115 / 385
【第2部】7章 風と鳥の図書館
18話 秋の風
しおりを挟む
わたしはジョアンナ先生みたいに、今の所グレンさんで全部回っていないような気がするなぁ。
アプローチしよう! という気持ちもないし……だけどぼんやりと彼女にはなりたいって思ってて……。
う~ん……なんだか、情熱が足りない? 実はそこまで好きというわけじゃない、とか……?
――なんて思いながら首をひねっていたその時だった。
「レイチェル」
「!」
わたしを呼ぶ低い声。今ちょうど考えていた、その人。振り返る前から、ひとりでに胸が高鳴る。
「グレンさん……」
「今から砦に?」
「はい。グレンさんも? 今日は図書館だったんですよね」
「ああ」
砦に行く道で会うのは初めてだ。いつもこうやって出会えればいいのになぁ。
二人で砦への道を歩く――グレンさんは、わたしの少し先を歩いている。
「図書館閉めてる日って、ずっと本の整理してるんですか?」
「ああ」
「一日中、ですよね……本もだいぶ減ってそうだなぁ」
「そうだな。寄贈用の本は孤児院や教会、ギルドに運んで……来週はもうほとんど掃除だけになる」
「…………図書館、本当になくなっちゃうんですね」
「ああ」
「…………」
「残念だな」
「えっ」
「『えっ』って何だ」
「『ああ』以外の言葉が返ってきたので……あとグレンさんがそういうこと言うのがその、意外といいますか」
「おいひどいな。俺だってあそこは気に入ってるからな?」
「……す、すみません。気に入ってはいるけどそこは割り切って淡々と、ドライに仕事をしていると思ってました」
「仕事は仕事だからそりゃ淡々とするよ……俺はあそこでボーッとしてるのが好きだったんだがなー」
「ボーッと……何か考え事とかですか」
「いや、別に何も」
「何も??」
「何も考えてない。大抵食べ物のことを考えてる」
「食べ物~……。わたしグレンさん知らない時、ミステリアスだなぁとかって思ってたのに」
「また出た……フランツも言ってたけど、俺が黙ってるとそんなにミステリアスか?」
「意味ありげではありますね……」
グレンさんは笑いながらも少し眉間にしわをよせて、後頭部を掻く。
「誰も彼も俺の行動言動に、何か意味を持たそうとする。何もないのにな」
「キャンディローズ先生の本から、人生を変える教訓を得たりとか……」
「するわけないだろ?」
「それもそうですね……ふふ」
グレンさんがフッと鼻で笑い、わたしもつられて笑う。
……こういう時間が好きだ。
図書館なくなったら、こういう会話できなくなっちゃうのかな。
「……グレンさん」
「ん?」
「グレンさんは図書館が閉館したらどうなさるんですか?」
「そうだな……砦はまだ4ヶ月くらい借りてるから、それまではあそこを拠点にしてカイルの奴と組んであれこれすると思う」
「それから後は……?」
「まだ考えてないな。借りる期間伸ばしてもいいが、ずっとこのままでもいられないし」
「……」
(ずっとこのままで、いられない……)
「!」
――その時、風がざぁっと吹いた。
少し前を歩くグレンさんの黒髪が風に揺られて持ち上がる。
(だめ!)
わたしは反射的に、彼の手首を両手でつかんでいた。
グレンさんは驚いてわたしを振り向く。
「……レイチェル? どうした……」
「あ……」
――心臓がドキドキする。
彼を好きな気持ちだけじゃない。不安が押し寄せてたまらなかった。
「ごめんなさい……あの、グレンさんが飛ばされるような気がして」
「飛ばされるって俺が? 風でか?」
訳のわからない事を言い出すわたしにグレンさんは吹き出す。
わたしはまだつかんだ手を離さない。
「グレンさん……あの、図書館なくなって、砦を借りる期間過ぎたら……その後、その後グレンさんはどうするんですか」
「ん? ……さっきも言ったけど、まだ考えてな――」
「いなくなっちゃったりしませんよね? 急に消えたりなんて……しませんよね?」
「…………」
彼は何も言わない。その間も柔らかい風がふわりと吹く。
いつもなら『いい風ですねぇ』なんてテオ館長の真似している所だ。
だけど、今は不安を煽って仕方がない。風が彼をさらって二度と見えなくしてしまいそうとすら思ってしまう。
ジョアンナ先生の失恋話を聞いたからだろうか。彼の空っぽの部屋を見たからだろうか。
不安だ。不安だ。何か言って欲しい。
わたしを好きになってくれなくてもいい。ただ、どこにも行かないって明言して欲しい。
いつもの調子で、ちゃらんぽらんな感じの適当な言動で煙に巻いて欲しい。
「真面目な話してたのに」「してただろう?」って、そんなつまらない掛け合いを――。
「……それは、どうだろうな。分からない」
「え……」
期待に反して、不安は払拭されない。
目の奥が熱い。涙が出ていないだろうか。
「砦は先月契約更新したけど次期間満了したらまたどこか別の所に行くかもしれない。……そうしないかもしれないが、先のことは分からない」
「……そんな、の、……寂しいです」
『嫌です』と言うのをぐっとこらえて言葉を絞り出し、彼から手を離した。
グレンさんは手が離れたあと少し笑って、また歩き出した。わたしもそれに続く。
彼はやっぱり一歩前くらいを進んでいるけど、つかず離れず歩調を合わせてくれている。
「まあでも、いきなり消息絶ったりはしない……それやったら今度こそ先輩にぶっ飛ばされるし」
「カイルに? ……今度こそって、一度消えたことがあるってことですか?」
「……まあ、そうだ」
「……ど、どうして――」
