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43 シュベルクランの冒険者ギルドへ行こう
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「アオリハ王都の冒険者ギルドアカウントが出来てるわ。眼鏡のギルド長さん、思ったより仕事はやいのね」
まさか異世界でも朝起きてスマホを確認する習慣が続くとは思わなかったけど、ありがたく日常の安心感を味わう。
新しい週が始まった。陽の日の朝食後、パナマ草茶飲みながら、わたし達はリビングで今日の予定を軽く相談する。
「新しくできているアカウントもアオリハの商会関係や冒険者のものがほとんどですね。アオリハの依頼に目ぼしいものは無さそうですよ」
「はーい。おいらは今日工房に納品して代わりの仕事貰いにいくから、ピホくんかミケ子さま貸して下さい」
アオリハまでの移動は流石にキトキト馬車でも日数がかかるので、移動スキル持ちのミケ子かピホ頼りだ。
「ピホ」
しょうがないとピホが返事する。ピホはピホなりに、下僕の面倒をみないとと思っているようだった。
さて、ネコノメに来た初日にタラ山にブッ刺してきたノクレイドラゴンの鱗だが、無事生えているものなのか。シュベルクランの冒険者ギルドに行く前に確認してみた。
結果としてはノクレイは金属なのに根付いて増えた。そして、小さなノクレイドラゴンが生まれていた。
イラさんから、弟ですみたいに紹介された。
「くるっくるるぅ」
上機嫌なイラさんの背後から、ちっさなノクレイドラゴンが、ちょこんと顔を出す。
「ぎゅお!」
うん、可愛い。でも……。
「ごはん……何を食べる……の?」
アイアンリザード牧場必要になったりしない?
イラさんは、タラセタのバケツを出した。そこにムウが乳を注ぐと、イラさんはそこら辺にあるタラセタやノクレイのカケラをポイポイいれて、ぐるぐるかき混ぜる。そうやって出来た謎の液体を、ノクレイドラゴンはバケツに頭を突っ込んで飲みはじめた。
離乳食なん? それはひょっとして離乳食なん?? いやまだ乳状だから離乳食とまではいかないか……?
「よくわからないけど、食事とか諸々心配しなくてよい?」
「くるっきゅう」
なるほど、イラさんが立派なネコノメ第二守護者として鍛え……いや、育て……んんん、やっぱりこの感じは鍛えるって言ってるわ。同僚にスパルタなところもアシャールさんそっくりね。
ピホの代わりに二匹の様子を撮影して、ライトモに投稿しておく。
ネコノメの第二守護者、先輩守護者に育てられてます。っと。
タラ山山中に馬車を置くのは流石に厳しいので、麓に馬車を止めて、キトキトコンビに乗せて貰って来たのよ。それに最近はムウもキトキトコンビに付いて飛べるようになってきた。ミケ子はミケ子のまま変わらぬ、可愛い猫ちゃんである。
「お待たせしました~。シュベルクランのどの冒険者ギルドに行く?」
馬車の中で待っていてくれた、奈々美さんとマリーシェラさんに声をかける。
「すぐ隣のリエンダー領が良いと思いますの。ずっとゼルヴァスヘルベインの影響で、リエンダー領も魔物が多いのですわ。魔物駆除の依頼も多いはずです」
マリーシェラさんは、質素に見えて質の良いブラウスとスカート姿だ。上品に編み込んだ髪をスカートとお揃いのシックな灰青のリボンで縛っている。そして変装のためか、丸眼鏡を付けていた。
「私の名前はそれなりに知られてますので、シュベルクランではリーシェとお呼び下さいませ」
「なるほど。マリーさんでもシェラさんでも元のお名前すぐ思いつきそうだものね。リーシェさんは素敵なお名前だわ」
因みにアシャールさんは神官服だけど、アオリハの白い神官服ではなく、白黒の神官服で、奇跡の真珠の首飾りがよく映える。白黒の神官服は、どこの神殿にも属さない神官が着るものらしい。
奈々美さんも聖女なので、似たデザインの、動きやすい服を着ている。指先には、今朝リガルさんに描いて貰った花が咲いていた。
私もグレーのズボンに、お尻の隠れる灰桜色のチュニックを着てます。もちろん、アシャールさんとお揃いの首飾りもしてますよー。
マリーシェラさんがちょっと困惑して眉を下げた。
「まさかその首飾りを普段からご使用されるとは、思いませんでしたわ。けど……なんだか不思議とそれでも良いかなって気になってる自分がいて怖いです」
「きっと見慣れてきたのよ」
わたしはさらりと流す。
「それにそんな希少な物なら、実物見たことある人も少ないでしょ。きっとうっかり割れて価値の無くなった大きい真珠を、こんな風に飾ってるんだって思ってくれるわよ」
もう、そういう設定にしておこうっと。
リエンダー領の冒険ギルドは、眼鏡のギルド長さんがいたアオリハの冒険者ギルドより小さいけれども、忙しそうだった。職員さんが。
キョロキョロしていると、騎士のような甲冑を着た糸目のお兄さんが近づいて来る。
「こんにちは。冒険者への依頼なら、向こうの窓口で受付てくれるよ」
なんと! 依頼者と勘違いされてしまった。わたし達そんなに冒険者に見えないのかなぁ。
「ええと、わたし達掛け出しの冒険者パーティなんです。この国は初めてで、どんな依頼があるか見に来たんです」
「……それは失礼。私はソロ冒険者のリンデルです」
「パーティ猫の目の香子です。こちらがリーダーのアシャールさん、奈々美さん、そして事務方面担当のリーシェさんです」
「事務? まるで商会みたいだね。大きいパーティを目指してるの?」
「いいえ。でも魔導具の製造とか冒険者以外のことも手掛けているので、ご縁があって事務方面を助けて貰ってます」
リンデルさんは、納得したように頷いた。
「兼業で冒険者というのも珍しいけど、パーティで活動するならそういうのもありかもね。ここの依頼の殆どは魔物の駆除だけど、Eランクの依頼で森林の整備があるよ」
「森林の整備!! アシャールさん、わたしやりたい! あっでもEランクの依頼なのだわ……」
しょぼんとしたわたしを見て、リンデルさんが尋ねた。
「君たちのパーティランクは?」
「Fです。でもわたし自身はまだGなんです。森林整備ならスキルの相性的にわたし一人で受けて、他のメンバーには魔物駆除して貰った方が良いと思うのに……」
わたしがそう呟くと、アシャールさんは掲示板を確認して森林整備の依頼書と、他数枚の依頼書を持って来た。
「こちらが同じ森の中の駆除依頼でしたので、まとめてパーティで引き受けましょう」
「さりげなくAランクの依頼が混ざってますけど、大丈夫ですかアシャールさん」
奈々美さんは慌てたが、アシャールさんはにっこりと笑った。
「ええ、絶対大丈夫です。アンデット系の魔物なので、私と奈々美さんで片付けましょうね。最近こっそりと何か練習していらっしゃいましたよね。実践といきましょう」
奈々美さんは絶句した。わたしとマリーシェラさんも絶句した。アシャールさん、本当によく見ているわ。
そしてわたし達が軽く一礼して依頼書を窓口に持っていく間に、リンデルさんも目ぼしい依頼を見つけたのか、掲示板から依頼書を剥がしていた。
「では、一緒に行きましょうか。猫の目の皆さん」
冒険者ギルドを出ると、リンデルさんがにっこり笑って声をかけてきた。
そしてわたし達に、ひらりと自身の依頼書を見せる。
「ダイツァー森林整備の監督指示役……」
奈々美さんが読み上げてくれた。
「つまり私達が受けた森林整備の依頼現場で、ギルド員に代わって現場で具体的な指示を出す役という事ですね」
