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隣人
しおりを挟む「いらっしゃいませ!お菓子屋サーチネルで御座います」
と、声を出すのは黒のメイド服に白の割烹着を着けた金髪縦ロールで鼻筋の通った顔にアーモンド眼で全体的に可愛らしいと言える様なお嬢様というかお嬢ちゃんと言う方が合ってる人がお辞儀をしていた
この女性は王国のカーティス辺境伯令嬢で末娘の
カーティス・メヌエット・キャロシリンと言う
王国から僕が逃げ出した事で原因がその娘にあるとして、国王が責任を辺境伯に求めた結果。この女性は修道院行きになったのだが、行くのが嫌で脱走し港町を彷徨っていた所を僕が見つかってしまい。国王にバラされたくなければ働かせろ!と脅されて今に至る。
いや、まぁいんだけどね?人手欲しかったし……
摘み食いしなきゃだけど……
手癖の悪い娘を雇ってしまったのでチョコ関係は店頭に並べられなくなった。【予約制とはいえ見本は置いていた。それを食べられた】
お菓子もバラ売り以外は布で包んで摘み食い防止するしかなく、かなりの出費に繋がっていたが、まぁお客さんの受けも良いのでトントンかなぁっと思っている
ガチャリと新しいお客様がやって来た、何時もの様に挨拶をし、その後店内へ案内するはずのキャロは固まって動かなくなった
何だろうかと思って外を見ると、どっかで見たことある紋章を掲げた船が港に停泊していた。そして、店内にはワナワナと震えるオジサンが居た
「き、貴様ここに居たのか!!この馬鹿娘がぁぁぁあっ!!」と叫んでバチコーンと凄い音のするビンタを御見舞するとキャロが吹っ飛び店のコーナーを壊して瓦礫の下へ消えてしまった
(生きてるのかあれ……)
「店主!!申し訳ないがあの娘は連れてゆく!如何かこれで店を直し新しい娘を雇え!!」と金貨が沢山入った袋を投げ渡し瓦礫に埋まるキャロを取り出し肩に担いで帰って行った
突然起った事で全く動けなかった僕はアッという間に居なくなった二人をただ眺めているだけしかできなかった。
結局その日は店仕舞いして、次の日に壊れた場所を業者を呼んで直そうとしたが、隣の店を買い取った御仁が居て其処を改装するんで1週間待ってくれとのことだったので、壊れた場所に布を被せるとみっともなくてとても店は開けない。なので仕方なく1週間休みにした。
丁度よいし船長さんところに遊びに行き、食べ漁って空っぽに成ってたお菓子部屋を溢れんばかりのお菓子部屋に変えて船員の嬉し涙を見学したあと、皇帝様の城ヘ行き、執事さんと五穀ビスケットを肴に紅茶を呑んだ。
その時に休憩しに来たメイドさん達にお菓子を配り、皇帝さんが事務仕事でフラフラになってる所にシルベーヌを持っていき食べさせて働かせた(執事さんが)
中々充実した休日になった。ソロソロ従業員でも募集しようかなぁっと思っていると隣の店に誰かが引っ越して来たような音がした
これからご近所さんになるのだからと、挨拶でもーっと思って外に出ると、店の看板に見た事のある紋章とキャロとお父様が居た
しばし唖然と口開けてボーゼンとしていたら、声を掛けられた。
「やぁ、こんにちは!隣に越してきたカーティスです、此方は娘のキャロです。隣で喫茶店を開くのでもし良かったらどうぞ」と満面の笑みで言われた
(えー……)と思ってるとキャロがテテテテと寄ってきて
父親と共に国を追われる事になったらしく、奥様と離婚して責任が奥様に行かないようにしたあと、途方に暮れていたので、説得して此方に店を出す事にしたそうだ……なので、店員は出来なくなりましたけど、茶菓子として出したいのでお願いしますと頭を下げられた
何とも逞しいというか何というか……何て言葉を掛けたら良いのか分からなかったので取り敢えず
「よろしくお願いします!」と答えておいた
その後ようやく直す大工が来て一瞬で直して去って
新しい従業員を募集したら、娘付きのカーティス家の元侍女だったらしい人が来て涙ながらに雇ってほしいと言ってきてそのまま3人ほど雇うことになった
【キャロシティ】と名付けられた店にお菓子を卸すことになったのを切っ掛けにお店に卸す店舗を増やしたところ中々良い手応えがあったので、数は限定されたが数店舗に卸すことになり、うちのお菓子がやっと民間人へ知れ渡る事になった。
因みに辺境伯の居た街は離婚した奥様が女伯となって継いだらしい。
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