消滅集落見付けて住んでたら異世界に行けた件

あるちゃいる

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やってみた⑤

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 シノと村長コージ最初の子供達は三つ子で
 長男 猛《タケル》
 次男 翔《カケル》
 長女 舞《マイ》
三つ子の名前は親父ハルトが付けた

閑話休題

 タケルはシノ母さんが言ったことを二人に伝えに学校の校庭に向かって走っていた、二人はクラブ活動をしてあるので、まだ学校にいるのだ。

 カケルは校庭でサッカーをしていた、丁度休憩だったのでタケルに気が付くと声を掛けた。
「タケルー!どうだった?作り方知ってたか?」
「ダメだった、やっぱりマイの言うとおりでお父さんに頼めだってさ」
「封印されて2年も帰ってこないのに頼めって言われてもなぁ?」
「あ、あと手紙を妖精と一緒に両面テープに貼り付けて遠投してたぞ?手紙を届けるとか言って……」
「マジかー……昔お父さんが実験したとかなんとかって、シルフさんが言ってたやつか?」
「取り敢えず、マイにも知らせてやってよ!参謀アイツなんだし、俺もクラブもうすぐ終るからさ」
「おう、じゃあ後でな!」
「ああ」

 カケルと別れたタケルはマイの居る図書室へと駆け出した、読書好きから文芸同好会を自ら作り放課後は図書室に入り浸るのが日課になっていた。

 本好きなのに何かやらかす時の筆頭はまいだった
 ガラッと図書室の扉を開けたタケルは大声で叫んだ

 「マイ!」

 名前を呼ぶと決まって返事がするのだが、今日に限って木材が飛んできてタケルの頭に当たった。本立を作っていたようで、その木切れを投げたらしい。

 「何度言わせるの?図書室では静かにって言ってるでしょ!?」そう叫ぶのは狼耳に三つ編みしてウサギの木彫りの髪留めを付けたちょっとキツイ目つきの女の子。一見大人しそうに見える。

 シノ母さん譲りの殺気をタケルに当てるとギヌロって感じで睨み付け、右手には金槌左手には釘と持って、木切れはどうやって投げたの?って、思うが右足がサッカー選手のシュートしたあとの体制になっている事から、木切れを蹴り飛ばした事がわかった。

 文芸少女の割には足癖は悪いようだ

「お前サッカー部入れよ……誘われてただろーが」
そう頭を撫でながら木切れを拾って投げ返すと、器用に足で受け止めたマイが

 「私は司書になりたいの!」などと言いながら、ガンゴンと釘を打ち付ける。

 見た目は文芸少女なのに、そこから想像できない程ガサツな長女……母親譲りなのか兄弟で一番気が荒いのが彼女だった。

 「そんな事より、やっぱりシノ母さんは作り方を知らなかったし、封印中の父様とうさまに手紙を送っていたよ」
「やっぱりね。あの人獣人離れした身体能力はあっても学は無いから仕方ないよ」本当に脳筋何だからっとブツブツ言っている。母親とあまり仲良くないのかと、問われるとそうでもなく、ある意味一番仲は良かった。【因みにカケルとマイとで《父親》の呼び方が違う。それに合わせてタケルは呼び方を変えている。 マイとの会話中に父親を『お父さん』と言うと『様を付けなさい!』と、鉄拳が飛んでくるのだ母に関してはどうでも良いらしい】

 「分かってたんなら聞きに行く必要なかったじゃん」


 口をとがらせ文句を言いながら図書室の椅子に腰掛けたタケルは不貞腐れる

 「知ってたらめっけ物ってだけだったからね。まぁ、でもこれで調べられるじゃない?」

「目処でもあるのか? 目的地は空の上だぜ? 殆どお手上げだよ」

 「もっと頭を使いなさいよタケル。 だからテストの点数悪いのよ。 昔、父様がやった実験の中に面白いのがあったのよ」

 そう言いながら、父様の日記帳を開く。 村長の日記帳は図書館に蔵書されており、数々の実験やらやらかしが詳細に書かれていた【執筆者ウンディーネ曰く、もし封印が解けて魔王が復活した時の対象方法を学ばせる為。らしい】


 「ほら、ね? これなら行けると思わない?」
開いた箇所を読ませながらマイは自信満々にいうと
半信半疑のタケルは

 「でも、これに必要な赤いスライムって何処にいるのよ?」


 そう聴くと、ニンマリと笑ったマイは
「スラスラさんに聞いてくるのがあなたの次の仕事よ?」と、答えた。



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