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朝昼晩。欠かさず水をあげた効果かは分からないけど、わたしの杖はぐんぐん成長のスピードをあげた。
毎日目に見えて伸び続け、5日で30センチに到達した。
これって、もう杖と呼んでいい長さじゃない?
「先生!そろそろ完成ですか?」
「まだよ、まだまだね」
「まだなら分かりますけど、まだまだなんですか?」
先生の杖とほとんど変わらないのにな?
「まだ蕾すらないじゃない。魔力が行き届いて、花が咲いたら完成の合図よ」
それは何ともおめでたい完成の合図だ。わたしの杖の種は苺だったから白い花かな?
でも卵でも芽が出るんだから関係ないか。どんな花が咲くのか楽しみ!
「シェリーの杖は4人も妖精が付いてるから、どこまで成長するのか楽しみね」
「…先生の4倍の長さ、だと困るんですけど。大丈夫ですかね」
「杖にも個人差があるの。先生の杖は短い方よ」
個人差といわれても、比べる子が居なーい。はい悲しい。
わたしが見たことあるのは先生のと、お父さんのだけだ。
「父のも短めで…太かったですねそう言えば」
鈍器としても通用しそうな、こん棒みたいな杖。
あんあり杖として認識してなかったけど、そういえば振り回して魔法陣描いてたなぁ。
杖っぽくなさすぎだけど。
「私の時のおじいちゃん先生は、自分の背より長い杖だったわ」
「んー、持ち運びに不便ですね」
すっごく楽しみだけど、同じくらい不安になってきちゃった。
***
「はいじゃあ今日も午後は魔法の復習からね」
「よろしくおねがいします」
実際に魔法を使う練習は、杖が完成するまでは一番簡単な基本だけ。
基本の力を発揮するだけの魔法陣の他に攻撃バージョンと防御バージョンも描けるけど、まだ魔力が安定してないから杖ができるまでは描かない。
光りと闇。火、水、風と雷と土。7回で終わるけど、私の場合同じ魔法陣で4回することになる。
生徒が一人だけだけど程々に時間がかかってある意味丁度いい。
最初は光の魔法。
「光りよ!」
威力はほぼ妖精に依存するから、4段階あるのはわたしの強み。
最初は一番光と相性が悪いダナー。杖の先が、蛍みたいにじんわり光る。多分使いどころがない。
「光りよ!」
次にルーフ。水面が光を反射するみたいに、キラキラ光る。チカチカ目立つから合図によさそう。
「光るよ!」
リナーはわたしがちょっと噛んでも大丈夫。ランプみたいに優しい光で広範囲を明るくしてくれる。
ダンジョンで一番役に立ちそう。
「光りよー!」
リーグの光は目が焼けそうな小さい太陽。馴れたものでわたしも先生も腕で目をかばう。
目を瞑ったぐらいじゃ、眩しさはどうにもならない。
「シェリーの子達はバランスいいわね。一つの魔法陣で4つの魔法が使えるようなものよ」
「だって!みんなありがとー!」
4人それぞれ得意属性が違ってくれてて最高。ありがたいなぁ。
「はーい次は火よ」
「いきます、炎よ!」
火を灯す魔法だけど、火よって言うより炎よの方が決まりがいいかなって。
ルーフに頼むと、消えかけの松明のようにスッと表面が赤く染まる。触ると熱いし紙を当てておくとジリジリ焦げる。
「炎よ!」
ダナーは高く燃え上がる細い火柱。目印に便利そう。
「炎よ!」
リナーは杖を覆うように火を出してくれる。杖が松明になったみたい。
「…火よ」
ごう、っと。わたしの周りを囲むように火の海が広がる。リーグは火とも相性が良すぎるみたい。
ちゃんと燃え移るけど、不思議とわたしは熱さを感じない。
教室の端に避難してる先生は熱いみたいだから、すぐに魔法陣を消す。
「相変わらずリーグちゃん凄いわねぇ」
「先生、わたし的にはリーグは男の子です。なんとなく」
妖精に性別はないけど、雰囲気的に。わたしの中ではリーグとダナーは男の子で、リナーとルーフは女の子。
リーグは全体的に赤い見た目だし丘の上に住んでいたから、光や火と相性がいい。逆に水が苦手で杖が湿る程度。
ガンガンいこうぜ系かと思いきや、とても柔らかで心地いい風を吹かせてくれる。物を運んだりもできて便利。
川の近くに住んでいて水の塊みたいなルーフはやっぱり水が得意で、わたしの顔より大きい水玉を出してくれる。
土の属性も相性がいいみたいで、すっごく硬い岩を出せる。土魔法は植物を成長させたりする方向が多いから、ちょっと珍しい。
ダナーは闇が得意で、教室の灯を全て隠してしまう。天井からの光も遮ってしまうのでちょっと凄い。
雷も得意みたい。杖の先がバチってなった時点で先生が陣を消したからどれ程の物か分かんないけど。取扱注意かな。
リナーが一番平均的に何でもできる。流石わたしの最初の妖精!なんてね。
風をおこすと麦穂を揺らすざぁっとした音が聞こえる気がして心地いい。闇の魔法が変わってて、使うと眠たくなってくる。わたし達が目を閉じたら確かに闇、だもんね。そういう事なのかどうか分かんないけど。
毎日目に見えて伸び続け、5日で30センチに到達した。
これって、もう杖と呼んでいい長さじゃない?
