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17 友達
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ねぇねぇ剣術科はもう釣り大会の準備してる?
って聞きたくてフィフィちゃんが帰ってくるのを今か今かと待ってるのに、今日に限って戻りが遅い。
隣部屋の弓術科2人は帰ってきてるから、そろそろのハズなんだけどな。
もう杖は完成したから、井戸に行かなくてもいい。余計に手持無沙汰だ。
「剣術科が遅いのかフィフィちゃんが遅いのか、どっちだろね?」
わたしは知り合いが少ないから、女子寮ですれ違う子が剣術科なのか分からない。
何かあったのかな?ユーグが居るかもしれないし、食堂に行ってみようかな。
「あ、ティティくん」
食堂に入ってすぐの席に、ティティくんが居た。
「フィフィちゃんまだ帰って来ないんだけど、何かあった?」
「後片付け」
「後片付け?…なにか壊しちゃったの?」
「先生の手伝い」
なるほど?
「怪我して医務室、とかじゃなくてよかった。どうする?先に食べちゃおっか」
「僕と?」
淡々と喋るティティくんにしては珍しく、食い気味で言われた。
ど、どういう意味だろ…。
「だってお腹空いたし…ティティくん食べるの遅いし」
「フィフィの友達なのに?」
「いや食べ終わっても残るよ。先に食べ始めるだけ、待つなら一緒に待つよ」
そんなに責めなくてもいいじゃん!
「僕と待つの?」
「え、うん…」
「フィフィの友達なのに?」
びっくりしてるみたいに、同じ言葉を重ねる。
これは…友達なのにフィフィちゃんの事待たないなんて薄情者~ってニョアンスじゃなくて…
毎日一緒にご飯食べて、お話して。わたしとしてはすっかりティティくんも友達認定してたけど。
向こうはそうは思ってなかった…ってことかなぁ。
「ティティくんとわたしはまだ友達じゃないの?」
「いつから?」
いつから友達だと思い込んで接してきてたの?って聞いてるんだとしたら、すごいなめっちゃ心抉ってくるんだけど。
でも、多分そういう意味合いのニョアンス。
ティティくんはいつも言葉が足りない。
「少なくとも一か月は前から友達だと認識してたよ」
お互いどんな授業をしたのか報告し合ったり、今日のご飯でどれが一番おいしいだとか先生の事とか自分の事とか。
わたしと、フィフィちゃんと、ティティくん。ユーグも一緒に色々話してたのに。
わたしはあくまでフィフィちゃんのおまけだったのねー。ふーん。
「僕はフィフィとは違うよ?」
「そりゃ男の子だもん、全然違うよ」
そういえば思い返せばいつも先にフィフィちゃんが先に喋って、ティティくんが続いてたっけ。
会話してるつもり、なかったのかも。フィフィちゃんに対して言ってるつもりだった?
でも私もばっちり聞いてたしお喋りしてるつもりだったのになぁ。
「…蜂蜜のキャンディーがお気に入りなんでしょ?」
「うん」
「手紙書くの、苦手でしょ」
「うん。どうして覚えてるの?」
「覚えてたらだめ?もっと仲良くなりたいから、色々知りたいと思うじゃん」
って言ってから、後悔する。
向こうは友達だと思ってないんだから、色々知られてるの気持ち悪くない?
大前提が違うんだもん。嫌だなぁ、変な事言った。
「…シェリーは、」
じっとわたしを見ていた視線を下げて、窺うように。
何を言うつもりなんだろ…わたしを否定する言葉だったら、辛すぎるんだけど。
なれなれしいね、とか言われたら泣くんだけど。そんなキツイ子じゃないと、思うけど。
「シェリーは、苺が好き」
そっと、内緒話をするように。
友達だと思ってなかった割りに、わたしの話ちゃんと聞いてたんだ?
