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始まりの夏
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「おはようございますっ」
昨日カイさんから起きる時間を聞いておいて、その少し前に目覚まし時計をセットした。
そのおかげで、今日はカイさんと同時に畑に出ることが出来た。
「早朝の空気は美味しいですね」
「そうか?」
「はいっ、新鮮な感じがします」
大きく息を吸うと、濁りのない空気が体の中に入ってきて気持ち良い。
それになんだか、朝は余計な音がなくて耳にも心地よい。
風が吹くと鳴る葉の擦れる音や鳥の鳴く声。
自然の音が耳に優しい。
それに、じっと聞いているとどこからか水の流れる清涼な音も聞こえてくる。
「よし、じゃあ作業するか」
「はいっ」
いつもの通り、カイさんに言われたところの野菜を採っていく。
「そういえば昨日、街の奥の方にお屋敷みたいなものがあるのを発見したんです。カイさんはあそこに行ったことはありますか?」
「ああ、…………ないな。あそこには絶対に1人で行っちゃだめだぞ?」
「はい」
ハトリさんもカイさんも、この話をするときはなんだか表情が曇りがちになり、もうこれ以上は深く聞かないほうがいいのかな、なんて思う。
神経質な人ってハトリさんも言っていたし……。
「目覚まし時計は使ったのかい?」
「はいっ、おかげさまで今日はカイさんと一緒に畑仕事を始めることができました」
「まあ、そんなに無理しなくてもいいんだけどな」
ハトリさんとカイさんと3人で囲む朝食は、朝から賑やかで心が晴れ晴れとする。
現実の世界でも、こうやって家族で朝食を囲んで食べるのが楽しみだったりした。
カリッと焼けたトーストに苺ジャムを塗って、それと目玉焼きにサラダ、スープ。目玉焼きは、私の好みに合わせて半熟のものをいつも作ってくれる。
時々それを何も塗っていないトーストの上に置いて一緒に食べるのが好きだった。
お母さんの作る朝ごはんが懐かしくて、食べたくなってくる。
「そういえば、今週末にお祭りあるんだよねえ」
「ああ、そうだな」
「真由ちゃん、一緒に行く?」
「行きたいですっ」
屋台とかそういうのがあったりするのかな?
ここの街の風景には盆踊りや提灯も合う。
「まあ、ハトリとなら大丈夫か」
「カイさんは行かないんですか?」
「祭りの日は店も混むからな……。まあ、無理だろ」
「それじゃあお手伝いを」
「それなら大丈夫だ。毎年スミレが来てくれるから」
「そうなんですね」
スミレさんとカイさんが店員のカフェは、それだけで豪華な気がする。
なんていうか、2人ともオーラが有り余っているというか、そこにいるだけで人々の気を引いてしまう何かがある、と私は思う。
「花火ならカフェからも見えるし、それまでには帰ってくればいいんじゃないかな? 花火の時間には店も確か閉まるはずだし」
「そうだな」
花火もあるなんて、お祭りが待ち遠しくて仕方がない。
昨日カイさんから起きる時間を聞いておいて、その少し前に目覚まし時計をセットした。
そのおかげで、今日はカイさんと同時に畑に出ることが出来た。
「早朝の空気は美味しいですね」
「そうか?」
「はいっ、新鮮な感じがします」
大きく息を吸うと、濁りのない空気が体の中に入ってきて気持ち良い。
それになんだか、朝は余計な音がなくて耳にも心地よい。
風が吹くと鳴る葉の擦れる音や鳥の鳴く声。
自然の音が耳に優しい。
それに、じっと聞いているとどこからか水の流れる清涼な音も聞こえてくる。
「よし、じゃあ作業するか」
「はいっ」
いつもの通り、カイさんに言われたところの野菜を採っていく。
「そういえば昨日、街の奥の方にお屋敷みたいなものがあるのを発見したんです。カイさんはあそこに行ったことはありますか?」
「ああ、…………ないな。あそこには絶対に1人で行っちゃだめだぞ?」
「はい」
ハトリさんもカイさんも、この話をするときはなんだか表情が曇りがちになり、もうこれ以上は深く聞かないほうがいいのかな、なんて思う。
神経質な人ってハトリさんも言っていたし……。
「目覚まし時計は使ったのかい?」
「はいっ、おかげさまで今日はカイさんと一緒に畑仕事を始めることができました」
「まあ、そんなに無理しなくてもいいんだけどな」
ハトリさんとカイさんと3人で囲む朝食は、朝から賑やかで心が晴れ晴れとする。
現実の世界でも、こうやって家族で朝食を囲んで食べるのが楽しみだったりした。
カリッと焼けたトーストに苺ジャムを塗って、それと目玉焼きにサラダ、スープ。目玉焼きは、私の好みに合わせて半熟のものをいつも作ってくれる。
時々それを何も塗っていないトーストの上に置いて一緒に食べるのが好きだった。
お母さんの作る朝ごはんが懐かしくて、食べたくなってくる。
「そういえば、今週末にお祭りあるんだよねえ」
「ああ、そうだな」
「真由ちゃん、一緒に行く?」
「行きたいですっ」
屋台とかそういうのがあったりするのかな?
ここの街の風景には盆踊りや提灯も合う。
「まあ、ハトリとなら大丈夫か」
「カイさんは行かないんですか?」
「祭りの日は店も混むからな……。まあ、無理だろ」
「それじゃあお手伝いを」
「それなら大丈夫だ。毎年スミレが来てくれるから」
「そうなんですね」
スミレさんとカイさんが店員のカフェは、それだけで豪華な気がする。
なんていうか、2人ともオーラが有り余っているというか、そこにいるだけで人々の気を引いてしまう何かがある、と私は思う。
「花火ならカフェからも見えるし、それまでには帰ってくればいいんじゃないかな? 花火の時間には店も確か閉まるはずだし」
「そうだな」
花火もあるなんて、お祭りが待ち遠しくて仕方がない。
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