妖の木漏れ日カフェ

みー

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進みゆく秋

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「んー、満足。やっぱり秋の食材は最高ね」

 最後のデザートの一口まで存分に味わった後、カイさんがハーブティを淹れてくれて、今はそれを飲みながらほっと一息つく時間を過ごしている。

「美味しかったですね」

「ええ、本当に。また、食べに来るわ」

「ぜひっ」

 今飲んでいるのはローズヒップとハイビスカスのブレンドのハーブティ。女の人に人気のそれは美容にいいらしく、味も酸味がちょうどよくて飲みやすい。

 確かに、飲んでいるとお肌にいいような気がしてきて、つい頬を触ってしまう。

「そういえば、真由ちゃん今日は何の本を買ったの?」

「あ……えっと、ハーブの本です」

「そっか、ここで働いているんだものね。でも、勉強するなんて本当偉いわ」

「ハーブのこと、もっと知りたいんです。カイさんみたいになりたくて」

「ふふっ、可愛い。勉強、頑張ってね」

「ありがとうございます」

 スミレさんはハーブティを飲み終えると「じゃあね」とお店を後にした。

 私もカップの中のハーブティが無くなってから、カイさんに一言話し掛けてから家に戻る。

 早速買ってきた本を袋から取り出して、本屋でさあっと目を通した目次に再度、今度はじっくりと目を通した。

 『人間と災いについて』という文字が目に入って来て、それはまさに今私が一番知りたい情報だった。

 すぐにその横に書かれてあるページ番号を確認してそのページを開いて、ぎっしりと詰まった文字を一字一字丁寧に読んでいく。

「キセキバナ……?」

 要約すると、人間がこの世界に入り込むのは時々あることで、災いはその都度起こるものではない。災いが起きる条件というのは未だに解明されておらず、数十年に一度引き起こされるという。

 そしてその災いというのが自然災害で、火山爆発、巨大台風、異常気象(大雪や大雨等)、地震などがもたされるらしい。初めは地震から起こり、最終的には火山が爆発することで災いは終息する。

 火山爆発後には街が灰で覆い尽くされてしまう……。

 まさしく今この世界に起きていることと一緒……。

 それを止めるには、『キセキバナ』というハーブの花を咲かせて山の奥にある祠に奉納するか、迷い込んだ人間を殺すかの二択になる。

 ただし、キセキバナを咲かせるにはこの世界の地主の信頼が必要で、信頼を得られたその日から数日間、花が開く。

「信頼が得られなければ殺される……」

 カイさんが言っていた一年後に帰ることが出来るというのは多分、災いが起きてしまった今このキセキバナを奉納できることが条件で、もしキセキバナの花を咲かせられなかったときには……。

「街が滅びる……」

 それは絶対にダメ。でも……どうしよう、まず花を咲かせるためには種が必要で、その種がどこにあるのかどうかも分からない。

 とりあえずこの本を隅々まで読まないと。
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