妖の木漏れ日カフェ

みー

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進みゆく秋

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「それは多分、恋ね」

 数日後、スミレさんと公園に秋の風景を楽しむために2人でお出かけする。

 まだ緑が混ざっていて完全な紅葉とは言い難いけれど、それでも赤や黄色に染まる木々の葉が秋の風情を醸し出していて、十分にその季節を味わうことが出来た。

「こ、恋……?」

 今までに誰かを好きになったことはあるけれど、改めてその言葉を口にするのはやっぱり恥ずかしい。

「誰かの笑顔を守りたいなんて、そんなの恋じゃなくてなんて言うの?」

「えっと……」

「カイでしょ?」

「あ、あの……は、はい……」

 恋なんて、そもそも私は人間でこの恋が許されるはずがない。住む世界が違いすぎるもの。

「そうよねえ、ひとつ屋根の下、毎朝顔を合わせてご飯を食べて、昼は隣で働いて、夜も共にご飯を食べて。しかもあの顔。きつそうに見えて意外と優しい性格。そりゃあ、惚れちゃうわよね」

 スミレさんは、お菓子屋で買ったカボチャ餡の最中を食べながらぽつりと言った。

 惚れる、という言葉を改めて聞くと照れ臭くなってくる。顔が、紅葉と同じ赤色に染まってしまう。

「でも、私は夏になったら人間界に戻ってしまいます」

「そうね……私、聞いたことがあるのよ。この世界の災いについて」

「え……」

「って言っても、本当に少しだけ。この世界に紛れ込んだ人間が、ある祠にある花を奉納で来た時、人間界との境界線が無くなるって。境界線が無くなる、の意味が分からないのだけど。自由に行き来できるようになるのか、それともこの世界が消滅して私たちが人間になるのか」

「そうなんですね」

 それは、初めて知る事実だった。

「そう、あ、ねえ、真由ちゃん、神社行かない? おみくじ引きましょうよ」

「あ、はいっ」

 スミレさんは残りの最中を全て口の中に入れてベンチから立ち上がると、「こっちよ」と言って公園から出る。

 本当にこの世界は人間界とほとんど変わらなくて、おみくじもあるなんて驚き。

 山の方に向かってしばらく歩くと、荘厳にそびえたつ鳥居が見えて来た。

 その鳥居をくぐって敷地内に入ると、神秘的な雰囲気を感じることが出来て少し歩くと重々しく建つ本殿が見えて来た。

 挨拶をしてから、おみくじを引きに行く。

「私も久しぶりに引いちゃおうかしら」

 おみくじ棒を引くと、書かれてある番号は37番。

 37番の棚から紙を1枚引いて早速書かれてあることに目を通す。

 1番初めに見えて来た文字。

 『青色に輝くものを見逃すな。その日は初雪の日に訪れる』

「青色?」

 なんだろう、青色に輝くものって……。

「真由ちゃん、どうだった? そういえば、ここの神社のおみくじは大吉とかそういうのは書いてないのよ。ところで、恋愛運のところにはなんて?」

「あ、ええと……『今は待つべし』ですね」

「あらあ、それじゃあ、今は待っておくのがいいわね」

「そうですね」

 
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