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第1章 神隠しの行く末
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「――あ……、……はぁ……っ……、……は……」
初めて迎えた絶頂は少女の思考を白く染め、一瞬の衝撃の後、長く甘やかな心地よさを生み出した。
「……」
やや時を置き少女が息を落ち着かせてくると、男はやはり何も言わず体を起こした。少女の拘束はいとも簡単に解け、弛緩した手がぱたりと砂の上に横たわる。
「大丈夫か」
声をかければ少女はなかば呆然と、宙を見るように自身を見上げ頷いた。全身から力が抜けてしまっているようで、手を貸して座らせてやればようやく現実に戻ってきたかのように口を開く。
「……びっくり、して……」
正直――何が起きたかわからない。気持ちいいのと怖いのとがぐんぐん体を駆け上がってきて……。
ただ誰かに身体を触れられ、心を導かれることが……あんなにも気持ちいいなんて思わなかった。
(……あ)
しかし同時に、なりふり構わず男にすがってしまった姿を思い出して少女は今更のように頬を染め、肩から落ちそうな羽織を引き寄せる。自分にはぶかぶかで、座っていればそれ一枚で事足りた。
再び剣を持ち立ち上がった男はそれを見て、淡々とした、変わらぬ口調で少女に告げる。
「……それでいい。その肩は決して人目に晒すな。どちらも……お前に取っては良くないものだ」
「……え?」
言われて、もう痛みが引いていることに気付いた少女は、ほんの少し衿元をずらし右肩を覗いてみた。あの赤く走った水筋のような紋はその色を薄くし、咬まれた痕を中心に、新たに色濃く不思議な紋様が浮かんでいる。紅が混じったような鬱金の印。文字にも絵にも見える紋。
最後に――男に唇を落とされた場所。
「あの、これ……何ですか? ……あれ?」
「……」
――違う。
これが何であるかより、もっと問わなければいけないことがあったような気がする。なのにそれが頭の中で見付からなくて、上手く表現できない。
男もなにも語らず……その波音だけになった空間に、別の男の声が割り入るのは突然だった。
「――よう、孫。こっちも済んだみてーだな。二、三匹アレ、捕まえてきてやったぜ」
「ああ」
(あ……)
それは引き上げられた自分を、真っ先に労ってくれた声。本人の気質か、どこか呑気そうにも聞こえる声ではあったが、それが背後から聞こえてきて、せめて礼を――と思って振り向いた少女は、
「――…っ!!」
その目線の先に、あの手足のある蛇の首根を平然とつかむ男……多分男と思われる、異形の出で立ちの者を認めて、思わず身をすくめた。
(え……えっ? なに……? 人……、男の人なんだよね……?)
少女が目の当たりにしたのは、つり上がる太い眉にぎょろりと剥き出した大きな目、獅子のように左右に突き出た鼻――と、そんな鬼のような木彫りの面で顔の上半分を覆い、見上げてしまうほどに高い背丈と、それと同じくらい長い緋の鬣を深緑の裳裾に悠然と垂らし歩む、男の姿だった。そして応える日嗣が剣を差しているのに対し、男は鳥の羽根で作られた大きな扇を腰元に結わえている。
(…………)
日嗣と親しげなので、多分悪い者ではないのだと思う。ただその姿があまりに異様なのと威圧的なのと、あの蛇の存在が相まって余計に怖く思えてしまう。
息を呑み縮こまる少女を見た面の男は、唯一見える口元に困ったような笑みを浮かべ、日嗣と交互に見遣って話を進めた。
「悪ィな。俺か蛇かどっちに驚いたかわかんねえけど、嬢ちゃんにはそのうち迎えが来るからもうちっと待ってろな。――お前の方が長引きそうだったから、ついでに洞主も呼んできた。いいだろ?」
「構わぬが……余計なことを言っていないだろうな」
「いやいやどんだけお前とツルんでると思ってんだよ、言うわけないだろ。それより――」
「……」
言葉とともに、面の男の顔がいまだ蠢く蛇に向けられ、それに倣うように日嗣の目も動く。同時に、その右手が迷いなく剣の柄に添えられ、何をするのか悟った少女は一瞬目を見開いた。
(あ――)
無言のままに抜かれる剣。鞘に比べると飾り気のない、ただ眩いばかりの鋼の刀身だったが、その用途は一つしかあり得ない。剣がすべて抜かれると、面の男もまた何も言わず一匹を砂の上に放り投げた。
「――っ……」
嫌な目にも遭ったが、そんな場面も見たくはない。少女はぎゅっと目をつむるが、耳をふさぐのが間に合わず、ブツリと一度嫌な音を聞いてしまう。一太刀。
「…………」
それからほんの数秒、耳ではなんの音も拾えずおそるおそる目を開けば、男たちは地に膝をついてじっと足元を見つめていた。
「……元は蛟か」
