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1.1 お互いの目標
6話 公爵家との再会
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「私が制限をかけてる?」
首を傾げながら尋ねてくる。
(か、可愛い...)
いやいや、生徒にそのような感情をもってどうするんだ。一旦深呼吸をして答える。
「はい。自分の体を守るため、無意識的に制御してしまっているのです」
「それはどうやったら治るのですか?」
「すみません。人それぞれなのでわからないのです」
「そうですか...」
俺が答えるとシュンとした表情に変わった。
(シャルロット様は感情が豊かだな)
「ですので一緒に探していきましょう」
「はい! よろしくお願いします」
それにしてもどうやってリミッターを外すか...。文献では様々な方法が書かれていた。絶体絶命な時だったり、身近な人が死んだ時だったり。どれもシャルロット様の身近で起きるとは思えないし、思いたくもない。
「まあ今考えても答えが出るわけではないので、基礎魔法の練習でもしましょうか」
「わかりました」
シャルロット様に指示をして魔法を唱えてもらう。指示と言ってもいたって簡単なことだ。反復練習をするだけ。シャルロット様のことだから今までもやっていたことだと思う。でもこれをやらなかったら魔法を使う時の感覚などが薄れていってしまい、勘が鈍ってしまう。だからこれは毎日欠かさずやらなくちゃいけない。
そしてもう一つの指示として魔法を使う時、どのように魔法が使えるか考えてもらう。初級でも上級でもイメージが大切だ。もしイメージ通りにいかない。そんな状況に危機的状況下で陥ったらまずい。だからイメージはものすごく重要である。イメージ通りにいかない理由としては体内でうまく魔素が循環していない場合か、魔力切れか。それとも自分に見合っていない魔法を使っている場合だ。
魔力切れは意識していればその場で何とかなるし、自分に見合っていない魔法もその場で他の魔法に替えればいいだけだが、魔素が体の中で循環していない場合はすぐ解決することができない。だからこそ反復練習が必要なんだ。
魔力切れ寸前までシャルロット様に魔法を使ってもらってから、書庫に行って魔法の基礎的な勉強をする。
この一連の流れを1週間程行っていくと、シャルロット様の魔法を唱える速度が少しずつだが早くなっているのが分かる。
(でもこれじゃダメなんだよな)
どれだけ早く魔法が使えようが、結局はリミッターを解除しない限り安定して魔法が使えない。でもやれることもあまりないため、魔法を複数使えるようになるための雑学などを教えてる。だけど時間は待ってくれない。
そして学校が始まる3日前、見覚えのある馬車が男爵家にやってきた。
(まさか...)
馬車から出てきたのはライラ様だった。
「ヘンリー久しぶりね」
「ライラお嬢様。お久しぶりです」
なんでここにいるんだ...。そう思っているころでハイーラ様が屋敷から出てきて、ライラお嬢様と公爵様を中へ案内していった。呆然としているところにシャルロット様がやってくる。
「ライラ様。魔法の天才として有名ですよね。私もあのようになりたいです」
「...」
言葉が出てこなかった。公爵家の家庭教師を辞めさせられた時は何も考えられなかった。だけどシャルロット様と目標を決めた時、俺もこう思った。
(俺もライラ様やアバを見返したい)
今もライラ様の顔を見ると苛立ちを感じる。
「お父様からお話は聞いています。ライラ様に魔法を教えていたのですよね?」
「はい...」
怒っているのが顔に出ていないか心配だったが案の定シャルロット様は
「先生の顔を見たらわかります。ライラ様がお嫌いなのですよね?」
「...」
「でしたら私を利用しませんか?」
驚きながらシャルロット様の顔を見ると複雑そうな顔をしていた。
「あなたはもう私の家庭教師です。でしたら私が頑張ればライラ様を見返せると思いませんか?」
まだ明確に見返すことを考えてなかった。でも俺の私情にシャルロット様を巻き込んでいいのか?
「私だってバカにされたりする気持ちは分かります。ですので一緒に頑張りませんか?」
「...。わかった」
「はい!ではまず私を一人前に魔法使いにしてください!」
「わかりました」
ここまで生徒に言わせて断る理由なんてない。今はお互いの目標が決まった。
「シャルロット様。なんでライラ様がこちらに来たのか分かりますか?」
「はい。先生がどのように教えていたかなどをお父様に報告しているのだと思います。本当なら書類などで終わるので来ることなんてないのですが、なぜか今回は公爵家からこちらにいらっしゃったのです」
「そうなんだ...」
報告か...。どんな感じに言われているのかな。やっぱり良い報告ではないよな。そこから10分程度話していると、ライラ様が屋敷から出てきてこちらにやってくる。
「お久しぶりです。シャルロット様。魔法の方は順調ですか?」
「はい。先生が来てくれたおかげで少しですが上達はしていると思います」
すると笑いながら
「上達ですか。それはよかったですね。でもこんな無能な先生に教えてもらって上達するなんてシャルロット様ももう少し勉強したほうがいいのでは?」
「...。先生は良い人ですよ。教え方も上手ですし、きちんと基礎を教えてもらえます」
「基礎しか教えていないの間違えでは?」
「まだ基礎なだけです。今後いろいろ教えてもらう予定です」
「そうですか。ではシャルロット様。同じ学校ですし、一度手合わせ致しませんか?」
「なんでですか?」
さっきからシャルロット様の様子がおかしい。ライラ様に対して怒っているような感じだ...。
「同じ教師を持った同士、先生に今の実力を見せるのも生徒としての役目でしょう。どうですか?」
「わかりました。お願いします」
話が終わって大きな草原に向かう。そこで俺はシャルロット様に
「やめても大丈夫ですよ? 私からライラ様に申しますので」
「大丈夫です。それに先生をバカにされていい気分はしませんし、このまま帰ってもらったら負けた感じがしますので!」
「そうですか。では頑張ってください」
「はい!」
こうしてシャルロット様とライラ様の決闘が始まった。
首を傾げながら尋ねてくる。
(か、可愛い...)
いやいや、生徒にそのような感情をもってどうするんだ。一旦深呼吸をして答える。
「はい。自分の体を守るため、無意識的に制御してしまっているのです」
「それはどうやったら治るのですか?」
「すみません。人それぞれなのでわからないのです」
「そうですか...」
俺が答えるとシュンとした表情に変わった。
(シャルロット様は感情が豊かだな)
「ですので一緒に探していきましょう」
「はい! よろしくお願いします」
それにしてもどうやってリミッターを外すか...。文献では様々な方法が書かれていた。絶体絶命な時だったり、身近な人が死んだ時だったり。どれもシャルロット様の身近で起きるとは思えないし、思いたくもない。
「まあ今考えても答えが出るわけではないので、基礎魔法の練習でもしましょうか」
「わかりました」
シャルロット様に指示をして魔法を唱えてもらう。指示と言ってもいたって簡単なことだ。反復練習をするだけ。シャルロット様のことだから今までもやっていたことだと思う。でもこれをやらなかったら魔法を使う時の感覚などが薄れていってしまい、勘が鈍ってしまう。だからこれは毎日欠かさずやらなくちゃいけない。
そしてもう一つの指示として魔法を使う時、どのように魔法が使えるか考えてもらう。初級でも上級でもイメージが大切だ。もしイメージ通りにいかない。そんな状況に危機的状況下で陥ったらまずい。だからイメージはものすごく重要である。イメージ通りにいかない理由としては体内でうまく魔素が循環していない場合か、魔力切れか。それとも自分に見合っていない魔法を使っている場合だ。
魔力切れは意識していればその場で何とかなるし、自分に見合っていない魔法もその場で他の魔法に替えればいいだけだが、魔素が体の中で循環していない場合はすぐ解決することができない。だからこそ反復練習が必要なんだ。
魔力切れ寸前までシャルロット様に魔法を使ってもらってから、書庫に行って魔法の基礎的な勉強をする。
この一連の流れを1週間程行っていくと、シャルロット様の魔法を唱える速度が少しずつだが早くなっているのが分かる。
(でもこれじゃダメなんだよな)
どれだけ早く魔法が使えようが、結局はリミッターを解除しない限り安定して魔法が使えない。でもやれることもあまりないため、魔法を複数使えるようになるための雑学などを教えてる。だけど時間は待ってくれない。
そして学校が始まる3日前、見覚えのある馬車が男爵家にやってきた。
(まさか...)
馬車から出てきたのはライラ様だった。
「ヘンリー久しぶりね」
「ライラお嬢様。お久しぶりです」
なんでここにいるんだ...。そう思っているころでハイーラ様が屋敷から出てきて、ライラお嬢様と公爵様を中へ案内していった。呆然としているところにシャルロット様がやってくる。
「ライラ様。魔法の天才として有名ですよね。私もあのようになりたいです」
「...」
言葉が出てこなかった。公爵家の家庭教師を辞めさせられた時は何も考えられなかった。だけどシャルロット様と目標を決めた時、俺もこう思った。
(俺もライラ様やアバを見返したい)
今もライラ様の顔を見ると苛立ちを感じる。
「お父様からお話は聞いています。ライラ様に魔法を教えていたのですよね?」
「はい...」
怒っているのが顔に出ていないか心配だったが案の定シャルロット様は
「先生の顔を見たらわかります。ライラ様がお嫌いなのですよね?」
「...」
「でしたら私を利用しませんか?」
驚きながらシャルロット様の顔を見ると複雑そうな顔をしていた。
「あなたはもう私の家庭教師です。でしたら私が頑張ればライラ様を見返せると思いませんか?」
まだ明確に見返すことを考えてなかった。でも俺の私情にシャルロット様を巻き込んでいいのか?
「私だってバカにされたりする気持ちは分かります。ですので一緒に頑張りませんか?」
「...。わかった」
「はい!ではまず私を一人前に魔法使いにしてください!」
「わかりました」
ここまで生徒に言わせて断る理由なんてない。今はお互いの目標が決まった。
「シャルロット様。なんでライラ様がこちらに来たのか分かりますか?」
「はい。先生がどのように教えていたかなどをお父様に報告しているのだと思います。本当なら書類などで終わるので来ることなんてないのですが、なぜか今回は公爵家からこちらにいらっしゃったのです」
「そうなんだ...」
報告か...。どんな感じに言われているのかな。やっぱり良い報告ではないよな。そこから10分程度話していると、ライラ様が屋敷から出てきてこちらにやってくる。
「お久しぶりです。シャルロット様。魔法の方は順調ですか?」
「はい。先生が来てくれたおかげで少しですが上達はしていると思います」
すると笑いながら
「上達ですか。それはよかったですね。でもこんな無能な先生に教えてもらって上達するなんてシャルロット様ももう少し勉強したほうがいいのでは?」
「...。先生は良い人ですよ。教え方も上手ですし、きちんと基礎を教えてもらえます」
「基礎しか教えていないの間違えでは?」
「まだ基礎なだけです。今後いろいろ教えてもらう予定です」
「そうですか。ではシャルロット様。同じ学校ですし、一度手合わせ致しませんか?」
「なんでですか?」
さっきからシャルロット様の様子がおかしい。ライラ様に対して怒っているような感じだ...。
「同じ教師を持った同士、先生に今の実力を見せるのも生徒としての役目でしょう。どうですか?」
「わかりました。お願いします」
話が終わって大きな草原に向かう。そこで俺はシャルロット様に
「やめても大丈夫ですよ? 私からライラ様に申しますので」
「大丈夫です。それに先生をバカにされていい気分はしませんし、このまま帰ってもらったら負けた感じがしますので!」
「そうですか。では頑張ってください」
「はい!」
こうしてシャルロット様とライラ様の決闘が始まった。
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