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第四章(その3) 警部補戸田章三(2)
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五月二十三日、早朝五時。
戸田は、上之園町にある鹿箭島高近くのコンビニの駐車場にスクーターバイクを停めた。
「すみません。また頼みます」
店員に鍵を預けた戸田は、目前の中洲通から鹿箭島高校を通り抜けて柳田通りへと歩き出した。
四月三十日に柳田通り、翌五月一日に唐湊三丁目の鹿箭島PJ女学園前で津田純子の遺体が発見されて以来、戸田は可能な限り両地点を結ぶ五キロほどの道のりを歩き続けてきた。
往復で十キロほどの行程を、日によって始発点や行路を変えながら、二時間ほどかけてゆっくりと歩いた。今日までで十回は歩いただろうか。
早朝の人影のまばらな時間帯であっても、戸田の姿に気づく人が出始めていた。姿に気付けば、戸田の正体、さらには戸田の意図も理解するようになる。
人の日常というものはそう変わるものではない。
だからこそ、繰り返される変わらぬ日常の中に、ふと異変が訪れたとすれば、異変の直後には他人に問われても気づかなかった異変の隠れた姿が、日常の変わらぬ生活に戻ったときに、ふいに浮かび上がってくることがある。異変の後の日常の中に新しい風景が入り込み、それが続いていくと、より鮮明に思い出すこともある。
戸田は、いや戸田だけでなく、同じように早朝の犯行時刻と同じ時間帯に犯行現場を歩き続ける数名の捜査員たちも、浮かび上がってくる些細な姿を捕らえようとしていた。
だが、この時点ではまだ成果はなかったし、あったとしても、戸田も彼らも早朝のその行為を【捜査】の一環だと認識している者はなかったろう。
では何か、そう問われるとすれば、ずいぶん考えたあげく、
『現場の、被害者の無念さを焼き付けておきたいだけだ』
そう答えるのが精一杯かもしれない。
柳田通りから新川へ出、新川沿いを川下にしばらく進むと長い曲がりくねった急坂へと分岐する。急坂を二十分ほど上って、ちょうど息が切れた頃鹿箭島PJ女子校に着く。そこからさらに十分ほど上ると、ようやく高台の住宅地になる。幸いなことに住宅地の公園前に公園前交番があった。
戸田は、六時前後に交番に着き、一息とは言えない程度の息を入れ、なにがしかの情報を交換する。そして、やれやれと急坂を曲がり曲がり下って西署を経由し、置かせてもらっていたスクーターバイクで向かった県警本部に籠もる。
それがこの三週間ほどの間に繰り返された行程だった。
戸田は、津田純子に関する聞き込みをする際に重ねて聞いていたことがある。
「一月前の三月末から四月上旬、三ヶ月前の一月末から二月上旬に、何か変わったことはありませんか」
はかばかしくない返答をもらうと、さらに付け加えた。
「思い出したら連絡をくれませんか。半年前の十月末頃のことでもかまいませんので」
五月二十三日、午後二時過ぎ。
県警刑事課に籠もっている戸田に一本の電話が入った。新納涼子からだ。
津田純子の遺体は、いつ引き渡されるのですか? そういう内容だった。
「司法解剖が終わり次第連絡があるはずですが、こちらでの確認は未だ……」
戸田は切り口上に告げた。
「所轄の出水署の方に私より詳しい情報が行くはずですので、以後はそちらに」
明後日が、と涼子はためらいながら言った。
「彼女の十八回目の誕生日になるはずでした。その日までには帰って来られないのでしょうか」
戸田は重ねて、
「自分の知るところではないし、あなたには直接関係のないことだ」
と短く言い切り、さらに付け加えた。
「他に用件がなければ、これで切りますが」
いえまだ、と涼子は口ごもった。
「実は今週末に研修があって鹿箭島市内に出るものですから、時間が作れれば津田さんのご両親とご一緒できるかと思ったんです。わたしには何もできないんですけれど、見ているのも辛いご様子をなさっているものですから……」
そうですか、と戸田は気のない相づちを打った。
「ええ。しょう……。戸田さんから支えてやってくれと頼まれましたが、わたしの力などでは到底……。あの」
涼子は言い出しかねている。
他に、と戸田が口を開くのと同時に、
「できれば、あの、時間を作っていただければ、戸田さんに直接ご相談したいこともあるのですが」
と切り出した。戸田は返事をしない。
「ご無理でしょうか」
「仕事上のことなら。但し、いついつ、と伺っても職務上確実な約束はできませんが、代わりの者は寄越せるでしょう。それでよければ」
ええ、という涼子のことばを受けて、戸田は携帯電話の番号を伝えて、受話器を置いた。
「今週末には」
そう言った涼子の声が戸田の耳の奥でこだまし、胸の深いところに重く支《つか》えていった。
