寿司忍者 SUSHI★NINJA : 忍術で旨い寿司を作ろうYO!

サクラミント

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第一幕:大★SAWAGI!

2.忍術で寿司を握っちゃYeah!

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鼻息あらいウニくんの意気込みに、シメサバくんとアボガドくんもちょっとたじろぎました。
「むむっ。いつものウニとちがいますね」
「もしかしたら、すごい技でも覚えたのか?」

サーもんちゃんも、わくわくしているようです。
もっぱら、彼女の場合、技のすごさよりも、美味しいものを食べさせてもらえそうなことに期待しているようですが。
なにしろ、寿司忍者の里で一番食いしん坊なのですから。

「さあ、いよいよ本番! 見逃せないよー」
切り身になったアナゴの前で、叫ぶウニくん。

なにやら賑やかだと、3人以外も広場にいる人たちがわらわらと集まってきています。
いつのまにやら、ウニくんの周りに人だかり。皆が次の技に注目しています。

ウニくん、まんざらではない様子。
二カッと笑って、大きなそぶりで手を空に向け、それからシュパッと胸の前で手を合わせました。
人差し指を立てて、「むむん」とひと唸り。

呪文を唱えながら、手をシュシュッとこすりあわせて、バッと前に突き出します。
おおっという声が群衆からあがります。

それに気をよくしたウニくん、ますますポーズを大きくして、「むむんむんむん」と、ひねり声をあげて両手の平をクイッと上に上げました。

すると手の間から、ポワンと小さな炎が浮かび上がる。
さらにむむむんむむんと額に汗が飛び出しながらうねるうねる。

すると、炎はプンプンぽこぽこと弾けながら、どんどん大きくなっていきます。

さすがのシメサバくんとアボガドくんも、興味津々の顔でウニくんの動作を見入っています。

ウニくんは炎を浮かべる両手をバッと空に向けて上げて、同時に、右足をズンっと地面に叩きつけました。
と同時に、アナゴの切り身たちが、お重からボンっと浮かび上がりました。
宙を舞う切り身たち。

ウニくんは目をクワッと見開き、「火遁炙りの術!」と叫びながら、両手を前に突き出しました!

すると、炎がブワッと輪を描き、切り身たちを取り囲み、ジュワワッと香ばしい音と匂いを出しながら、くるりんと舞いました。
そして、炎のかけらをまといながら、別のお重の中に、ポポポポと落ちていきます。

両手を下ろして、ふうっと一息ついたウニくん、あぜんと見守る群衆たちに向けて、ニコッと満面の笑みを浮かべました。
ハロウィンのかぼちゃみたいな大きな笑顔です。

その様子に思わず拍手が沸き起こります。

ウニくん、満足気にうなずきながら、切り身が落ちていったお重を持って、サーもんちゃんに向かって歩いていきます。

目がキラキラと輝くサーモンちゃん。愛用の桃色の箸を持って、食べる準備も万全のようです。

ウニくんが「さあどうぞ」と差し出すと、じゅるり、とつばを飲み込んでから、お重の中を、のぞきこみました。

と、そのとき、白い煙がブワッとあがり、サーモンちゃんの顔を覆ってしまいました。
ゲホゲホッゲホゲホ!
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