異世界の転生者達

神崎桜哉

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第6話 この世界の親

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  side:オルト
 教会から帰ってきた翌日。
 朝食も取らずにベットの上であの時聞こえた声のことを考えていたの。

ーーー《君には特別な力を与えよう。この力で最強になるか、最弱になるかは君次第だ。精々考えるが良い。》ーーー

 誰の声だったんだろうか。
 神父様は教会にある像のことを神と呼んでいた。
 そして、それが光らないと言った。
 つまり、本来はどれかの神の像が光るはずってことになる。
 恐らくだが、この世界には神が実在する。
 じゃあ、あの声はその6人(?)の神のうちの誰か?
 でも、それだとどの属性もつかなかったことが不思議だ。
 あの6人の他に神がいるのか?

 色々な可能性を考えたが結局は分からなかった。
 考えても仕方ないので部屋にある魔法書を読んで時間を潰していると、1つ気になるページがあった。

~~~~~~~~~~
【魔力操作による魔法行使の効率化】
 本来、魔法とは詠唱により現象を具現化し、代償に体内魔力を消費する。しかし、もし体内魔力を操作することができれば、魔法の効果の大小を操作し、魔力の無駄な消費を抑えることができる。
そのため、ただただ詠唱を行なって魔法を行使するよりも効率化を図ることができる。

【魔力操作の方法】
 いくつかあるがここでは最も簡単な方法を紹介しよう。
《方法》
自分の最も楽な体勢をとり、体内に意識を集中させる。すると、腹の下あたりに拳くらいの大きさの塊を感じる。その塊が魔力である。(魔力の塊の大きさは個人差がある。)その塊を少しずつでいいから形を変えていく。これを毎日繰り返せば全身に魔力を巡らせるのもできる。
~~~~~~~~~~

 これらの事が書いてあった。
 そういえば神父様は俺には年相応の魔力があると言っていた。
 つまり、俺はこれを実践できるのである。
 というか、やるべきである。

 もしかしたら魔法が使えるかもという期待を胸に早速試してみようと思った時、部屋のドアがノックされた。
「オルト様、アスラです。昼食のご用意が整いました。お食べになりますか?」
それを聞いて時刻を確認すると、もうすぐで正午になるところであった。
 腹の虫が軽快に鳴いた。
 そう言えば朝食食べてないんだった。
 昼食は食べようと部屋の外に出ると、ドアの前には心配そうな顔をしたアスラが立っていた。

「オルト様大丈夫ですか?気分が優れないのならこちらまで食事を運ばせますが...。」

 どうやら俺が昨日のことで食欲を失うほどのショックを受けたと思っていたらしい。
 心配をかけてしまった。
 考えることに夢中になって周りのことを考えてなかった。
 今後に反省としよう

「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫。食堂まで行くよ」

 アスラはまだ心配そうな顔ではあるが心なしか安心したようにも見える。

 ご飯の時はいつも家族全員揃って食べるのがモルガミュート家である。
 つまり、俺の右、テーブルの誕生日席に座っている父と、俺とテーブルを挟んで目の前に座っている母、そしてその横に妹のユーイが座っている。
2人の兄がいないのは王都にある王立の学園で将来の夢のために頑張っているからである。

 ユーイは理解してるかどうか分からないが、少なくとも母と父は俺には属性が出現しなかったことを知っている。
 昼食が始まるとすぐ父に、何故朝食を取らなかったのかと訊かれたため、昨日教会であったことをそのまま話していた。
  父は「そうか」一言だけ言った後、それ以上全く話さず黙々と食事をしていた。
 俺も何を言われるか不安で、食事を口に入れても味がしない...ことはなかった。
 こんな緊迫状態でもここの家の専属のコックが作る食事は美味しかった。

 そろそろ大体全員が食事を終わらせた時だった。

「オルトよ。お前は将来何がしたい」

 父が唐突に将来のことを訊いてきた。

「僕は...冒険者になって世界中を見て回りたいと思っています」

 これは、この世界にはきてから2年の時を過ごして思い至った正直な夢だった。

「はっはっはっはっは!」

「ふふっ、全くこの子は...誰に似たのかしらね」

すると父が豪快に、母が上品にもはっきりと“笑った”。

 これは嘲笑の類の笑いではない、嬉しいとか喜ばしいとかそんな感じの笑いだった。

 俺はかなり驚いた。
 それが顔にも出ていたらしい。

「何間抜けな顔をしてるんだオルト!お前は間違いなくな俺の自慢の息子だよ。たかだか無属性がどうした?お前はそんな些細なことで負ける男ではないだろう?」

 父が放った言葉は、俺の中にあった自分でも気づかないような小さなそれでいて深く心に根付いていた不安や恐れを見事に消し去ってくれた。
 俺は自然と涙が溢れていた。
 無意識のうちに心のどこかせ自分が無能とか出来損ないとかと考えていたのだろう。
 俺の心はとてもスッキリしていた。

 俺は泣き終わり、自室に戻ると今度は羞恥に悶えていた。
 見た目は7歳でも中身は18歳である。
 人前で泣くのは精神的にくるものがあった。

「はぁ~、魔力操作でもしますか!」

 さっきのことを忘れたいとばかりに大声で独り言を喋った後、魔術本に書いたあることを実践した。


side:地球
 とある病院の一室に全身に痛々しいほどの包帯を巻いてベットの上に横たわっているひとりの少女が寝ていた。
 彼女はあの事故の被害者のうち、唯一生き残っていた者だった。
 包帯の隙間から覗く彼女の瞼が少しずつ開いていく。

「ここは...どこ...?」
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