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柑菜は、その間にメインであるステーキを焼き始めることにした。
食べやすいように、一口サイズに切る。
そこで柑菜はなにかを迷い始めた。
「味付けは何がいいと思いますか?」
柑菜は、真波にアドバイスを求めた。
せっかくの友達の誕生日パーティだから、少しでも美味しいものを作りたいと柑菜は考えている。
「そうですね、私はやはり塩と胡椒でシンプルに食すのが一番好きです、お肉の味が一番楽しめる味付けだと思います」
「なるほど。確かに、調味料がシンプルな方がお肉そのものの味も楽しめますもんね」
「ええ、質のいい肉を用意してありますので、きっと皆さま塩胡椒だけで風味を楽しめるはずですよ」
柑菜はそのアドバイス通り、キッチンにある高そうな塩と胡椒を申し訳なさそうにステーキに振った。
それを焼くと、いかにも美味しそうである匂いが柑菜と真波の嗅覚を奪うのであった。
「お待たせ、柑菜ちゃん」
キッチンを出て約40分ほどで、ケーキを持った櫻子が帰って来た。
「こちらです」
櫻子は、扉の外の誰かに向かって話しかけている。
柑菜は不思議に思い、扉の方をじっと見た。
人影が近づいて来るのが分かる。誰だろうと思って、その影を見つめていると、人そのものが目に入ってきた。
「えっ……」
ーーま、まさか?!
そこには、紛れも無い、本物の柑菜の片思いの相手、パティシエの秋斗がいた。
その後ろには美鈴の姿もある。
またその後ろには、柑菜にとっては非常に気まずい相手である春樹がいた。
「みんなも呼んでしまいましたわ」
櫻子は、ニコッと笑う。
「お呼びいただきありがとうございます」
秋斗は、櫻子と柑菜にそれぞれ会釈をする。
「秋斗、柑菜ちゃんのこと手伝ってあげなよ」
フルーツを持つ柑菜を見て、美鈴が秋斗の背中を押した。
「いや、全然大丈夫ですっ」
柑菜は激しく頭を横に降ると、秋斗は苦笑いをしながら困ったように美鈴を見る。
「柑菜ちゃん、秋斗一応プロなんだし、任せちゃいなよ」
「一応って、店も持ってるんだぞ」
仲が良さそうに話す2人を見て、その間には入れそうにも無いことを柑菜は感じた。なんていうか、昔からの絆というものを2人から感じてしまう。
だけど、そのいつもの接客の笑顔じゃ無い素の秋斗は、いつもよりも人間味があってそれが柑菜をより一層惹きつける。
でも、それはあくまでも美鈴に向けられたもので、再び柑菜の方に振り向いた秋斗の顔は、いつものケーキ屋の時の秋斗だった。
「そこのメロン、切ればいいかな?」
いつもの、ケーキ屋で接客をする時のような口調で話しかける秋斗。
「あ、はい、お願いします」
秋斗がいて嬉しいはずなのに、自然に笑顔が作れなくて、柑菜は持っているフルーツを凝視した。
食べやすいように、一口サイズに切る。
そこで柑菜はなにかを迷い始めた。
「味付けは何がいいと思いますか?」
柑菜は、真波にアドバイスを求めた。
せっかくの友達の誕生日パーティだから、少しでも美味しいものを作りたいと柑菜は考えている。
「そうですね、私はやはり塩と胡椒でシンプルに食すのが一番好きです、お肉の味が一番楽しめる味付けだと思います」
「なるほど。確かに、調味料がシンプルな方がお肉そのものの味も楽しめますもんね」
「ええ、質のいい肉を用意してありますので、きっと皆さま塩胡椒だけで風味を楽しめるはずですよ」
柑菜はそのアドバイス通り、キッチンにある高そうな塩と胡椒を申し訳なさそうにステーキに振った。
それを焼くと、いかにも美味しそうである匂いが柑菜と真波の嗅覚を奪うのであった。
「お待たせ、柑菜ちゃん」
キッチンを出て約40分ほどで、ケーキを持った櫻子が帰って来た。
「こちらです」
櫻子は、扉の外の誰かに向かって話しかけている。
柑菜は不思議に思い、扉の方をじっと見た。
人影が近づいて来るのが分かる。誰だろうと思って、その影を見つめていると、人そのものが目に入ってきた。
「えっ……」
ーーま、まさか?!
そこには、紛れも無い、本物の柑菜の片思いの相手、パティシエの秋斗がいた。
その後ろには美鈴の姿もある。
またその後ろには、柑菜にとっては非常に気まずい相手である春樹がいた。
「みんなも呼んでしまいましたわ」
櫻子は、ニコッと笑う。
「お呼びいただきありがとうございます」
秋斗は、櫻子と柑菜にそれぞれ会釈をする。
「秋斗、柑菜ちゃんのこと手伝ってあげなよ」
フルーツを持つ柑菜を見て、美鈴が秋斗の背中を押した。
「いや、全然大丈夫ですっ」
柑菜は激しく頭を横に降ると、秋斗は苦笑いをしながら困ったように美鈴を見る。
「柑菜ちゃん、秋斗一応プロなんだし、任せちゃいなよ」
「一応って、店も持ってるんだぞ」
仲が良さそうに話す2人を見て、その間には入れそうにも無いことを柑菜は感じた。なんていうか、昔からの絆というものを2人から感じてしまう。
だけど、そのいつもの接客の笑顔じゃ無い素の秋斗は、いつもよりも人間味があってそれが柑菜をより一層惹きつける。
でも、それはあくまでも美鈴に向けられたもので、再び柑菜の方に振り向いた秋斗の顔は、いつものケーキ屋の時の秋斗だった。
「そこのメロン、切ればいいかな?」
いつもの、ケーキ屋で接客をする時のような口調で話しかける秋斗。
「あ、はい、お願いします」
秋斗がいて嬉しいはずなのに、自然に笑顔が作れなくて、柑菜は持っているフルーツを凝視した。
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