「……」
男たちの視線の先にあの蛇の姿はなく、代わりにあったのは――首と胴が分かたれた小さな龍のような生き物。その銀と水色が混ざったような不思議な色をした体から、黒い粘りけのある液体が滴って、白砂にじわじわと染み込んでいく。不気味な姿で自身を襲ったものではあったが、なぜか少女にはその光景がとても悲しいものに思えた。
そして意図せず三人が見守る中、断たれたはずの首がぴくりと動いて日嗣に向き直り、言葉を発する。
『――…天孫の皇子か。感謝する……。いずれ千年の時を経て気高き龍神となろう我らが、穢れをまとい人欲にまみれ、神の雛を汚すとは……』
「謝辞は不要なれば。いまだ千年に至らずとも、水霊たる貴殿の首を刎ねるは紛いもなく神殺し。御霊はいずこかの水辺にて、私自ら奉り申し上げる」
『ああ――そうか……。御身自らとは……どのように転じるか、楽しみだ……』
最後の方は絞り出すようにか細く、それきり小さな龍は何も発さず、静かに息を引き取った。ただその間際、潤みを帯びた真黒い瞳に少女を映して……またそれを感じた少女も、何となくやるせなくて目を伏せる。
そしてそれを見届けた日嗣は、懐から紙を取り出すとその骸を丁寧に包んだ。それから手首に巻いていた、筒型の玉が連なる緒をほどくと包みに巻き直し、きつく結ぶ。
それが終わると、面の男がいまだ手にある、捻れた蛇を見ながら立ち上がった。
「んー、残ったコイツは上に持っていって祓ってもらってみるか」
「時間はかかるだろうがな……。それにしてもまさか、水蛭子が襲われるとは」
(……ひるこ? 襲われるって……わたしのこと?)
立て続けに起きた出来事に、その意味も理解できないまま発する言葉も持たず、少女はただ黒い染みが広がる砂をぼうっと眺めていた。
(……かみさま……)
ならば彼らもまた同じものなのだろうか。
ともかく話の中身は理解できずとも、自分を襲ったのが小さな龍の本意ではないことは感じ取れた。日嗣を見上げた海の底のようにたっぷりとした黒い瞳は純のまま、それでも命を絶たれてしまって可哀想にも思える。
「……」
さりとて自身が口を挟む隙もなく……心なしか迷子のような寂しい心地でいれば、遠くの方から慌ただしく砂を踏む数人の足音が聞こえてきて、少女はそちらに顔を向けた。
初めて迎えた絶頂は少女の思考を白く染め、一瞬の衝撃の後、長く甘やかな心地よさを生み出した。
「……」
やや時を置き少女が息を落ち着かせてくると、男はやはり何も言わず体を起こした。少女の拘束はいとも簡単に解け、弛緩した手がぱたりと砂の上に横たわる。
「大丈夫か」
声をかければ少女はなかば呆然と、宙を見るように自身を見上げ頷いた。全身から力が抜けてしまっているようで、手を貸して座らせてやればようやく現実に戻ってきたかのように口を開く。
「……びっくり、して……」
正直――何が起きたかわからない。気持ちいいのと怖いのとがぐんぐん体を駆け上がってきて……。
ただ誰かに身体を触れられ、心を導かれることが……あんなにも気持ちいいなんて思わなかった。
(……あ)
しかし同時に、なりふり構わず男にすがってしまった姿を思い出して少女は今更のように頬を染め、肩から落ちそうな羽織を引き寄せる。自分にはぶかぶかで、座っていればそれ一枚で事足りた。
再び剣を持ち立ち上がった男はそれを見て、淡々とした、変わらぬ口調で少女に告げる。
「……それでいい。その肩は決して人目に晒すな。どちらも……お前に取っては良くないものだ」
「……え?」
言われて、もう痛みが引いていることに気付いた少女は、ほんの少し衿元をずらし右肩を覗いてみた。あの赤く走った水筋のような紋はその色を薄くし、咬まれた痕を中心に、新たに色濃く不思議な紋様が浮かんでいる。紅が混じったような鬱金の印。文字にも絵にも見える紋。
最後に――男に唇を落とされた場所。
「あの、これ……何ですか? ……あれ?」
「……」
――違う。
これが何であるかより、もっと問わなければいけないことがあったような気がする。なのにそれが頭の中で見付からなくて、上手く表現できない。
男もなにも語らず……その波音だけになった空間に、別の男の声が割り入るのは突然だった。
「――よう、孫。こっちも済んだみてーだな。二、三匹アレ、捕まえてきてやったぜ」
「ああ」
(あ……)
それは引き上げられた自分を、真っ先に労ってくれた声。本人の気質か、どこか呑気そうにも聞こえる声ではあったが、それが背後から聞こえてきて、せめて礼を――と思って振り向いた少女は、
「――…っ!!」
その目線の先に、あの手足のある蛇の首根を平然とつかむ男……多分男と思われる、異形の出で立ちの者を認めて、思わず身をすくめた。
(え……えっ? なに……? 人……、男の人なんだよね……?)
