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1.1 お互いの目標
8話 見返すために!
しおりを挟む「まず、今日は決闘を止めていただきありがとうございました」
「いえ。それは私の仕事ですので。それよりもリミッターの解除おめでとうございます」
「ありがとうございます! これも先生のおかげです!」
少し複雑そうな顔をする。こう言ってくれているが、リミッター解除を出来たのは俺のおかげなんかじゃない。シャルロット様自身がこじ開けたんだ。俺は何もしていない。
(本当に何をやっていたんだろ...)
ここに来てから俺は魔法の基礎を教えていた。だけどそれは誰でもできたことだし、本当に俺が必要だったのか疑問に感じてしまう。
そう思っているとシャルロット様が優しい声で俺に問いかけてくれる。
「先生はライラ様が言っている事を鵜吞みにしているのですか?」
「え? まあそうですね。はっきり言って私がいなくても遅かれ早かれシャルロット様は成長できたと思いますので」
するとシャルロット様は怒り始めた。
「先生がいなかったら今の私はいません! 先生のおかげですよ?」
「...。では私個人でシャルロット様に何かしましたか?」
魔法は教えた。でもリミッター解除する方法を具体的に教えたわけじゃない。
「私がなんで魔法をうまく使えないか教えてくれたじゃないですか!」
「それはそうですね。ですがそれだけですよ」
「違います! 先生がいたからできたんです! それにライラ様と戦った時、私は同時に魔法を使うことができました。これは先生のおかげじゃないんですか?」
「...。そうですね」
はっきり言ってあの戦いぶりには驚かされた。今まで魔法を同時に使うことなんてできていなかった。
「それに先生は私に言ってくれましたよね? リミッター解除する方法を」
「え? そんなこと言いましたか?」
今までの人がどのようにリミッター解除したのかは言ったけど、それだけだ。シャルロット様がどうやってリミッター解除するかなど、具体的に言った覚えがない。
「私も先程分かりましたけど、リミッター解除する方法は感情ではないのですか?」
「感情ですか?」
「はい。先生は言いましたよね? 自身が死ぬ直前や身内が死んだとき、リミッター解除した例があると」
「はい」
「それにすべて共通しているのはすべて感情が爆発的になることだと思うのです」
言われてみればそうか。自信が死ぬ直前、誰だって死にたくない。もっと生きたいと強く思うだろう。身内が死んだ時だって同じだ。この人に死んでほしくない。何かできることがないのかと。
「無意識にあの戦いで、私は感情を爆発してしまったのだと思います。先生をバカにされて嫌だ。この人はすごい人なんだと」
「...」
「ですので先生の力がなかったら私はリミッター解除することができませんでした。先生には本当に感謝しています」
「ありがとう...」
つい、敬語を忘れてしまった。でもそれほど思いもよらない言葉だった。俺は無意味なんかじゃなかったんだと思い知らされた。
「それにもし私がリミッター解除できなくても先生のおかげで少しずつですが成長していたのはわかっています。なので落ち込まないでください!」
「あぁ」
俺よりも4つも下なのにかなわないな。
「それにやっと今後の方針の現実味が見えてきたじゃないですか!」
「え?」
「はい! 今回の一件で男爵家を継ぐことが可能になったと思います。ですのでここからは私をもっともっと強くしてもらって皆さんを見返していきましょう! 私をバカにしてきた人。そしてライラ様を含めた公爵家を」
「そ、そうですね」
そっか。もうそこまで考えていたのか。俺が目標を立てたのに俺が見失ってた...。
「私が結果を残して、ライラ様がもう一度教えてほしいと言ってくるのことが想像つきませんか? 私はできると思います。先生はそうは思いませんか?」
「...。シャルロット様ならできると思います」
「そして私にはバカにしてきた人たちが謝ってくる姿の想像ができます。お互い方向性は一緒なので頑張りましょ?」
「あぁ。明日からもっともっと練習していこう」
「はい! では私は戻りますね。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
シャルロット様が客間から出ていくのを見ながら先程言われたことを想像する。ライラ様がまた教えてほしい。シャルロット様をバカにしてきた奴らが悔しむような顔を思い浮かべる。
(スカッとするよな)
だったら頑張らないと。俺が落ち込んでいたらシャルロット様に悪い。だったら前を向いてあの人たちを見返すことを考えていこう。
「そうだ。見返してやる」
俺は部屋に戻って今後の予定を組み立て始めた。そしてあっという間にシャルロット様の登校日になった。
ここから前世の力をシャルロット様に教えて快進撃が始まっていく。
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