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第1章 紅峠
第1話 飛ばされた者たち
僕の名前は無能 忠隣(ただちか)。17歳の高校生。
都内の公立高校の普通科に通う、極一般的な学生の一人。友達と呼べるのも数人。
彼女なんて居ない。
クラスには普通に可愛い子は何人か居るけど。僕の事を気に掛けてくれる子は居ない。
そもそも声掛けないんだから当たり前。
部活も文化系を探したけど、あんまし興味が惹かれるのが無く帰宅専門。
特技はコレと言って無し。僕の名字からして解るでしょ。
取り敢えずの塾は通う。何かを目指す訳じゃなく、暇潰しに。何処かの公立にでも滑り込めたらラッキー程度の成績。上中下で上と中をフラフラと。
ゲームは好き。流行のVRMとかFPSは煩わしいので嫌い。シューティングもアクションも苦手な部類。やる物は一人だけでやれる物ばかり。ネトゲは無言を貫く。挨拶すらしない。
とかくRPGとかカード系が大好きさ。
小遣いは多くない。だから課金もしない。たまーに3千を掛けてみて、何も出なかったら即退場してしまう。
何かに嵌る熱意も無く、、体力も無い。だから死にたいかって?冗談でしょ。
別に悩みも無いんだから、死んじゃう意味が解らん。
文庫や漫画は普通に好きで、無料のラノベサイトで暇な時間を投棄するのが日課。
恋愛、サスペンス、転生、貴族、ハーレム、ホラー、日常系。ジャンルは問わず。
そのどれもに何かしらの戦いがあり、人の醜さを色々な形と掛け合いで描いている。
憧れ?憧れねぇ。現実に負けてる時点で、何処に行っても同じだと思うよ。
僕は人生に絶望もしてないし。日本の政治には呆れてるけど。
来年の誕生日を迎えれば18になるので選挙権が与えられる。
成人もしてない。結婚も勝手に出来ない。タバコも酒もNGなのに?選挙権だけは渡すの?
意味がさっぱり解らん。たぶん選挙には行かない。加票した人が落ちたらガッカリじゃん。
近所に投票所があるとしても、コレと言って期待する人居ないんで。
なぜダラダラと自己紹介を垂れてるかって?そりゃ、あれさ。
当っちゃったからさ。
何に?宝くじ並の確率で、クラス丸ごと異世界転移。
いやー驚くよね。マジで起きると。晴天の中で、突然外がピカッとなった後。
派手なエフェクトも無いまま。外の景色は突然荒野に切り替わった。
「マジかよ・・・」クラスの委員長♂が呟いた。
時は夏休み前の最後の授業の後。
幾つかの仲良しグループに分かれて、明日から何して遊ぶか。何処に遊びに行くか。
補修組は項垂れていたし、部活ある子は合宿の話を。
上の大学を目指す人は、塾の話を。
専ら僕は、ゲーム友と発売予定のゲームの話。
さて。教室を出て隣のクラス。誰も居ない。
上の上級生も誰も居ない。職員室にも先生の姿も無い。
「タッチー。これってアレか?」
「どう考えても、アレだよなぁ、ヒオシ」
クラスの中で最も仲の良い、來須磨 久夫(くるすま ひさお)、通称ヒオシと外の景色を眺めながら話をしていた。
転生物に付き物の、神様と接見するイベントは無し。
男子16名。女子15名。欠席者は居ない。教員は去った後で大人が居ない状態。
委員長と副♀が、教壇に立ち。
「意味・・・解る人?」
「これって、何?」
責任感は素晴らしい。でも誰にも正解は解らないぜ。誰も手挙げないし。
待てど暮らせど変化は起きない。だいぶ日が傾いても。
トイレの水は流れた。たぶん屋上の貯水タンクが空になるまでは。
予備の紙は集めれば割と持ちそう。
「委員長。食料の確認行かなくていいの?」
「あぁ、そうだね。見て来てくれるか?」何をするでもなく、見る見る内にゲッソリ。
元気ねぇなぁ。全員。
「タッチー、おれも行くよ」
「やる事ないしな。行こうぜ」
比較的元気なのは、僕たちだけか。
「ねぇ、ムノウ君。どうして、そんなに落着いてるの?」
教室を出る前に、副に声を掛けられた。女の子に話し掛けられるのも久し振りだわ。
「斉藤さん。僕も混乱してるよ。どうしていいか解らないし」ま、嘘だけど。
「うん。みんな同じだね・・・」
言うだけで動かない。また自分の席に戻ってしまった。
食堂を回り、日持ちしそうな缶詰を並べる。奪い合いになるのかね。
購買を覗き、菓子パンと惣菜パンおにぎり、パックジュースを適当に袋に詰めて2Fに戻った。
「電気は来てなかったよ。腐る前にみんなで食べよう。日用品も人数分以上はあったから、歯磨きと洗顔くらいなら出来るんじゃない?」
電子機器、冷蔵庫も含めて停止していた。
中の野菜や生物から調理して食べたいけど。
「料理出来ても、ガスが何処まで使えるか解んないし。水も貯水だけだと思うから、使い過ぎるとトイレ流れなくなると思う」
浄水器も停止してるだろうから、飲み水には使えない。
缶詰も沢山あったけど、節約したほうがいいんじゃないとみんなに伝えた。
「なんでお前が仕切ってんだよ!」
一番イキってる子が僕の胸倉を掴んで来た。そんな元気なら少しは動けよ。
無言、無抵抗で全身の力を抜いてみた。
「クソッ。無能のくせに」
子供の頃から散々聞く言葉。もう慣れた。もう飽きたってのが正解。
「タッチー大丈夫か?」
「脱力無抵抗だし。殴られた訳じゃないから大丈夫」
小腹が満たされて、みんなの顔色が少し回復した。
「コレってさ。異世界ってやつかな」委員長の峰岸君がやっとやる気を出した。
僕は初めて手を挙げた。
「転生物の定番のイベント。神様とか西洋王宮の人たちが現れないから。只の漂流物かもしれないよ」
「漂流教室?うわぁ・・・、全滅ルートじゃん」ヒオシが頭を抱えた。
それを聞いた女子の数名が泣き出した。
泣きたいのは僕もだけどね。
都内の公立高校の普通科に通う、極一般的な学生の一人。友達と呼べるのも数人。
彼女なんて居ない。
クラスには普通に可愛い子は何人か居るけど。僕の事を気に掛けてくれる子は居ない。
そもそも声掛けないんだから当たり前。
部活も文化系を探したけど、あんまし興味が惹かれるのが無く帰宅専門。
特技はコレと言って無し。僕の名字からして解るでしょ。
取り敢えずの塾は通う。何かを目指す訳じゃなく、暇潰しに。何処かの公立にでも滑り込めたらラッキー程度の成績。上中下で上と中をフラフラと。
ゲームは好き。流行のVRMとかFPSは煩わしいので嫌い。シューティングもアクションも苦手な部類。やる物は一人だけでやれる物ばかり。ネトゲは無言を貫く。挨拶すらしない。
とかくRPGとかカード系が大好きさ。
小遣いは多くない。だから課金もしない。たまーに3千を掛けてみて、何も出なかったら即退場してしまう。
何かに嵌る熱意も無く、、体力も無い。だから死にたいかって?冗談でしょ。
別に悩みも無いんだから、死んじゃう意味が解らん。
文庫や漫画は普通に好きで、無料のラノベサイトで暇な時間を投棄するのが日課。
恋愛、サスペンス、転生、貴族、ハーレム、ホラー、日常系。ジャンルは問わず。
そのどれもに何かしらの戦いがあり、人の醜さを色々な形と掛け合いで描いている。
憧れ?憧れねぇ。現実に負けてる時点で、何処に行っても同じだと思うよ。
僕は人生に絶望もしてないし。日本の政治には呆れてるけど。
来年の誕生日を迎えれば18になるので選挙権が与えられる。
成人もしてない。結婚も勝手に出来ない。タバコも酒もNGなのに?選挙権だけは渡すの?