午後三時過ぎになると、今度は科捜研の坂村技官からの連絡が入った。
五月二十五日、午後六時から、と技官は言った。
「例の研究会、今度こそお前さんも出るように。係長には承諾を得ているから」
戸田は、曖昧に頷いた。出たくはなかったが、週末なら、研究会に出れば、新納涼子に会わずにすむ。代わりに、瀬ノ尾でもやっておけばいい。
戸田に意識はなかったが、ずいぶんと長い時間、瀬ノ尾を見つめていたのかもしれない。
「戸田さん、俺。なんかしでかしましたかね」
瀬ノ尾の怪訝そうな声が戸田の耳に飛び込んできた。
いや、戸田は口の中で否定した。
『しでかしそうなのは、俺のほうかもしれん』
【五八】との接触者でリストに上がった者は、現段階では二十三名。
その中のひとりでも接触が確認できれば、事態は大きく進む。この数日の戸田と瀬ノ尾は、リストアップした【五八】との接触者の照会に明け暮れていた。
できあがったリストを生活安全課に流し、彼らが把握している売買春容疑者リストと照会し、生活安全課が継続中の捜査であれば、容疑者をそのまま移管して、最優先捜査に回してもらう。彼らのリストから漏れている者に、戸田と瀬ノ尾が接触する。そういう流れだった。
二十三名中、七名が戸田らの仕事になった。
はっきりとした売春行為の持ちかけが確認できない場合、生活安全課の捜査の範疇では対応が難しくなる。それが七名。他に二名の捜査対象外がいた。売春容疑の被疑者ではあるが、すでに死亡が確認されている。
死亡者は、日高奈津子(当時十七歳)、岩元日出子(当時十八歳)のふたり。
日高奈津子は、二年前の平成十七年六月初旬に【五八】と数回の通話記録があり、翌十八年の二月七日に自宅近くのビルから投身自殺を遂げていた。
岩元日出子は、平成十七年九月中旬に通話記録があり、同年十一月十三日に交通事故死。
両名ともに、出会い系サイトの掲示板に売春をほのめかす書き込みがあったが、生活安全課の内偵の際には既に死亡が確認されており、しかも自殺・事故と断定できる証拠があったため捜査対象から外されていた経緯があった。
「死者を鞭打たねばならん、か」
戸田はつぶやいた。
「で、戸田さん。いつ出向きます?」
「【五八】に接触していたとしても、本人に確認できないんじゃあな。【五八】の写真でも残していれば別だが……。逆のケースなら、男を調べるんなら、残ってるケースも多いが、客の写真を残してる若い子は、少ないだろうな」
戸田は、曖昧にことばをフェードアウトしていった。
「ま、他からあたろうや」
戸田は、上之園町にある鹿箭島高近くのコンビニの駐車場にスクーターバイクを停めた。
「すみません。また頼みます」
店員に鍵を預けた戸田は、目前の中洲通から鹿箭島高校を通り抜けて柳田通りへと歩き出した。
四月三十日に柳田通り、翌五月一日に唐湊三丁目の鹿箭島PJ女学園前で津田純子の遺体が発見されて以来、戸田は可能な限り両地点を結ぶ五キロほどの道のりを歩き続けてきた。
往復で十キロほどの行程を、日によって始発点や行路を変えながら、二時間ほどかけてゆっくりと歩いた。今日までで十回は歩いただろうか。
早朝の人影のまばらな時間帯であっても、戸田の姿に気づく人が出始めていた。姿に気付けば、戸田の正体、さらには戸田の意図も理解するようになる。
人の日常というものはそう変わるものではない。
だからこそ、繰り返される変わらぬ日常の中に、ふと異変が訪れたとすれば、異変の直後には他人に問われても気づかなかった異変の隠れた姿が、日常の変わらぬ生活に戻ったときに、ふいに浮かび上がってくることがある。異変の後の日常の中に新しい風景が入り込み、それが続いていくと、より鮮明に思い出すこともある。
戸田は、いや戸田だけでなく、同じように早朝の犯行時刻と同じ時間帯に犯行現場を歩き続ける数名の捜査員たちも、浮かび上がってくる些細な姿を捕らえようとしていた。
だが、この時点ではまだ成果はなかったし、あったとしても、戸田も彼らも早朝のその行為を【捜査】の一環だと認識している者はなかったろう。
では何か、そう問われるとすれば、ずいぶん考えたあげく、
『現場の、被害者の無念さを焼き付けておきたいだけだ』
そう答えるのが精一杯かもしれない。
柳田通りから新川へ出、新川沿いを川下にしばらく進むと長い曲がりくねった急坂へと分岐する。急坂を二十分ほど上って、ちょうど息が切れた頃鹿箭島PJ女子校に着く。そこからさらに十分ほど上ると、ようやく高台の住宅地になる。幸いなことに住宅地の公園前に公園前交番があった。
戸田は、六時前後に交番に着き、一息とは言えない程度の息を入れ、なにがしかの情報を交換する。そして、やれやれと急坂を曲がり曲がり下って西署を経由し、置かせてもらっていたスクーターバイクで向かった県警本部に籠もる。
それがこの三週間ほどの間に繰り返された行程だった。
戸田は、津田純子に関する聞き込みをする際に重ねて聞いていたことがある。
「一月前の三月末から四月上旬、三ヶ月前の一月末から二月上旬に、何か変わったことはありませんか」
はかばかしくない返答をもらうと、さらに付け加えた。
「思い出したら連絡をくれませんか。半年前の十月末頃のことでもかまいませんので」
五月二十三日、午後二時過ぎ。
県警刑事課に籠もっている戸田に一本の電話が入った。新納涼子からだ。
津田純子の遺体は、いつ引き渡されるのですか? そういう内容だった。
「司法解剖が終わり次第連絡があるはずですが、こちらでの確認は未だ……」
戸田は切り口上に告げた。
「所轄の出水署の方に私より詳しい情報が行くはずですので、以後はそちらに」
明後日が、と涼子はためらいながら言った。
「彼女の十八回目の誕生日になるはずでした。その日までには帰って来られないのでしょうか」
戸田は重ねて、
「自分の知るところではないし、あなたには直接関係のないことだ」
と短く言い切り、さらに付け加えた。
「他に用件がなければ、これで切りますが」
いえまだ、と涼子は口ごもった。
「実は今週末に研修があって鹿箭島市内に出るものですから、時間が作れれば津田さんのご両親とご一緒できるかと思ったんです。わたしには何もできないんですけれど、見ているのも辛いご様子をなさっているものですから……」
そうですか、と戸田は気のない相づちを打った。
「ええ。しょう……。戸田さんから支えてやってくれと頼まれましたが、わたしの力などでは到底……。あの」
涼子は言い出しかねている。
他に、と戸田が口を開くのと同時に、
「できれば、あの、時間を作っていただければ、戸田さんに直接ご相談したいこともあるのですが」
と切り出した。戸田は返事をしない。
「ご無理でしょうか」
「仕事上のことなら。但し、いついつ、と伺っても職務上確実な約束はできませんが、代わりの者は寄越せるでしょう。それでよければ」
ええ、という涼子のことばを受けて、戸田は携帯電話の番号を伝えて、受話器を置いた。
「今週末には」
そう言った涼子の声が戸田の耳の奥でこだまし、胸の深いところに重く支《つか》えていった。
午後三時過ぎになると、今度は科捜研の坂村技官からの連絡が入った。
五月二十五日、午後六時から、と技官は言った。
「例の研究会、今度こそお前さんも出るように。係長には承諾を得ているから」
戸田は、曖昧に頷いた。出たくはなかったが、週末なら、研究会に出れば、新納涼子に会わずにすむ。代わりに、瀬ノ尾でもやっておけばいい。
戸田に意識はなかったが、ずいぶんと長い時間、瀬ノ尾を見つめていたのかもしれない。
「戸田さん、俺。なんかしでかしましたかね」
瀬ノ尾の怪訝そうな声が戸田の耳に飛び込んできた。
いや、戸田は口の中で否定した。
『しでかしそうなのは、俺のほうかもしれん』
【五八】との接触者でリストに上がった者は、現段階では二十三名。
その中のひとりでも接触が確認できれば、事態は大きく進む。この数日の戸田と瀬ノ尾は、リストアップした【五八】との接触者の照会に明け暮れていた。
できあがったリストを生活安全課に流し、彼らが把握している売買春容疑者リストと照会し、生活安全課が継続中の捜査であれば、容疑者をそのまま移管して、最優先捜査に回してもらう。彼らのリストから漏れている者に、戸田と瀬ノ尾が接触する。そういう流れだった。
二十三名中、七名が戸田らの仕事になった。
はっきりとした売春行為の持ちかけが確認できない場合、生活安全課の捜査の範疇では対応が難しくなる。それが七名。他に二名の捜査対象外がいた。売春容疑の被疑者ではあるが、すでに死亡が確認されている。
死亡者は、日高奈津子(当時十七歳)、岩元日出子(当時十八歳)のふたり。
日高奈津子は、二年前の平成十七年六月初旬に【五八】と数回の通話記録があり、翌十八年の二月七日に自宅近くのビルから投身自殺を遂げていた。
岩元日出子は、平成十七年九月中旬に通話記録があり、同年十一月十三日に交通事故死。
両名ともに、出会い系サイトの掲示板に売春をほのめかす書き込みがあったが、生活安全課の内偵の際には既に死亡が確認されており、しかも自殺・事故と断定できる証拠があったため捜査対象から外されていた経緯があった。
「死者を鞭打たねばならん、か」
戸田はつぶやいた。
「で、戸田さん。いつ出向きます?」
「【五八】に接触していたとしても、本人に確認できないんじゃあな。【五八】の写真でも残していれば別だが……。逆のケースなら、男を調べるんなら、残ってるケースも多いが、客の写真を残してる若い子は、少ないだろうな」
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