消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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8話

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「ねぇねぇお嬢様!ここは何処でありますかぁ?」

「…むっ!此処はシノの村だよ…」

「ねぇねぇお嬢ぉ様ぁっ!今から何処へ行くんでありますかぁ?」

「…むぅぅっ!シノのお父様達に挨拶とお願いをしに行くだけです…」

「ねぇねぇお嬢「そのお嬢様呼びヤメルデス‼」えー!」

さっきまで俺のペットの犬だと思ってたシノ(犬)が、実はお嬢様だったなんて知ったら
恐れ多くてちゃんと呼ばないと失礼だろ?

「これから呼び方改めないとなー」

シノお嬢様に!っというと

「ほんっとうに止めてほしいです!!」

一部落に過ぎない村で長の娘として育てられたからってお嬢様だなんて、恥ずかしくて鳥肌立つから止めてほしいと言われた

次言ったら晩飯のおかず全て奪うと言われたので
もう二度と言わない事を誓った

「てか今からシノの父に会うのか?」
聞いてないんだけど…

「うむ!人間と事を構えるなら父上に話を持って行った方が上手く事が運ぶから」
今言ったからセーフ

ふーん…とシノチチに頼るのもなぁとは、思ったけど現状、頼れるならすごく助かる。

このまま疎遠になったら金貨を集めるのに時間が掛かる。そーすると、税金が払えずに延滞料金が付いて最悪差し押さえだ!

そーなったら最後何もかも持って行かれて陸の孤島から陸の難民になってしまう!

それを避ける為に行う最前の一手と言うことにしよう

もしかしたら最良の一手になるかも知れんし…

最悪の一手だとしたら………

頭をフリフリして最悪の場面を脳内から消す

そうこうしてる内に洞穴の前に着いた

洞穴の前には屈強な狼が2匹鎮座していた

気にせずにズンズン進むシノ(犬)の跡をソソクサと付いていく

更に洞窟を進むと広い部屋みたいな広場みたいな場所を躊躇なく進むシノ(犬)

更に進むと1つの入り口に細い切れ長の目をして
有能そうな燕尾服を着たドーベルマン風の犬がいた
(突っ込んだら負けだ!気を強く持てっ!俺)


「っ!お嬢様っお久しぶりで御座います!」

「こんにちは!お父様に会えるかしら?」

「そりゃあもう!大喜び致しますよ!」
さあ!どうぞどうぞと背を押され

お客人もどーぞ‼と部屋に通された

器用に前足で掴まれて引っ張られた

中々に彼らの肉球は勝手が良いようで
結構自由自在に動く
暇潰しにとっシノ(犬)に綾取りを教え
犬バージョンのまま東京タワーを作ってたからな

肉球でお玉握って味噌汁作ってた時は流石にびっくりした
指の関節無いのに器用なやつだと感心したもんだ


閑話休題


奥に通された俺達は豪華ではないが
西洋風の椅子を勧められ、丸い机を挟んでシノチチ家族と向き合う形で座っている

「お父様、お母様、お祖父様、お祖母様、第一お兄様、第二お兄様、第三お兄様、第四お兄様、第五お兄様、第一お姉様、第二お姉様、第四妹、第五妹達!お久しぶりです!!」

「いや多いわっ!!」流石に突っ込んだ


家族水入らずの所に居座る気持ちって凄く何ていうか……………帰りたい…………

家族同士の挨拶が一時間位で終わり、次に世間話的な事が2時間くらいで終わり、ようやく俺が紹介され(最初の突っ込みはスルーされた)5分も掛からず終了した。(雑過ぎやしませんか?俺の扱い…)

そして、何故ここに来たかの説明に入り
永遠とシノ(犬)の愚痴が続いております

お母様とお祖母様と第一、第二、第三お兄様たち以外のお子様達は今は退出しております

俺も帰りたかった…

呪詛の様に永遠と続くかに思われたシノ(犬)の呪いの言葉に辟易した第二お兄様が手を上げてシノ(犬)を止めた

「まぁそのくらいで止めてくれ!第三妹よ…」

ほほぅシノ(犬)は第三だったのか…

まだ言い足りない感じはしたが
「…むっ…ま、まぁこんな感じでキャンプ地の者共に扱われたのですよ!父上!」腹立つわぁっと地面を踏み叩く

【森の管理者という権限は割と強く
例え王様であっても勝手に命令は出来ない
そして、東西南北を冠して預かる部落の権力は
凄まじく、その子であっても中々ぞんざいには扱って良い物では無いらしい】

なので、最初から実は男性達(胡椒を買った人)は間違っていた事になる

其処で第一次イラッとが始まり

俺が睨まれ嘲笑われた時に
第二次イラッとが続き

何の説明もなく跪け宣言で第三次イラッとで

呼び出して置いて椅子もなく、まるで扱いが犯罪者のソレだった第四次イラッから抑えが効かなかったそうだ

直接森の管理者が蔑まれた訳では無かったが

自分が主と認めた主人を蔑ろにされたら
キレると言われた

「あーうん、そだね。ごめん気を使わせた」
そーして、シノ(犬)の頭を撫でる

目を細めて気持ち良さげにしながら
「…んっ!分かれば良い…」と言った

ここでずーっと無言だったお祖父様が
「やはりお主は第三娘の主人であったか」

…そーいやシノ(犬)は俺の名前だけ紹介したんだったな…

居住まいを正し
「結界川の向こうからやって来たコウジと申します、娘さんの主人を不本意ながら名乗らせて貰っています!今後共よしなに」と改めて頭を下げた

「「「結界川の向こう側⁉」」」
此れには一同愕然としたらしい

何でも川の向こう側は、神の住まう地で
【ゴッズホームアース】
と呼ばれており、その場を悪しき者共から守る様に伝え残され、今まで守って来たという

ズザザっと椅子から転げる様に両手を付いたと思ったら一斉に頭を下げつつ「御無礼を!!!」と叫び始め
たシノ家族の面々…

(うわー!?何事!?)と思ったが、取り敢えずどうにか立って貰おうとしたが、言う事を聴いてくれず困っていると…


「お父様にお祖父様!それとお兄様達!!コウジ様が困っています‼席に座りなさい!!!」と怒り出した


…コウジ…様⁉…

そんな呼ばれ方されたのも初めてで固まったまま
シノ(犬)をみていた


失礼しました!と、顔を赤くしたり青くしながら
ようやく椅子に座り直してくれた面々に

シノとの出会いを話し始めた

何故か弱っていたシノを攻撃していた河童モドキ
トドメを刺そうとした時に蹴り飛ばして退治し
今日に至りますっと簡単ではあったが割と分かりやすく説明をした

「おおっ娘の命を救ってくれて有難うございます神よ!!!」と祈りだした

「何度も言うけど神じゃ無いからね⁉そこ間違わないでね!?」さっきからずーっと神扱いされて辟易している…

結界川を渡れるとかが既に神扱いで
ましてや、浴びたり呑んだり出来るのはもう異常なんだそうだ…

神事に付いてる巫女ですら、川の水に触れただけで
炎症をお越し2日は起きれなくなるらしい…

では何故シノは大丈夫だったのか…
それは俺が傷を癒そうとしたり
元気になって貰うためにその水を自らの手で
掬い分けてくれたからだそうだ

神の子とか言い出した爺さんを黙らせ
二度と言うなと釘を差した
(恐れ多くて死にそうだよもう)

ここは適当に言い含めて何とかしなければ俺のメンタルが削られてしまう!

なので
「実は私は偶然この世界に迷い込んでしまったテンシュ(店主)なのです」

「「「おおっテンシ様!!!」」」

なるべく【シ】を【シュ】と発言して誤魔化した

「ですが!この地に住まう者達にバレる訳には参りません!バレると天罰が世界を襲うでしょう…」

顔を青くさせながら
「我々は知ってしまいました‼世界は終わるのですか!!!?」と悲観し始めたので

「貴方方は神に仕える巫女の種族です。例えバレても許されます!!!」と適当な言葉で濁したが信じてくれた様で一安心

「神に…」と俺を見る第一兄
「仕える…」とシノを見るお父様
「巫女…」シノを見ながら涙を流し喜ぶお祖父様達

「私が巫女?」と顔を赤らめて照れてるシノは放っといて…

…変な方にいったが何とか?上手く誤魔化せた筈…

少しというか、大分態度が変わった皆様の顔に不安を憶えたが…まぁイイやとその場を去ろうとしたら

イヤイヤイヤイヤお待ちください!
せめて一泊いや!二泊!
イヤもうそのまま住んで貰っても!
と引き留められ

仕方なく一泊だけして
次の日惜しまれながら結界の川まで一緒にいって

じゃあまた来るねーと手を振って
シノと共に川を渡ると
歓声が……祈る奴までいる……

凄く恥ずかしかったので、そのまま手を振り続けて
山の上へと戻った

山に戻ると軽トラが無かった

「ドッと疲れて戻れば盗難かよ…流石にキイツな…」

ハァ…と溜め息を吐き、祠の下に出来てた泉を一口啜る

「おおっ飲めるなこれ!」と何の疑いも持たずにグビグビと飲んで、アレ?っと気付く…

祠の下は土だったはず…と見れば
其処には祠を中心にして幅にして約1mくらいの泉が滾滾と湧き、一筋の小川の様に溢れた水が
家の方へと流れていた

その水を辿ると家の裏手の風呂場へと続いており
小さいが水溜りを作っていた

これはちょうど良いと竹を切りに行き
泉から流れる様に少し地面を削りながら竹を埋め込み、土手に竹を並べて水の通り道を繋げていき
風呂へとそのまま流れ落ちる様に作っていった

飲水にも利用する為に勝手口の側に屋根を作って水瓶を起き、いつでも飲める様に柄杓を置いた

身体能力が上がったお陰か
ここまでの作業が一時間足らずで出来た

ブロロ…っと納屋の方から音がしたので見に行くと

甥っ子の亮介と親と姉さん夫婦が買い出しに行ってたのか、軽トラから荷物を卸していた…


「いつ来たんだよお前ら…」とボソリと言うと

俺の声が聞こえたのか甥っ子が振り向き
「おじサーン!」と、笑顔でかけてきて固まった

俺のまわり…最近固まる人多いな…

どした?っと声をかけると俺の後ろを指差して

「そ、その娘だれ⁉」と顔を青くさせて叫んだ


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