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34 顛末 その3
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拓司はひとしきり笑った後、急に真面目な顔して隆志に宣言した。
「俺、寺を継ぐことにした」
大学は辞めて、九月から真道の知人の寺で修行させてもらうのだという。
「へえ、あんなに嫌がってたのに?」
「仕方ないだろう。どこかの馬鹿が寺を建て直せるくらいの金を寄進しやがったんだから。跡継ぎがなくて廃寺というわけにはいかないだろう」
心底嫌そうに言う彼がおかしくて、隆志は軽く笑った。
「何でそんなに寺を継ぐのが嫌だったんだよ」
何だかんだ言っても誠実で面倒見のいい彼には、住職が向いていそうな気がする。
「反発心」
拓司は笑い返さず、簡潔に答えた。
「寺の息子に生まれたからって、勝手に将来まで決めつけられても納得できないじゃないか。この寺は世襲制じゃないんだし」
「え、そうなのか。でも、寺は代々石森家が住職を務めてるって」
「ずっと直系って訳じゃないよ。むしろ直系が何代も続く事の方が稀みたいだ。寺を継ぐのに必要なのは血統ではなくて、法力の強さらしいから」
拓司は法力と言葉を選んだが、それは悪しきものを『祓う』或いは『鎮める』力のことなのだろう。この寺の住職は、昔から世久家の業に巻き込まれる人間を救済する役目を担っていたのかもしれない。
「例え実の子でも、力がなければ他の寺から力のある者を選んで継がせたそうだ。こんな田舎の寺を継ぐためには住職が土地に関係ない赤の他人より、表向きでも前住職の身内と言う方が周りに受け入れられやすいから、養子と言う形でも親子の体裁を取った後、寺を継いだらしい。実際、俺の祖父は血縁に関係ない所から来て、養子で石森姓になった人だからな」
「だとしても、拓司にはその力があるだろう」
「自分で選んだわけでもない場所に一生座らされるなんて堪ったもんじゃない」
そう言って一つため息をつき、
「と、思ってたんだけどな、俺も詩織と似たようなものだよ」
視線を庭へ逸らせた。
「自分で望んだ訳でもないものを突然押し付けられても正面から対峙して、言い訳もせず戦ったお前を見て、すごい奴だと感心したんだよ。俺も少しは見習おうかと思ってさ」
俺が墓守しててやるから、と拓司は呟いた。
「この町を出て行っても……いつかは帰って来いよ」
「そうだね。……大学へ行って」
進学先を東京にしたのは、『世久』の名を誰も知らない所に行きたかったからだった。
「就職して、もしも僕を婿養子にしていいって言ってくれる結婚相手に巡り合えたら、いつか帰るかもしれないな」
自分の子供に『世久』は名乗らせない。自分の代で『世久』は終わりだ。
後悔はない。が、やりきれない様々なことが胸の内に甦る。
「……父さんはどうして世久を継いだんだろう」
拓司に問いかけるつもりではなく、呟いた。
「世久の業が分かっていたんだったら、相続を放棄すればよかったのに」
拓司は黙って庭を見ていた。
「やっぱり金が欲しかったのかな。働かなくても暮らせるのが魅力だったのかな」
独り言のようにこぼす隆志の横で、彼は身動ぎもせず、目を閉じる。
「世久に戻らなければ、僕を殺そうとするほど狂わなかったかもしれないのに」
返事も、相槌もなかった。
「そしたら、母さんは母子家庭で生活に苦労することもなかった。僕のために色んなことに無理をして、寿命を縮めることもなかった」
拓司が沈黙したままだったので、
「世久を継げば、家族も業に巻き込むことも分かってたはずなのに」
隆志は溢れ出すものに歯止めが利かなくなった。
「いつか世久を相続するつもりだったんなら、どうして生涯独身でいなかったんだ! どうして母さんと結婚したんだ! どうして僕を産ませたりしたんだ!」
吐き出した声は、醜くひび割れて掠れた。
「世久の家を本当に終わらせたかったんなら、僕を殺すより先に病気で死ぬんだったら、家は継ぐなと言い残してくれればよかったのに! 僕にも世久の業を背負わせたかったのか! それほど僕を憎んでたのか!」
隆志、と横から柔らかくたしなめるように呼びかける声を無視して、
「父さんなんて――人殺しだったくせに!」
叫んだ隆志の右肩を、
「隆志!」
今度は厳しい声と共に拓司の左手が掴んだ。
荒れ高ぶった感情のまま乱暴に払い除けようとしたが、彼の手は離れなかった。
「和也さんが世久家を継いだのは、贖罪だ」
見返した拓司の目は静かに澄んでいた。
「兄を殺してしまった和也さんは、ずっと罪の意識に苛まれていた。だから、兄が継ぐはずだった家の業を継いで、苦しむことで罪滅ぼしをしようとした。ボランティアで町中に花を植えたのも、兄に対しての手向けだ。兄を埋めた場所へ直接花を供える事は出来ないから、その代わりだったんだ」
「だけど」
反論しようとしたものの、何をどう言えばいいのか分からず言葉に詰まった隆志に、拓司はさらに続けた。
「和也さんだって、初めから世久の業に絡め取られるつもりはなかった。世久の業の禍々しさは十分理解していたけど、家庭の温かさに恵まれず育ったから、ようやく手に入れた自分の家族と別れることはできなかったし、心の支えにしたかった。でも、残念ながら兄を殺した自責の念に負けて、歪んでしまったんだ」
「……僕を殺そうと八年も居所を捜すくらいにね」
しかし拓司は首を振った。
「捜したのは、お前に会いたかったからだよ」
思わず隆志は目を見開く。
拓司はようやく肩を掴んでいた手を放した。
「お前がいなくなった後何年かはそうだったのかもしれない。でも、自分の命が半年と知れてからは、お前に会いたくて捜したんだ。会って、全てを告白して謝りたかった。世久は自分で終わらせたいと、だからお前は家を継ぐなと伝えたかった」
そんな、と口を開きかけた隆志を拓司は目線で止める。
「ただ寿命が足りなかったんだ。会えていたら、謝っていた。家を継ぐなと伝えていた」
「――嘘だ!」
隆志は堪らず叫んだ。
「そんなの嘘だ! 父さんは最期まで僕を殺して死にたかったって」
「お祖母さんがそう聞いたっていうだけだろう? お前が直接和也さんから聞いた訳じゃない」
「でも! 死ぬ間際に言い残したことだぞ!」
「それがどうした」
拓司は冷ややかに言い捨てる。
「俺は死にゆく人間が百パーセント真実を語るなんて信じてない。人間は死ぬまで嘘つきだからな」
「……だけど、嘘をついたっていう証拠はないじゃないか。父さんが世久を継いだ理由にしても、確証のある話じゃない」
「そうだ。証拠も確証もない。全部、俺の憶測だ」
あっさり拓司は頷く。
「だから、俺の言う事の方を信じろよ」
憶測だから信じろと言う彼の思考が理解できず、唖然とする隆志に、
「所詮、人の心の内なんて他人には分からない」
世久を継いで以来、何度も戦慄することになったその真理を、
「分からないんだから、自分に都合のいい方を選んで信じても不都合はない」
拓司は逆手にとって見せた。
「第一、もう死んでしまった人間の気持ちを今更問うなんて不毛だ。だから、もう無条件で信じろ。父親は最期に正気に返って、謝罪するために会いたかったんだって。どうせどこにも確証がない話なんだから、俺の言うことを信じろよ」
拓司は身体ごと隆志の方に向き直り、真っ直ぐに視線を合わせて来た。
「信じて――父親を許せ」
瞠目する隆志に、
「今すぐ許せとは言わない。一生かかってもいい。和也さんの弱かった部分を理解して、許してやれ」
お前ならできる、と拓司は断言した。
「お前は人の言葉を善意に捉えられる人間だ。困っている人には自然に手を差し伸べられるし、悲しんでる人には心から同情できる人間だ。そういう人間のことを、この世では優しいと言う。優しい人間が、人の弱さを許せないはずがない」
だから父親を許せ、と拓司は繰り返した。
「父親を許せば、お前自身も許せるから」
一瞬、呼吸を忘れて。
身体が、震えた。
「お前が橋本たちを殺したのは自分だと悔やんでるのは分かってる。自分も人殺しと同じだと責めているのも知ってる」
震えて。声もなく震えて。
「だけど俺には死んだ人間を生き返らせることはできないし、時間を巻き戻すこともできない。お前の気持ちを何とかしてやれるような言葉さえ持ってない。だから」
柔らかに目を細めた拓司を映した視界が、
「祈る。生きろって」
急速に滲んで揺れた。
「生きて、幸せになれって祈るよ」
限界だった。
隆志は顔を両手で覆うと、声を上げて泣いた。
母の葬儀では事が急過ぎて泣けなかった。
父の葬儀では気持ちが複雑すぎて泣けなかった。
友人たちの葬儀では現実が信じられなくて泣けなかった。