意味がさっぱり解らん。たぶん選挙には行かない。加票した人が落ちたらガッカリじゃん。
近所に投票所があるとしても、コレと言って期待する人居ないんで。
なぜダラダラと自己紹介を垂れてるかって?そりゃ、あれさ。
当っちゃったからさ。
何に?宝くじ並の確率で、クラス丸ごと異世界転移。
いやー驚くよね。マジで起きると。晴天の中で、突然外がピカッとなった後。
派手なエフェクトも無いまま。外の景色は突然荒野に切り替わった。
「マジかよ・・・」クラスの委員長♂が呟いた。
時は夏休み前の最後の授業の後。
幾つかの仲良しグループに分かれて、明日から何して遊ぶか。何処に遊びに行くか。
補修組は項垂れていたし、部活ある子は合宿の話を。
上の大学を目指す人は、塾の話を。
専ら僕は、ゲーム友と発売予定のゲームの話。
さて。教室を出て隣のクラス。誰も居ない。
上の上級生も誰も居ない。職員室にも先生の姿も無い。
「タッチー。これってアレか?」
「どう考えても、アレだよなぁ、ヒオシ」
クラスの中で最も仲の良い、來須磨 久夫(くるすま ひさお)、通称ヒオシと外の景色を眺めながら話をしていた。
転生物に付き物の、神様と接見するイベントは無し。
男子16名。女子15名。欠席者は居ない。教員は去った後で大人が居ない状態。
委員長と副♀が、教壇に立ち。
「意味・・・解る人?」
「これって、何?」
責任感は素晴らしい。でも誰にも正解は解らないぜ。誰も手挙げないし。
待てど暮らせど変化は起きない。だいぶ日が傾いても。
トイレの水は流れた。たぶん屋上の貯水タンクが空になるまでは。
予備の紙は集めれば割と持ちそう。
「委員長。食料の確認行かなくていいの?」
「あぁ、そうだね。見て来てくれるか?」何をするでもなく、見る見る内にゲッソリ。
元気ねぇなぁ。全員。
「タッチー、おれも行くよ」
「やる事ないしな。行こうぜ」
比較的元気なのは、僕たちだけか。
「ねぇ、ムノウ君。どうして、そんなに落着いてるの?」
教室を出る前に、副に声を掛けられた。女の子に話し掛けられるのも久し振りだわ。
「斉藤さん。僕も混乱してるよ。どうしていいか解らないし」ま、嘘だけど。
「うん。みんな同じだね・・・」
言うだけで動かない。また自分の席に戻ってしまった。
食堂を回り、日持ちしそうな缶詰を並べる。奪い合いになるのかね。
購買を覗き、菓子パンと惣菜パンおにぎり、パックジュースを適当に袋に詰めて2Fに戻った。
「電気は来てなかったよ。腐る前にみんなで食べよう。日用品も人数分以上はあったから、歯磨きと洗顔くらいなら出来るんじゃない?」
電子機器、冷蔵庫も含めて停止していた。
中の野菜や生物から調理して食べたいけど。
「料理出来ても、ガスが何処まで使えるか解んないし。水も貯水だけだと思うから、使い過ぎるとトイレ流れなくなると思う」
浄水器も停止してるだろうから、飲み水には使えない。
缶詰も沢山あったけど、節約したほうがいいんじゃないとみんなに伝えた。
「なんでお前が仕切ってんだよ!」
一番イキってる子が僕の胸倉を掴んで来た。そんな元気なら少しは動けよ。
無言、無抵抗で全身の力を抜いてみた。
「クソッ。無能のくせに」
子供の頃から散々聞く言葉。もう慣れた。もう飽きたってのが正解。
「タッチー大丈夫か?」
「脱力無抵抗だし。殴られた訳じゃないから大丈夫」
小腹が満たされて、みんなの顔色が少し回復した。
「コレってさ。異世界ってやつかな」委員長の峰岸君がやっとやる気を出した。
僕は初めて手を挙げた。
「転生物の定番のイベント。神様とか西洋王宮の人たちが現れないから。只の漂流物かもしれないよ」
「漂流教室?うわぁ・・・、全滅ルートじゃん」ヒオシが頭を抱えた。
それを聞いた女子の数名が泣き出した。
泣きたいのは僕もだけどね。
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