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14話
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ねぇ、ウンディーネ
最近コウジ来なくなったね
「んー…うん。そだね…」
どーしたのかな?
何か知ってる?
「んー…。何もしなくていーよー」って言ったからかな?
どーゆう事?
「ここってコウジの村だったでしょ?」
そだよ?
「その後やることなす事全部うちらで請け負ったじゃん?」
困らない様にね
「そしたらコウジの存在意義もなくなったんじゃない?」
え?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「ねーコウジー…」気だるそうにシノが
んー…?
「暇だよー…」脚をバタバタさせながらシノが
だなー…
「ねー!コージー…」
手もバタバタさせながらシノが
んー…?
「何かしよーよー」
両手足をバタバタさせながらシノが
いや、何もするなって言われちゃってなー…?
やる気がどっかいっちゃった…
「どっかいこーよー‼」とシノが暴れ始めた
どっかってもなー…
「じゃあ!向こう側行って何か探そう?」
向こう側…?
「爺とかに付いて来るなって言うからさー?
このままじゃ腐ると思うよ?」
きのこ生えたら食ってみてね
「生える前に行くの‼ほらっ!立って!!」
っと元東屋だった部屋から叩きだされ
そのまま廊下を引きずり歩くシノ
廊下に集まってた翅妖精を跳ね除けながら俺を連れ出した
自分で歩けるから!って言っても
襟首を持ったまま走り出す
義兄とすれ違い出掛けてきます!と一言叫ぶ
「行ってらっしゃい!」と何故かにこやかに言われた
そんなに俺腐ってた?
っとシノに聴く
するとシノは激しく頷いた
「お湯に溶けたスライムみたいだった!」
よく分からない例えが帰ってきた
んー?つまりフニャフニャってことか?
でもスライムって普通にしててもフニャってしてないか?
「コウジの方がフニャってした!」
スライム以上か…それはそれで…
「ほら!剣鉈持ったの⁉保存食と水も!」
ハイハイハイっと背負子にも保存食と水と持って
ほら早く!っと手を引っ張るシノ
そのまま走り出し裏山へと向かう
途中ノームとすれ違ったがそのまま走る
ヒューッと風が追いかけて来たが気にせず走り抜ける
結界川をピョンっと飛び越え侍女さん達が反応する前に霧の森へと走り消えた
途中で何かに掴まれて放り投げられ
直後にフワリとした毛皮に降り立った
そのまま捕まってと言われたので毛皮にしがみつく
すると勢い良く駆け出した
霧を突き破り
森を飛び越え
静寂も飛び越えて
途中で河童モドキを横目に見ながら
何処かの街道に飛び出した
「あーっ!スッキリした!!!」
と人型に戻ったシノが叫んだ
鬱憤がかなり溜まっていたようで
若者がバイクに乗って暴走するかの如く走り抜けて
鬱憤を晴らす感覚に似てる様だった
悪かったなシノ
「何謝ってんの?」
馬鹿なの?って顔で睨むシノ
「こーいうときはさ!魔物でも狩って冒険するのが決まりなんだよ!」
何その決まりハード過ぎね?
「ハードくらいで丁度よいのさ!」
ほらほら行くよっと街道を歩き始めた
それに付いていく俺
どっちが歳上なのか分からんなっと苦笑い
こーして初めて異世界を旅する事になった
パチパチと火の粉が飛ぶ
俺の服はワー○マンで買ったアノラックパーカー
かぶる系の服で胸の所にドラ○もんのポケットみたいなのが付いてる
結構使いやすいので気に入って使ってる
素材も綿100%で暖かい上に火の粉で穴も開かないのでキャンプとかでも重宝してる
現代で生きてるとダウンジャケットとか着てしまい
アッと気が付けば穴だらけで泣く羽目になったりするから、なるべく天然素材を使った服を着るようにしてる
まぁ、焚き火とかキャンプとかしないなら何を着ても構わないと思う
「何ブツブツ言ってんのコージ?」
「え。独り言?」
なにそれ怖いよ?病んでるの?大丈夫?
既にキノコ生えてたの?と続く…
最近というか姉が来てからというか…
シノさんの毒舌が極まって来た気がする
最初のシノさんに戻って欲しいなぁ…
そう言うとシノは犬バージョンに成って
無言のまま丸くなった
最初過ぎませんか?お犬様
「オオカミだって言ってるでしょ!」
どこをどーみたら犬に見えるのよ!と
クルクル回ったり飛び跳ねたりしてる
んー…顔?というと
顔なんて威厳が滲み出てるでしょ?という
滲み出てはいませんよ?
じゃ、ちょっと狼意識して変わってみてよ
っと言うと変わったのだが
…うーん…毛先が荒々しくなっただけで特に変わりは…
っと言い掛けると頭をカプリと噛まれた
ツツーと犬歯が当たってる場所から血が流れると
ペロペロ舐めだした
前から思ってたけど…美味しいの?
っと聞くと
「コージの血は美味しいよ!」
と嬉々として答えた
え。それはそれで…怖いのでやめて下さい
二度としないでくださいお願いします…
と言っといた
「えー…」
え?そんなにガッカリする事なの?
その辺本当に狼だよなお前って…
仲間とか類友とか呼びそうだからソロソロ人に戻ってもらっても宜しいですか?シノさん
「むぅ…」と不貞腐れるも戻ってくれた
すると、暗陰から誰かが飛び出してきた
手を見ると剣を持っていたので
シノを守る様に剣鉈で対抗する
『ジャリーン!』と鉄と鉄が摩擦する様な音がして火花が散った
そのまま振り被ろうとしたので腹に蹴りを叩き込んで突き飛ばすと
ソイツは改めて俺を見た
「おい!大丈夫か⁉いま狼に食われそうになってたよな⁉お前!」っと叫び俺の方へ手を伸ばす
あ~これあれだ、勘違いだわ
コイツ俺のペットだからっというと
「ペットて何?」
あーうん。そだね…えーと、従魔?
「ああ?従魔なの?その割には蹴られてんぞ?」
ハハハーと見ると誰がペットだ!!と言いながら俺の腰あたりをガシガシバシバシと
自称嫁さんが蹴っ飛ばしてました
「あー…嫁候補です…」と言い直しさせられた
「…ふーん、尻に敷かれてるんだな…既に…」
と、御愁傷様ですと初対面の人に言われた…
まぁ、野営の時は獣には成らない方が身の為だよ?っと窘められていたシノ
何故か素直に「はーい」とか言ってる
俺の時はそんなに素直じゃないですよね?アナタ
「調教するなら今からが良いと教わったので…」
誰に何を教わったのかちょっと後で小一時間ほど話し合おうか?と詰め寄ってると
「はは、仲が良いんだなあんた等」と笑われた
まぁお茶でもどーぞと湯呑みに緑茶を淹れて渡す
「へぇお茶かよ…もしかして貴族さん?」
違いますよー商人ですよ
っというが、あまり信用され無かった
あんな剣さばきされちゃねっと笑う
えーっと…自己紹介まだでしたね
俺はコージと言います
駆け出しの商人です
で、コイツが「許嫁のシノです」
宜しくー
「ははっ本当に中が良い、俺はこの先の街で冒険者をやってるヴァリスというCランクだ」
護衛の際は遠慮なく指名してくれっと営業もされた
握手の習慣は無いらしい
こっちも無いから一安心
旅は道連れ夜は情けってな
どーです?
このまま夜明けまでっと蜂蜜酒を出す
おおっさすが商人酒もあんのかぃ!っと喜び
酔わない程度で飲んで行く
そして、そのまま護衛かねて朝までチビチビ呑んで世をあかした
普通寝るんだけどな!変わった商人だと笑って
一緒に街を目指して歩き出した
因みにシノは爆睡してた
今日の夕方前には街につけるというので
護衛で雇わなかったが酒の分って事で護衛を買って出てくれた
中々に好感持てる質をしてる
まぁ浅く信じる程度には良いかな
途中で昼飯を食べて軽く休憩し
この先のオススメの宿屋なんかを聞いておく
街についてから宿を探すのも一苦労と聴くしな
(主にラノベで)
途中で兔が数匹出たのでサクッと倒して捌いて行く
「おいおい、手付きが素人のそれじゃねーよ」と
本当に商人になるのか?
冒険者やってもソコソコイケるだろと呆れられた
いや俺弱いのでっと答えるが
ウサギの捌き方見てれば実力はある程度分かるぞ?っと、更に呆れられる
取り敢えず解体した兔は4羽だったので
半分渡す
貰いすぎだろ?と1羽返された
んじゃ行くかーっと一路街を目指す
闇が迫るがまだ少し明るい夕暮れに
やっとこ着いた街導
「じゃあな!気を付けてな!」っと門番の横を何かのカードを示して中へと消えた
ヴァル…ヴァル…なんとかさん
「おい!」と突っ込むシノさん
そのうち思い出すからと取り敢えず門に並ぶ
はーい次の人ーと、呼ばれて行ったが
身分証明書は持ってない
そして金もない…金貨ってウンディーネが持ってんだよね…あれ?詰んでね?
っと思ってると
「コージ?行かないの?」と街の中から声を掛けるシノさん
あれ?なんで抜けれてんの?
「何でって僕一応森の管理者の一族なんだけど…」
と、ペラペラとカードみたいな身分証を見せる
俺も通っていいの?っと門番さんを見れば
既に後ろの人の相手をしていて居なかった
「早く!もぅ行くよ!!ほらぁっ!」
と引っ張られていく
俺の威厳まるで無し…
「あるから大丈夫だから!」と引っ張られ
目当ての宿へと向かっていく
するとさっきのCランクが宿屋の前に居て
「おっ!来たなー、じゃあ案内するよー」
っと宿へと入る
「おかみさーんっ!客連れてきたぞ!!」
っと大声で叫び宿主を呼んでくれた
へー優しいところあるなぁっと感心していたが
これで先日の宿代チャラでいいよな?とか
交渉してる…
あれー?と、自分の見る目が無い事を改めて知る事になっただけだった
「いや悪いね!商人さん」と笑い
キックバックの宛にされただけだったが
宿屋は一応良い店だよ!っと紹介され去ってった
「俺もう少し安い店探すから!」と言い残して
「お客さん2人かい?朝と晩にご飯出るのと素泊りと選べるけどどっちにする?」
っと問われ晩飯食ってから考えるのは駄目か聴いてみた
「構わないよ!うちの飯は美味しいけど有名って訳じゃないしね!」という
ってかその前に部屋は一つなのだろうか…
いや別に一緒だからと嫌とかじゃないし、
手篭めにするとかでも無いけど一応聴かない?
「そんなもんかい?まぁうちはそれでも構わないけど…まぁいいさね、で?部屋は「妻なので一緒でお願いします!」…奥さんのが積極的だねー!」と笑う
壁は薄いから気を付けなね?っと余計な事は言わなくていーですよ?女将さん
「どういう意味なの?」と真顔で聴くなよシノさん。流石に恥ずかしいよ!店の前だしさ
「取り敢えず前金ね!1泊ひとり銀貨一枚と銅貨50枚だよ!二人だし、新婚みたいだから銀貨2枚でいーよ!」声はなるべく小さくね!ガハハハーと豪快に笑う女将さん
銀貨二枚はシノが払っていた
まわりに聞かせて情婦からのキックバック狙いかよ!
「田舎だし娯楽も少ないんだよ!」期待してるからねーっと付け足して鍵を渡される
期待は裏切られますけどね!っと無言で伝えといた
「ねぇねぇ?コージ?さっきからなんの話?」
っと、首をコテっと倒して聴いてくる
あとで説明してやるから取り敢えず部屋入って飯にしようぜ!と、誤魔化した
荷物といっても背負子なので武器は手元に持ったまま鍵を閉めて部屋を出る
当然物騒なのでそれが普通だ
(って、ラノベに書いてあった)
シノブも…シノさんって武器は何を使ってるの?
今更な質問だったが気になったので聴いてみた
「武器?牙?あと爪!」
お前噛むとき武器使ってたんだな…道理で甘噛みなのに血が流れると思ったよ…
「狼だし仕方無くない?」と不貞腐れる
まぁいいさ。コレからは気を付けて噛んでくれな?
「噛むのはいーのか…」
程々にね?っと釘はさしとく
部屋は2階の階段から一番近い部屋だった
その下が食堂で声を響かせたら良く聞こえそうな部屋だった…
エグいですね女将さん…ガチだったんですね?
羽扉の入り口に木製の宿屋
3階建てで1階が食堂
机と椅子は備え付けで動かない
窓は板で開閉するタイプ
扉の鍵は魔法なのかカードタイプだ
飯は野菜と肉のたっぷり入ったスープに
バケットタイプのでかいパンで少し固め
噛めば小麦粉の味がしそうなフランス系パン
ラノベで読んだ世界観がまんまの宿屋に少し感動してた
風呂は無く桶でお湯を運ぶのは同じじゃなくても良かったと思うんだが、まんまそれだった
スープにパンを浸けて食べるのが主流なのか
真似して食ったら美味かった
そのまま女将さんに朝も付けてくれっと頼み
ご馳走様!っといって部屋へ向かう
「中々美味かったなコージ!」
だな!
まぁ当たりだったな!と二人で笑い合う
部屋に戻るとダブルベッドが鎮座してる
端と端で座ってさて寝るかーとしてたら
さっきの女将さんとの遣り取りを思い出したのか
聴いてくる好奇心旺盛シノさん
どーしたものかと悩んでいると
「もしかして交尾?」と何故バレた?
そのくらいは教わったという
誰に?
「……………お姉様…」
あんの汚物姉様今度あったらぶちのめす!
「取り敢えず…………する?」
っと顔を赤らめて聴いてくる
しねーから!まだ…
お前が成人したら考えよう?
「ほほう!ほほう!ほほう!」
テンションたけーな!フクロウのマネか?
もう直ぐ成人だよ?っと言ってきた
年が変わると成人なんだそーだ…
おいおい!あと二月もないじゃん!
ダメダメまだお前子共みたいだし無理!
俺の世界の成人にしてくれ!
そう言うと
「…20歳だっけ?…銀狼族だと行き遅れの年齢だよ?さすがにそれはヤダ!」
俺以外と結婚する選択「あるわけ無い!!」肢は?
「なに…?コージは僕の事嫌いなの?」グスンと泣き真似だろーけど声はちょっと震えてた
悪かったよっと抱き締めてキスだけする
もう少し時間をくれ!っとヘタレな自分を騙す
「少しだけだよ?待つの…」
来なかったら襲うから!っと宣言された
そして、今日はなんだかんだで疲れていたので
抱きしめ合いながら爆睡した(二徹は無理)
その後各部屋と食堂では
ヘタレ旦那と言われて肴にされていたそうだが、俺は知らない
最近コウジ来なくなったね
「んー…うん。そだね…」
どーしたのかな?
何か知ってる?
「んー…。何もしなくていーよー」って言ったからかな?
どーゆう事?
「ここってコウジの村だったでしょ?」
そだよ?
「その後やることなす事全部うちらで請け負ったじゃん?」
困らない様にね
「そしたらコウジの存在意義もなくなったんじゃない?」
え?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
「ねーコウジー…」気だるそうにシノが
んー…?
「暇だよー…」脚をバタバタさせながらシノが
だなー…
「ねー!コージー…」
手もバタバタさせながらシノが
んー…?
「何かしよーよー」
両手足をバタバタさせながらシノが
いや、何もするなって言われちゃってなー…?
やる気がどっかいっちゃった…
「どっかいこーよー‼」とシノが暴れ始めた
どっかってもなー…
「じゃあ!向こう側行って何か探そう?」
向こう側…?
「爺とかに付いて来るなって言うからさー?
このままじゃ腐ると思うよ?」
きのこ生えたら食ってみてね
「生える前に行くの‼ほらっ!立って!!」
っと元東屋だった部屋から叩きだされ
そのまま廊下を引きずり歩くシノ
廊下に集まってた翅妖精を跳ね除けながら俺を連れ出した
自分で歩けるから!って言っても
襟首を持ったまま走り出す
義兄とすれ違い出掛けてきます!と一言叫ぶ
「行ってらっしゃい!」と何故かにこやかに言われた
そんなに俺腐ってた?
っとシノに聴く
するとシノは激しく頷いた
「お湯に溶けたスライムみたいだった!」
よく分からない例えが帰ってきた
んー?つまりフニャフニャってことか?
でもスライムって普通にしててもフニャってしてないか?
「コウジの方がフニャってした!」
スライム以上か…それはそれで…
「ほら!剣鉈持ったの⁉保存食と水も!」
ハイハイハイっと背負子にも保存食と水と持って
ほら早く!っと手を引っ張るシノ
そのまま走り出し裏山へと向かう
途中ノームとすれ違ったがそのまま走る
ヒューッと風が追いかけて来たが気にせず走り抜ける
結界川をピョンっと飛び越え侍女さん達が反応する前に霧の森へと走り消えた
途中で何かに掴まれて放り投げられ
直後にフワリとした毛皮に降り立った
そのまま捕まってと言われたので毛皮にしがみつく
すると勢い良く駆け出した
霧を突き破り
森を飛び越え
静寂も飛び越えて
途中で河童モドキを横目に見ながら
何処かの街道に飛び出した
「あーっ!スッキリした!!!」
と人型に戻ったシノが叫んだ
鬱憤がかなり溜まっていたようで
若者がバイクに乗って暴走するかの如く走り抜けて
鬱憤を晴らす感覚に似てる様だった
悪かったなシノ
「何謝ってんの?」
馬鹿なの?って顔で睨むシノ
「こーいうときはさ!魔物でも狩って冒険するのが決まりなんだよ!」
何その決まりハード過ぎね?
「ハードくらいで丁度よいのさ!」
ほらほら行くよっと街道を歩き始めた
それに付いていく俺
どっちが歳上なのか分からんなっと苦笑い
こーして初めて異世界を旅する事になった
パチパチと火の粉が飛ぶ
俺の服はワー○マンで買ったアノラックパーカー
かぶる系の服で胸の所にドラ○もんのポケットみたいなのが付いてる
結構使いやすいので気に入って使ってる
素材も綿100%で暖かい上に火の粉で穴も開かないのでキャンプとかでも重宝してる
現代で生きてるとダウンジャケットとか着てしまい
アッと気が付けば穴だらけで泣く羽目になったりするから、なるべく天然素材を使った服を着るようにしてる
まぁ、焚き火とかキャンプとかしないなら何を着ても構わないと思う
「何ブツブツ言ってんのコージ?」
「え。独り言?」
なにそれ怖いよ?病んでるの?大丈夫?
既にキノコ生えてたの?と続く…
最近というか姉が来てからというか…
シノさんの毒舌が極まって来た気がする
最初のシノさんに戻って欲しいなぁ…
そう言うとシノは犬バージョンに成って
無言のまま丸くなった
最初過ぎませんか?お犬様
「オオカミだって言ってるでしょ!」
どこをどーみたら犬に見えるのよ!と
クルクル回ったり飛び跳ねたりしてる
んー…顔?というと
顔なんて威厳が滲み出てるでしょ?という
滲み出てはいませんよ?
じゃ、ちょっと狼意識して変わってみてよ
っと言うと変わったのだが
…うーん…毛先が荒々しくなっただけで特に変わりは…
っと言い掛けると頭をカプリと噛まれた
ツツーと犬歯が当たってる場所から血が流れると
ペロペロ舐めだした
前から思ってたけど…美味しいの?
っと聞くと
「コージの血は美味しいよ!」
と嬉々として答えた
え。それはそれで…怖いのでやめて下さい
二度としないでくださいお願いします…
と言っといた
「えー…」
え?そんなにガッカリする事なの?
その辺本当に狼だよなお前って…
仲間とか類友とか呼びそうだからソロソロ人に戻ってもらっても宜しいですか?シノさん
「むぅ…」と不貞腐れるも戻ってくれた
すると、暗陰から誰かが飛び出してきた
手を見ると剣を持っていたので
シノを守る様に剣鉈で対抗する
『ジャリーン!』と鉄と鉄が摩擦する様な音がして火花が散った
そのまま振り被ろうとしたので腹に蹴りを叩き込んで突き飛ばすと
ソイツは改めて俺を見た
「おい!大丈夫か⁉いま狼に食われそうになってたよな⁉お前!」っと叫び俺の方へ手を伸ばす
あ~これあれだ、勘違いだわ
コイツ俺のペットだからっというと
「ペットて何?」
あーうん。そだね…えーと、従魔?
