104 / 105
お茶会①
しおりを挟む「ヴェッ!?ゲホケホ……マズっ……」
「こ、これはっっ駄目だとっ思いまずっ」
「む……これは駄目か」
そう言いながらサインペンで✕を付ける
今日(から)のゲストは中村くんだ!妻と子供達を楽しませる会の予行演習的な名目で始めたお茶会だったが、最初のアルバイトくんは3時間で気絶した後激しく抵抗したため家に返した。
そしたら直ぐに新島が殴り込んできたので取り敢えず拘束して、実験に付き合ってもらった。
その時はジェットコースター的な趣旨で実験してたので、主に偏西風を利用した絶叫コースターで、命綱無し(パラシュートもなし)からのフリーコースター(空中遊泳)を実施。程無くして新島も気絶した。
意外と肝は普通だったようだ。
お子さんの方は3時間持ったんだけどなぁ。
じわじわ高さを200Mづつ上げてって3時間後に空気の玉を顔にかぶせてからの地球を眺めながらの自由落下で意識を手放したのだが、偏西風の時は顔が青ざめて居たが、金貨五枚で「や、やりまふ」っと言質とったからフリー落下を楽しんで貰えたと思ってる。
ただそれから誰も受けて貰えない石化依頼になっちゃって、この程中村くんが参加してくれた。
前回の失敗を組んで絶叫系を止めて、お茶会に出すお茶菓子の検証を依頼した。
で、一発目で吐かれたワケだが、まぁ1発目はある意味笑いを取る為のネタみたいな感じで作った
【捕れたて生秋刀魚のナメロウ風アイス和え】
を、出した訳だが笑いを取る前に吐かれた。
笑える様に頭を飾りにしたんだけど、それはスルーされちゃった。少しグロかったかなぁ?っと反省。
気にせず次に行ってみよう!
次に出しましたのはティラミスならぬ
【テラスミ】イカ墨をコレでもかと使った物でティラミスのチョコ部分が全てイカ墨ってのを作った。
イカ墨は生じゃないよ?ちゃんと一回煮沸してるよ?
それを冷ましてから砂糖を混ぜて甘くしてある。
「……」
なんかスプーンを持つ手が震えてる……しかも無言だ……まだ開始して5分もたってないのに虫の息な中村くん。
中々口に運ばない。
なんかドキドキするね!
「ヴェゴハッ!?」
口に入れた瞬間ゲロと一緒にイカ墨を吐き出した。その後気絶してしまった。
「だ、大丈夫か!?」
俺は焦って中村くんを抱き寄せると少し腹筋とかを撫でたあと備え付けて置いた簡易ベッドに寝かせてハイヒールを掛けた。
乱れていた呼吸が直ぐに安定してきて程無くして意識が戻ったが、未だに青褪めてるので落ち着かせる為にも、数時間開けてから参加を続けるかどうか聞いてみようと思う。
◇◇中村くんside◇◇
村長に拉致られて直ぐに空中庭園をダンジョンから通らずに外側(空中)からやって来た。
少し、怖かったので膝はカクカクしていたが概ね大丈夫だ。意識も一応ハッキリしてる。
村長が言うには奥さんと子供達にサプライズしたいらしく、照れながら相談に乗られたよ。
皆が言う様に変態的な要素は無かったし、家族を大事にする良いお父さんじゃないか!協力できる事なら何でもしますよ!っと、張り切って答えたら
お茶会に出すお菓子の試食をお願いされた。
ビックリお菓子を狙ってるらしくて最初はネタからね!っとお茶目に笑いながら出されたのが……
生秋刀魚の頭がアイスの上に乗っかって切り口から少し血がアイスに滲んでるブラックユーモア的な物体が出てきた。
最初にネタだからと言われてなければ帰っていたところだ。少し笑おうと努力したがグロ過ぎて笑えなかった。さっき聞いた話ではお子さん達はまだ小学生だと聴いたからだ。
流石に笑えないでいると、一応ネタだけど食べてみて?っも言われ一口食ったら生臭さとえぐ味とアイスの甘みが折り重なって奏でるハーモニーみたいな味が口中を蹂躙して耐え切れず吐いた。
流石にこれは駄目だ!見た目も味もネタにしちゃ駄目なやつだ!
そして村長にやめた方が良いと伝えた。
次に出てきたのは少し濃い目そうな見た目のティラミスだった。
匂いも普通のティラミスで少しホッとしたのも束の間
【テラスミ】だと聞かされた。
黒い部分が全てイカ墨で出来ていて、スポンジと白いのは生クリームと思ったらイカをトロトロになるまで刻んでゼラチンで固めたものだそうだ。
もしかしたらコレは酒のアテになるんじゃないか?と、思ったが口に入れた瞬間ゲロとイカ墨を吐いて意識を手ばなした。
意識を失いながら思った事は、甘いイカ墨は不味い……だった。しかも、少しココア混ぜってると思う。風味付けの為に……
その後直ぐに意識は戻ったが、これが後8時間も続くのかと思うと青褪めずにはいられなかった。
だが、村長は少し時間を開けて俺が続けるかどうか判断する時間をくれた。まぁその間拘束何だけどな……
とりあえずもう一回吐いてこよう。
考える時間はまだまだある事だしな……
そうして俺はトイレへと向かうのだった
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる