3 / 17
03 女子寮ではじめまして
しおりを挟む
午前中で授業…というかホームルームは終わりで、午後からは寮で過ごす。
入学式の日に合わせて実家を出たので、今日から住む寮の部屋の荷解きがまだ終わっていないのだ。
自分に振り分けられた、2階の207号室に入る。部屋にはまだ誰も居ない。
部屋に入ると、正面には光がたくさん入る、大きな窓。ローテーブルが置かれていて、挟むように左右の壁沿いにベッドがふたつ。
そう、寮は2人部屋で、もう一人誰か来るはずなのだ。
学科関係なくランダムで相部屋相手が決まるので、クラスメイトがいない私には友達をつくる最大のチャンス!
「ふんふ~ん」
楽しみ過ぎて、鼻歌交じりに作業を進める。わたしの荷物は部屋の右側にまとめられていたので、右側が私のスペースだ。
部屋の奥にベッドがあり、ベッドの下の収納には普段着や下着、寝間着を入れることにした。
天井にカーテンレーンがあるので、仕切ることもできるようだ。
入ってすぐ、手前のスペースにはそれぞれ個人別にクローゼットがあるので、制服や上着はここかな。
壁が本棚のようになっていて、勉強用の机と椅子が左右で背中合わせに並んでいる。
ほぼ何も持ってこなかったので、今はすかすかのままで少し寂しい。
カチャリ
作業が終わった所で、鍵を回す音がした。
どうやら相部屋の子が来たみたいだけど、不用心なわたしは鍵を開けっぱなしだったので逆に閉まってしまった。
「ごめんなさい、今開けます!」
慌てて、中から鍵を開ける。ついでに扉も開けると、ものすごい美少女が居た。
「誰なの?」
「初めまして今日からお世話になります魔術科のシェリーですよろしくお願いします!」
緊張して勢いあまって、一息に言い切ってしまった。
美少女がちょっとびっくりしてる。
「剣術科のフィフィなの。仲良くして欲しいの」
礼儀正しく、お辞儀までしてくれた。腰までの長いさらっさらのプラチナブロンドが流れて、とんがった耳が見えた。
「フィフィさんはエルフ?」
地上に生きるヒトの中でも、自然と深く関わって暮らすのがエルフ族だと聞いたことがある。
精霊と交流があって、儚げで美しい容姿をしているんだって。納得の可愛さ。
「エルフなの。フィフィでいいよ?」
「じゃあフィフィちゃん」
「シェリーちゃん」
おっとりしてて剣士なんて向いてなさそうなのになー…。
エルフだったら素質は有り余るほどだろうし、徐々に魔術科に勧誘してみよう。徐々にね。
「荷物解くの手伝おうか?わたしもう終わったんだ」
「先にお昼を食べに行こうと思ってるの。シェリーちゃんはもう食べた?」
「まだだよ、…一緒に行ってもいい?」
「うん、弟を紹介するの」
学生寮の一階は食堂で、男女共通利用だ。大きな食堂で、今は一年生しかいないので空いているだろう。
「わたしの幼馴染も剣術科なんだ、見つけたら一緒に食べてもいいかな」
「うん、是非お願いしたいの」
初めての食堂、どんなメニューが出てくるのか楽しみだな!
