消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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38話

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「この前さーキャンプ趣味の人が流してたSMSに写真アップされててね?それを偶々みたら植木鉢に可愛い妖精が刺さってんの…で、趣味悪いなぁってみたら今度はその妖精の頭を毟り取って食べんのよ?すぐ頭は生えたけどさ、見ててすごい気分悪くなっちゃった」

「それってもしかして麹村?」

「そ~っ!!何だ見てたのか」

「私が見たのと多分違うと思うけど、頭が赤いプチトマトみたいな小さい人がカブトムシに乗ってたの、すごい可愛かった!」

「それも麹村か…」

「おれも見たよ?違う映像だけど…高台の道から撮影したらしい動画でさ、砂漠の星空みたいに地面が煌めいてんの!すっげえ奇麗だった…あんなとこなら行ったみたいよ」

どんな所なんだろうな?麹村って…


ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー○ー


「んー…鉢植え妖精ねぇ…一度村に行く必要があるわね…亮介も気になるし」

「連休もあるし行ってこようかしら…」

「うん!行こう!となれば旦那に電話しよ♪」
プルループルループル…「はいもしもーし麹村受付でーす」

「軽いわね…あんたコージ?うちの旦那は?」

「げっ何だよ!何か用かよ!?」
「あんたも成長しないわね……」フゥーっと煙を履きながら言う

「お義兄さんなら隣町行ってるよ!可愛い子と一緒に…」フッと笑う愚弟

「…チッ…どうせ亮介だろ?」
「違いまーす!で?なんの様だよ」

「チッ…最近出回ってる鉢植え妖精について、誰が流してるか知らないけど悪評付いてるわよ?」

「どんな?」
「頭をいじくって食べる奴よ」

「あー…」

最近良く見かけるバイカーかな?
「まぁ気を付けてよ?」

「分かった」

「あ!それとさー、近々そっち行くからって伝えておいて」
「えぇ⁉」嘘、くんの!?
「じゃぁねー」がちゃプー・プー・

魔王がやって来る…(姉=理不尽大魔王)
柱に掛けてある時計を見上げて15:00‥5分前くらいだと確認すると小走りで外へと走る!!!
その途中で隣町から帰ってきたお義兄さんに出会った
「あ、お義兄さん!!大変だ!!!魔王が!理不尽大魔王がやってくるよ!!!!」「あ、こーじ君、今度栗田さんが泊まりで温泉行くからーって言ってたよ」ええっ

「何それ大変じゃん!ヤダもう!アレもこれも隠さなきゃ!!!」頭が吹っ飛びそうな勢いで頭を抱えて困るジェスチャーする村長になにそれって笑う義兄さん
「あ、大丈夫だよ、鉢植え妖精と個人契約もするくらい通な人になってるから」

「え?なにそれ聞いてないよ⁉」心底ビックリして思わずお義兄さんの目を見て肩を掴む
「半年くらい前にシノちゃんが色々暴露して、自分は本物の獣人アピールしてたよ」
( ゚∀゚)・∵. ガハッ!!と、血反吐履いてから倒れましたよ……何ですかね、やらかしって感染するんですかね………あっ!もしかして鉢植え妖精バイカーに知られたのもシノとか?

「あ、その辺はウンディーネさんだよ」

あいつ俺に色々言うくせに!!!自分だって!と地団駄踏んだあと宿屋へと走っていきました

その後ろ姿に手を振って笑うマイペースなお義兄さん。
地味にこの人も順応力凄まじいですよね…
あ、私偶々通り道にいた翅妖精です!
名前はありません、じゃノシと言ってフワフワと空へ消えた

『ん。バイカーにバレたの私のせいじゃないわよ?』という、ウンディーネのほっぺたを抓って横に広げる村長

「ジャー誰だよ言ってみろ!」と声は威勢が良いけど田島に首根っこ掴まれて猫みたいになってる村長

『あれよ』と指差した先にはお母様が鉢植え妖精と仲良く世間話しながらお茶菓子の様に頭もいで食ってました……

「あの、お母様……」
「何だい息子さん」
「その食べ方を人前でやるのやめて下さい…」
「なんでだい?ていうか、あんたねぇ建前とか取り繕うとかもうやめな!」
「えーっ」
「いーじゃないの!鉢植え妖精が動画で流れたって、抵抗する術があるだろう?そこに最終兵器が朝からイチャコラしてるでしょ?」
後ろを振り向くと二人がくっついて大きな1つになっていました
『ミチルに言われたくない…』
「なによ?私何かしてたかい?」全く朝から精が出ますね。ったくよー珈琲粉で舐めるかね

毎晩毎晩…音がするのよ!
その音が耳に残って朝からになるのよ!
と、ウンディーネ

いやーなんかもうねー息子とすれば聴きたくない話だったのでとっとと去る事にした

宿屋から出ると件のバイカーがシルフ隊に拘束されて飛んでいく所でした……
そしてそれを他のバイカーが手を振って見送ってました

あ~うん。なんかもうどーでもいっかー

アハハハハっと、スキップしながら内田の店に昼飯を食べに向かっていました


高塚初音《たかつかはつね》 私の名前である
高塚聖人《たかつかせいじ》旦那の名前である
116話になって初めて発覚した私達の名前である!!!
カクヨムでは、この話116話だったんで……

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

聖人さんが理不尽迎えに隣町の駅に車で行った

亮介も行けばいいのに若い二人をほっとけないからと、今でも酒蔵に篭ってる
最近アイツから香水の様に酒の匂いがする
そのうち誰かに美味しそうとか言われて飲まれそうな気がする
まぁその誰かも彼氏が出来て落ち着いたみたいだが

あーそうそう内田とシルフの連盟で内田の店の裏側に畑を作れと依頼があった
ノームとスラスラとドライアドに何故か俺も…
一般人が入れない様に目隠しと腐らない様に頑丈に、それからウンディーネの水筒を設置して何時でも飲める様にだそうだ
何気に報酬が安い気もしたので再交渉しに行ったら
トマコなるトマト妖精に責められ敢えなく撃沈…
交渉前より安くなった………

ま、まぁいい。此れは仕方ない
だが、昼飯無料だけになったのは解せない
報酬昼飯無料……

悪くないか。365日毎日休まず食いに行ってやる!!!!

