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蜘蛛猫、親御さんへのご挨拶をする。
蜘蛛猫、チョコちゃん家の夕飯?②
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私が布をとった事で、二人の視線が私に刺さる。ミルクは私を見るなり固まり、ミントママは戸惑ってはいたが、笑顔で私に寄り添ってくれた。
「猫ちゃんじゃなくて、蜘蛛でもあり、猫でもあったんですね。貴方様がどんな魔物でも、チョコちゃんはあれだけ幸せそうなんです。だから私は信じます」
ミントママはとても暖かい。失った日本での生活、死にかけた此方での生活。心の奥底でポッカリと開いていた怖さ、寂しさ、チョコちゃんたちが少しずつ埋めてくれていた。私の穴の残りを埋めるように、優しい感情(家族の暖かみ)が私を包んだ。それと同時に涙が溢れた。
「ピニャ……ニャ……」
「はいはい。頑張ったんですね。私たちの前では、泣いたっていいんですよ。もう家族なんですから」
「そうです。イト様」
「びっくりしたけど、ママと姉が認めたなら、家族だよ」
「ピ……ピ……ピニャー」
みんなが私を抱きしめてくれる。暖かい、とても暖かい。家族の温もり、安心する。チョコちゃんに介抱されながら、涙と鼻水を流した。完全に日が落ちた頃には、流石に涙もおさまっていた。
「ただいまですぞよ~」
ドアがバンっと開いて入ってきたのは白髪の男だった。そしてその男は大きかった。筋肉で大きいのではない。脂肪で大きいのだ。でも、なぜか顔からはイケメン臭が漂っている。そんな気がする。
「パパお帰りです」
「ピ?!」
パ、パパ?!
このぽっちゃりさんがパパ?てことは、カカオパパってこと?
「パパ!!」
ミルクちゃんが飛びつくように抱きつく。
「おっとっと、ミルクもただいま」
お腹をクッションのようにし、下に受け流した。
「うん!おかえり!」
「パパ。おかえりなさい」
「?あーただいま。これ同僚から頂いたレッドボアの腹肉だ」
肩に乗っていた小さなスライムからレッドボアと呼ばれた魔物の肉を取り出した。
※レッドボア
砂漠地帯に近い草原に住む魔物。イノシシのような姿だが、背中に炎を纏っているのが特徴。攻撃の際には全身に炎纏って猪突猛進してくる。お肉は脂身が燃焼されている為、脂っこくなく、つまみや油の苦手な奥様方に好かれている。
「あら~また良い物を頂きましたね~」
「ああ!……それでそこの魔物は?」
家族団欒中ではあったが、帰宅した瞬間から額の脂汗が止まらなかったカカオパパは、遂にその正体である私について家族に聞いた。ミントママやミルクちゃんが喋ろうとするのを阻むようにチョコちゃんが前に出た。
カカオパパが戸惑う。
そして私も並び立つように前に出た。
私が出てきた事で緊張が走る。
「この方はイト様。チョコの主であり、婚約者です」
「ゑ」
堂々と宣言した内容があまりにも理解し難い事だった。その為目を白黒させて戸惑うカカオパパ。彼も相棒として特殊なスライムをテイムしているが、それは相棒であって主従関係で云えばカカオパパが上でスライムが下だ。
だがチョコちゃんと私の関係は、魔物である私が上、チョコちゃんが下の契約である。その事ですら脳が処理きれないというのに、チョコちゃんが私の事を婚約者なんて紹介したもんだから、もうどうしようもない。
「パパ。もうこのお話は、ちゃんと私がしましたから、ほら、食卓に食べ物を運んでください」
横からカカオパパを掻っ攫っていかれた。
2人残された私たちと、それを後ろから見つめるミルクちゃんという、何とも格好つかない感じで、チョコちゃん家に招かれたのだった。
「猫ちゃんじゃなくて、蜘蛛でもあり、猫でもあったんですね。貴方様がどんな魔物でも、チョコちゃんはあれだけ幸せそうなんです。だから私は信じます」
ミントママはとても暖かい。失った日本での生活、死にかけた此方での生活。心の奥底でポッカリと開いていた怖さ、寂しさ、チョコちゃんたちが少しずつ埋めてくれていた。私の穴の残りを埋めるように、優しい感情(家族の暖かみ)が私を包んだ。それと同時に涙が溢れた。
「ピニャ……ニャ……」
「はいはい。頑張ったんですね。私たちの前では、泣いたっていいんですよ。もう家族なんですから」
「そうです。イト様」
「びっくりしたけど、ママと姉が認めたなら、家族だよ」
「ピ……ピ……ピニャー」
みんなが私を抱きしめてくれる。暖かい、とても暖かい。家族の温もり、安心する。チョコちゃんに介抱されながら、涙と鼻水を流した。完全に日が落ちた頃には、流石に涙もおさまっていた。
「ただいまですぞよ~」
ドアがバンっと開いて入ってきたのは白髪の男だった。そしてその男は大きかった。筋肉で大きいのではない。脂肪で大きいのだ。でも、なぜか顔からはイケメン臭が漂っている。そんな気がする。
「パパお帰りです」
「ピ?!」
パ、パパ?!
このぽっちゃりさんがパパ?てことは、カカオパパってこと?
「パパ!!」
ミルクちゃんが飛びつくように抱きつく。
「おっとっと、ミルクもただいま」
お腹をクッションのようにし、下に受け流した。
「うん!おかえり!」
「パパ。おかえりなさい」
「?あーただいま。これ同僚から頂いたレッドボアの腹肉だ」
肩に乗っていた小さなスライムからレッドボアと呼ばれた魔物の肉を取り出した。
※レッドボア
砂漠地帯に近い草原に住む魔物。イノシシのような姿だが、背中に炎を纏っているのが特徴。攻撃の際には全身に炎纏って猪突猛進してくる。お肉は脂身が燃焼されている為、脂っこくなく、つまみや油の苦手な奥様方に好かれている。
「あら~また良い物を頂きましたね~」
「ああ!……それでそこの魔物は?」
家族団欒中ではあったが、帰宅した瞬間から額の脂汗が止まらなかったカカオパパは、遂にその正体である私について家族に聞いた。ミントママやミルクちゃんが喋ろうとするのを阻むようにチョコちゃんが前に出た。
カカオパパが戸惑う。
そして私も並び立つように前に出た。
私が出てきた事で緊張が走る。
「この方はイト様。チョコの主であり、婚約者です」
「ゑ」
堂々と宣言した内容があまりにも理解し難い事だった。その為目を白黒させて戸惑うカカオパパ。彼も相棒として特殊なスライムをテイムしているが、それは相棒であって主従関係で云えばカカオパパが上でスライムが下だ。
だがチョコちゃんと私の関係は、魔物である私が上、チョコちゃんが下の契約である。その事ですら脳が処理きれないというのに、チョコちゃんが私の事を婚約者なんて紹介したもんだから、もうどうしようもない。
「パパ。もうこのお話は、ちゃんと私がしましたから、ほら、食卓に食べ物を運んでください」
横からカカオパパを掻っ攫っていかれた。
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