***
食堂に降りると、席はまばらに埋まっていた。周りに誰も居ない場所を陣取る。
「AランチとBランチが選べるみたいね、フィフィちゃんはどっちにするか決めた?」
「うん、どっちも気になるから弟と半分こするの」
「仲良しなんだね」
っていうか弟って言ってるけど、15歳で入学するはずだから…
「双子?」
「うん。だけど、あんまり似てないの」
弟くんも同じ剣科らしく、両室に荷物を置いたらすぐに来る事になっているそうだ。
似てないとは言っても同じエルフだろうし、整った顔立ちなのは確定しているので見当はつく。
ユーグを探すがてら、食堂に入ってくる人の顔を確認してみる。
「…もしかしてあの人?青い目のエルフ」
「ティティの目は、フィフィと一緒で淡い緑なの」
「ティティくんって言うんだ」
「シェリー、さっそく友達できたのか?」
「ユーグ!あ、これさっき言ってた幼馴染」
弟くんの前にユーグが来た。
「すごい綺麗な子と一緒にいるからびっくりした。初めまして、ユーグです。シェリーと仲良くしてくれてありがとう」
「シェリーちゃんとは相部屋なの。でも、これからお友達になるフィフィなの」
「フィフィちゃんはね、ユーグと同じ剣科なんだよ」
「やっぱり?教室で見たような気がしてた!もう一人可愛い子一緒にいなかったっけ」
カタン
盛り上がっていると、すっとわたしの隣の席に誰かが座った。
「ティティ、遅いの」
「遅くないよ。誰、この子」
聞いていた通り、フィフィちゃんと同じ透明感のある淡い緑に、輝くプラチナブロンド。
ふんわり柔らかウェーブのショートヘアのせいで、フィフィちゃんよりも可愛らしい印象を受ける。
声変わりもまだなのかな、言われてなければ女の子と思ったかも。
制服はスカートとズボンどちらでも自由だから、女子でもズボンの子が多いんだもん。
「ティティくん?わたしはシェリー、よろしくね。似てないって言ってたけど、そっくりじゃない」
「俺はユーグ。同じ剣術科だし男同士だし、仲良くしてくれよ」
ユーグが、誤魔化すみたいな変な笑い方をしている。
多分、さっき言ってた可愛い子はティティくんの事だったんだろうなぁ。
突っ込まないけど。後で2人の時に弄ろう。
「僕はティティ。フィフィとはこんなに似てないよ」
こんなに、言ってティティくんはフィフィちゃんの髪を軽く引っ張った。
なるほど、二人にとっては結構重要なポイントらしい。
「まぁどうでもいいから、ご飯にするの。フィフィとティティでAランチとBランチを半分こなの」
どうでもいいらしい。
「いいよ」
「じゃあ俺Aにしよ。肉がメインだし野菜もとれるし」
優柔不断なわたしは、注文直前まで悩みに悩んで、具沢山パスタがメインなBランチを選んだ。
入学式の日に合わせて実家を出たので、今日から住む寮の部屋の荷解きがまだ終わっていないのだ。
自分に振り分けられた、2階の207号室に入る。部屋にはまだ誰も居ない。
部屋に入ると、正面には光がたくさん入る、大きな窓。ローテーブルが置かれていて、挟むように左右の壁沿いにベッドがふたつ。
そう、寮は2人部屋で、もう一人誰か来るはずなのだ。
学科関係なくランダムで相部屋相手が決まるので、クラスメイトがいない私には友達をつくる最大のチャンス!
「ふんふ~ん」
楽しみ過ぎて、鼻歌交じりに作業を進める。わたしの荷物は部屋の右側にまとめられていたので、右側が私のスペースだ。
部屋の奥にベッドがあり、ベッドの下の収納には普段着や下着、寝間着を入れることにした。
天井にカーテンレーンがあるので、仕切ることもできるようだ。
入ってすぐ、手前のスペースにはそれぞれ個人別にクローゼットがあるので、制服や上着はここかな。
壁が本棚のようになっていて、勉強用の机と椅子が左右で背中合わせに並んでいる。
ほぼ何も持ってこなかったので、今はすかすかのままで少し寂しい。
カチャリ
作業が終わった所で、鍵を回す音がした。
どうやら相部屋の子が来たみたいだけど、不用心なわたしは鍵を開けっぱなしだったので逆に閉まってしまった。
「ごめんなさい、今開けます!」
慌てて、中から鍵を開ける。ついでに扉も開けると、ものすごい美少女が居た。
「誰なの?」
「初めまして今日からお世話になります魔術科のシェリーですよろしくお願いします!」
緊張して勢いあまって、一息に言い切ってしまった。
美少女がちょっとびっくりしてる。
「剣術科のフィフィなの。仲良くして欲しいの」
礼儀正しく、お辞儀までしてくれた。腰までの長いさらっさらのプラチナブロンドが流れて、とんがった耳が見えた。
「フィフィさんはエルフ?」
地上に生きるヒトの中でも、自然と深く関わって暮らすのがエルフ族だと聞いたことがある。
精霊と交流があって、儚げで美しい容姿をしているんだって。納得の可愛さ。
「エルフなの。フィフィでいいよ?」
「じゃあフィフィちゃん」
「シェリーちゃん」
おっとりしてて剣士なんて向いてなさそうなのになー…。
エルフだったら素質は有り余るほどだろうし、徐々に魔術科に勧誘してみよう。徐々にね。
「荷物解くの手伝おうか?わたしもう終わったんだ」
「先にお昼を食べに行こうと思ってるの。シェリーちゃんはもう食べた?」
「まだだよ、…一緒に行ってもいい?」
「うん、弟を紹介するの」
学生寮の一階は食堂で、男女共通利用だ。大きな食堂で、今は一年生しかいないので空いているだろう。
「わたしの幼馴染も剣術科なんだ、見つけたら一緒に食べてもいいかな」
「うん、是非お願いしたいの」
初めての食堂、どんなメニューが出てくるのか楽しみだな!
***
食堂に降りると、席はまばらに埋まっていた。周りに誰も居ない場所を陣取る。
「AランチとBランチが選べるみたいね、フィフィちゃんはどっちにするか決めた?」
「うん、どっちも気になるから弟と半分こするの」
「仲良しなんだね」
っていうか弟って言ってるけど、15歳で入学するはずだから…
「双子?」
「うん。だけど、あんまり似てないの」
弟くんも同じ剣科らしく、両室に荷物を置いたらすぐに来る事になっているそうだ。
似てないとは言っても同じエルフだろうし、整った顔立ちなのは確定しているので見当はつく。
ユーグを探すがてら、食堂に入ってくる人の顔を確認してみる。
「…もしかしてあの人?青い目のエルフ」
「ティティの目は、フィフィと一緒で淡い緑なの」
「ティティくんって言うんだ」
「シェリー、さっそく友達できたのか?」
「ユーグ!あ、これさっき言ってた幼馴染」
弟くんの前にユーグが来た。
「すごい綺麗な子と一緒にいるからびっくりした。初めまして、ユーグです。シェリーと仲良くしてくれてありがとう」
「シェリーちゃんとは相部屋なの。でも、これからお友達になるフィフィなの」
「フィフィちゃんはね、ユーグと同じ剣科なんだよ」
「やっぱり?教室で見たような気がしてた!もう一人可愛い子一緒にいなかったっけ」
カタン
盛り上がっていると、すっとわたしの隣の席に誰かが座った。
「ティティ、遅いの」
「遅くないよ。誰、この子」
聞いていた通り、フィフィちゃんと同じ透明感のある淡い緑に、輝くプラチナブロンド。
ふんわり柔らかウェーブのショートヘアのせいで、フィフィちゃんよりも可愛らしい印象を受ける。
声変わりもまだなのかな、言われてなければ女の子と思ったかも。
制服はスカートとズボンどちらでも自由だから、女子でもズボンの子が多いんだもん。
「ティティくん?わたしはシェリー、よろしくね。似てないって言ってたけど、そっくりじゃない」
「俺はユーグ。同じ剣術科だし男同士だし、仲良くしてくれよ」
ユーグが、誤魔化すみたいな変な笑い方をしている。
多分、さっき言ってた可愛い子はティティくんの事だったんだろうなぁ。
突っ込まないけど。後で2人の時に弄ろう。
「僕はティティ。フィフィとはこんなに似てないよ」
こんなに、言ってティティくんはフィフィちゃんの髪を軽く引っ張った。
なるほど、二人にとっては結構重要なポイントらしい。
「まぁどうでもいいから、ご飯にするの。フィフィとティティでAランチとBランチを半分こなの」
どうでもいいらしい。
「いいよ」
「じゃあ俺Aにしよ。肉がメインだし野菜もとれるし」
優柔不断なわたしは、注文直前まで悩みに悩んで、具沢山パスタがメインなBランチを選んだ。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる