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03 女子寮ではじめまして
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午前中で授業…というかホームルームは終わりで、午後からは寮で過ごす。
入学式の日に合わせて実家を出たので、今日から住む寮の部屋の荷解きがまだ終わっていないのだ。
自分に振り分けられた、2階の207号室に入る。部屋にはまだ誰も居ない。
部屋に入ると、正面には光がたくさん入る、大きな窓。ローテーブルが置かれていて、挟むように左右の壁沿いにベッドがふたつ。
そう、寮は2人部屋で、もう一人誰か来るはずなのだ。
学科関係なくランダムで相部屋相手が決まるので、クラスメイトがいない私には友達をつくる最大のチャンス!
「ふんふ~ん」
楽しみ過ぎて、鼻歌交じりに作業を進める。わたしの荷物は部屋の右側にまとめられていたので、右側が私のスペースだ。
部屋の奥にベッドがあり、ベッドの下の収納には普段着や下着、寝間着を入れることにした。
天井にカーテンレーンがあるので、仕切ることもできるようだ。
入ってすぐ、手前のスペースにはそれぞれ個人別にクローゼットがあるので、制服や上着はここかな。
壁が本棚のようになっていて、勉強用の机と椅子が左右で背中合わせに並んでいる。
ほぼ何も持ってこなかったので、今はすかすかのままで少し寂しい。
カチャリ
作業が終わった所で、鍵を回す音がした。
どうやら相部屋の子が来たみたいだけど、不用心なわたしは鍵を開けっぱなしだったので逆に閉まってしまった。
「ごめんなさい、今開けます!」
慌てて、中から鍵を開ける。ついでに扉も開けると、ものすごい美少女が居た。
「誰なの?」
「初めまして今日からお世話になります魔術科のシェリーですよろしくお願いします!」
緊張して勢いあまって、一息に言い切ってしまった。
美少女がちょっとびっくりしてる。
「剣術科のフィフィなの。仲良くして欲しいの」
礼儀正しく、お辞儀までしてくれた。腰までの長いさらっさらのプラチナブロンドが流れて、とんがった耳が見えた。
「フィフィさんはエルフ?」
地上に生きるヒトの中でも、自然と深く関わって暮らすのがエルフ族だと聞いたことがある。
精霊と交流があって、儚げで美しい容姿をしているんだって。納得の可愛さ。
「エルフなの。フィフィでいいよ?」
「じゃあフィフィちゃん」
「シェリーちゃん」
おっとりしてて剣士なんて向いてなさそうなのになー…。
エルフだったら素質は有り余るほどだろうし、徐々に魔術科に勧誘してみよう。徐々にね。
「荷物解くの手伝おうか?わたしもう終わったんだ」
「先にお昼を食べに行こうと思ってるの。シェリーちゃんはもう食べた?」
「まだだよ、…一緒に行ってもいい?」
「うん、弟を紹介するの」
学生寮の一階は食堂で、男女共通利用だ。大きな食堂で、今は一年生しかいないので空いているだろう。
「わたしの幼馴染も剣術科なんだ、見つけたら一緒に食べてもいいかな」
「うん、是非お願いしたいの」
初めての食堂、どんなメニューが出てくるのか楽しみだな!
***
食堂に降りると、席はまばらに埋まっていた。周りに誰も居ない場所を陣取る。
「AランチとBランチが選べるみたいね、フィフィちゃんはどっちにするか決めた?」
「うん、どっちも気になるから弟と半分こするの」
「仲良しなんだね」
っていうか弟って言ってるけど、15歳で入学するはずだから…
「双子?」
「うん。だけど、あんまり似てないの」
弟くんも同じ剣科らしく、両室に荷物を置いたらすぐに来る事になっているそうだ。
似てないとは言っても同じエルフだろうし、整った顔立ちなのは確定しているので見当はつく。
ユーグを探すがてら、食堂に入ってくる人の顔を確認してみる。
「…もしかしてあの人?青い目のエルフ」
「ティティの目は、フィフィと一緒で淡い緑なの」
「ティティくんって言うんだ」
「シェリー、さっそく友達できたのか?」
「ユーグ!あ、これさっき言ってた幼馴染」
弟くんの前にユーグが来た。
「すごい綺麗な子と一緒にいるからびっくりした。初めまして、ユーグです。シェリーと仲良くしてくれてありがとう」
「シェリーちゃんとは相部屋なの。でも、これからお友達になるフィフィなの」
「フィフィちゃんはね、ユーグと同じ剣科なんだよ」
「やっぱり?教室で見たような気がしてた!もう一人可愛い子一緒にいなかったっけ」
カタン
盛り上がっていると、すっとわたしの隣の席に誰かが座った。
「ティティ、遅いの」
「遅くないよ。誰、この子」
聞いていた通り、フィフィちゃんと同じ透明感のある淡い緑に、輝くプラチナブロンド。
ふんわり柔らかウェーブのショートヘアのせいで、フィフィちゃんよりも可愛らしい印象を受ける。
声変わりもまだなのかな、言われてなければ女の子と思ったかも。
制服はスカートとズボンどちらでも自由だから、女子でもズボンの子が多いんだもん。
「ティティくん?わたしはシェリー、よろしくね。似てないって言ってたけど、そっくりじゃない」
「俺はユーグ。同じ剣術科だし男同士だし、仲良くしてくれよ」
ユーグが、誤魔化すみたいな変な笑い方をしている。
多分、さっき言ってた可愛い子はティティくんの事だったんだろうなぁ。
突っ込まないけど。後で2人の時に弄ろう。
「僕はティティ。フィフィとはこんなに似てないよ」
こんなに、言ってティティくんはフィフィちゃんの髪を軽く引っ張った。
なるほど、二人にとっては結構重要なポイントらしい。
「まぁどうでもいいから、ご飯にするの。フィフィとティティでAランチとBランチを半分こなの」
どうでもいいらしい。
「いいよ」
「じゃあ俺Aにしよ。肉がメインだし野菜もとれるし」
優柔不断なわたしは、注文直前まで悩みに悩んで、具沢山パスタがメインなBランチを選んだ。
入学式の日に合わせて実家を出たので、今日から住む寮の部屋の荷解きがまだ終わっていないのだ。
自分に振り分けられた、2階の207号室に入る。部屋にはまだ誰も居ない。
部屋に入ると、正面には光がたくさん入る、大きな窓。ローテーブルが置かれていて、挟むように左右の壁沿いにベッドがふたつ。
そう、寮は2人部屋で、もう一人誰か来るはずなのだ。
学科関係なくランダムで相部屋相手が決まるので、クラスメイトがいない私には友達をつくる最大のチャンス!
「ふんふ~ん」
楽しみ過ぎて、鼻歌交じりに作業を進める。わたしの荷物は部屋の右側にまとめられていたので、右側が私のスペースだ。
部屋の奥にベッドがあり、ベッドの下の収納には普段着や下着、寝間着を入れることにした。
天井にカーテンレーンがあるので、仕切ることもできるようだ。
入ってすぐ、手前のスペースにはそれぞれ個人別にクローゼットがあるので、制服や上着はここかな。
壁が本棚のようになっていて、勉強用の机と椅子が左右で背中合わせに並んでいる。
ほぼ何も持ってこなかったので、今はすかすかのままで少し寂しい。
カチャリ
作業が終わった所で、鍵を回す音がした。
どうやら相部屋の子が来たみたいだけど、不用心なわたしは鍵を開けっぱなしだったので逆に閉まってしまった。
「ごめんなさい、今開けます!」
慌てて、中から鍵を開ける。ついでに扉も開けると、ものすごい美少女が居た。
「誰なの?」
「初めまして今日からお世話になります魔術科のシェリーですよろしくお願いします!」
緊張して勢いあまって、一息に言い切ってしまった。
美少女がちょっとびっくりしてる。
「剣術科のフィフィなの。仲良くして欲しいの」
礼儀正しく、お辞儀までしてくれた。腰までの長いさらっさらのプラチナブロンドが流れて、とんがった耳が見えた。
「フィフィさんはエルフ?」
地上に生きるヒトの中でも、自然と深く関わって暮らすのがエルフ族だと聞いたことがある。
精霊と交流があって、儚げで美しい容姿をしているんだって。納得の可愛さ。
「エルフなの。フィフィでいいよ?」
「じゃあフィフィちゃん」
「シェリーちゃん」
おっとりしてて剣士なんて向いてなさそうなのになー…。
エルフだったら素質は有り余るほどだろうし、徐々に魔術科に勧誘してみよう。徐々にね。
「荷物解くの手伝おうか?わたしもう終わったんだ」
「先にお昼を食べに行こうと思ってるの。シェリーちゃんはもう食べた?」
「まだだよ、…一緒に行ってもいい?」
「うん、弟を紹介するの」
学生寮の一階は食堂で、男女共通利用だ。大きな食堂で、今は一年生しかいないので空いているだろう。
「わたしの幼馴染も剣術科なんだ、見つけたら一緒に食べてもいいかな」
「うん、是非お願いしたいの」
初めての食堂、どんなメニューが出てくるのか楽しみだな!
***
食堂に降りると、席はまばらに埋まっていた。周りに誰も居ない場所を陣取る。
「AランチとBランチが選べるみたいね、フィフィちゃんはどっちにするか決めた?」
「うん、どっちも気になるから弟と半分こするの」
「仲良しなんだね」
っていうか弟って言ってるけど、15歳で入学するはずだから…
「双子?」
「うん。だけど、あんまり似てないの」
弟くんも同じ剣科らしく、両室に荷物を置いたらすぐに来る事になっているそうだ。
似てないとは言っても同じエルフだろうし、整った顔立ちなのは確定しているので見当はつく。
ユーグを探すがてら、食堂に入ってくる人の顔を確認してみる。
「…もしかしてあの人?青い目のエルフ」
「ティティの目は、フィフィと一緒で淡い緑なの」
「ティティくんって言うんだ」
「シェリー、さっそく友達できたのか?」
「ユーグ!あ、これさっき言ってた幼馴染」
弟くんの前にユーグが来た。
「すごい綺麗な子と一緒にいるからびっくりした。初めまして、ユーグです。シェリーと仲良くしてくれてありがとう」
「シェリーちゃんとは相部屋なの。でも、これからお友達になるフィフィなの」
「フィフィちゃんはね、ユーグと同じ剣科なんだよ」
「やっぱり?教室で見たような気がしてた!もう一人可愛い子一緒にいなかったっけ」
カタン
盛り上がっていると、すっとわたしの隣の席に誰かが座った。
「ティティ、遅いの」
「遅くないよ。誰、この子」
聞いていた通り、フィフィちゃんと同じ透明感のある淡い緑に、輝くプラチナブロンド。
ふんわり柔らかウェーブのショートヘアのせいで、フィフィちゃんよりも可愛らしい印象を受ける。
声変わりもまだなのかな、言われてなければ女の子と思ったかも。
制服はスカートとズボンどちらでも自由だから、女子でもズボンの子が多いんだもん。
「ティティくん?わたしはシェリー、よろしくね。似てないって言ってたけど、そっくりじゃない」
「俺はユーグ。同じ剣術科だし男同士だし、仲良くしてくれよ」
ユーグが、誤魔化すみたいな変な笑い方をしている。
多分、さっき言ってた可愛い子はティティくんの事だったんだろうなぁ。
突っ込まないけど。後で2人の時に弄ろう。
「僕はティティ。フィフィとはこんなに似てないよ」
こんなに、言ってティティくんはフィフィちゃんの髪を軽く引っ張った。
なるほど、二人にとっては結構重要なポイントらしい。
「まぁどうでもいいから、ご飯にするの。フィフィとティティでAランチとBランチを半分こなの」
どうでもいいらしい。
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