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弐
しおりを挟む面接に行く前に下調べが必要だった。
たぬ吉に服装とか顔はどんなのが良いかを聞き出し、取り敢えず人化した時の顔で良いらしい事は分かったが、二重にはしとけと釘を刺される。
なので先に調べたのは二重についてだ。
いろいろ調べた結果、瞼にテープを貼って二重にする方法があると知る。
……が、やってみた結果狐にはハードルが高かった。
人間には瞼付近に毛が生えてないから出来るのだが、狐には毛が生えているのだ。
いくら人化した所でテープを貼れば毛が付いて、剥がすときがめちゃくちゃ痛い。
これは即座に却下した。
さて如何したものかと悩んだ結果、諦めた。
(良いじゃん一重で、切れ長の目だってきっとカッコイイ)
それから髪色だ。
元々茶色い毛並みなので、人化すると普通に茶髪になる。
だが有り触れていたので、思い切って白く染めた。
だが、これが大失敗。
獣に戻ったら頭だけが白いのだ。
変な病気を抱えた狐みたいに成ったが、免許代を稼ぐまでの我慢と思って耐える事にした。
因みにマイナンバーカードは手に入れた。今度は運転免許を取りに行きたいのだが、流石に金がない。
そして、毎日支払う満喫代もあるので仕事を頑張ろうと、自分を鼓舞した。
満喫で寝る時も人化していないとならないので、正直キツかったが昼間寝る時は植え込みの中や新宿御苑に行って植え込みの中で寝れば熟睡できる事を知った。
ただ、頭を白くした事で見つかる可能性もあるので気を付けて寝ないといけなくなった。
因みにまだ仕事は探していない。
狐なので夜行性の為、日が暮れると同時に外へと出てるだけである。
これからの仕事も夜になるので、もしかしたら満喫で過ごさなくても良いんじゃないか?と、思っていたが
「……外で寝ると体臭とか獣臭くなるから、毎日風呂には入れよ? なに? 銭湯? 馬鹿かよ、それで人化しても土臭くなるからな? 経験者が語ってるんだから大人しく満喫借りろよ」
という、有り難い言葉をたぬ吉に言われたので仕方なく満喫を一応借りている。
カプセルホテルで風呂だけ入るって手も考えたが、情報を得られる満喫にしろと言われた。
働き出したらスマホという物を買えと言われた。一度触ってみたが、人化しないと爪が当たってしまい上手く操作は出来なかった。
文明が進んでいるのだから、動物用のスマホが出ても良いと思う。
何故人間仕様にしてるのか……。
まったく世知辛い世の中だ。
ソレはさておき……。
髪色は決まったが次は髪型だ。
そのまま人化した場合ウルフカットになっていると言われた。
人化も出来ない低俗なウルフ何かと一緒にされるのは癪だったが、フォックスカットとは呼ばない様なので、この際ネーミングに拘るのはやめた。
髪色よし、髪型よし、目元よし。
早速求人している店へとやって来たは良かったのだが、履歴書を出せと言われて困惑しているところだ。
「君ね……水商売とはいえ仕事だからさ? 人を雇う側としては色々判断する材料が必要なのは理解出来る?」
何だよこの馬鹿信じらんねっと足をくみ出し、呆れながら溜息を吐くと経営者らしき男はゴンに向かっていう。
(何故か小馬鹿にされた気がする)
俺は少しムッとしたが、履歴書とは何かを聞いた。
「はぁ? マジかよww君働いたこと無いの?」
「……ありません」
「ふーん。 まぁいーや、ルックスと髪型のセンスを買って一応雇うけど、バイトからね? 時給は如何するかなぁ……まぁ千円スタートって事で、何時からこれそ?」
「今日からでも大丈夫です」
「そ? じゃあ、今から一時間後に開店するから取り敢えず表を掃除してきて」
そう言うと箒と塵取りを渡された。
言ってる意味がよく分からなかったが、この人間は一時間後に回転するらしい。
何故回るのか全く分からなかったが俺も回ればよいのか?
取り敢えず店の周りを掃き掃除したあと店の裏で回転する練習をした。
何人かスーツを着た人間が俺を訝しげに見ながら通り過ぎて店の裏口から入っていったが、気にせず回った。
◇
「店長、店の裏口にクルクル回ってるガキが居たんですけどナンスカあれ?」
「……髪が白くてウルフカット?」
「はい」
「…………今夜からバイトで入る人だよ」
「何で回ってんすか?」
「……分からん」
店のホストは全員頭にはてなマークが浮かび、『変わったバイトなのかね?』っと、無理矢理納得して仕事の準備をし始めた。
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