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進みゆく秋
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ヤクモさんがいなくなって、なんとなく周りを見渡して知り合いがいないことを確認してから例の本を手にする。
厚さのわりには軽い。
ぺらぺらとページを捲ると目に入ってくる文字の量に尻込みをしてしまいそうだけど、目次から察するに必要な情報がこの本には詰まっていそうな気がした。
その本の題名を隠すように、すぐにもう1つのお目当てのハーブの本を探してその上に乗せる。
スミレさんと会う前に会計を済ませて、待ち合わせの場所に行った。
「もう買ったのね?」
「はい」
「じゃあ、お昼でも食べに行く? もうそろそろお昼の時間になるわよね?」
「はいっ、行きましょう」
本屋から出てレストランへ向かおうとした時、急に雨が降り始めた。さっきまでは太陽の光が街を照らしていて、そんな気配、全くなかったのに。
「傘必要ね。この量じゃ」
「そうですね……」
これも、もしかしたら災いなのかもしれない。
一度情報を得てしまうと、私の目に映る自然の全ての現象が自分のせいに思えてきてしまうのは考えすぎだろうか。
「雨、この時期多いんですか?」
「そうね、この時期に限らず、ここは雨が多いわ」
「そうなんですね」
それならこの雨も本来の自然のものだと、胸をほっと撫で下ろした。
1番安い傘を購入して三十分歩いたところでスミレさんは脚を止める。
「ここよここ」
「えっ、ここって」
「オータムランチセット、私の大好物なの」
見間違えるわけがない、そこはカイさんのカフェで私が働いている場所。
店内に入るといつも通りの香ばしい匂いが漂ってきて、でも今日はお客で来ているということで少し変な感じがした。
「オータムランチ2つね」
「はいよ」
いつも賄いを食べていたからちゃんとしたオータムランチは食べたことがなくて、料理が出される前から楽しみで仕方がない。
栗ご飯にサツマイモのお味噌汁、サツマイモとカボチャときのこの天ぷらに、蓮根の煮物、秋鮭の塩焼き。
そしてランチに着くのは、小さくて可愛らしいスイートポテト。
そんな夢のような秋の味覚の詰まったランチは見た目にも美しくて、オータムランチが始まってから2週間が経つけれど、連日、特に女性に人気だ。
「お菓子じゃないのに甘い野菜って、罪悪感なく食べられるから大好きなのよね」
「本当、美味しいですよね。秋の野菜って」
まだ食べていないにもかかわらず、その味が口の中に広まる。
「お待たせいたしました」
ついに、ランチが運ばれてきた。
「んー、これこれ。もう既に視覚からだけでも美味しいわ」
スミレさんはいつも以上にテンションを上げていて、その姿は美しさにプラスして可愛らしさもあった。
厚さのわりには軽い。
ぺらぺらとページを捲ると目に入ってくる文字の量に尻込みをしてしまいそうだけど、目次から察するに必要な情報がこの本には詰まっていそうな気がした。
その本の題名を隠すように、すぐにもう1つのお目当てのハーブの本を探してその上に乗せる。
スミレさんと会う前に会計を済ませて、待ち合わせの場所に行った。
「もう買ったのね?」
「はい」
「じゃあ、お昼でも食べに行く? もうそろそろお昼の時間になるわよね?」
「はいっ、行きましょう」
本屋から出てレストランへ向かおうとした時、急に雨が降り始めた。さっきまでは太陽の光が街を照らしていて、そんな気配、全くなかったのに。
「傘必要ね。この量じゃ」
「そうですね……」
これも、もしかしたら災いなのかもしれない。
一度情報を得てしまうと、私の目に映る自然の全ての現象が自分のせいに思えてきてしまうのは考えすぎだろうか。
「雨、この時期多いんですか?」
「そうね、この時期に限らず、ここは雨が多いわ」
「そうなんですね」
それならこの雨も本来の自然のものだと、胸をほっと撫で下ろした。
1番安い傘を購入して三十分歩いたところでスミレさんは脚を止める。
「ここよここ」
「えっ、ここって」
「オータムランチセット、私の大好物なの」
見間違えるわけがない、そこはカイさんのカフェで私が働いている場所。
店内に入るといつも通りの香ばしい匂いが漂ってきて、でも今日はお客で来ているということで少し変な感じがした。
「オータムランチ2つね」
「はいよ」
いつも賄いを食べていたからちゃんとしたオータムランチは食べたことがなくて、料理が出される前から楽しみで仕方がない。
栗ご飯にサツマイモのお味噌汁、サツマイモとカボチャときのこの天ぷらに、蓮根の煮物、秋鮭の塩焼き。
そしてランチに着くのは、小さくて可愛らしいスイートポテト。
そんな夢のような秋の味覚の詰まったランチは見た目にも美しくて、オータムランチが始まってから2週間が経つけれど、連日、特に女性に人気だ。
「お菓子じゃないのに甘い野菜って、罪悪感なく食べられるから大好きなのよね」
「本当、美味しいですよね。秋の野菜って」
まだ食べていないにもかかわらず、その味が口の中に広まる。
「お待たせいたしました」
ついに、ランチが運ばれてきた。
「んー、これこれ。もう既に視覚からだけでも美味しいわ」
スミレさんはいつも以上にテンションを上げていて、その姿は美しさにプラスして可愛らしさもあった。
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