祖母の葬儀は切なさが勝って泣けなかった。
今は――何もかもが悲しくて、泣くしかなかった。
幸せを祈ってくれる友がいる嬉しさに、泣くしかなかった。
「俺、寺を継ぐことにした」
大学は辞めて、九月から真道の知人の寺で修行させてもらうのだという。
「へえ、あんなに嫌がってたのに?」
「仕方ないだろう。どこかの馬鹿が寺を建て直せるくらいの金を寄進しやがったんだから。跡継ぎがなくて廃寺というわけにはいかないだろう」
心底嫌そうに言う彼がおかしくて、隆志は軽く笑った。
「何でそんなに寺を継ぐのが嫌だったんだよ」
何だかんだ言っても誠実で面倒見のいい彼には、住職が向いていそうな気がする。
「反発心」
拓司は笑い返さず、簡潔に答えた。
「寺の息子に生まれたからって、勝手に将来まで決めつけられても納得できないじゃないか。この寺は世襲制じゃないんだし」
「え、そうなのか。でも、寺は代々石森家が住職を務めてるって」
「ずっと直系って訳じゃないよ。むしろ直系が何代も続く事の方が稀みたいだ。寺を継ぐのに必要なのは血統ではなくて、法力の強さらしいから」
拓司は法力と言葉を選んだが、それは悪しきものを『祓う』或いは『鎮める』力のことなのだろう。この寺の住職は、昔から世久家の業に巻き込まれる人間を救済する役目を担っていたのかもしれない。
「例え実の子でも、力がなければ他の寺から力のある者を選んで継がせたそうだ。こんな田舎の寺を継ぐためには住職が土地に関係ない赤の他人より、表向きでも前住職の身内と言う方が周りに受け入れられやすいから、養子と言う形でも親子の体裁を取った後、寺を継いだらしい。実際、俺の祖父は血縁に関係ない所から来て、養子で石森姓になった人だからな」
「だとしても、拓司にはその力があるだろう」
「自分で選んだわけでもない場所に一生座らされるなんて堪ったもんじゃない」
そう言って一つため息をつき、
「と、思ってたんだけどな、俺も詩織と似たようなものだよ」
視線を庭へ逸らせた。
「自分で望んだ訳でもないものを突然押し付けられても正面から対峙して、言い訳もせず戦ったお前を見て、すごい奴だと感心したんだよ。俺も少しは見習おうかと思ってさ」
俺が墓守しててやるから、と拓司は呟いた。
「この町を出て行っても……いつかは帰って来いよ」
「そうだね。……大学へ行って」
進学先を東京にしたのは、『世久』の名を誰も知らない所に行きたかったからだった。
「就職して、もしも僕を婿養子にしていいって言ってくれる結婚相手に巡り合えたら、いつか帰るかもしれないな」
自分の子供に『世久』は名乗らせない。自分の代で『世久』は終わりだ。
後悔はない。が、やりきれない様々なことが胸の内に甦る。
「……父さんはどうして世久を継いだんだろう」
拓司に問いかけるつもりではなく、呟いた。
「世久の業が分かっていたんだったら、相続を放棄すればよかったのに」
拓司は黙って庭を見ていた。
「やっぱり金が欲しかったのかな。働かなくても暮らせるのが魅力だったのかな」
独り言のようにこぼす隆志の横で、彼は身動ぎもせず、目を閉じる。
「世久に戻らなければ、僕を殺そうとするほど狂わなかったかもしれないのに」
返事も、相槌もなかった。
「そしたら、母さんは母子家庭で生活に苦労することもなかった。僕のために色んなことに無理をして、寿命を縮めることもなかった」
拓司が沈黙したままだったので、
「世久を継げば、家族も業に巻き込むことも分かってたはずなのに」
隆志は溢れ出すものに歯止めが利かなくなった。
「いつか世久を相続するつもりだったんなら、どうして生涯独身でいなかったんだ! どうして母さんと結婚したんだ! どうして僕を産ませたりしたんだ!」
吐き出した声は、醜くひび割れて掠れた。
「世久の家を本当に終わらせたかったんなら、僕を殺すより先に病気で死ぬんだったら、家は継ぐなと言い残してくれればよかったのに! 僕にも世久の業を背負わせたかったのか! それほど僕を憎んでたのか!」
隆志、と横から柔らかくたしなめるように呼びかける声を無視して、
「父さんなんて――人殺しだったくせに!」
叫んだ隆志の右肩を、
「隆志!」
今度は厳しい声と共に拓司の左手が掴んだ。
荒れ高ぶった感情のまま乱暴に払い除けようとしたが、彼の手は離れなかった。
