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第十四話 仲間
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来栖は逸平と舞が事情聴取をした後、警察に引き渡された。
逸平が聴取した内容によれば、来栖の魔法は強化魔法であり、それを組織に買われて協力していたとの事だった。
ちなみに以前捉えた軍隊鼠は来栖が開発した薬を実験に使用したものだったそうだ。
【トリニティ魔法薬研究所】のほとんどの従業員は今回の件については知らなかった。
しかし、朔真達を案内した女性を含めた数名があの後、行方を眩ましていた。
来栖曰く、【トリニティ魔法薬研究所】は半年前に上層部が代わったとかで、マルスが現れたらしい。
前までは普通に栄養魔法薬の研究をいたが、平行して魔力強化、魔法強化の研究も始めた。
そして、来栖の強化魔法をリンカに使い召喚魔法の実験を行った。
「ここも外れやな」
逸平が残念そう呟く。
組織が既存の研究所を乗っ取り隠れ蓑にしていると分かったため、逸平は【トリニティ魔法研究所】と取引がある企業を調べていた。
「あかんな…これはキリがないわ」
しかし、いくつかに絞ったとはいえその数は多く、さらに組織の存在自体が隠蔽されているため、見つけるのも簡単ではなかった。
リンカが【シンフォニア】に加入してから数週間、逸平は各企業を、朔真は【トリニティ魔法研究所】から失踪した人達を調査していた。
「朔真、そっちはどうや?」
アクセサリー型の通信機、逸平はピアスタイプのもので朔真に連絡する。
「こっちはもう少しかかりそうですね…逸平は?」
朔真はネックレスタイプの通信機で返答をする。
【シンフォニア】のメンバーは全員、各タイプのギルド専用通信機を所持している。
「残念ながら外れやな…」
ため息と共に答える。
この日はそのまま、朔真と逸平の二人はギルドハウスへ帰宅した。
リンカが【シンフォニア】に加入してから、三週間が経った。
リンカは教育学園には、リスクの観点から通えないため、教員資格を持っているレオナルドが基礎教育を教えている。
主にギルドハウスにいることが多いアリスもリンカの生活の手助けをしていた。
「レオ先生、これで合ってます?」
リンカが答案用紙をレオナルドに見せる。
「……合ってるな」
レオナルドの笑顔ながらも無愛想な返事にリンカの表情が明るくなる。
「そろそろ、休憩にするか」
「うん!」
レオナルドとリンカがレオナルドの部屋から食堂へ移動する。
そこにアリスが二人を見つけ、
「ちょうど、おやつができたところよ!」
笑顔でクッキーを見せる。
「やった!」
リンカが早速席に着き、クッキーを食べ始める。
レオナルドはキッチンでコーヒーを淹れる。
「リンカ、レオはちゃんと教えてる?」
アリスがリンカの隣に座りリンカに訊く。
「すごく!分かりやすく教えてくれてます!」
「へぇ~」
リンカの答えにアリスがコーヒーを持ってきたレオナルドにニヤニヤとした顔を向ける。
「ちゃんと先生してるのね!」
「当たり前だろ!元々、オレは教師だったからな」
「魔法の実践はどうしてるの?」
「魔法の基礎はオレだけじゃなくて、魔力流動は月城が教えてる……召喚魔法に関しては楓嬢とさゆり嬢が教えてるな」
「そうなのね…リンカ、ここの生活には慣れた?」
隣でクッキーを楽しんで食べているリンカにアリスが聞く。