少女が目の当たりにしたのは、つり上がる太い眉にぎょろりと剥き出した大きな目、獅子のように左右に突き出た鼻――と、そんな鬼のような木彫りの面で顔の上半分を覆い、見上げてしまうほどに高い背丈と、それと同じくらい長い緋の鬣を深緑の裳裾に悠然と垂らし歩む、男の姿だった。そして応える日嗣が剣を差しているのに対し、男は鳥の羽根で作られた大きな扇を腰元に結わえている。
(…………)
日嗣と親しげなので、多分悪い者ではないのだと思う。ただその姿があまりに異様なのと威圧的なのと、あの蛇の存在が相まって余計に怖く思えてしまう。
息を呑み縮こまる少女を見た面の男は、唯一見える口元に困ったような笑みを浮かべ、日嗣と交互に見遣って話を進めた。
「悪ィな。俺か蛇かどっちに驚いたかわかんねえけど、嬢ちゃんにはそのうち迎えが来るからもうちっと待ってろな。――お前の方が長引きそうだったから、ついでに洞主も呼んできた。いいだろ?」
「構わぬが……余計なことを言っていないだろうな」
「いやいやどんだけお前とツルんでると思ってんだよ、言うわけないだろ。それより――」
「……」
言葉とともに、面の男の顔がいまだ蠢く蛇に向けられ、それに倣うように日嗣の目も動く。同時に、その右手が迷いなく剣の柄に添えられ、何をするのか悟った少女は一瞬目を見開いた。
(あ――)
無言のままに抜かれる剣。鞘に比べると飾り気のない、ただ眩いばかりの鋼の刀身だったが、その用途は一つしかあり得ない。剣がすべて抜かれると、面の男もまた何も言わず一匹を砂の上に放り投げた。
「――っ……」
嫌な目にも遭ったが、そんな場面も見たくはない。少女はぎゅっと目をつむるが、耳をふさぐのが間に合わず、ブツリと一度嫌な音を聞いてしまう。一太刀。
「…………」
それからほんの数秒、耳ではなんの音も拾えずおそるおそる目を開けば、男たちは地に膝をついてじっと足元を見つめていた。
「……元は蛟か」
「……」
男たちの視線の先にあの蛇の姿はなく、代わりにあったのは――首と胴が分かたれた小さな龍のような生き物。その銀と水色が混ざったような不思議な色をした体から、黒い粘りけのある液体が滴って、白砂にじわじわと染み込んでいく。不気味な姿で自身を襲ったものではあったが、なぜか少女にはその光景がとても悲しいものに思えた。
そして意図せず三人が見守る中、断たれたはずの首がぴくりと動いて日嗣に向き直り、言葉を発する。
『――…天孫の皇子か。感謝する……。いずれ千年の時を経て気高き龍神となろう我らが、穢れをまとい人欲にまみれ、神の雛を汚すとは……』
「謝辞は不要なれば。いまだ千年に至らずとも、水霊たる貴殿の首を刎ねるは紛いもなく神殺し。御霊はいずこかの水辺にて、私自ら奉り申し上げる」
『ああ――そうか……。御身自らとは……どのように転じるか、楽しみだ……』
最後の方は絞り出すようにか細く、それきり小さな龍は何も発さず、静かに息を引き取った。ただその間際、潤みを帯びた真黒い瞳に少女を映して……またそれを感じた少女も、何となくやるせなくて目を伏せる。
そしてそれを見届けた日嗣は、懐から紙を取り出すとその骸を丁寧に包んだ。それから手首に巻いていた、筒型の玉が連なる緒をほどくと包みに巻き直し、きつく結ぶ。
それが終わると、面の男がいまだ手にある、捻れた蛇を見ながら立ち上がった。
「んー、残ったコイツは上に持っていって祓ってもらってみるか」
「時間はかかるだろうがな……。それにしてもまさか、水蛭子が襲われるとは」
(……ひるこ? 襲われるって……わたしのこと?)
立て続けに起きた出来事に、その意味も理解できないまま発する言葉も持たず、少女はただ黒い染みが広がる砂をぼうっと眺めていた。
(……かみさま……)
ならば彼らもまた同じものなのだろうか。
ともかく話の中身は理解できずとも、自分を襲ったのが小さな龍の本意ではないことは感じ取れた。日嗣を見上げた海の底のようにたっぷりとした黒い瞳は純のまま、それでも命を絶たれてしまって可哀想にも思える。
「……」
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