忌み子と呼ばれた鬼が愛されるまで

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本編

参 後編( 蒼目線 )※グロ注意

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蒼は次々に各部署を周り、最後に兵士達の所へやって来た


「 失礼します。本日の報告をお願いします 」
「 蒼様。はい、本日は知っての通り、魔物が現れ全兵士の約4分の1がやられました。以前よりも魔物達の強さが格段に上がっており、かなりの痛手を被る事になりました。」
「 4分の1…かなりの数がやられたようですね。魔物は年々強さが増していると同時に、瘴気の濃さも増しています。これまでよりも一層厳しい訓練をする必要があるでしょう。ただ、数日間はしっかりと休んでください。浄化水で瘴気を消すとは言えど、戦いによって得た疲労は取れませんから 」
「 はい、そうさせて頂きます 」

‘’ 隊長から報告を受けた私は、予想を超える被害に衝撃を受けた。里の兵士達は決して弱くない。里の中でも腕の立つ者達ばかりが入隊しているからだ。そんな兵士達の内4分の1がこの戦いで欠けてしまった。
近年魔物は恐るべき勢いで強くなっている…理由は分からない。とにかく今は安静が大事だと隊長には伝え、後日治癒の妖力が使える鬼を派遣する事にした ”


「 ……ところで 」
「 はい、如何致しましたか? 」
「 ここに紅蓮葉様の兵士…紺色の目で、髪は深緑、身長は高めの槍を使う男兵士はいますか? 」

蒼が尋ねている鬼は
戦場に居た、紅蓮葉仕えの兵士でありながら紅蓮葉を無視した鬼である

「 は、はい。あの鬼のことでしょうか? 」

隊長が指さした先には紅蓮葉を無視した鬼がいた

「 あぁ、彼で間違いありません。ありがとうございます。」

蒼は隊長に微笑みながらお礼を言い、その兵士の元へ向かった____








「 ……( なんだ……あの恐ろしいくらい冷たい笑顔は…蒼様は普段凄く丁寧で優しくて温厚な方だ…理由は分からないが今は近づかない方が良さそうだな… )」








「 すみません、少し良いですか? 」
「 え、俺ですか? 」
「 はい、貴方です 」

蒼が呼びかけると男は少しびっくりした様に蒼の方へ顔を向けた


「 お、俺に何か用ですか…? 」

‘’ 男は私の事を微塵も覚えていないようだった ”
( 紅蓮葉様の事をあれだけ盛大に無視をしておいて、隣に居た私も覚えていない…良いご身分ですね )

「 はい、ここではなんですのであちらに行きましょうか 」
「 は、はぁ… 」

男は反抗すること無く素直に蒼に着いて行った
無理もない。蒼は紅蓮葉の側近でありながら、鬼灯家の使用人・兵士全員の統率役も担っている。鬼灯家…否、里で知らぬ者は居ないだろう。














蒼とその兵士は訓練所を離れ、訓練所の裏にある薄暗い場所へとやって来た


「 あ、あの…あんた…蛇穴様ですよね…? 」
「 そうですが、何か? 」
「 いや…あんたみたいな高い地位の方が俺みたいな兵士に何の用かなって… 」
「 ……分かりませんか? 」
「 え……? 」

‘’ 男は何故私が自分を訪ねてきたのか分からない様子だった ”

「 私は統率役である前に、紅蓮葉様の側近です 」
「 はぁ…存じていますが… 」
「 では何故私が訪ねてきたかお分かりですよね? 」
「 ……??っ………、、い…いや、、えっと…何故なのかさっぱり…はは… 」

男は何故蒼が来たのかが分かった様子であった。しかし、あろう事か自分は何も知らないとすっとぼけ始めたのだ


「 ………な 」
「 は…はい……?っ、、、!?!? 」

兵士が蒼に目を向けようとした瞬間…
兵士の体が宙に浮いた____


「 お前ごときが紅蓮葉様を侮辱するな、生きる価値もないこのクズが 」
「 この状況でとぼけるなんて良い度胸してるなぁ?どの道殺そうと思ってたけど、殺し方を変えるか… 」

蒼は兵士の胸倉を掴み、壁に押し付けていた
そして、ツァボライト色の瞳が冷たく兵士を睨みつけた


「 なにすっ…ゲホッ…は、離せ…よ…てかあんた…んだよその口調っ… 」
「 口調?あぁ…普段は出さないようにしてるんだがな。腸が煮えくり返りそうな位腹が立ったから出ちまったよ 」
「 っ……、、、」
「 まぁ、別に知られて困ることは無いから安心しろよ 」




「 お前、どうせ今から死ぬんだからさ 」




蒼は笑っていた
凍てつく様な冷たい笑顔で_____



「 なっ…… 」
「 どう死にたい?本当は心臓一刺しで良いかなって思ってたんだけどさ、お前があまりにも馬鹿で反省なしにとぼけるから、気が変わったんだよ 」
「 まず指でも折っとくか?その後腕…足…で最後に腹部刺して失血死…  」

蒼は今までの温厚な性格からは考えられないほど惨いことを言い始めた
その目に光はなく、あるのは憎悪だけだった


「 や…やめろ…ゲホッ…わ、悪かった…から…!殺さな…ゴボッ… 」
「 誰が話して良いって言ったよ 」

蒼がパチンッと指を鳴らすと、水の塊が出現し、男の顔を覆い尽くした
男は水を飲み込んでしまったらしく苦しそうにもがいていた……
再び蒼が指を鳴らすと水は跡形もなく消え去った


「 他の鬼は来ねぇとおもうけど、来たら困るからさっさとやるか… 」
「 ゲホッ…ゲホゲホッ…ヒュー…ヒュー… 」

男は水を大量に飲み込んだ影響で、呼吸するのに精一杯…といった感じだった
だが、蒼はそんなことは全く気にしていない様子で、男のゴツゴツした指を持った



そして______



ボキッ



「 ガァァァッ…い゛いだ…アァァァ゛!!!! 」
「 喚くな…脳に響く 」
「 アァ゛…指…指が…やめろ、、やめて、、誰か…!!!助けてく… 」



ボキッ



「 アァァァァッ゛゛… !!!!! い゛だい゛!!!も゛やめ゛…、、グァッ… 」



蒼の細く綺麗な指は力がないように見えたが、男の指を確実に1本ずつ、折っていった______


そして、指に続き足も全て折り、男はあまりの痛みに叫び続けた

そして手足の骨を全て折り終わり、男が生気のない目でボソッと呟いた


「 なんで…こんなに叫んでんのに誰も来ねぇんだよ……、、 」
「 そりゃ、私の妖力でお前の死ぬほどうるさい声を外に聞こえない様にしてるからな 」
「 ……んなことも出来るのかよ…もういい…殺してくれよ…、、手も足も痛みで感覚が無くなってきた、、、もう十分だろ、、、なぁ、、、 」

蒼は男を拷問する際、予めここら一帯に水の幕を張っていたのだ
水は音を吸収し、外に伝わらないように出来る。男が何度助けを呼んでも、叫んでも誰も来なかったのはこれが原因である

男はもう殺してくれと蒼に頼んだ
手足の骨は全て折られ、叫ぶ度に うるさい黙れ と水の塊で顔を覆われた
こんな苦しくて痛い思いをするなら早く息の根をとめてくれと…そう男は力ない声で願った


「 そうだな、あぁ、最後に…紅蓮葉様に対する謝罪位は述べてもらおうか? 」
「 は……?なんであんな忌みg… 」


ドカッ


男はここまでされても尚、紅蓮葉に対する申し訳なさは感じていないようだった

蒼に鳩尾を蹴られ、男は血を吐いた


「 お前…本当のバカなんだな、もう良い、今すぐ殺す 」

蒼の顔にはもう、笑みは浮かんでいない
話す声は凄く落ち着いていたが、目は血走り、血管ははち切れそうな程浮かび上がっていた


「 ゲホッ……はっ…あんた狂ってるよ…ゲホゲホッ…たかが鬼灯の息子1人を無視したくらいで赤の他人のあんたがここまで怒るか…?あんた本気でやばいよ、、ゲホッ…こんなこと紅蓮葉様に知られたらあんた、嫌われて終わるだろうよ… 」

男は血を何度も吐きながらも、最後の最後まで紅蓮葉と蒼を貶した


男がその言葉を放った瞬間____男の首が空に舞った


ゴトッ…と鈍い音がした
男の首は地面に転がっていた




「 ……んな事は…私が1番分かってますよ、、 」




蒼は男の胸ぐらから手を離し、今にも消え入りそうな声で呟いた




「 ……白禄、片付けて構いませんよ 」




白禄( しろく )そう蒼が名前を呼び命じると
蒼の着物の中から白く美しい蛇が現れ、男の死体の所へ向かった


そして、男の死体・血を食べ、飲み始めた



「 ……こんなことが紅蓮葉様に知られたら嫌われる…か……、、そうでしょうね…紅蓮葉様はお優しい御方。どんなに酷い扱いをされても、決して仕返しをしたり嫌味を言ったりしない 」


「 ……だからこそ私がやらなければ…、紅蓮葉様を蔑ろにした奴等を皆…殲滅しなければ、この世から消し去ってしまわなければ…気が済まない 」


「 例え里の者が全員居なくなったとしても、紅蓮葉様には私が…私だけがいれば良いのです、、紅蓮葉様が必要とするのは私だけで良い…私が居なければ生きていけないようになっても良い… 」











「 愛しています、紅蓮葉様___ 」











そう言って蒼は空を見上げた


そして、死体処理が終わった白禄を呼び戻し、血を洗って紅蓮葉の部屋へと向かった____






続く▶︎
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