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第5層 空腹感
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ギルド会館の扉に手をかけ、外の世界へ歩みを進めた。
外の景色は、400階層の景色とは全く異なるものだった。
青色の化粧を忘れた灰色の壁と天井が、俺の世界を囲っている。
ギルド会館の上空に吊るされた光玉は、満足に輝けているとお世辞にも言えない。
まだ昼時のはずだが薄暗く、陰鬱な雰囲気が辺り一面に漂っていた。
それと狭苦しい。
俺の住んでいた400階層は、馬車を使っても世界の端から端まで数十時間は掛かるが、ここは1時間もかからなそうな狭さだ。
そしてギルド会館を取り囲むように、灰色の四角く簡素な建物が並んでいて、それが灰色の壁までつ続いている。
それが余計にこの世界の狭苦しさに拍車をかけているようにも感じた。
ここが第1階層……、遥昔は、多くの人類が希望を抱いて訪れたこの場所。今では"ゴミ捨て場"と言われている。
もちろん捨てられるのは"物"ではなく"人"だ。
才能のない、人類にとても貢献できないようなゴミが、ここに自然と集まる。
そして俺もその烙印を……。
立ちくらみに襲われ、身体がぐらつく。
いかんいかん!ネガティブになるなエルドレ!
まだ登れないと決まった訳では無い。
まずはメシを食う、そして考える。絶対に諦めない。
決意を固める俺の背中から、ひょっこり顔を出すオセロは、俺達の進行方向を指さした。
「あのめちゃくちゃデカい扉ってなんですか?」
その指先には、高さ50mはありそうな巨大な扉が、灰色の壁に埋め込まれている。
「あれは外の世界への出口だよ。羨望の扉ていうんだ。あの扉から人類は、この塔、オリンポスに入ったんだよ。というかお前、神器だろ? こういう塔の歴史とかに詳しそうだけど知らないのか?」
神器は、神の祝福。元をたどれば神様の所有物だ。
神の塔のことを、色々と話してもらっていそうだが……。
「私、歴史はあまり興味ない系女子なんで。こう見えて理系なんで! 九九とか大得意なんで! 5×6=32!!!ほらね?」
ドヤ顔で控えめな胸を張るオセロ。
ツッコミどころの乱立に、呆れて声も出ない。
声の代わりに、ため息を出しながら歩き始めた。
とりあえずあの扉を目指しながら、飯屋を捜すとするか。
というかこの灰色の世界に、飯屋なんてあるのだろうか……。
しばらく羨望の扉を目指し、立ち並ぶ四角い家に挟まれるように存在した大通りを進んでいた。
それにしても静かすぎる。
人がいない訳では無い。
道を辿っている最中も、何人かすれ違った。
だがどの人も、ガリガリにやせ細りボロ布を纏い、死んだ目をしていた。
時々、人のものとは思えないような奇声が、どこからともなく聞こえてくることはあっても、それ以外、人と思える声や、会話は聞こえてこなかった。
俺の靴とオセロのハイヒールが、地面を蹴る音だけが、俺達の耳に届いていた。
「あの~……、ご主人様? 思ったこと言ってもいいですか?」
並んで歩くオセロに、チラリと顔を向ける。
「どうした? 言いたいことが有るなら言ってみろ。もしかしたら俺と同じことを思っていかもしれん」
オセロは口元に拳を当て、わざとらしく軽い咳払いする。
「コホン! では僭越ながら申し上げますと……、ここに食事できる場所なさそうじゃないですか?」
「うん! 俺も思った!」
思わずオセロを指さす。
初めてこいつと心が通ったかもしれない。
「こんな暗くて狭くて埃っぽい人のいなさそうな所に、レストラン構える人います?」
「俺は少なくとも構えないな!」
「それにさっきからすれ違ってる人、全員痩せてるんですよ! もうガリガリですよ!ガリガリ! どういうことか分かります? 食事にありつけてないんですよ!」
「そう考えることもできるな!」
「これならレストラン探すより、餓死者から発生した幽霊探す方が簡単ですよ!」
「コラ! 幽霊とか怖いこというじゃねぇ! そんなもんいるわけねぇだろ!」
だがこいつの言うことは最もだ。
この階層に、飯屋なんてないのかもしれない……。
このまま一生飯にありつけず、ここの住民と同じように痩せていき、最後には……。
俺の鍛え抜かれた無駄にデカい身体は、最高に燃費が悪い。1日5食は食べないと、1日持たない程だ。
餓死するスピードは、常人より明らかに早い。
食事にありつけないかもしれない強迫観念から、空腹感がより強くなるのを感じる。
ま、負けるなエルドレ!考えるんだ!思考を巡らせろ!
残り少ない糖分を頭にまわす。
すると、刹那!俺の頭に閃光が走る。
そうだリュクサック!確かばあちゃんが用意してくれたはずだ。
学校に通っていた時と同じように用意してくれたなら、間食と昼食の2食をカバンの中に入れてくれているかもしれない!
それを数日に分けてやりくりすれば、当分はもつ!
そのうちに10階層まで登れれば!
「オセロ! 俺のリュクサックを探ってくれ! もしかしたら弁当が入っている可能性が……」
勢いよく振り返る俺の視線には、正座し、太ももの上に弁当を乗せながら、ハムスターばりに頬をメシで膨らませるオセロがいた。
「何食ってんだテメェは!?!?」
「うめ……うめ……」
「質問に答えろぉ!!」
頬に詰め込まれたいっぱいのメシを飲み込み終えたオセロは、満足そうに口を開いた。
「100点満点中……100点です」
「点数なんて聞いてねぇんだわ」
「え!? あ!弁当の内容ですか? えっとですね、ホクホクの白米とぉ、表面がカリカリに焼きあがった唐揚げおとぉ……」
「それ以上喋るんじゃねぇ! 余計に腹が減るわ!」
なんなんだこいつは、先回りするように俺の希望を砕きやがる!
全身の血管がピリピリと痛むような怒りを、深呼吸で落ち着かせていく。
落ち着くんだエルドレ!この訳の分からん神器に、怒りのカロリーを消費することすら、致命傷に繋がるかもしれないんだぞ!
クールたれエルドレ!
まだ飯屋が無いと決まったわけじゃない。
ある可能性が低いだけだ!無いわけじゃない……はず。
肺いっぱいに新鮮な空気を取り込み、憤りを二酸化炭素と共に吐き出していく。
そうだ落ち着くんだ。
もう一度、鼻から吸い込み口から……ちょっとまてなんだこの匂いは。
肉の焼けるような香ばしい香りが、俺の鼻腔をくすぐった。
間違いない!何処からかメシの香りが漂ってきている!
幻臭の可能性があるので、後ろで弁当を片付けているオセロに確認する。
「おい!食べ物の香りがしないか?」
「何言ってるんですかご主人様? ご飯ならさっき食べたでしょ♪」
「お前だけな!」
疑いを残した顔をしたまま、仕方ないですねぇ、とかぼやきながらも、オセロはスンスンと鼻を鳴らす。
「あれ!? 確かにお肉の焼けるいい匂いが……ってあれ! あれ見てくださいよ! 煙が立ってますよ」
オセロの指す方向を見てみると、灰色の壁で分かりにくいが、微かに煙が揺らめいているのが見える。
「ホントだ! こうしちゃいられない! 行くぞオセロ!」
駆け出す俺に、片付けを終えていないオセロは、慌てて残りの物を詰め込むと、リュクサックを揺らしながら後を追ってくる。
「人の死体焼いてます、とかいうオチじゃないといいですけどね♪」
「物騒なこと言うんじゃない!」
薄暗い光玉に見守られる中、俺達は煙の元へ向かった。
外の景色は、400階層の景色とは全く異なるものだった。
青色の化粧を忘れた灰色の壁と天井が、俺の世界を囲っている。
ギルド会館の上空に吊るされた光玉は、満足に輝けているとお世辞にも言えない。
まだ昼時のはずだが薄暗く、陰鬱な雰囲気が辺り一面に漂っていた。
それと狭苦しい。
俺の住んでいた400階層は、馬車を使っても世界の端から端まで数十時間は掛かるが、ここは1時間もかからなそうな狭さだ。
そしてギルド会館を取り囲むように、灰色の四角く簡素な建物が並んでいて、それが灰色の壁までつ続いている。
それが余計にこの世界の狭苦しさに拍車をかけているようにも感じた。
ここが第1階層……、遥昔は、多くの人類が希望を抱いて訪れたこの場所。今では"ゴミ捨て場"と言われている。
もちろん捨てられるのは"物"ではなく"人"だ。
才能のない、人類にとても貢献できないようなゴミが、ここに自然と集まる。
そして俺もその烙印を……。
立ちくらみに襲われ、身体がぐらつく。
いかんいかん!ネガティブになるなエルドレ!