「そう。あの森の整備は魔物の駆除をする上でも大事だからね。私は魔族だからスキルは持たないが、魔法を使っても何日も掛かる作業だよ。ギルドとしても監視員はつけたいんだ」
わたしはハッとした。この世界の識字率あんまり意識してなかったけど、グランヒュームやアオリハのお店が、絵の看板ばかりだったのを思うと、平民の識字率は低い方かもしれない……。
冒険者達が掲示板の依頼を単価といくつかの単語で認識して、あとは窓口で説明して貰ってるなら、確かにこういう依頼は現場で指示する人が必要だわ。
わたしはスマホの地図アプリで、ダイツァー森林を確認する。
依頼内容は、出来るところまでで良いから、人が通れるよう整備すること。曖昧な内容だと思ったけど、指導員というか監視員よね、きっとこれ。まあ、そんな人が付くなら、あの曖昧さも納得ね。
ダイツァー森林はかなり広いし丁度ネコノメと隣接している。
「リンデルさん、この領地では、森から材木なんかを伐り出したりしてます?」
「いいや。そもそも魔物の多い森だ。木こりや一般人は危険だから近づかない」
リンデルさんはわたしの手元のスマホを覗き込んだ。
「それが君達が製造してる魔導具かい?」
「そうです。スマホという、多機能通信魔導具です。アオリハでは首都の冒険者ギルドで販売してるみたいですね」
「通信? 今見ているのは地図に見えるが」
「そうですよ。これは地図アプリです。基本的な通信以外に、アプリという形で他の機能も付けています。あ、一緒に行くって言われましたよね、うちは馬車ですけど、リンデルさんの移動手段は?」
「馬だよ」
「その馬、空飛びます?」
「いや、飛ばないね」
「では、わたし達は先に行って始めてますので。とりあえずここからこの小屋のあたりまで、馬車が通れるくらいの道を作って依頼達成でいいですか? それなら今日中に終われる見込みです」
わたしは地図アプリ上で該当箇所を指差した。
「は?」
リンデルさんは驚いた顔をしたけど、糸目は糸目のまま開かなかった。残念。
まさか異世界でも朝起きてスマホを確認する習慣が続くとは思わなかったけど、ありがたく日常の安心感を味わう。
新しい週が始まった。陽の日の朝食後、パナマ草茶飲みながら、わたし達はリビングで今日の予定を軽く相談する。
「新しくできているアカウントもアオリハの商会関係や冒険者のものがほとんどですね。アオリハの依頼に目ぼしいものは無さそうですよ」
「はーい。おいらは今日工房に納品して代わりの仕事貰いにいくから、ピホくんかミケ子さま貸して下さい」
アオリハまでの移動は流石にキトキト馬車でも日数がかかるので、移動スキル持ちのミケ子かピホ頼りだ。
「ピホ」
しょうがないとピホが返事する。ピホはピホなりに、下僕の面倒をみないとと思っているようだった。
さて、ネコノメに来た初日にタラ山にブッ刺してきたノクレイドラゴンの鱗だが、無事生えているものなのか。シュベルクランの冒険者ギルドに行く前に確認してみた。
結果としてはノクレイは金属なのに根付いて増えた。そして、小さなノクレイドラゴンが生まれていた。
イラさんから、弟ですみたいに紹介された。
「くるっくるるぅ」
上機嫌なイラさんの背後から、ちっさなノクレイドラゴンが、ちょこんと顔を出す。
「ぎゅお!」
うん、可愛い。でも……。
「ごはん……何を食べる……の?」
アイアンリザード牧場必要になったりしない?
イラさんは、タラセタのバケツを出した。そこにムウが乳を注ぐと、イラさんはそこら辺にあるタラセタやノクレイのカケラをポイポイいれて、ぐるぐるかき混ぜる。そうやって出来た謎の液体を、ノクレイドラゴンはバケツに頭を突っ込んで飲みはじめた。
離乳食なん? それはひょっとして離乳食なん?? いやまだ乳状だから離乳食とまではいかないか……?
