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進みゆく秋
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料理はそれなりに出来たけれどし見栄えもそんなに悪くないように感じるけれど、やっぱりカイさんのものと比べると雲泥の差で、そんな自分の料理に落胆してしまう。
そもそも、カイさんはプロだもの。カイさんの料理の味を出せるなんてそんな傲慢なことを考えること自体間違ってる。
ただ焼くだけでも、こんなに差が出るなんて、料理ってすごく奥が深い。
どうしたらもっと美味しそうに食材たちを使うことが出来るのだろう。食材をもっと生かしたい。
「それで、失敗しちゃったんです。少し焦がしちゃって」
夕食の時、今日の料理のことをカイさんにも話す。何か、アドバイスがもらえたって思うのは、欲張りすぎかな?
「そうなのか。まあ、最初は誰でも失敗するし、何度か挑戦してればそのうちうまくなるだろ」
な? と言ってカイさんは私の頭を撫でる。
その触り方が余りにも優しくて、ふわっとまるで壊れやすいガラスを扱う時のような手つきで、思わずどきっとしてしまった。
それに、笑った顔もいつもより柔らかく見えて……。
「真由?」
どうして、そんな顔を私に……人間に向けてくれるのか、知りたくなった。
「……カイさんは、人間のことが憎くないのですか? カイさんの両親がもし人間に会わなければ今頃朗らかな家庭があったかもしれないのに。人間が、カイさんから両親を奪ってしまったのに」
カイさんは、一瞬目を丸くしたけれどすぐに優しい目に戻る。
「少なくとも、両親が居なくなるまでは、うちは笑顔の絶えない家庭だったよ。確かに……幼い頃は人間のせいでって思ったこともある。でもな、スミレに会って、あいつは温かい家庭で育って愛された動物の妖がついてるだろ、それを聞いているうちに憎悪を人間に向ける気持ちがどんどん消えていったな。それに、両親は悪いことをしたわけじゃない。その反対だろ? だからきっと、あそこに住むやつらだって、いつかは分かってくれると思うんだ。人間が悪い奴らだけじゃないってこと」
「カイさん……」
私は意を決した。自分の思いをカイさんに知ってほしい。
「私、どうしてもこの災いを終息させたいんです。だから、ヤクモさんの友達の屋敷の方に会うのを許してもらえませんか? 情報が、必要なんです。この街を守るためにも」
その言葉を聞いたカイさんは、観念した顔をして私の顔を見る。
「……分かった。ただし、必ず俺かハトリかスミレと一緒に行ってもらう。1人は危険だ」
「分かり、ました」
カイさんの笑顔を守るために、絶対にどうにかするんだ。
って、私、どうしてそんなことを思うんだろう。1人の人の笑顔の為じゃなくて、街の為、だよ。
まるで私がカイさんを特別視しているみたいじゃない。
「ほら、料理、冷めちまうぞ」
「そうですね、美味しいうちに食べましょうっ」
おかしいな、カイさんに対する気持ちが昨日までとは少し違ってきているような気がする。ピンク色から赤色に変わるグラデーションの途中の、どちらともつかない色。そういう気持ち。
そもそも、カイさんはプロだもの。カイさんの料理の味を出せるなんてそんな傲慢なことを考えること自体間違ってる。
ただ焼くだけでも、こんなに差が出るなんて、料理ってすごく奥が深い。
どうしたらもっと美味しそうに食材たちを使うことが出来るのだろう。食材をもっと生かしたい。
「それで、失敗しちゃったんです。少し焦がしちゃって」
夕食の時、今日の料理のことをカイさんにも話す。何か、アドバイスがもらえたって思うのは、欲張りすぎかな?
「そうなのか。まあ、最初は誰でも失敗するし、何度か挑戦してればそのうちうまくなるだろ」
な? と言ってカイさんは私の頭を撫でる。
その触り方が余りにも優しくて、ふわっとまるで壊れやすいガラスを扱う時のような手つきで、思わずどきっとしてしまった。
それに、笑った顔もいつもより柔らかく見えて……。
「真由?」
どうして、そんな顔を私に……人間に向けてくれるのか、知りたくなった。
「……カイさんは、人間のことが憎くないのですか? カイさんの両親がもし人間に会わなければ今頃朗らかな家庭があったかもしれないのに。人間が、カイさんから両親を奪ってしまったのに」
カイさんは、一瞬目を丸くしたけれどすぐに優しい目に戻る。
「少なくとも、両親が居なくなるまでは、うちは笑顔の絶えない家庭だったよ。確かに……幼い頃は人間のせいでって思ったこともある。でもな、スミレに会って、あいつは温かい家庭で育って愛された動物の妖がついてるだろ、それを聞いているうちに憎悪を人間に向ける気持ちがどんどん消えていったな。それに、両親は悪いことをしたわけじゃない。その反対だろ? だからきっと、あそこに住むやつらだって、いつかは分かってくれると思うんだ。人間が悪い奴らだけじゃないってこと」
「カイさん……」
私は意を決した。自分の思いをカイさんに知ってほしい。
「私、どうしてもこの災いを終息させたいんです。だから、ヤクモさんの友達の屋敷の方に会うのを許してもらえませんか? 情報が、必要なんです。この街を守るためにも」
その言葉を聞いたカイさんは、観念した顔をして私の顔を見る。
「……分かった。ただし、必ず俺かハトリかスミレと一緒に行ってもらう。1人は危険だ」
「分かり、ました」
カイさんの笑顔を守るために、絶対にどうにかするんだ。
って、私、どうしてそんなことを思うんだろう。1人の人の笑顔の為じゃなくて、街の為、だよ。
まるで私がカイさんを特別視しているみたいじゃない。
「ほら、料理、冷めちまうぞ」
「そうですね、美味しいうちに食べましょうっ」
おかしいな、カイさんに対する気持ちが昨日までとは少し違ってきているような気がする。ピンク色から赤色に変わるグラデーションの途中の、どちらともつかない色。そういう気持ち。
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