スキルがBourbonだった件

あるちゃいる

文字の大きさ
11 / 11

虎の威を借る狐

しおりを挟む


 「いらっしゃいませ!お菓子屋サーチネルで御座います」


 「紅茶に合うお菓子を5人分で適当に見繕ってくれるかしら?」


 「畏まりました!少々お待ち下さい」


 「では、待ってる間に此方の試食など如何ですか?お紅茶も御座います」


 そう言って椅子を引き座る様促す元メイド
所作が淀みなく洗練されている動きにマダムも感銘を受ける


 スッと座って直ぐに紅茶が音もなく置かれ
試食の新作3種と裏メニューの1つシルベーヌを出す
(フォーク付きで)


 マダムは即座にシルベーヌに目が行き


 「まぁっ!これはチョコレートですの⁉」


 「中はスポンジになっております」
と、少し頭を下げて礼をして答える


 「まぁぁっ!」と言いながらホークを使って器用に切って食べると「まぁっ!まぁっ!」と言語が【まぁ】しか無くなったのかの様に連呼する


 チョコリエール
 チョコチップクッキー
 五穀ビスケット
も出してあるので一つ一つ説明していく


 そして、五穀ビスケットの説明が終わる頃に


 「ご用意が整いました!どうぞお持ち帰りください」と、マダムと一緒に来ていた執事に渡す


 布に巻いたお菓子を特性の紙バックにいれて差し出す


 「有難う御座いました!又のお越しを心よりお待ちしております」と三人のメイドが頭を下げて送り出す


 馬車に乗り走り出してから、見えなくなるまで頭を下げて見えなくなったら、次のお客を迎え入れる……
と、一連の流れを憶えているかチェックして拍手した


 「流石だね!合格だよ!」と三人の従業員を称える


 「お褒めに預かり光栄で御座います」と頭を下げるメイドさん達


 「手は全員採用って事でいいかな?」


 わぁっ!と喜び歓声の声をあげた
給金は幾らにしたらいーのか分からなかったので
それぞれ今まで貰ってた金額を聴いてみると
大体金貨10 枚だったので


 「じゃあ全員金貨15枚からで良いかな?」
と聴くと、またわぁっ!と歓声の声が上がった


 「上げ過ぎじゃないの?」
と、横からキャロが口を出してきた
(いつの間に来たんだろう…?)

 「君もその位だった筈だけど?」
と、答えると


 「そーだった?」
首を傾げて考えていたので


 「君は1月も居なかったからね」
っと、肩を竦めてみせた


 「ところで何か御用?」とやんわり聞いたら


 「さっきのチョコケーキを仕入れたいので売りなさい!」
「ごめんなさい無理です」
と即答した


「なんでよ!」


「数に限りがあるのと、1つ金貨2枚する」
と、いうと唖然としたまま動かなくなった


 「じ、じゃあ…チョコチップクッキーは?」
「銀貨五枚だね」
「チ、チョコリエールは?」
「銀貨三枚かな?」


 因みに卸値ね?と言ったら帰って行った


 五穀ビスケットも銀貨五枚だったりする。数が出せないから


 他のはレベルMAXだから安く卸せるんだけどねぇ……


 それでも売値は大銅貨5枚になるから、他に卸しても高級品なんだけどね


 (もう少し安く売れればいーんだけどなぁ……)
夢は庶民のオヤツなので、まだまだ遠い道程であった


 薄利多売にすると、儲かるけど身が持たない
 厚利小売にすると、価値だけ上がって売れない

中々難しい……

 と、商売について色々考えていると、扉がガチャン!と音を立てて開き


 「おい!店主はいるか!!」と珍しく大声を張り上げる客が来た


 声からして子供のようだけど……面倒くさそうな客らしい


 「いらっしゃいませ!お菓子屋サーチネルの店主を勤めさせて頂いているサーチネルと申します」
と、恭しく頭を下げると


 「菓子を買いに来た!全部売れ!」
 「全部ですと金貨1万枚程になります」
 「っっな!?巫山戯るな!!菓子如きでそんなにするわけ無いだろ!?」
 「何方か付き添いの方はおりませんか?」
(物分りの良さそうな執事とかね)


 子供扱いされたと思った少年は激昂し


 「貴様!!!私を舐めるなよ!!!僕はマルバナ公爵の子息だぞ!!!」と、鼻息荒く語りだした


 (何故貴族ってこんなのばっかりなんだろう……)
とは、言わずに困ったなぁ……って、顔で誰かいないかキョロキョロした


 すると、扉の横に静かに立ってる執事っぽい人が居るのを発見し、メイドの一人に入り口の看板を見せる様に支持


 サササッと移動したと思ったら執事を外へと連れ出して看板指差して説明


 その看板を見た執事は慌てふためきながら、少年を俵抱きにして去ってった


 少年はとっさの事で声も出せなかったみたいだった

 そーいえばと僕も貴族と同じか……
虎の威を借る狐……今の僕はそのまんまだった


 もっと強く賢くならなきゃなぁーと今日はそのまま店仕舞いにした



しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...