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やってみた⑦
しおりを挟む元世界樹の家から裏山を駆け上がり、畑を下って更に下ると川が見えてくる。そこを10m程ジャンプして超え、右に学校を見ながら突き進むと湖畔の辺りに出る。陽射しは燦々と照らしているのに空を見上げると霧が覆っているという不思議な場所に着くと、辺りをキョロキョロし始めたタケル。
船の作り方なら船乗りに聞けって事だろうからと、漁師に成った元海賊か海軍を探すとガタイが良さそうな塊が見て取れた
そこを目指して駆けていくとマイの声が聴こえてきた
「そんなに大きい船じゃないの、私達が三人乗れて寒くなく、料理したり出来る厨房と広めのベッドが1つあれば、三人寝れると思うの!そんな船を作るにはどうしたら良いかしら?」
「何処で乗る船かに寄るかなぁ……どこ行きたいんだい?湖なら俺達の船に乗せるけどよぅ?」
「空よ!」
「…………あー……あ?」
「だから!そ・ら・よ!」
そう言いながら空を指差すマイと困惑する海兵
困ったなぁって顔をする面々の隙間を縫ってタケルが顔を人混みから出すと、カケルが気付き。
「タケル!スラスラさんから聞いてきたか?何処にいるって?赤スラさん」
「それがさ、ベリーを食いまくったスラスラサンなんだってさ!赤スラの正体はスラスラさんだったよ。だから先に船を用意しないと駄目みたい」
「え、そうなの?」
さっきのノームさんとの話を詳しく話していくと元海賊さんが割り込んできて
「ただ浮くだけで良いなら小屋にしたらどーだ?四畳半くらいの小屋にすれば浮けるんじゃないかな?風船爺さんのように!」
あ、この人ディ○ニーアニメを観たんだなっと分かった。妙にワクワクしてるし当たりだろう。
そしてそのまま、赤い屋根付きの小屋を元海賊さんと海兵さんが作ってくれる事になった。
小屋の大きさと翅妖精の量とを計算して割り出す作業を一週間程カケルとマイがやり、俺は持っていく物を吟味してアイテムバックに入れていった。
そうこうしてる間に着々と小屋は作られて、煙突付きで赤い屋根の庭付き平屋が完成した。そして、タケルはノームさんを訪ねてスラスラさんを借りベリーを食べさせに異世界へと向かった。
少し赤黒くなるまで食べさせてしまったけど概ね大丈夫そうだったので、村にいる妖精達に声を掛けて集まってもらい、一緒に行く奴はこの中へ!っと、叫びスラスラさんの体内へと誘導していった。
スラスラさんが口を開けると甘ったるい匂いがあたりに漂い始め、アッと言う間にミチッと音がする程翅妖精が中に詰まっていった。
そこで透かさずスラスラさんに口を閉じてもらい、小屋の下に潜りだした。「気球じゃなかったの?」と、マイが聞くので「違ったらしいね」と、曖昧に応えて取り敢えず小屋の中へと入っていった。
小屋の中に入り、暖炉に火を灯し部屋を暖めていると、カケルとマイもやって来た。
小屋の外側の角と2畳ほどの広さの庭をぷっくりと膨らんだ赤スラさんの端っこのお肉(?)を引っ張って紐のように小屋をくくり付けて固定する、グラグラともしなくなったので、落とさない様に気を付けて飛んでね?っとお願いして小屋に戻った。
急遽床に穴を開けて、スラスラさんと意思疎通する為の筒を刺したあと、僕達は未知なる空へと浮かび上がった。
ゆっくりゆっくりだが着実に空へと舞い上がる僕達と小屋
それを見上げた海兵さんや元海賊さんは歓声を上げて喜び踊り手を振っては旅の無事を祈るのであった
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