「大分慣れたよ!ご飯も美味しいし、お母さんにも会いに行けるし、何より家族が増えたみたいで嬉しい!」
笑顔で答えるリンカに内心ほっとするアリス。
(最初の数日は正直心配だったけど、もう大丈夫そうね)
【シンフォニア】での生活の最初の数日、リンカはメンバー全員と距離があり、顔色も良くなかった。
新しい環境での生活だから当たり前ではあるのだが、リンカの場合は組織に監禁状態であったこともあり、なかなか不安を拭えなかった。
そんなリンカをメンバーは各自で前向きな言葉をかけ、行動を共にし一緒に共有した。
レオナルドが教え、アリスが心身共に癒し、逸平が笑いを誘い、楓がまっすぐに感情を見せ、さゆりが笑顔を向け、舞がさりげない優しさを示し、信輔が励まし、美羽が一緒に楽しみ、朔真が目標を作った。
こうして、リンカは今、【シンフォニア】のメンバーとして笑顔を見せ、前を向くことができるようになった。
「ただいまや!おっ!クッキーがあるやん!」
食堂に逸平と朔真が現れ、逸平がアリスの隣に座り早々にクッキーを頬張る。
「ただいま、戻りました」
朔真もリンカの向かいに座っているレオナルドの隣の席に着く。
「おう…おかえり」
「おかえり~」
「おかえりなさい!」
レオナルド、アリス、リンカが帰宅を労う。
朔真はレオナルドが淹れたコーヒーを受け取る。
「それで、何か進展はあったか?」
「わいの方はさっぱりやな!でも」
逸平が両手をヒラヒラしつつ答え、
「俺の方は一人見つけました」
朔真が逸平の言葉に続けた。
「さゆりさんには伝えてきましたが、詳しくは夜にみんなに共有しますよ」
夕飯を食べ終え、全員が一息ついたタイミングでさゆりが話を始める。
「今日、逸平さんと朔真さんが組織に繋がる手掛かりを掴みました」
さゆりがタブレットを操作し、モニターに映像を映す。
「これって…」
「村?」
「村……というよりは集落ね」
点々といくつの住居がある山間部の映像を見て、美羽、信輔、楓のそれぞれ言葉を発する。
「元々はフィクス(朔真たちのいる街フォーレの隣だが、山に囲まれた街)の山間部にあった小さな村だったんですが、人がいなくなって廃村になったところですね……そこに【トリニティ魔法薬研究所】からいなくなった人が、入っていくのを確認しました」
さゆりが朔真を見て、朔真が頷く。
「そこに入っていったのは、俺と美羽、舞を研究所の案内をした女性だ!名乗ってた名前は木村と名乗っていたけど、偽名だな」
「失踪した人はみんな偽名やったな」
朔真の話に逸平が付け足す。
「ちなみに取引先も当たったが、全部白やった!」
「…この機会…逃せない」
舞の決意を込めた言葉にさゆりも頷く。
「今までなかなか掴めなかった組織の拠点の一つを押さえられれば、次に繋がります!よって、今回の任務は全員で行います!」
さゆりの声に、
「過去一番の大仕事ね!」
楓が気合いを入れ、
「わいも活躍するで!」
逸平が意気込み、
「頑張ろう!」
信輔が奮い立たせ、
「ドキドキするね!」
美羽が期待と不安を入り混じらせ、
「サポートは任せな!」
レオナルドが安心させ、
「無理だけはしないでね!」
アリスが心配し、
「次は逃がさないようにしないとな」
朔真が前回の反省を振り返り、
「大丈夫」
舞が全員を信頼する言葉を口にする。
「わたしは…どうすれば良いですか?」
リンカが戸惑いながら訊く。
「リンカさんは私とレオナルドさん、アリスさんのサポートをお願いします」
「分かった!頑張ります!」
(絶対にお母さんを助けるんだ!)
さゆりの答えにリンカが意気込む。
「詳しい作戦などは明日以降練っていきますが、決行は一週間後になります!それまで、各自準備をよろしくお願いします!」
さゆりが最後に締め、その日は解散となった。
さゆりからの話を解散した後、朔真は一人、湖畔を散歩していた。
「組織との戦いか……」
小さく呟く。
研究所で対峙したマルス、クラスト、武豪を思い浮かべる。
(あの三人以外にもあのクラスがいるとなると……)
「厳しい戦いになりそうだな…」
「みんな強いから...大丈夫」
朔真の呟きに背後から応えが返ってくる。
「舞さん…いつからいたんです?」
少し驚きつつも平静になり尋ねる。
「…さっきから」
舞は表情を変えずに答える。
「朔真……さゆりが大丈夫…と言ってたから、大丈夫」
「すごい信頼ですね」
朔真は舞とさゆりの信頼関係に素直に感嘆する。
「だから…朔真も大丈夫」
舞からの言葉を聞き、自然と朔真も不安が薄らぐのを感じた。
(今まで美羽と信輔以外ではチームも組まず、ソロで活動してたから仲間らしい仲間はいなかったけど…これが、信頼できる仲間ってやつか)
「そうですね…きっと大丈夫ですね!」
逸平が聴取した内容によれば、来栖の魔法は強化魔法であり、それを組織に買われて協力していたとの事だった。
ちなみに以前捉えた軍隊鼠は来栖が開発した薬を実験に使用したものだったそうだ。
【トリニティ魔法薬研究所】のほとんどの従業員は今回の件については知らなかった。
しかし、朔真達を案内した女性を含めた数名があの後、行方を眩ましていた。
来栖曰く、【トリニティ魔法薬研究所】は半年前に上層部が代わったとかで、マルスが現れたらしい。
前までは普通に栄養魔法薬の研究をいたが、平行して魔力強化、魔法強化の研究も始めた。
そして、来栖の強化魔法をリンカに使い召喚魔法の実験を行った。
「ここも外れやな」
逸平が残念そう呟く。
組織が既存の研究所を乗っ取り隠れ蓑にしていると分かったため、逸平は【トリニティ魔法研究所】と取引がある企業を調べていた。
「あかんな…これはキリがないわ」
しかし、いくつかに絞ったとはいえその数は多く、さらに組織の存在自体が隠蔽されているため、見つけるのも簡単ではなかった。
リンカが【シンフォニア】に加入してから数週間、逸平は各企業を、朔真は【トリニティ魔法研究所】から失踪した人達を調査していた。
「朔真、そっちはどうや?」
アクセサリー型の通信機、逸平はピアスタイプのもので朔真に連絡する。
「こっちはもう少しかかりそうですね…逸平は?」
朔真はネックレスタイプの通信機で返答をする。
【シンフォニア】のメンバーは全員、各タイプのギルド専用通信機を所持している。
「残念ながら外れやな…」
ため息と共に答える。
この日はそのまま、朔真と逸平の二人はギルドハウスへ帰宅した。
リンカが【シンフォニア】に加入してから、三週間が経った。
リンカは教育学園には、リスクの観点から通えないため、教員資格を持っているレオナルドが基礎教育を教えている。
主にギルドハウスにいることが多いアリスもリンカの生活の手助けをしていた。
「レオ先生、これで合ってます?」
リンカが答案用紙をレオナルドに見せる。
「……合ってるな」
レオナルドの笑顔ながらも無愛想な返事にリンカの表情が明るくなる。
「そろそろ、休憩にするか」
「うん!」
レオナルドとリンカがレオナルドの部屋から食堂へ移動する。
そこにアリスが二人を見つけ、
「ちょうど、おやつができたところよ!」
笑顔でクッキーを見せる。
「やった!」
リンカが早速席に着き、クッキーを食べ始める。
レオナルドはキッチンでコーヒーを淹れる。
「リンカ、レオはちゃんと教えてる?」
アリスがリンカの隣に座りリンカに訊く。
「すごく!分かりやすく教えてくれてます!」
「へぇ~」
リンカの答えにアリスがコーヒーを持ってきたレオナルドにニヤニヤとした顔を向ける。
「ちゃんと先生してるのね!」
「当たり前だろ!元々、オレは教師だったからな」
「魔法の実践はどうしてるの?」
「魔法の基礎はオレだけじゃなくて、魔力流動は月城が教えてる……召喚魔法に関しては楓嬢とさゆり嬢が教えてるな」
「そうなのね…リンカ、ここの生活には慣れた?」
隣でクッキーを楽しんで食べているリンカにアリスが聞く。
「大分慣れたよ!ご飯も美味しいし、お母さんにも会いに行けるし、何より家族が増えたみたいで嬉しい!」
笑顔で答えるリンカに内心ほっとするアリス。
(最初の数日は正直心配だったけど、もう大丈夫そうね)
【シンフォニア】での生活の最初の数日、リンカはメンバー全員と距離があり、顔色も良くなかった。
新しい環境での生活だから当たり前ではあるのだが、リンカの場合は組織に監禁状態であったこともあり、なかなか不安を拭えなかった。
そんなリンカをメンバーは各自で前向きな言葉をかけ、行動を共にし一緒に共有した。
レオナルドが教え、アリスが心身共に癒し、逸平が笑いを誘い、楓がまっすぐに感情を見せ、さゆりが笑顔を向け、舞がさりげない優しさを示し、信輔が励まし、美羽が一緒に楽しみ、朔真が目標を作った。
こうして、リンカは今、【シンフォニア】のメンバーとして笑顔を見せ、前を向くことができるようになった。
「ただいまや!おっ!クッキーがあるやん!」
食堂に逸平と朔真が現れ、逸平がアリスの隣に座り早々にクッキーを頬張る。
「ただいま、戻りました」
朔真もリンカの向かいに座っているレオナルドの隣の席に着く。
「おう…おかえり」
「おかえり~」
「おかえりなさい!」
レオナルド、アリス、リンカが帰宅を労う。
朔真はレオナルドが淹れたコーヒーを受け取る。
「それで、何か進展はあったか?」
「わいの方はさっぱりやな!でも」
逸平が両手をヒラヒラしつつ答え、
「俺の方は一人見つけました」
朔真が逸平の言葉に続けた。
「さゆりさんには伝えてきましたが、詳しくは夜にみんなに共有しますよ」
夕飯を食べ終え、全員が一息ついたタイミングでさゆりが話を始める。
「今日、逸平さんと朔真さんが組織に繋がる手掛かりを掴みました」
さゆりがタブレットを操作し、モニターに映像を映す。
「これって…」
「村?」
「村……というよりは集落ね」
点々といくつの住居がある山間部の映像を見て、美羽、信輔、楓のそれぞれ言葉を発する。
「元々はフィクス(朔真たちのいる街フォーレの隣だが、山に囲まれた街)の山間部にあった小さな村だったんですが、人がいなくなって廃村になったところですね……そこに【トリニティ魔法薬研究所】からいなくなった人が、入っていくのを確認しました」
さゆりが朔真を見て、朔真が頷く。
「そこに入っていったのは、俺と美羽、舞を研究所の案内をした女性だ!名乗ってた名前は木村と名乗っていたけど、偽名だな」
「失踪した人はみんな偽名やったな」
朔真の話に逸平が付け足す。
「ちなみに取引先も当たったが、全部白やった!」
「…この機会…逃せない」
舞の決意を込めた言葉にさゆりも頷く。
「今までなかなか掴めなかった組織の拠点の一つを押さえられれば、次に繋がります!よって、今回の任務は全員で行います!」
さゆりの声に、
「過去一番の大仕事ね!」
楓が気合いを入れ、
「わいも活躍するで!」
逸平が意気込み、
「頑張ろう!」
信輔が奮い立たせ、
「ドキドキするね!」
美羽が期待と不安を入り混じらせ、
「サポートは任せな!」
レオナルドが安心させ、
「無理だけはしないでね!」
アリスが心配し、
「次は逃がさないようにしないとな」
朔真が前回の反省を振り返り、
「大丈夫」
舞が全員を信頼する言葉を口にする。
「わたしは…どうすれば良いですか?」
リンカが戸惑いながら訊く。
「リンカさんは私とレオナルドさん、アリスさんのサポートをお願いします」
「分かった!頑張ります!」
(絶対にお母さんを助けるんだ!)
さゆりの答えにリンカが意気込む。
「詳しい作戦などは明日以降練っていきますが、決行は一週間後になります!それまで、各自準備をよろしくお願いします!」
さゆりが最後に締め、その日は解散となった。
さゆりからの話を解散した後、朔真は一人、湖畔を散歩していた。
「組織との戦いか……」
小さく呟く。
研究所で対峙したマルス、クラスト、武豪を思い浮かべる。
(あの三人以外にもあのクラスがいるとなると……)
「厳しい戦いになりそうだな…」
「みんな強いから...大丈夫」
朔真の呟きに背後から応えが返ってくる。
「舞さん…いつからいたんです?」
少し驚きつつも平静になり尋ねる。
「…さっきから」
舞は表情を変えずに答える。
「朔真……さゆりが大丈夫…と言ってたから、大丈夫」
「すごい信頼ですね」
朔真は舞とさゆりの信頼関係に素直に感嘆する。
「だから…朔真も大丈夫」
舞からの言葉を聞き、自然と朔真も不安が薄らぐのを感じた。
(今まで美羽と信輔以外ではチームも組まず、ソロで活動してたから仲間らしい仲間はいなかったけど…これが、信頼できる仲間ってやつか)
「そうですね…きっと大丈夫ですね!」
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