8 / 9
第6話 この世界の親
しおりを挟む
side:オルト
教会から帰ってきた翌日。
朝食も取らずにベットの上であの時聞こえた声のことを考えていたの。
ーーー《君には特別な力を与えよう。この力で最強になるか、最弱になるかは君次第だ。精々考えるが良い。》ーーー
誰の声だったんだろうか。
神父様は教会にある像のことを神と呼んでいた。
そして、それが光らないと言った。
つまり、本来はどれかの神の像が光るはずってことになる。
恐らくだが、この世界には神が実在する。
じゃあ、あの声はその6人(?)の神のうちの誰か?
でも、それだとどの属性もつかなかったことが不思議だ。
あの6人の他に神がいるのか?
色々な可能性を考えたが結局は分からなかった。
考えても仕方ないので部屋にある魔法書を読んで時間を潰していると、1つ気になるページがあった。
~~~~~~~~~~
【魔力操作による魔法行使の効率化】
本来、魔法とは詠唱により現象を具現化し、代償に体内魔力を消費する。しかし、もし体内魔力を操作することができれば、魔法の効果の大小を操作し、魔力の無駄な消費を抑えることができる。
そのため、ただただ詠唱を行なって魔法を行使するよりも効率化を図ることができる。
【魔力操作の方法】
いくつかあるがここでは最も簡単な方法を紹介しよう。
《方法》
自分の最も楽な体勢をとり、体内に意識を集中させる。すると、腹の下あたりに拳くらいの大きさの塊を感じる。その塊が魔力である。(魔力の塊の大きさは個人差がある。)その塊を少しずつでいいから形を変えていく。これを毎日繰り返せば全身に魔力を巡らせるのもできる。
~~~~~~~~~~
これらの事が書いてあった。
そういえば神父様は俺には年相応の魔力があると言っていた。
つまり、俺はこれを実践できるのである。
というか、やるべきである。
もしかしたら魔法が使えるかもという期待を胸に早速試してみようと思った時、部屋のドアがノックされた。
「オルト様、アスラです。昼食のご用意が整いました。お食べになりますか?」
それを聞いて時刻を確認すると、もうすぐで正午になるところであった。
腹の虫が軽快に鳴いた。
そう言えば朝食食べてないんだった。
昼食は食べようと部屋の外に出ると、ドアの前には心配そうな顔をしたアスラが立っていた。
「オルト様大丈夫ですか?気分が優れないのならこちらまで食事を運ばせますが...。」
どうやら俺が昨日のことで食欲を失うほどのショックを受けたと思っていたらしい。
心配をかけてしまった。
考えることに夢中になって周りのことを考えてなかった。
今後に反省としよう
「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫。食堂まで行くよ」
アスラはまだ心配そうな顔ではあるが心なしか安心したようにも見える。
ご飯の時はいつも家族全員揃って食べるのがモルガミュート家である。
つまり、俺の右、テーブルの誕生日席に座っている父と、俺とテーブルを挟んで目の前に座っている母、そしてその横に妹のユーイが座っている。
2人の兄がいないのは王都にある王立の学園で将来の夢のために頑張っているからである。
ユーイは理解してるかどうか分からないが、少なくとも母と父は俺には属性が出現しなかったことを知っている。
昼食が始まるとすぐ父に、何故朝食を取らなかったのかと訊かれたため、昨日教会であったことをそのまま話していた。
父は「そうか」一言だけ言った後、それ以上全く話さず黙々と食事をしていた。
俺も何を言われるか不安で、食事を口に入れても味がしない...ことはなかった。
こんな緊迫状態でもここの家の専属のコックが作る食事は美味しかった。
そろそろ大体全員が食事を終わらせた時だった。
「オルトよ。お前は将来何がしたい」
父が唐突に将来のことを訊いてきた。
「僕は...冒険者になって世界中を見て回りたいと思っています」
これは、この世界にはきてから2年の時を過ごして思い至った正直な夢だった。
「はっはっはっはっは!」
「ふふっ、全くこの子は...誰に似たのかしらね」
すると父が豪快に、母が上品にもはっきりと“笑った”。
これは嘲笑の類の笑いではない、嬉しいとか喜ばしいとかそんな感じの笑いだった。
俺はかなり驚いた。
それが顔にも出ていたらしい。
「何間抜けな顔をしてるんだオルト!お前は間違いなくな俺の自慢の息子だよ。たかだか無属性がどうした?お前はそんな些細なことで負ける男ではないだろう?」
父が放った言葉は、俺の中にあった自分でも気づかないような小さなそれでいて深く心に根付いていた不安や恐れを見事に消し去ってくれた。
俺は自然と涙が溢れていた。
無意識のうちに心のどこかせ自分が無能とか出来損ないとかと考えていたのだろう。
俺の心はとてもスッキリしていた。
俺は泣き終わり、自室に戻ると今度は羞恥に悶えていた。
見た目は7歳でも中身は18歳である。
人前で泣くのは精神的にくるものがあった。
「はぁ~、魔力操作でもしますか!」
さっきのことを忘れたいとばかりに大声で独り言を喋った後、魔術本に書いたあることを実践した。
side:地球
とある病院の一室に全身に痛々しいほどの包帯を巻いてベットの上に横たわっているひとりの少女が寝ていた。
彼女はあの事故の被害者のうち、唯一生き残っていた者だった。
包帯の隙間から覗く彼女の瞼が少しずつ開いていく。
「ここは...どこ...?」
教会から帰ってきた翌日。
朝食も取らずにベットの上であの時聞こえた声のことを考えていたの。
ーーー《君には特別な力を与えよう。この力で最強になるか、最弱になるかは君次第だ。精々考えるが良い。》ーーー
誰の声だったんだろうか。
神父様は教会にある像のことを神と呼んでいた。
そして、それが光らないと言った。
つまり、本来はどれかの神の像が光るはずってことになる。
恐らくだが、この世界には神が実在する。
じゃあ、あの声はその6人(?)の神のうちの誰か?
でも、それだとどの属性もつかなかったことが不思議だ。
あの6人の他に神がいるのか?
色々な可能性を考えたが結局は分からなかった。
考えても仕方ないので部屋にある魔法書を読んで時間を潰していると、1つ気になるページがあった。
~~~~~~~~~~
【魔力操作による魔法行使の効率化】
本来、魔法とは詠唱により現象を具現化し、代償に体内魔力を消費する。しかし、もし体内魔力を操作することができれば、魔法の効果の大小を操作し、魔力の無駄な消費を抑えることができる。
そのため、ただただ詠唱を行なって魔法を行使するよりも効率化を図ることができる。
【魔力操作の方法】
いくつかあるがここでは最も簡単な方法を紹介しよう。
《方法》
自分の最も楽な体勢をとり、体内に意識を集中させる。すると、腹の下あたりに拳くらいの大きさの塊を感じる。その塊が魔力である。(魔力の塊の大きさは個人差がある。)その塊を少しずつでいいから形を変えていく。これを毎日繰り返せば全身に魔力を巡らせるのもできる。
~~~~~~~~~~
これらの事が書いてあった。
そういえば神父様は俺には年相応の魔力があると言っていた。
つまり、俺はこれを実践できるのである。
というか、やるべきである。
もしかしたら魔法が使えるかもという期待を胸に早速試してみようと思った時、部屋のドアがノックされた。
「オルト様、アスラです。昼食のご用意が整いました。お食べになりますか?」
それを聞いて時刻を確認すると、もうすぐで正午になるところであった。
腹の虫が軽快に鳴いた。
そう言えば朝食食べてないんだった。
昼食は食べようと部屋の外に出ると、ドアの前には心配そうな顔をしたアスラが立っていた。
「オルト様大丈夫ですか?気分が優れないのならこちらまで食事を運ばせますが...。」
どうやら俺が昨日のことで食欲を失うほどのショックを受けたと思っていたらしい。
心配をかけてしまった。
考えることに夢中になって周りのことを考えてなかった。
今後に反省としよう
「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫。食堂まで行くよ」
アスラはまだ心配そうな顔ではあるが心なしか安心したようにも見える。
ご飯の時はいつも家族全員揃って食べるのがモルガミュート家である。
つまり、俺の右、テーブルの誕生日席に座っている父と、俺とテーブルを挟んで目の前に座っている母、そしてその横に妹のユーイが座っている。
2人の兄がいないのは王都にある王立の学園で将来の夢のために頑張っているからである。
ユーイは理解してるかどうか分からないが、少なくとも母と父は俺には属性が出現しなかったことを知っている。
昼食が始まるとすぐ父に、何故朝食を取らなかったのかと訊かれたため、昨日教会であったことをそのまま話していた。
父は「そうか」一言だけ言った後、それ以上全く話さず黙々と食事をしていた。
俺も何を言われるか不安で、食事を口に入れても味がしない...ことはなかった。
こんな緊迫状態でもここの家の専属のコックが作る食事は美味しかった。
そろそろ大体全員が食事を終わらせた時だった。
「オルトよ。お前は将来何がしたい」
父が唐突に将来のことを訊いてきた。
「僕は...冒険者になって世界中を見て回りたいと思っています」
これは、この世界にはきてから2年の時を過ごして思い至った正直な夢だった。
「はっはっはっはっは!」
「ふふっ、全くこの子は...誰に似たのかしらね」
すると父が豪快に、母が上品にもはっきりと“笑った”。
これは嘲笑の類の笑いではない、嬉しいとか喜ばしいとかそんな感じの笑いだった。
俺はかなり驚いた。
それが顔にも出ていたらしい。
「何間抜けな顔をしてるんだオルト!お前は間違いなくな俺の自慢の息子だよ。たかだか無属性がどうした?お前はそんな些細なことで負ける男ではないだろう?」
父が放った言葉は、俺の中にあった自分でも気づかないような小さなそれでいて深く心に根付いていた不安や恐れを見事に消し去ってくれた。
俺は自然と涙が溢れていた。
無意識のうちに心のどこかせ自分が無能とか出来損ないとかと考えていたのだろう。
俺の心はとてもスッキリしていた。
俺は泣き終わり、自室に戻ると今度は羞恥に悶えていた。
見た目は7歳でも中身は18歳である。
人前で泣くのは精神的にくるものがあった。
「はぁ~、魔力操作でもしますか!」
さっきのことを忘れたいとばかりに大声で独り言を喋った後、魔術本に書いたあることを実践した。
side:地球
とある病院の一室に全身に痛々しいほどの包帯を巻いてベットの上に横たわっているひとりの少女が寝ていた。
彼女はあの事故の被害者のうち、唯一生き残っていた者だった。
包帯の隙間から覗く彼女の瞼が少しずつ開いていく。
「ここは...どこ...?」
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
n番煎じの脇役令嬢になった件について
momo
ファンタジー
ある日、突然前世の記憶を思い出したレスティーナ。
前世、知識モンスターだった研究者の喪女であった事を思い出し、この世界が乙女ゲーム『光の聖女と聖なる騎士』だった事に驚く。
が、自分は悪役令嬢でも無く、ヒロインでもない成金のモブ令嬢だったと気付いて本編始まったら出歯亀しようと決意するのだった。
8歳で行われた祝福の儀で、レスティーナは女神イリスに出会う。女神の願いを叶える為に交換条件として2つの祝福を貰い乙女ゲーそっちのけで内政に励むのだった。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
まったく知らない世界に転生したようです
吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし?
まったく知らない世界に転生したようです。
何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?!
頼れるのは己のみ、みたいです……?
※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。
私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。
111話までは毎日更新。
それ以降は毎週金曜日20時に更新します。
カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる