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蜘蛛猫になった
蜘蛛猫、第一ノ聖瞳 喜びの……
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時間がゆっくりと戻っていく、私の監獄も後数発で破られる。残された時間はなかった。
女神の事はそんなに好きでは無いが、くさっても神様だ。
何もしなければ、死んでしまうのだから、最後くらい信じてみよう。
愛しているわ。チョコちゃん。
私は彼女に誓いのキスをした。
花びら舞う中、ファンフーレが鳴り響く。
『ピーピー。第一ノ聖瞳 喜び 祝福ノ瞳の条件 愛するものとの死の危機、及び、誓いのキスを確認。覚醒対象に死が迫っています。ピー 管理システムにアクセス。一時的に思考加速を付与します。』
強制読み込みの弊害として、私の頭にデバッグダメージが入る。焼けるような痛み、ぐわんぐわんと視界が回る。吐き気も襲う。
『対象の脳内が耐えきれない。ピー 予定外、予定外 管理システムにアクセス 脳内再生を付与します。続いて痛覚耐性・極Lv.不明を付与。』
痛みが和らぎ、休らぎが訪れる。
『最後に処置を始めます。ここに神と魔と人との愛が結ばれました。さぁ、開眼せよ。第一ノ聖瞳 喜び 祝福ノ瞳!!』
「ピニャーーーーーーーーーーー!!!!」
目が目がーー!!
額の辺り、虎柄模様四つの内右上に新たな視界が現れる。脳内に画面が二つあるような。これは慣れるまでに時間がかかりそうだ。
若干気持ち悪い……てか、そこ目だったの?!
驚いている暇はなく、間髪入れずにお話が進む。
『開眼に成功致しました。効果説明の時間がありません。続いて叫んでください。覚醒』
「ピニャーー!!!!!!」
覚醒!!
な、何も起きない?ただ光っただけ?まさか?そんな事ないよね?どういう事?何??これは希望を持してからどん底に落とす嫌がれせですか?そうですか?これが私への仕打ちですか?本当に死ぬの?嫌だ!死にたく無い?動かないで?お願い!死にたく無い!!
あ……思考加速が終わってしまう。
最後の一瞬までチョコちゃんを抱きしめて死んでやる!!
無慈悲に時は動き出す。
「断罪!!連陣!!ひゃひゃひゃひゃ!!!」
怖いよ。死ぬの嫌だよ。もう死にたくないよ。でも、終わり。あの攻撃を受けてしまったら、壊れる。生きたいよ。誰か助けて……
「ピニャ……!?」
パリンッガキンッと音がしたのにも関わらず、まだ私は生きている。どういうことだ?と思い、恐る恐る上を向くと、シャロパパが断罪の大剣をも凌ぐ大きさの龍の盾を構えていた。
「大丈夫か?」
「ピニャ」
だが安心は出来ない。何故ならその盾すら破壊せんと大剣を振り続けるのが見えたから。
「お母様」
「ッ?!」
一言。たった一言で攻撃が止んだ。
いつもはママと呼ぶ少女の「お母様」で止まったのだ。
私は攻撃が止んだ事で張っていた心の糸がプチッと切れ、チョコちゃんを抱き抱えたまま気絶した。
女神の事はそんなに好きでは無いが、くさっても神様だ。
何もしなければ、死んでしまうのだから、最後くらい信じてみよう。
愛しているわ。チョコちゃん。
私は彼女に誓いのキスをした。
花びら舞う中、ファンフーレが鳴り響く。
『ピーピー。第一ノ聖瞳 喜び 祝福ノ瞳の条件 愛するものとの死の危機、及び、誓いのキスを確認。覚醒対象に死が迫っています。ピー 管理システムにアクセス。一時的に思考加速を付与します。』
強制読み込みの弊害として、私の頭にデバッグダメージが入る。焼けるような痛み、ぐわんぐわんと視界が回る。吐き気も襲う。
『対象の脳内が耐えきれない。ピー 予定外、予定外 管理システムにアクセス 脳内再生を付与します。続いて痛覚耐性・極Lv.不明を付与。』
痛みが和らぎ、休らぎが訪れる。
『最後に処置を始めます。ここに神と魔と人との愛が結ばれました。さぁ、開眼せよ。第一ノ聖瞳 喜び 祝福ノ瞳!!』
「ピニャーーーーーーーーーーー!!!!」
目が目がーー!!
額の辺り、虎柄模様四つの内右上に新たな視界が現れる。脳内に画面が二つあるような。これは慣れるまでに時間がかかりそうだ。
若干気持ち悪い……てか、そこ目だったの?!
驚いている暇はなく、間髪入れずにお話が進む。
『開眼に成功致しました。効果説明の時間がありません。続いて叫んでください。覚醒』
「ピニャーー!!!!!!」
覚醒!!
な、何も起きない?ただ光っただけ?まさか?そんな事ないよね?どういう事?何??これは希望を持してからどん底に落とす嫌がれせですか?そうですか?これが私への仕打ちですか?本当に死ぬの?嫌だ!死にたく無い?動かないで?お願い!死にたく無い!!
あ……思考加速が終わってしまう。
最後の一瞬までチョコちゃんを抱きしめて死んでやる!!
無慈悲に時は動き出す。
「断罪!!連陣!!ひゃひゃひゃひゃ!!!」
怖いよ。死ぬの嫌だよ。もう死にたくないよ。でも、終わり。あの攻撃を受けてしまったら、壊れる。生きたいよ。誰か助けて……
「ピニャ……!?」
パリンッガキンッと音がしたのにも関わらず、まだ私は生きている。どういうことだ?と思い、恐る恐る上を向くと、シャロパパが断罪の大剣をも凌ぐ大きさの龍の盾を構えていた。
「大丈夫か?」
「ピニャ」
だが安心は出来ない。何故ならその盾すら破壊せんと大剣を振り続けるのが見えたから。
「お母様」
「ッ?!」
一言。たった一言で攻撃が止んだ。
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