まだ登れないと決まった訳では無い。
まずはメシを食う、そして考える。絶対に諦めない。
決意を固める俺の背中から、ひょっこり顔を出すオセロは、俺達の進行方向を指さした。
「あのめちゃくちゃデカい扉ってなんですか?」
その指先には、高さ50mはありそうな巨大な扉が、灰色の壁に埋め込まれている。
「あれは外の世界への出口だよ。羨望の扉ていうんだ。あの扉から人類は、この塔、オリンポスに入ったんだよ。というかお前、神器だろ? こういう塔の歴史とかに詳しそうだけど知らないのか?」
神器は、神の祝福。元をたどれば神様の所有物だ。
神の塔のことを、色々と話してもらっていそうだが……。
「私、歴史はあまり興味ない系女子なんで。こう見えて理系なんで! 九九とか大得意なんで! 5×6=32!!!ほらね?」
ドヤ顔で控えめな胸を張るオセロ。
ツッコミどころの乱立に、呆れて声も出ない。
声の代わりに、ため息を出しながら歩き始めた。
とりあえずあの扉を目指しながら、飯屋を捜すとするか。
というかこの灰色の世界に、飯屋なんてあるのだろうか……。
しばらく羨望の扉を目指し、立ち並ぶ四角い家に挟まれるように存在した大通りを進んでいた。
それにしても静かすぎる。
人がいない訳では無い。
道を辿っている最中も、何人かすれ違った。
だがどの人も、ガリガリにやせ細りボロ布を纏い、死んだ目をしていた。
時々、人のものとは思えないような奇声が、どこからともなく聞こえてくることはあっても、それ以外、人と思える声や、会話は聞こえてこなかった。
俺の靴とオセロのハイヒールが、地面を蹴る音だけが、俺達の耳に届いていた。
「あの~……、ご主人様? 思ったこと言ってもいいですか?」
並んで歩くオセロに、チラリと顔を向ける。
「どうした? 言いたいことが有るなら言ってみろ。もしかしたら俺と同じことを思っていかもしれん」
オセロは口元に拳を当て、わざとらしく軽い咳払いする。
「コホン! では僭越ながら申し上げますと……、ここに食事できる場所なさそうじゃないですか?」
「うん! 俺も思った!」
思わずオセロを指さす。
初めてこいつと心が通ったかもしれない。
「こんな暗くて狭くて埃っぽい人のいなさそうな所に、レストラン構える人います?」
「俺は少なくとも構えないな!」
「それにさっきからすれ違ってる人、全員痩せてるんですよ! もうガリガリですよ!ガリガリ! どういうことか分かります? 食事にありつけてないんですよ!」
「そう考えることもできるな!」
「これならレストラン探すより、餓死者から発生した幽霊探す方が簡単ですよ!」
「コラ! 幽霊とか怖いこというじゃねぇ! そんなもんいるわけねぇだろ!」
だがこいつの言うことは最もだ。
この階層に、飯屋なんてないのかもしれない……。
このまま一生飯にありつけず、ここの住民と同じように痩せていき、最後には……。
俺の鍛え抜かれた無駄にデカい身体は、最高に燃費が悪い。1日5食は食べないと、1日持たない程だ。
餓死するスピードは、常人より明らかに早い。
食事にありつけないかもしれない強迫観念から、空腹感がより強くなるのを感じる。
ま、負けるなエルドレ!考えるんだ!思考を巡らせろ!
残り少ない糖分を頭にまわす。
すると、刹那!俺の頭に閃光が走る。
そうだリュクサック!確かばあちゃんが用意してくれたはずだ。
学校に通っていた時と同じように用意してくれたなら、間食と昼食の2食をカバンの中に入れてくれているかもしれない!
それを数日に分けてやりくりすれば、当分はもつ!
そのうちに10階層まで登れれば!
「オセロ! 俺のリュクサックを探ってくれ! もしかしたら弁当が入っている可能性が……」
勢いよく振り返る俺の視線には、正座し、太ももの上に弁当を乗せながら、ハムスターばりに頬をメシで膨らませるオセロがいた。
「何食ってんだテメェは!?!?」
「うめ……うめ……」
「質問に答えろぉ!!」
頬に詰め込まれたいっぱいのメシを飲み込み終えたオセロは、満足そうに口を開いた。
「100点満点中……100点です」
「点数なんて聞いてねぇんだわ」
「え!? あ!弁当の内容ですか? えっとですね、ホクホクの白米とぉ、表面がカリカリに焼きあがった唐揚げおとぉ……」
「それ以上喋るんじゃねぇ! 余計に腹が減るわ!」
なんなんだこいつは、先回りするように俺の希望を砕きやがる!
全身の血管がピリピリと痛むような怒りを、深呼吸で落ち着かせていく。
落ち着くんだエルドレ!この訳の分からん神器に、怒りのカロリーを消費することすら、致命傷に繋がるかもしれないんだぞ!
クールたれエルドレ!
まだ飯屋が無いと決まったわけじゃない。
ある可能性が低いだけだ!無いわけじゃない……はず。
肺いっぱいに新鮮な空気を取り込み、憤りを二酸化炭素と共に吐き出していく。
そうだ落ち着くんだ。
もう一度、鼻から吸い込み口から……ちょっとまてなんだこの匂いは。
肉の焼けるような香ばしい香りが、俺の鼻腔をくすぐった。
間違いない!何処からかメシの香りが漂ってきている!
幻臭の可能性があるので、後ろで弁当を片付けているオセロに確認する。
「おい!食べ物の香りがしないか?」
「何言ってるんですかご主人様? ご飯ならさっき食べたでしょ♪」
「お前だけな!」
疑いを残した顔をしたまま、仕方ないですねぇ、とかぼやきながらも、オセロはスンスンと鼻を鳴らす。
「あれ!? 確かにお肉の焼けるいい匂いが……ってあれ! あれ見てくださいよ! 煙が立ってますよ」
オセロの指す方向を見てみると、灰色の壁で分かりにくいが、微かに煙が揺らめいているのが見える。
「ホントだ! こうしちゃいられない! 行くぞオセロ!」
駆け出す俺に、片付けを終えていないオセロは、慌てて残りの物を詰め込むと、リュクサックを揺らしながら後を追ってくる。
「人の死体焼いてます、とかいうオチじゃないといいですけどね♪」
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