「ああ?従魔なの?その割には蹴られてんぞ?」
ハハハーと見ると誰がペットだ!!と言いながら俺の腰あたりをガシガシバシバシと
自称嫁さんが蹴っ飛ばしてました
「あー…嫁候補です…」と言い直しさせられた
「…ふーん、尻に敷かれてるんだな…既に…」
と、御愁傷様ですと初対面の人に言われた…
まぁ、野営の時は獣には成らない方が身の為だよ?っと窘められていたシノ
何故か素直に「はーい」とか言ってる
俺の時はそんなに素直じゃないですよね?アナタ
「調教するなら今からが良いと教わったので…」
誰に何を教わったのかちょっと後で小一時間ほど話し合おうか?と詰め寄ってると
「はは、仲が良いんだなあんた等」と笑われた
まぁお茶でもどーぞと湯呑みに緑茶を淹れて渡す
「へぇお茶かよ…もしかして貴族さん?」
違いますよー商人ですよ
っというが、あまり信用され無かった
あんな剣さばきされちゃねっと笑う
えーっと…自己紹介まだでしたね
俺はコージと言います
駆け出しの商人です
で、コイツが「許嫁のシノです」
宜しくー
「ははっ本当に中が良い、俺はこの先の街で冒険者をやってるヴァリスというCランクだ」
護衛の際は遠慮なく指名してくれっと営業もされた
握手の習慣は無いらしい
こっちも無いから一安心
旅は道連れ夜は情けってな
どーです?
このまま夜明けまでっと蜂蜜酒を出す
おおっさすが商人酒もあんのかぃ!っと喜び
酔わない程度で飲んで行く
そして、そのまま護衛かねて朝までチビチビ呑んで世をあかした
普通寝るんだけどな!変わった商人だと笑って
一緒に街を目指して歩き出した
因みにシノは爆睡してた
今日の夕方前には街につけるというので
護衛で雇わなかったが酒の分って事で護衛を買って出てくれた
中々に好感持てる質をしてる
まぁ浅く信じる程度には良いかな
途中で昼飯を食べて軽く休憩し
この先のオススメの宿屋なんかを聞いておく
街についてから宿を探すのも一苦労と聴くしな
(主にラノベで)
途中で兔が数匹出たのでサクッと倒して捌いて行く
「おいおい、手付きが素人のそれじゃねーよ」と
本当に商人になるのか?
冒険者やってもソコソコイケるだろと呆れられた
いや俺弱いのでっと答えるが
ウサギの捌き方見てれば実力はある程度分かるぞ?っと、更に呆れられる
取り敢えず解体した兔は4羽だったので
半分渡す
貰いすぎだろ?と1羽返された
んじゃ行くかーっと一路街を目指す
闇が迫るがまだ少し明るい夕暮れに
やっとこ着いた街導
「じゃあな!気を付けてな!」っと門番の横を何かのカードを示して中へと消えた
ヴァル…ヴァル…なんとかさん
「おい!」と突っ込むシノさん
そのうち思い出すからと取り敢えず門に並ぶ
はーい次の人ーと、呼ばれて行ったが
身分証明書は持ってない
そして金もない…金貨ってウンディーネが持ってんだよね…あれ?詰んでね?
っと思ってると
「コージ?行かないの?」と街の中から声を掛けるシノさん
あれ?なんで抜けれてんの?
「何でって僕一応森の管理者の一族なんだけど…」
と、ペラペラとカードみたいな身分証を見せる
俺も通っていいの?っと門番さんを見れば
既に後ろの人の相手をしていて居なかった
「早く!もぅ行くよ!!ほらぁっ!」
と引っ張られていく
俺の威厳まるで無し…
「あるから大丈夫だから!」と引っ張られ
目当ての宿へと向かっていく
するとさっきのCランクが宿屋の前に居て
「おっ!来たなー、じゃあ案内するよー」
っと宿へと入る
「おかみさーんっ!客連れてきたぞ!!」
っと大声で叫び宿主を呼んでくれた
へー優しいところあるなぁっと感心していたが
これで先日の宿代チャラでいいよな?とか
交渉してる…
あれー?と、自分の見る目が無い事を改めて知る事になっただけだった
「いや悪いね!商人さん」と笑い
キックバックの宛にされただけだったが
宿屋は一応良い店だよ!っと紹介され去ってった
「俺もう少し安い店探すから!」と言い残して
「お客さん2人かい?朝と晩にご飯出るのと素泊りと選べるけどどっちにする?」
っと問われ晩飯食ってから考えるのは駄目か聴いてみた
「構わないよ!うちの飯は美味しいけど有名って訳じゃないしね!」という
ってかその前に部屋は一つなのだろうか…
いや別に一緒だからと嫌とかじゃないし、
手篭めにするとかでも無いけど一応聴かない?
「そんなもんかい?まぁうちはそれでも構わないけど…まぁいいさね、で?部屋は「妻なので一緒でお願いします!」…奥さんのが積極的だねー!」と笑う
壁は薄いから気を付けなね?っと余計な事は言わなくていーですよ?女将さん
「どういう意味なの?」と真顔で聴くなよシノさん。流石に恥ずかしいよ!店の前だしさ
「取り敢えず前金ね!1泊ひとり銀貨一枚と銅貨50枚だよ!二人だし、新婚みたいだから銀貨2枚でいーよ!」声はなるべく小さくね!ガハハハーと豪快に笑う女将さん
銀貨二枚はシノが払っていた
まわりに聞かせて情婦からのキックバック狙いかよ!
「田舎だし娯楽も少ないんだよ!」期待してるからねーっと付け足して鍵を渡される
期待は裏切られますけどね!っと無言で伝えといた
「ねぇねぇ?コージ?さっきからなんの話?」
っと、首をコテっと倒して聴いてくる
あとで説明してやるから取り敢えず部屋入って飯にしようぜ!と、誤魔化した
荷物といっても背負子なので武器は手元に持ったまま鍵を閉めて部屋を出る
当然物騒なのでそれが普通だ
(って、ラノベに書いてあった)
シノブも…シノさんって武器は何を使ってるの?
今更な質問だったが気になったので聴いてみた
「武器?牙?あと爪!」
お前噛むとき武器使ってたんだな…道理で甘噛みなのに血が流れると思ったよ…
「狼だし仕方無くない?」と不貞腐れる
まぁいいさ。コレからは気を付けて噛んでくれな?
「噛むのはいーのか…」
程々にね?っと釘はさしとく
部屋は2階の階段から一番近い部屋だった
その下が食堂で声を響かせたら良く聞こえそうな部屋だった…
エグいですね女将さん…ガチだったんですね?
羽扉の入り口に木製の宿屋
3階建てで1階が食堂
机と椅子は備え付けで動かない
窓は板で開閉するタイプ
扉の鍵は魔法なのかカードタイプだ
飯は野菜と肉のたっぷり入ったスープに
バケットタイプのでかいパンで少し固め
噛めば小麦粉の味がしそうなフランス系パン
ラノベで読んだ世界観がまんまの宿屋に少し感動してた
風呂は無く桶でお湯を運ぶのは同じじゃなくても良かったと思うんだが、まんまそれだった
スープにパンを浸けて食べるのが主流なのか
真似して食ったら美味かった
そのまま女将さんに朝も付けてくれっと頼み
ご馳走様!っといって部屋へ向かう
「中々美味かったなコージ!」
だな!
まぁ当たりだったな!と二人で笑い合う
部屋に戻るとダブルベッドが鎮座してる
端と端で座ってさて寝るかーとしてたら
さっきの女将さんとの遣り取りを思い出したのか
聴いてくる好奇心旺盛シノさん
どーしたものかと悩んでいると
「もしかして交尾?」と何故バレた?
そのくらいは教わったという
誰に?
「……………お姉様…」
あんの汚物姉様今度あったらぶちのめす!
「取り敢えず…………する?」
っと顔を赤らめて聴いてくる
しねーから!まだ…
お前が成人したら考えよう?
「ほほう!ほほう!ほほう!」
テンションたけーな!フクロウのマネか?
もう直ぐ成人だよ?っと言ってきた
年が変わると成人なんだそーだ…
おいおい!あと二月もないじゃん!
ダメダメまだお前子共みたいだし無理!
俺の世界の成人にしてくれ!
そう言うと
「…20歳だっけ?…銀狼族だと行き遅れの年齢だよ?さすがにそれはヤダ!」
俺以外と結婚する選択「あるわけ無い!!」肢は?
「なに…?コージは僕の事嫌いなの?」グスンと泣き真似だろーけど声はちょっと震えてた
悪かったよっと抱き締めてキスだけする
もう少し時間をくれ!っとヘタレな自分を騙す
「少しだけだよ?待つの…」
来なかったら襲うから!っと宣言された
そして、今日はなんだかんだで疲れていたので
抱きしめ合いながら爆睡した(二徹は無理)
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ヘタレ旦那と言われて肴にされていたそうだが、俺は知らない
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数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
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2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
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