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7話
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しおりを挟む夏休みも1か月ほど過ぎた頃、柑菜は櫻子と大学にいた。
夏休みの課題で、何か1つの作品を完成させるものがあり、2人はそれに取り掛かっている。
夏休みは校舎には人の出入りも少なく、普段よりも空気の流れが穏やかだった。
窓を開けているので、風が吹くと外からは木の葉っぱが擦れる、さあっという音が聞こえてくる。
「ねえ、櫻子」
柑菜は絵を描くのを中断し、心の中に引っかかっているあのことを話し始める。
櫻子には話さないでおこうと思った柑菜だったけれど、やはり友人の意見を聞きたくなってしまった。
「なあに?」
「亜紀のことなんだけど……」
櫻子は作業をやめ、柑菜の顔を見た。
「秋斗さんが美鈴さんを好きだって、嘘をつかれたの」
それを聞いた櫻子は、『やっぱり』といった顔をし、何かを考えているようだ。
「亜紀ちゃん、美鈴さんのことすごく慕ってるでしょう? だから、きっと美鈴さんの恋を応援したくて、でもそのためには柑菜ちゃんに諦めてもらわなければならくて、だからそう言ったんじゃなないかしら」
本当のことは亜紀ちゃんに聞いてみないと分からないけれど、と櫻子は付け加える。
もし柑菜が亜紀の立場だったら、自分の大好きな先輩が友達と同じ人好きだと言ったら……自分はどうするだろう……柑菜は考えたけれど、答えは出なかった。
時計は11時40分を指していた。
話をしたことで2人の作業が同時に中断したということで、2人はランチを食べに行くことにした。
「本人に聞いてみましょう、それが確実だわ」
「うん、そうだね」
2人がちょうど、校舎から外に出た時、2人のよく知っている、そしてまさに今会いたいと思っていた人の姿が現れる。
「亜紀ちゃん……」
「今からお昼?」
柑菜が本当のことを知っているとは思っていない亜紀は、いつも通り明るくはつらつとした口調で2人に話しかけた。
柑菜は笑顔を浮かべるも、『顔、引きつっていないよね?』と心の中で心配をしている。
「亜紀ちゃんも食堂行きましょう」
「うん、じゃあ行こうかな」
櫻子は、2人に話す機会を持たせたいと思い、沈黙が流れても気まずい雰囲気にならないよう人が行きかいざわめきのある食堂に亜紀を誘った。
柑菜は櫻子が亜紀を誘った瞬間戸惑うも、静かすぎる校舎内よりはまだ食堂のほうが話をするにはいいと思った。
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