「和也さんが世久家を継いだのは、贖罪だ」
見返した拓司の目は静かに澄んでいた。
「兄を殺してしまった和也さんは、ずっと罪の意識に苛まれていた。だから、兄が継ぐはずだった家の業を継いで、苦しむことで罪滅ぼしをしようとした。ボランティアで町中に花を植えたのも、兄に対しての手向けだ。兄を埋めた場所へ直接花を供える事は出来ないから、その代わりだったんだ」
「だけど」
反論しようとしたものの、何をどう言えばいいのか分からず言葉に詰まった隆志に、拓司はさらに続けた。
「和也さんだって、初めから世久の業に絡め取られるつもりはなかった。世久の業の禍々しさは十分理解していたけど、家庭の温かさに恵まれず育ったから、ようやく手に入れた自分の家族と別れることはできなかったし、心の支えにしたかった。でも、残念ながら兄を殺した自責の念に負けて、歪んでしまったんだ」
「……僕を殺そうと八年も居所を捜すくらいにね」
しかし拓司は首を振った。
「捜したのは、お前に会いたかったからだよ」
思わず隆志は目を見開く。
拓司はようやく肩を掴んでいた手を放した。
「お前がいなくなった後何年かはそうだったのかもしれない。でも、自分の命が半年と知れてからは、お前に会いたくて捜したんだ。会って、全てを告白して謝りたかった。世久は自分で終わらせたいと、だからお前は家を継ぐなと伝えたかった」
そんな、と口を開きかけた隆志を拓司は目線で止める。
「ただ寿命が足りなかったんだ。会えていたら、謝っていた。家を継ぐなと伝えていた」
「――嘘だ!」
隆志は堪らず叫んだ。
「そんなの嘘だ! 父さんは最期まで僕を殺して死にたかったって」
「お祖母さんがそう聞いたっていうだけだろう? お前が直接和也さんから聞いた訳じゃない」
「でも! 死ぬ間際に言い残したことだぞ!」
「それがどうした」
拓司は冷ややかに言い捨てる。
「俺は死にゆく人間が百パーセント真実を語るなんて信じてない。人間は死ぬまで嘘つきだからな」
「……だけど、嘘をついたっていう証拠はないじゃないか。父さんが世久を継いだ理由にしても、確証のある話じゃない」
「そうだ。証拠も確証もない。全部、俺の憶測だ」
あっさり拓司は頷く。
「だから、俺の言う事の方を信じろよ」
憶測だから信じろと言う彼の思考が理解できず、唖然とする隆志に、
「所詮、人の心の内なんて他人には分からない」
世久を継いで以来、何度も戦慄することになったその真理を、
「分からないんだから、自分に都合のいい方を選んで信じても不都合はない」
拓司は逆手にとって見せた。
「第一、もう死んでしまった人間の気持ちを今更問うなんて不毛だ。だから、もう無条件で信じろ。父親は最期に正気に返って、謝罪するために会いたかったんだって。どうせどこにも確証がない話なんだから、俺の言うことを信じろよ」
拓司は身体ごと隆志の方に向き直り、真っ直ぐに視線を合わせて来た。
「信じて――父親を許せ」
瞠目する隆志に、
「今すぐ許せとは言わない。一生かかってもいい。和也さんの弱かった部分を理解して、許してやれ」
お前ならできる、と拓司は断言した。
「お前は人の言葉を善意に捉えられる人間だ。困っている人には自然に手を差し伸べられるし、悲しんでる人には心から同情できる人間だ。そういう人間のことを、この世では優しいと言う。優しい人間が、人の弱さを許せないはずがない」
だから父親を許せ、と拓司は繰り返した。
「父親を許せば、お前自身も許せるから」
一瞬、呼吸を忘れて。
身体が、震えた。
「お前が橋本たちを殺したのは自分だと悔やんでるのは分かってる。自分も人殺しと同じだと責めているのも知ってる」
震えて。声もなく震えて。
「だけど俺には死んだ人間を生き返らせることはできないし、時間を巻き戻すこともできない。お前の気持ちを何とかしてやれるような言葉さえ持ってない。だから」
柔らかに目を細めた拓司を映した視界が、
「祈る。生きろって」
急速に滲んで揺れた。
「生きて、幸せになれって祈るよ」
限界だった。
隆志は顔を両手で覆うと、声を上げて泣いた。
母の葬儀では事が急過ぎて泣けなかった。
父の葬儀では気持ちが複雑すぎて泣けなかった。
友人たちの葬儀では現実が信じられなくて泣けなかった。
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