まぁとにかく畑である
裾野が広がる店の裏を適当な樹木を残しつつ広げるらしい。
そのへんはノームとドライアドに任せてある
俺がやるのはその後なので、今は内田の店でぼーっとトマコを見てる

他のバイトの手本の様に振る舞うべく今日は朝から率先して鉢植えに入ってるトマコ
そこを俺に見つかってしまったらしい
始終此方をチラチラ見て気にしてる様だったので
目の前に居座ってガン見してる所だ
最初内田にカマイタチを何発か撃たれてたが
「お待ち下さい!内田様!自分自身で打ち勝ってみたく存じます!」と叫んで今に至る

(クフフ♡よくぞ言った褒めて使わす)とは言わなかったが、そう思いながらいまガン見してる所です

妖精になりたての内田には俺の心は読めないが
シルフには読めたようで白い目で観られた
少し興奮したのは黙っておこう

それよりこの鉢植え…めっちゃ睨むんですけど…
コイツラに目は無い。口も無ければ鼻も無い
ただのプチトマトが二足歩行の少し露出度高めの服を着ている妖精と言えば良いのか……
翅妖精の身体にプチトマトが乗ってるといえばいいのか…まぁ、想像は任せる

顔は小さい。それを毟ると大きくなって食べ頃サイズに膨らむようだ
本人達も膨らんでるって感覚はないらしいが…
不思議仕様だな。うん、それでいーや

いやしかしエロい服だな……いや、裸体に布巻いただけか。見る奴に取っては息切れの元にしかならん

この前もバイカーがシルフの部隊に捕まって空中浮遊をやらかした。それの原因がこの妖精だったらしい

コイツラの容姿に変な感情を芽生えさせたバイカーが内田の眼をすり抜けて浚って市街に出る直前に捕まえたらしい。が…危なかった

もう少し遅かったらシルフ隊では対処出来なかった

空飛んでるし目鼻立ちは綺麗だからバイカー仲間にゃ人気になること間違い無し

因みに空とかその辺でフワフワと浮いてるのは流石に蛍としか思われて無いが

実行部隊は態々姿を隠さないと消えない

姿を隠しながら行動出来るのはシルフやノームクラスに成らないと無理らしい

つまり、確保は姿を現して行動しなければならないって事さ

だから連行中も他のバイカーが手を振る自体になった

名付けをすれば消えながら何か一つ行動出来る様になるらしい、昔うっかり名付けた奴も居たが…奴が何処でなにをしてるのかは知らん
何時の間にか居なくなってたって認識だったし
その後色々あったから今の今まで忘れていたな

シルフにでも聴けば分かるのか?と聴こうとした瞬間、頬に何かが当たった「ペチッ」また当たった
何だろうと飛んできたらしい物を拾うと種だった
小さい種…だがコレは見た事がある
トマトに入ってる奴だ
トマコが俺目掛けて撃ち込んでいた
思わずニヤリと笑ってしまったのは仕方無いだろう? 

「まさかの婚約宣言とは思わなかったぞ?トマコ」

「はぁっ!?」と困惑するトマコに
「お前から子種を渡されるとはなぁ?」
「はぁ?子種……?お前に撃ち込んだのは乾燥種だ!」と反論して来たので

「乾燥していようと水で戻せば芽は生えるのさ」
ニターとしてやるとガクガク震えだしたので
「何だ?嬉しくて武者震いか?」
更に追い打ちをかけるべく
「よし、その申込み受けよう!喜んでよし!」と言ったら、トマコの近くに控えていたトママなる若者からも種を撃ち込まれた

更にニタリとした俺は「お前の忠義を讃えてトマコ共々申し込みを受け入れよう!明日から我が城で暮らせ」と言ってやった
思わず「フハハハハハハハハハハハハ」と笑いだしてしまった魔王っぽくノリノリで…

物凄く落ち込んだ二人の妖精を発見した内田が攻撃してきたが「正式な婚姻申し込みを穢すのか?内田」と揶揄うように諭すと
動きが止まった。子種を飛ばして子を作る妖精族特有のやり方に悪ノリしただけだったが効果は覿面だったようで(クフフフフフフ)と段々楽しくなってきてしまった

「シノを呼んでこようか?」と睨むシルフに
本妻はシノブだコイツラは側室。そう言えばシノブも納得するだろう(ニュフフフフフ)
【オレの悪ノリから発言した言葉は実は全て本当だったりする。狼族は群れで暮す。即ち一夫多妻制なのだ。日本では認められてないが相手は妖精と獣人であるので、当てはまらない】

「コージィ!仕事出来たよー!」スラスライダーと化したノームが俺を呼びに来た

「明日までに準備をして我が城へ迎え」とニタニタしながら言い放ち
俺は仕事へと向かった


「何か店内静かだけど何かあったの?」とノームに聴かれたので

「魔王ごっこして遊んでた」と微笑んだ




 
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