ティティくんがどういう気持ちでそれを言ったのか。分からなくて。
傷んだ心の分、どうしていいか分からなくてつい睨んでしまう。
「…だよね?」
窺うように、恐る恐る。
ぱちぱちぱちと、長いまつ毛がせわしなく動いてる。
「そう、です、よ」
わたしは不機嫌なのに、ティティくんは何となく嬉しそうにしてる。
いつも無表情がデフォルトなのにちょっと笑ってる。
「知らなかった…シェリーは僕の友達だったんだね」
あんまりにも綺麗に笑うものだから。
「だったんだよ!」
不器用なティティくんを、今回限り許すことにした。
って聞きたくてフィフィちゃんが帰ってくるのを今か今かと待ってるのに、今日に限って戻りが遅い。
隣部屋の弓術科2人は帰ってきてるから、そろそろのハズなんだけどな。
もう杖は完成したから、井戸に行かなくてもいい。余計に手持無沙汰だ。
「剣術科が遅いのかフィフィちゃんが遅いのか、どっちだろね?」
わたしは知り合いが少ないから、女子寮ですれ違う子が剣術科なのか分からない。
何かあったのかな?ユーグが居るかもしれないし、食堂に行ってみようかな。
「あ、ティティくん」
食堂に入ってすぐの席に、ティティくんが居た。
「フィフィちゃんまだ帰って来ないんだけど、何かあった?」
「後片付け」
「後片付け?…なにか壊しちゃったの?」
「先生の手伝い」
なるほど?
「怪我して医務室、とかじゃなくてよかった。どうする?先に食べちゃおっか」
「僕と?」
淡々と喋るティティくんにしては珍しく、食い気味で言われた。
ど、どういう意味だろ…。
「だってお腹空いたし…ティティくん食べるの遅いし」
「フィフィの友達なのに?」
「いや食べ終わっても残るよ。先に食べ始めるだけ、待つなら一緒に待つよ」
そんなに責めなくてもいいじゃん!
「僕と待つの?」
「え、うん…」
「フィフィの友達なのに?」
びっくりしてるみたいに、同じ言葉を重ねる。
これは…友達なのにフィフィちゃんの事待たないなんて薄情者~ってニョアンスじゃなくて…
毎日一緒にご飯食べて、お話して。わたしとしてはすっかりティティくんも友達認定してたけど。
向こうはそうは思ってなかった…ってことかなぁ。
「ティティくんとわたしはまだ友達じゃないの?」
「いつから?」
いつから友達だと思い込んで接してきてたの?って聞いてるんだとしたら、すごいなめっちゃ心抉ってくるんだけど。
でも、多分そういう意味合いのニョアンス。
ティティくんはいつも言葉が足りない。
「少なくとも一か月は前から友達だと認識してたよ」
お互いどんな授業をしたのか報告し合ったり、今日のご飯でどれが一番おいしいだとか先生の事とか自分の事とか。
わたしと、フィフィちゃんと、ティティくん。ユーグも一緒に色々話してたのに。
わたしはあくまでフィフィちゃんのおまけだったのねー。ふーん。
「僕はフィフィとは違うよ?」
「そりゃ男の子だもん、全然違うよ」
そういえば思い返せばいつも先にフィフィちゃんが先に喋って、ティティくんが続いてたっけ。
会話してるつもり、なかったのかも。フィフィちゃんに対して言ってるつもりだった?
でも私もばっちり聞いてたしお喋りしてるつもりだったのになぁ。
「…蜂蜜のキャンディーがお気に入りなんでしょ?」
「うん」
「手紙書くの、苦手でしょ」
「うん。どうして覚えてるの?」
「覚えてたらだめ?もっと仲良くなりたいから、色々知りたいと思うじゃん」
って言ってから、後悔する。
向こうは友達だと思ってないんだから、色々知られてるの気持ち悪くない?
大前提が違うんだもん。嫌だなぁ、変な事言った。
「…シェリーは、」
じっとわたしを見ていた視線を下げて、窺うように。
何を言うつもりなんだろ…わたしを否定する言葉だったら、辛すぎるんだけど。
なれなれしいね、とか言われたら泣くんだけど。そんなキツイ子じゃないと、思うけど。
「シェリーは、苺が好き」
そっと、内緒話をするように。
友達だと思ってなかった割りに、わたしの話ちゃんと聞いてたんだ?
ティティくんがどういう気持ちでそれを言ったのか。分からなくて。
傷んだ心の分、どうしていいか分からなくてつい睨んでしまう。
「…だよね?」
窺うように、恐る恐る。
ぱちぱちぱちと、長いまつ毛がせわしなく動いてる。
「そう、です、よ」
わたしは不機嫌なのに、ティティくんは何となく嬉しそうにしてる。
いつも無表情がデフォルトなのにちょっと笑ってる。
「知らなかった…シェリーは僕の友達だったんだね」
あんまりにも綺麗に笑うものだから。
「だったんだよ!」
不器用なティティくんを、今回限り許すことにした。
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