44 / 51
蜘蛛猫、親御さんへのご挨拶をする。
番外編 王城にて
しおりを挟む
時は遡り、丁度チョコちゃんとクレープを買っていたくらいの時間。
12代目要塞都市シルデストの王である。モルルス・シルデスト王並びに、ルト・シルデスト王妃に謁見する為、シャロパパ事、ランス・ペンドラゴンは王城を訪れていた。
まあ、分家な訳だから。そんなにそんなに気を使う必要もないのだけど。
一応相手は王族。この国のトップな訳だから、形だけでもという事だ。
「ご無沙汰しております。ランス・ペンドラゴン、モルルス王並びにルト王妃へのご報告に参りました」
「ほう。報告とな」
モルルス王がパチっと指を鳴らすと、兵士が全員扉の外へと退場した。ルト王妃が気さくに話し出す。
「珍しいじゃない?アーサーちゃんじゃなくて、ランス。貴方が報告に来るなんて?」
「そうだな!ランスよ!早く報告せい!」
「はは、それじゃあ報告します。先に妻のアーサーですが、今朝まで娘にこっ酷く搾られておったので、連れて来ませんでした」
「はあ……全くあの娘は何をやってるのやら……」
ルト王妃が頭を抱えて椅子に肘をつく。
「その原因となったのが娘が連れてきたとある魔物とうちのメイドでして……」
「ほほ~魔物とな。其奴はどんな奴なんだ?」
どう説明するかまとめてきたつもりだったが……悩んだ後に、そのままの見た目を言うことにした。
「頭が猫で身体が蜘蛛でございます」
「……今なんと」
「頭が猫で身体が蜘蛛でございます」
王と王妃はぽかんと口を開ける。それもそうだろう。女神の戯れで作られた魔物だ。この世に1匹しかいないのだから。
「ごほん。それでどうしてあの娘が怒られる事になったのかしら?」
其れからの経緯を話した。笑いを堪えきれなかったのか、モルルスは腹を抱えて笑う。
「なっはっは!あのバカ姉の狂人者の攻撃を凌いだだと。それだけでも凄いというのに、メイド1人を守りきったと。こりゃあ天晴だな!そのイトという魔物は」
※正確にはアーサーは、モルルス王の実の姉ではない。従妹で若干アーサーの方が歳上というだけ。ルト王妃は、アーサーの親友であり、元ライバルである。ランスもアーサーやルト王妃と同年代で勇逸、アーサーに真っ向から挑み、攻撃を凌いだ漢である。それを気に入られたから結婚したそうだよ。
by.愛の女神の愛ネットより
「それで家を壊して、お客さまとメイド1人を殺しそうになったのがシャロちゃんにバレて一晩中冷水に漬けられてたと」
呆れる王妃と爆笑する王様。それをどうしたものかと動行を見守るシャロパパ。
ひとしきり笑ったモルルスは、シャロパパからその魔物が出した糸で編んだ布をもらった後、一呼吸置いてから口を開いた。
「ワシは、そのイトという魔物が心底気に入った!!今度時間を作るから連れてまえれ!」
「あはは、そう言うと思ってましたよ」
乾いた笑いが出る。
「後、アーサーちゃんも連れておいでね」
「はい。お手柔らかにお願いしますよ」
「ふふふ、善処するわ」
帰宅後に、その瞳は善処する気など全くなさそうだったと、シャロパパから聞いたシャロママは青ざめるのであった。
「チュウ……ここのは美味しいチュウ」
「チュウ……早く帰るッチュ」
「わかっているチュウ」
王城の地下、食糧庫にて、2匹のネズミが侵入していた。
「必要なのは~……」
「やばいッチュ!」
「逃げるチュウ~」
「「チュウ~」」
自分の身体3つ分の食糧を風呂敷に入れ、逃げ帰るのであった。
12代目要塞都市シルデストの王である。モルルス・シルデスト王並びに、ルト・シルデスト王妃に謁見する為、シャロパパ事、ランス・ペンドラゴンは王城を訪れていた。
まあ、分家な訳だから。そんなにそんなに気を使う必要もないのだけど。
一応相手は王族。この国のトップな訳だから、形だけでもという事だ。
「ご無沙汰しております。ランス・ペンドラゴン、モルルス王並びにルト王妃へのご報告に参りました」
「ほう。報告とな」
モルルス王がパチっと指を鳴らすと、兵士が全員扉の外へと退場した。ルト王妃が気さくに話し出す。
「珍しいじゃない?アーサーちゃんじゃなくて、ランス。貴方が報告に来るなんて?」
「そうだな!ランスよ!早く報告せい!」
「はは、それじゃあ報告します。先に妻のアーサーですが、今朝まで娘にこっ酷く搾られておったので、連れて来ませんでした」
「はあ……全くあの娘は何をやってるのやら……」
ルト王妃が頭を抱えて椅子に肘をつく。
「その原因となったのが娘が連れてきたとある魔物とうちのメイドでして……」
「ほほ~魔物とな。其奴はどんな奴なんだ?」
どう説明するかまとめてきたつもりだったが……悩んだ後に、そのままの見た目を言うことにした。
「頭が猫で身体が蜘蛛でございます」
「……今なんと」
「頭が猫で身体が蜘蛛でございます」
王と王妃はぽかんと口を開ける。それもそうだろう。女神の戯れで作られた魔物だ。この世に1匹しかいないのだから。
「ごほん。それでどうしてあの娘が怒られる事になったのかしら?」
其れからの経緯を話した。笑いを堪えきれなかったのか、モルルスは腹を抱えて笑う。
「なっはっは!あのバカ姉の狂人者の攻撃を凌いだだと。それだけでも凄いというのに、メイド1人を守りきったと。こりゃあ天晴だな!そのイトという魔物は」
※正確にはアーサーは、モルルス王の実の姉ではない。従妹で若干アーサーの方が歳上というだけ。ルト王妃は、アーサーの親友であり、元ライバルである。ランスもアーサーやルト王妃と同年代で勇逸、アーサーに真っ向から挑み、攻撃を凌いだ漢である。それを気に入られたから結婚したそうだよ。
by.愛の女神の愛ネットより
「それで家を壊して、お客さまとメイド1人を殺しそうになったのがシャロちゃんにバレて一晩中冷水に漬けられてたと」
呆れる王妃と爆笑する王様。それをどうしたものかと動行を見守るシャロパパ。
ひとしきり笑ったモルルスは、シャロパパからその魔物が出した糸で編んだ布をもらった後、一呼吸置いてから口を開いた。
「ワシは、そのイトという魔物が心底気に入った!!今度時間を作るから連れてまえれ!」
「あはは、そう言うと思ってましたよ」
乾いた笑いが出る。
「後、アーサーちゃんも連れておいでね」
「はい。お手柔らかにお願いしますよ」
「ふふふ、善処するわ」
帰宅後に、その瞳は善処する気など全くなさそうだったと、シャロパパから聞いたシャロママは青ざめるのであった。
「チュウ……ここのは美味しいチュウ」
「チュウ……早く帰るッチュ」
「わかっているチュウ」
王城の地下、食糧庫にて、2匹のネズミが侵入していた。
「必要なのは~……」
「やばいッチュ!」
「逃げるチュウ~」
「「チュウ~」」
自分の身体3つ分の食糧を風呂敷に入れ、逃げ帰るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる