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忘れかけていた頃

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今回失敗したらしばらく休むことを決意した私は、いつも以上に穏やかな心で過ごしていた。

タイミング療法というのは、指定された日付通りにタイミングをとらないといけなかったり、プレッシャーになったりするので精神的にも疲れる挙げ句に、休日は毎回病院通いになるため疲れるのだ。

幸い私の場合は先生が私の休みに合わせてくれていたので、貸し切りで待ち時間がなかったのでとても助かっていた。

普通なら何時間も待たされ、半日は病院で潰れてしまうだろう。

不妊治療を開始する前に卵管が通っているか、卵管造影という治療をするのだが、これがまた激痛でありもう二度としたくない。

注射も何回もされるので、ひどい場合は刺す場所がなくなる人もいるそうだ。

卵子の質をあげる薬も苦くて不味い。

肉体的にも疲れるのが、不妊治療。

そんな治療から解放された時だった。

気持ちが悪く、吐き気がしていた私は仕事を休んだ。

まさかと思い検査薬を試してみるとそのまさかの陽性反応がでた。

以前つわりの症状や生理が遅れていた月があり、何度か検査薬を試してみると陰性でそれを見るたびに気分が落ち込むため、今回は期待を胸に抱かず検査をしなかったのだ。

しかし明らかに今までとは違う体調の変化で、なんと陽性反応がでた。

私は寝ている旦那に抱きつき、泣きながら妊娠の報告をした。

「やっときてくれたよ」と。


当時は予知夢の効果は三ヶ月以内のため当たらなかったと思っていた。


しかし、あとから気づいたのだが検査をしたのが2月であり、妊娠したのは1月ということ。


予知夢を見たのは10月だとしたら、予知夢発動から三ヶ月以内に妊娠しているのである。


これには自身も驚きを隠せなかった。


そして何よりこの時点で、私はこの子の名前と性別は確信していた。


女の子で名前はみうちゃん。


そう名付けた。


みうちゃんという名前は、私が高校時代に執筆した小説のヒロインの名前である。

偶然なのか必然なのか分からない。


予知夢は必ず当たるのである。

これは後から気づいたのだが、1月の正月時に妊娠中の義理姉に会っていた。

もしかするとその時に妊娠菌をもらったのかもしれない。

もうひとつ可能性があるとしたら、11月頃からルイボスティーを毎日飲むようにしたことだ。

ルイボスティーには卵子や精子の質を高める作用があるらしく、私と旦那は毎日夕食時に飲むようにしていた。

自分だけではなく旦那にも飲んでもらったことで、互いの質を高めあえたのかもしれない。


少しでも可能性があるならば、試してみる価値はある。

そして何よりも、授かるためには夫婦の仲が良いこと、これが一番の近道だと私は思う。

子供は空から親を選ぶという胎内記憶の話がある。

それはまた別の機会でお話ししよう。
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