「先生!そろそろ完成ですか?」
「まだよ、まだまだね」
「まだなら分かりますけど、まだまだなんですか?」
先生の杖とほとんど変わらないのにな?
「まだ蕾すらないじゃない。魔力が行き届いて、花が咲いたら完成の合図よ」
それは何ともおめでたい完成の合図だ。わたしの杖の種は苺だったから白い花かな?
でも卵でも芽が出るんだから関係ないか。どんな花が咲くのか楽しみ!
「シェリーの杖は4人も妖精が付いてるから、どこまで成長するのか楽しみね」
「…先生の4倍の長さ、だと困るんですけど。大丈夫ですかね」
「杖にも個人差があるの。先生の杖は短い方よ」
個人差といわれても、比べる子が居なーい。はい悲しい。
わたしが見たことあるのは先生のと、お父さんのだけだ。
「父のも短めで…太かったですねそう言えば」
鈍器としても通用しそうな、こん棒みたいな杖。
あんあり杖として認識してなかったけど、そういえば振り回して魔法陣描いてたなぁ。
杖っぽくなさすぎだけど。
「私の時のおじいちゃん先生は、自分の背より長い杖だったわ」
「んー、持ち運びに不便ですね」
すっごく楽しみだけど、同じくらい不安になってきちゃった。
***
「はいじゃあ今日も午後は魔法の復習からね」
「よろしくおねがいします」
実際に魔法を使う練習は、杖が完成するまでは一番簡単な基本だけ。
基本の力を発揮するだけの魔法陣の他に攻撃バージョンと防御バージョンも描けるけど、まだ魔力が安定してないから杖ができるまでは描かない。
光りと闇。火、水、風と雷と土。7回で終わるけど、私の場合同じ魔法陣で4回することになる。
生徒が一人だけだけど程々に時間がかかってある意味丁度いい。
最初は光の魔法。
「光りよ!」
威力はほぼ妖精に依存するから、4段階あるのはわたしの強み。
最初は一番光と相性が悪いダナー。杖の先が、蛍みたいにじんわり光る。多分使いどころがない。
「光りよ!」
次にルーフ。水面が光を反射するみたいに、キラキラ光る。チカチカ目立つから合図によさそう。
「光るよ!」
リナーはわたしがちょっと噛んでも大丈夫。ランプみたいに優しい光で広範囲を明るくしてくれる。
ダンジョンで一番役に立ちそう。
「光りよー!」
リーグの光は目が焼けそうな小さい太陽。馴れたものでわたしも先生も腕で目をかばう。
目を瞑ったぐらいじゃ、眩しさはどうにもならない。
「シェリーの子達はバランスいいわね。一つの魔法陣で4つの魔法が使えるようなものよ」
「だって!みんなありがとー!」
4人それぞれ得意属性が違ってくれてて最高。ありがたいなぁ。
「はーい次は火よ」
「いきます、炎よ!」
火を灯す魔法だけど、火よって言うより炎よの方が決まりがいいかなって。
ルーフに頼むと、消えかけの松明のようにスッと表面が赤く染まる。触ると熱いし紙を当てておくとジリジリ焦げる。
「炎よ!」
ダナーは高く燃え上がる細い火柱。目印に便利そう。
「炎よ!」
リナーは杖を覆うように火を出してくれる。杖が松明になったみたい。
「…火よ」
ごう、っと。わたしの周りを囲むように火の海が広がる。リーグは火とも相性が良すぎるみたい。
ちゃんと燃え移るけど、不思議とわたしは熱さを感じない。
教室の端に避難してる先生は熱いみたいだから、すぐに魔法陣を消す。
「相変わらずリーグちゃん凄いわねぇ」
「先生、わたし的にはリーグは男の子です。なんとなく」
妖精に性別はないけど、雰囲気的に。わたしの中ではリーグとダナーは男の子で、リナーとルーフは女の子。
リーグは全体的に赤い見た目だし丘の上に住んでいたから、光や火と相性がいい。逆に水が苦手で杖が湿る程度。
ガンガンいこうぜ系かと思いきや、とても柔らかで心地いい風を吹かせてくれる。物を運んだりもできて便利。
川の近くに住んでいて水の塊みたいなルーフはやっぱり水が得意で、わたしの顔より大きい水玉を出してくれる。
土の属性も相性がいいみたいで、すっごく硬い岩を出せる。土魔法は植物を成長させたりする方向が多いから、ちょっと珍しい。
ダナーは闇が得意で、教室の灯を全て隠してしまう。天井からの光も遮ってしまうのでちょっと凄い。
雷も得意みたい。杖の先がバチってなった時点で先生が陣を消したからどれ程の物か分かんないけど。取扱注意かな。
リナーが一番平均的に何でもできる。流石わたしの最初の妖精!なんてね。
風をおこすと麦穂を揺らすざぁっとした音が聞こえる気がして心地いい。闇の魔法が変わってて、使うと眠たくなってくる。わたし達が目を閉じたら確かに闇、だもんね。そういう事なのかどうか分かんないけど。
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