「よくわからないけど、食事とか諸々心配しなくてよい?」
「くるっきゅう」
なるほど、イラさんが立派なネコノメ第二守護者として鍛え……いや、育て……んんん、やっぱりこの感じは鍛えるって言ってるわ。同僚にスパルタなところもアシャールさんそっくりね。
ピホの代わりに二匹の様子を撮影して、ライトモに投稿しておく。
ネコノメの第二守護者、先輩守護者に育てられてます。っと。
タラ山山中に馬車を置くのは流石に厳しいので、麓に馬車を止めて、キトキトコンビに乗せて貰って来たのよ。それに最近はムウもキトキトコンビに付いて飛べるようになってきた。ミケ子はミケ子のまま変わらぬ、可愛い猫ちゃんである。
「お待たせしました~。シュベルクランのどの冒険者ギルドに行く?」
馬車の中で待っていてくれた、奈々美さんとマリーシェラさんに声をかける。
「すぐ隣のリエンダー領が良いと思いますの。ずっとゼルヴァスヘルベインの影響で、リエンダー領も魔物が多いのですわ。魔物駆除の依頼も多いはずです」
マリーシェラさんは、質素に見えて質の良いブラウスとスカート姿だ。上品に編み込んだ髪をスカートとお揃いのシックな灰青のリボンで縛っている。そして変装のためか、丸眼鏡を付けていた。
「私の名前はそれなりに知られてますので、シュベルクランではリーシェとお呼び下さいませ」
「なるほど。マリーさんでもシェラさんでも元のお名前すぐ思いつきそうだものね。リーシェさんは素敵なお名前だわ」
因みにアシャールさんは神官服だけど、アオリハの白い神官服ではなく、白黒の神官服で、奇跡の真珠の首飾りがよく映える。白黒の神官服は、どこの神殿にも属さない神官が着るものらしい。
奈々美さんも聖女なので、似たデザインの、動きやすい服を着ている。指先には、今朝リガルさんに描いて貰った花が咲いていた。
私もグレーのズボンに、お尻の隠れる灰桜色のチュニックを着てます。もちろん、アシャールさんとお揃いの首飾りもしてますよー。
マリーシェラさんがちょっと困惑して眉を下げた。
「まさかその首飾りを普段からご使用されるとは、思いませんでしたわ。けど……なんだか不思議とそれでも良いかなって気になってる自分がいて怖いです」
「きっと見慣れてきたのよ」
わたしはさらりと流す。
「それにそんな希少な物なら、実物見たことある人も少ないでしょ。きっとうっかり割れて価値の無くなった大きい真珠を、こんな風に飾ってるんだって思ってくれるわよ」
もう、そういう設定にしておこうっと。
リエンダー領の冒険ギルドは、眼鏡のギルド長さんがいたアオリハの冒険者ギルドより小さいけれども、忙しそうだった。職員さんが。
キョロキョロしていると、騎士のような甲冑を着た糸目のお兄さんが近づいて来る。
「こんにちは。冒険者への依頼なら、向こうの窓口で受付てくれるよ」
なんと! 依頼者と勘違いされてしまった。わたし達そんなに冒険者に見えないのかなぁ。
「ええと、わたし達掛け出しの冒険者パーティなんです。この国は初めてで、どんな依頼があるか見に来たんです」
「……それは失礼。私はソロ冒険者のリンデルです」
「パーティ猫の目の香子です。こちらがリーダーのアシャールさん、奈々美さん、そして事務方面担当のリーシェさんです」
「事務? まるで商会みたいだね。大きいパーティを目指してるの?」
「いいえ。でも魔導具の製造とか冒険者以外のことも手掛けているので、ご縁があって事務方面を助けて貰ってます」
リンデルさんは、納得したように頷いた。
「兼業で冒険者というのも珍しいけど、パーティで活動するならそういうのもありかもね。ここの依頼の殆どは魔物の駆除だけど、Eランクの依頼で森林の整備があるよ」
「森林の整備!! アシャールさん、わたしやりたい! あっでもEランクの依頼なのだわ……」
しょぼんとしたわたしを見て、リンデルさんが尋ねた。
「君たちのパーティランクは?」
「Fです。でもわたし自身はまだGなんです。森林整備ならスキルの相性的にわたし一人で受けて、他のメンバーには魔物駆除して貰った方が良いと思うのに……」
わたしがそう呟くと、アシャールさんは掲示板を確認して森林整備の依頼書と、他数枚の依頼書を持って来た。
「こちらが同じ森の中の駆除依頼でしたので、まとめてパーティで引き受けましょう」
「さりげなくAランクの依頼が混ざってますけど、大丈夫ですかアシャールさん」
奈々美さんは慌てたが、アシャールさんはにっこりと笑った。
「ええ、絶対大丈夫です。アンデット系の魔物なので、私と奈々美さんで片付けましょうね。最近こっそりと何か練習していらっしゃいましたよね。実践といきましょう」
奈々美さんは絶句した。わたしとマリーシェラさんも絶句した。アシャールさん、本当によく見ているわ。
そしてわたし達が軽く一礼して依頼書を窓口に持っていく間に、リンデルさんも目ぼしい依頼を見つけたのか、掲示板から依頼書を剥がしていた。
「では、一緒に行きましょうか。猫の目の皆さん」
冒険者ギルドを出ると、リンデルさんがにっこり笑って声をかけてきた。
そしてわたし達に、ひらりと自身の依頼書を見せる。
「ダイツァー森林整備の監督指示役……」
奈々美さんが読み上げてくれた。
「つまり私達が受けた森林整備の依頼現場で、ギルド員に代わって現場で具体的な指示を出す役という事ですね」
「そう。あの森の整備は魔物の駆除をする上でも大事だからね。私は魔族だからスキルは持たないが、魔法を使っても何日も掛かる作業だよ。ギルドとしても監視員はつけたいんだ」
わたしはハッとした。この世界の識字率あんまり意識してなかったけど、グランヒュームやアオリハのお店が、絵の看板ばかりだったのを思うと、平民の識字率は低い方かもしれない……。
冒険者達が掲示板の依頼を単価といくつかの単語で認識して、あとは窓口で説明して貰ってるなら、確かにこういう依頼は現場で指示する人が必要だわ。
わたしはスマホの地図アプリで、ダイツァー森林を確認する。
依頼内容は、出来るところまでで良いから、人が通れるよう整備すること。曖昧な内容だと思ったけど、指導員というか監視員よね、きっとこれ。まあ、そんな人が付くなら、あの曖昧さも納得ね。
ダイツァー森林はかなり広いし丁度ネコノメと隣接している。
「リンデルさん、この領地では、森から材木なんかを伐り出したりしてます?」
「いいや。そもそも魔物の多い森だ。木こりや一般人は危険だから近づかない」
リンデルさんはわたしの手元のスマホを覗き込んだ。
「それが君達が製造してる魔導具かい?」
「そうです。スマホという、多機能通信魔導具です。アオリハでは首都の冒険者ギルドで販売してるみたいですね」
「通信? 今見ているのは地図に見えるが」
「そうですよ。これは地図アプリです。基本的な通信以外に、アプリという形で他の機能も付けています。あ、一緒に行くって言われましたよね、うちは馬車ですけど、リンデルさんの移動手段は?」
「馬だよ」
「その馬、空飛びます?」
「いや、飛ばないね」
「では、わたし達は先に行って始めてますので。とりあえずここからこの小屋のあたりまで、馬車が通れるくらいの道を作って依頼達成でいいですか? それなら今日中に終われる見込みです」
わたしは地図アプリ上で該当箇所を指差した。
「は?」
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