12 / 82
2話
6
しおりを挟む「じゃあ、弟くんは、絵画専攻なんだ、すごいね、相当実力あるってことだ、私たち教育の美術専攻と比べて」
「いや、そんなことは」
普段は強気の春樹が、今は亜紀の迫力に負けている。
「いえ、凄いわ」
いつの間にか話の中心は春樹になっていて、大学の専攻の話で盛り上がっていた。
柑菜は、みんなの残り少ないカップの量を見て、「何飲みたい?」と聞く。
コーヒーと紅茶派の二つに分かれた結果、結局どちらもお菓子に合うということで、紅茶とコーヒーの2つを用意することにした。
柑菜は、キッチンから3人の姿を見る。
自分の友達と弟がこうやって話をしているのを見ると、なんだか変な気持ちになるけどどこか嬉しくもあるなあ、と柑菜は微笑ましくなった。
柑菜は、そういえばと思い出し、駅前のデパートで以前に買って来たチョコレートを用意した。
四角や丸、白やピンクに緑、そしてお馴染みの黒茶のチョコレート。
小さなチョコレートが、上品な入れ物に綺麗に並べられてある。
それを、みんなのいるテーブルに置いた。
「みんな、チョコレートどうぞ」
それを見た櫻子と亜紀は、「わあ」と小さく声をあげた。
「これ、遠慮せずに食べてね」
「ありがとう」
2人は、ひとつを手に取り、口に含む。
「美味しい」
高級なチョコレートは、舌の上で滑らかに溶ける。これのおかげで、みんなはより笑顔を咲かせる。
4人は、その後もチョコレートやクッキーを食べながら大学の話で盛り上がり、結局恋愛の話をほとんどすることのないまま、夜になってしまった。
「今日はありがとう」
「ぜひまた来てね、絶対よ」
柑菜は、2人が来たのが本当に嬉しかったのか、強い口調でそう言った。
2人は、そんな柑菜を見て笑っている。
「私の家にもいらっしゃって、もちろん春樹くんも」
櫻子の言葉に、柑菜と亜紀は「うん、もちろん」と返事をした。
「お邪魔しました」と言う櫻子と亜紀を、柑菜と春樹は玄関で見送る。
こうして、4人のティータイムは幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる