1 / 3
中途半端魔王
しおりを挟む
「さぁ、これで終わりだ」
「い、いや…まだだ…まだ俺は!」
剣で首を切る。
「はぁ…あのさぁ。正直、めんどくさいからさっさとくたばって?脳も心臓もグチャグチャにしたし、首だって切ってたってのにどうしてまだ意識あるんだよ…
殺しに慣れはしたけどサクッと死んでくれないと、罪悪感くらいはうまれるからさ」
「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ」
「なぁ、どうやったらお前を殺せるんだ?お前も長く苦しみたくないだろう?確かに魔族は高い再生力があるのは知ってるんだが、お前のは異常すぎる」
そう聞くと、男は心が折れたかのようにスラスラと答えてくれた。
「…再生には魔力を使っている…故に殺し続ければ死ぬし、最低でも体と首が繋がらなければ1時間もかからずに死ねるだろう。
特に今はお前と戦って魔力を大量に消費しているから、最短5分だ」
なるほど、まともに魔族と会話なんかしたことがなかったがこれであの高い再生力の謎が分かった。それがこれからなんの役に立つかはわからないが。
「そりゃ良かった。なら細切れにすりゃあ早くなるんだな?」
一息に殺してやるために剣に気力を全力で込める。それが隙だった。
もうどうせ動けないだろうと、魔力を使って死を早めるようなことをするとは考えていなかった。
「ふ、ふふふふふ。せ、せめて一矢…!!」
「なっ!!?おまっ!」
「我ら魔族は魔神の尖兵…神の敵。その我らの性質はお前も知っていよう?」
「…【反転】」
「ふはははは…その通り。お前にかけた呪いはその性質を極限まで研ぎ澄ませたもの…
さぁ、私と一緒に死んでもらうぞ…糞女神の尖兵たる勇者よ…ふはは、ふはははは…」
俺の…人類の…ひいては女神の敵である魔神の尖兵。その王たる魔王は、力なく俺を笑ってくる。
「ま、割と好きかってさせてもらったしな。これも天罰なのかもな?」
「ふ、はは…我らが敵の尖兵、その筆頭であるお前が、か…なんとも皮肉なことだ」
…………………………………
「…てか、意外と時間があるな?」
「…………………………………」
「あ、魔王死んでるわ。んーと?だから俺は死ななかったのかな?ま、考えても仕方ない。帰って神様にステータス見てもらえばいいか」
勇者はなんとも中途半端に死んでしまった魔王をほんの少し哀れに思ったのだった。
体に何も異常はないし…終始一方的に攻撃してたのはこっちだったから、傷一つないし。
…ま、まぁこれ以上死んだ魔王を哀れんでも仕方ないだろう。
それよりも今は魔王を無事討伐できたことを喜ぶべきなのだろう。
…あー、でも過程はともかく、討伐時に大して苦労はしていないから…うん、あんまり喜べないな。って、結局魔王を哀れんでいるだけになってしまった。
「とりあえずさっさと魔人様のお膝元からは出るに限る…さっきから嫌な目線も感じるしな…」
“出てはいけません…”
と、どこからともなく声が聞こえてくる。
「んっと?どちら様で?まぁ、聞くわけないんですけどね」
と、謎の声なんぞ完全に無視して魔王城から飛び出した訳だが…
「あれ?みんな?あとなんで女神様も?」
「い、いや…まだだ…まだ俺は!」
剣で首を切る。
「はぁ…あのさぁ。正直、めんどくさいからさっさとくたばって?脳も心臓もグチャグチャにしたし、首だって切ってたってのにどうしてまだ意識あるんだよ…
殺しに慣れはしたけどサクッと死んでくれないと、罪悪感くらいはうまれるからさ」
「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐ」
「なぁ、どうやったらお前を殺せるんだ?お前も長く苦しみたくないだろう?確かに魔族は高い再生力があるのは知ってるんだが、お前のは異常すぎる」
そう聞くと、男は心が折れたかのようにスラスラと答えてくれた。
「…再生には魔力を使っている…故に殺し続ければ死ぬし、最低でも体と首が繋がらなければ1時間もかからずに死ねるだろう。
特に今はお前と戦って魔力を大量に消費しているから、最短5分だ」
なるほど、まともに魔族と会話なんかしたことがなかったがこれであの高い再生力の謎が分かった。それがこれからなんの役に立つかはわからないが。
「そりゃ良かった。なら細切れにすりゃあ早くなるんだな?」
一息に殺してやるために剣に気力を全力で込める。それが隙だった。
もうどうせ動けないだろうと、魔力を使って死を早めるようなことをするとは考えていなかった。
「ふ、ふふふふふ。せ、せめて一矢…!!」
「なっ!!?おまっ!」
「我ら魔族は魔神の尖兵…神の敵。その我らの性質はお前も知っていよう?」
「…【反転】」
「ふはははは…その通り。お前にかけた呪いはその性質を極限まで研ぎ澄ませたもの…
さぁ、私と一緒に死んでもらうぞ…糞女神の尖兵たる勇者よ…ふはは、ふはははは…」
俺の…人類の…ひいては女神の敵である魔神の尖兵。その王たる魔王は、力なく俺を笑ってくる。
「ま、割と好きかってさせてもらったしな。これも天罰なのかもな?」
「ふ、はは…我らが敵の尖兵、その筆頭であるお前が、か…なんとも皮肉なことだ」
…………………………………
「…てか、意外と時間があるな?」
「…………………………………」
「あ、魔王死んでるわ。んーと?だから俺は死ななかったのかな?ま、考えても仕方ない。帰って神様にステータス見てもらえばいいか」
勇者はなんとも中途半端に死んでしまった魔王をほんの少し哀れに思ったのだった。
体に何も異常はないし…終始一方的に攻撃してたのはこっちだったから、傷一つないし。
…ま、まぁこれ以上死んだ魔王を哀れんでも仕方ないだろう。
それよりも今は魔王を無事討伐できたことを喜ぶべきなのだろう。
…あー、でも過程はともかく、討伐時に大して苦労はしていないから…うん、あんまり喜べないな。って、結局魔王を哀れんでいるだけになってしまった。
「とりあえずさっさと魔人様のお膝元からは出るに限る…さっきから嫌な目線も感じるしな…」
“出てはいけません…”
と、どこからともなく声が聞こえてくる。
「んっと?どちら様で?まぁ、聞くわけないんですけどね」
と、謎の声なんぞ完全に無視して魔王城から飛び出した訳だが…
「あれ?みんな?あとなんで女神様も?」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる