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11話
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しおりを挟む「2人で何話してるの?」
興味津々な様子の美鈴が、2人の元に訪ねて来る。
片手には、彼女の買ってきたグラスの白ワイン。
大人の雰囲気な美鈴に、ぴったりの飲み物だ。
「柑菜ちゃんと秋斗さんのこと…………あっ」
櫻子は途中まで言うと、美鈴が秋斗を好きだったことを思い出す。
しかし美鈴は、嫌な顔を1つもすることなく、むしろ笑っていた。
「いいのいいの、もう大丈夫。それに、今はなんとなく気になってる人もいるから」
「えっ、誰ですか?!」
その言葉に、柑菜が秒速の速さで反応する。
美鈴は、そんな柑菜が面白くてついその姿に笑ってしまった。
「ははっ、さあ、誰でしょう?」
柑菜と櫻子は、誰なのかが全く想像がつかず、頭の上に大きなクエスチョンマークを浮かべている。
「そのうち、わかると思うよ!」
そう言って、美鈴は一口白ワインを飲んだ。
ほんのりと、葡萄の香りが漂った。
一方、秋斗と春樹と空の3人は男同士で話していた。
「秋斗さんは、どうしてケーキ屋になろうと思ったんですか?」
空は、秋斗のパティシエの経歴に興味深々である。
春樹に対してもそうだが、自分にはできないものを持っている人を見ると、空はその人に対して強い関心を持ってしまうのだ。
「うーん、昔悲しいこととか嫌なこととかあった時に、親に食べさせてもらったのがケーキだったんです。いつもそれで笑顔になることができて、だからかな。みんなにもケーキで笑顔になってほしい」
「秋斗さんの考え素晴らしいですね、柑菜さんが惹かれるのも分かる」
「あっ」
空が口走ってしまった直後、春樹がそれに反応するも、時はすでに遅し。
しかし秋斗はその空の言葉を鵜呑みにはしない。
「そんな、惹かれてるのは僕の方ですよ、柑菜さんが居たからフランスにもう一度行こうとも思えたんです、柑菜さんは僕にとって……とても大切な人です」
「そうですね、秋斗さんのその思い、絶対伝わりますよ」
「…………」
春樹と空は、秋斗の思いを聞いて、その気持ちが本物だなとそれぞれ感じ取っていた。
そんな秋斗は、真剣な表情だが、恥ずかしいのか顔は赤く照れている様子。
「ありがとうございます」
秋斗は2人にそう伝えた。
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