅蓮葉様は世界で一番大切な御方、そんな方の世話ができる・傍に居られる、これ以上の幸福はないと言っても過言では無い。紅蓮葉様は少し照れくさそうにする一方、先程の出来事( 弐話参照 )の事もあり、切なげなお顔をしながらも ふっ と笑った ”


「 ………なぁ、あお 」
「 なんでしょう? 」
「 ……今から…ってだめか…? 」
「 今から…ふむ、、 」
「 だ、だめなら…無理はしなくていいから…!! 」
「 いえ、大丈夫ですよ。ただ…要務を1つだけ終わらせて参りますので暫しお待ち頂けますか? 」
「 そうか…!!ん、わかった…なるべく早く帰ってこいよ…? 」


「 はい、待っていてくださいね? 」


髪の手入れが終わると、紅蓮葉が蒼の方を少し熱を帯びた目でチラリと見て「 今からはダメか? 」と聞いた。蒼は本日分の仕事で残っている事は無いかを考えた。その様子を見た紅蓮葉が慌てて 無理はしなくていい と付け加えた

‘’ 私は残っている仕事は残り1つだった為、ふっと微笑みその旨を伝えた。そう伝えた時の紅蓮葉様の表情がとてつもなく可愛かった。パァッと顔が明るくなり、美しいトパーズ色の目を輝かせ私を見た。正直要務を放り出してでもここに居たかったが、要務は私の仕事の中でも特に大切なものだった為、今にも暴走しそうなこの理性をぐっと抑え、我慢した ”

蒼は紅蓮葉の肩に軽く手を乗せ、紅蓮葉の耳元で 待っていて欲しい と言った
蒼のあまりに妖艶な声に紅蓮葉は体をビクッとさせ、顔を真っ赤にした
そんな状況を楽しむかのように蒼は微笑しながら紅蓮葉の部屋を後にした。













蒼は紅蓮葉の部屋を出て、一番最初に厨房に向かった

「 失礼します。本日の報告をよろしくお願いします 」
「 蒼様…!お疲れ様です。本日も特に調理内容に問題はありませんでした。ですが、仕入れに関しましては、魔物の出現があった為 一部の食材を仕入れることが出来ておりません。 」

そう、蒼の要務とは各部署に赴き報告を受けること。そして何か問題があれば対処することなのである

厨房を担当している料理長が、蒼に報告を済ませると蒼は少し考え込み…


「 恐らく残っている瘴気が原因で近づけず、運ぶのが遅れているのでしょう。浄化班と魔物処理班に増員し、少しでも早く届けてもらえるよう手配しておきます 」
「 ……!!ありがとうございます、助かります…!! 」
「 いえいえ。あ、そうでした。本日の紅蓮葉様のお食事は少量にして、遅めの時間に作って貰えますか? 」
「 は、はい!可能ですが…、、紅蓮葉様はご体調が優れないのでしょうか…?魔物と戦ったと聞いておりますし、瘴気に当てられ体調を崩しておられるなら喉を通りやすいあっさりめの物をお作り致しましょうか? 」
「 いえ、体調は問題ないので大丈夫ですよ。ただ、様で、食べる時間が遅くなると思いますので… 」
「 なるほど、分かりました。お食事は作っていつもの場所に置いておきますので 」
「 はい、よろしくお願いします 」

この里には紅蓮葉の事を忌み嫌っている者が大半だが、この料理長の様にとは思わず気遣ってくれる者もいる。だが、厨房を担当している事もあり、紅蓮葉とはほとんど顔を合わせる機会がないのである…



後編へ続く▶︎

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

処理中です...