「ディオールで騎士をやっていて」
「え……?」
「……ちょっと疲れて、消えたくなった」
――先を歩く彼の顔は見えない。それでいい。わたしの顔も、今は見られたくない。
ディオールはノルデンとロレーヌ、そして竜騎士団領の三国に囲まれた、剣と武勇の国。
竜騎士団領と同じく実力社会で、地位や人種関係なく誰でも騎士になれる。でも騎士になるには相当の努力と鍛錬が必要だと地理と歴史の授業で習った。
栄誉あるディオール騎士になって……でも彼は、消えたくなるくらい疲れてしまった。
――どうして。
「ど、して、あの、図書館の司書に」
違う。聞きたいのはこれじゃない。だけど聞けるわけがない。
「この辺に来て半年くらい経った頃、フラッと行ったギルドであの図書館の仕事を見つけた。それだけだ」
「…………」
「レイチェル」
「は、はい」
「俺の行動言動に、意味を見つけようとしなくていい。栄誉あるディオール騎士なんてよく言われてるが、俺個人は何の矜持も理念も持たない、壊すのが得意なだけの空っぽの人間……欠陥品だ。そんなののために歩みを止めてあれこれ優しい気持ちを向けてやる必要もない。……それは時間の浪費だ」
グレンさんがこちらを振り返ると、また風がザッと吹き渡る。いつもなら心地よいはずの秋の風が、わたしと彼を分断する。
彼の灰色の瞳は何を映しているんだろう。わたしに目を向けているように見えて、実際はどこを見ているんだろう。
「な、なんですか、それ。急に……い、意味が、分かりません」
声が震えてしまう。
――他愛のない会話ができるのが好き。好きを共有できるのが好き。
わたしの彼に対する気持ちは、例えば雲の上でお昼寝しているみたいな、まだそんなふわふわしたものだと思う。
『行動言動に意味を見つけなくていい』『優しい気持ちを向ける必要はない』『時間の浪費』――それは、明確な拒絶だ。
気持ちがだだ漏れだったのかな。さっき腕をつかんだから?
グレンさんはきっとわたしの気持ちに気づいてしまった。
わたしが気持ちを確かなものにする前に、彼はそれを摘み取ろうとしている。
『君の気持ちには応えられない』『いつか君を同じ目線で見てくれる人に巡り会えることを祈ってる』
ジョアンナ先生が、担任の先生から言われたという言葉が頭の中を回る。
わたしもやっぱり彼には手が届かないのかな。
わたしはただ、『どこにも行かない』って、そう言ってほしかっただけなのに――。
アプローチしよう! という気持ちもないし……だけどぼんやりと彼女にはなりたいって思ってて……。
う~ん……なんだか、情熱が足りない? 実はそこまで好きというわけじゃない、とか……?
――なんて思いながら首をひねっていたその時だった。
「レイチェル」
「!」
わたしを呼ぶ低い声。今ちょうど考えていた、その人。振り返る前から、ひとりでに胸が高鳴る。
「グレンさん……」
「今から砦に?」
「はい。グレンさんも? 今日は図書館だったんですよね」
「ああ」
砦に行く道で会うのは初めてだ。いつもこうやって出会えればいいのになぁ。
二人で砦への道を歩く――グレンさんは、わたしの少し先を歩いている。
「図書館閉めてる日って、ずっと本の整理してるんですか?」
「ああ」
「一日中、ですよね……本もだいぶ減ってそうだなぁ」
「そうだな。寄贈用の本は孤児院や教会、ギルドに運んで……来週はもうほとんど掃除だけになる」
「…………図書館、本当になくなっちゃうんですね」
「ああ」
「…………」
「残念だな」
「えっ」
「『えっ』って何だ」
「『ああ』以外の言葉が返ってきたので……あとグレンさんがそういうこと言うのがその、意外といいますか」
「おいひどいな。俺だってあそこは気に入ってるからな?」
「……す、すみません。気に入ってはいるけどそこは割り切って淡々と、ドライに仕事をしていると思ってました」
「仕事は仕事だからそりゃ淡々とするよ……俺はあそこでボーッとしてるのが好きだったんだがなー」
「ボーッと……何か考え事とかですか」
「いや、別に何も」
「何も??」
「何も考えてない。大抵食べ物のことを考えてる」
「食べ物~……。わたしグレンさん知らない時、ミステリアスだなぁとかって思ってたのに」
「また出た……フランツも言ってたけど、俺が黙ってるとそんなにミステリアスか?」
「意味ありげではありますね……」
グレンさんは笑いながらも少し眉間にしわをよせて、後頭部を掻く。
「誰も彼も俺の行動言動に、何か意味を持たそうとする。何もないのにな」
「キャンディローズ先生の本から、人生を変える教訓を得たりとか……」
「するわけないだろ?」
「それもそうですね……ふふ」
グレンさんがフッと鼻で笑い、わたしもつられて笑う。
……こういう時間が好きだ。
図書館なくなったら、こういう会話できなくなっちゃうのかな。
「……グレンさん」
「ん?」
「グレンさんは図書館が閉館したらどうなさるんですか?」
「そうだな……砦はまだ4ヶ月くらい借りてるから、それまではあそこを拠点にしてカイルの奴と組んであれこれすると思う」
「それから後は……?」
「まだ考えてないな。借りる期間伸ばしてもいいが、ずっとこのままでもいられないし」
「……」
(ずっとこのままで、いられない……)
「!」
――その時、風がざぁっと吹いた。
少し前を歩くグレンさんの黒髪が風に揺られて持ち上がる。
(だめ!)
わたしは反射的に、彼の手首を両手でつかんでいた。
グレンさんは驚いてわたしを振り向く。
「……レイチェル? どうした……」
「あ……」
――心臓がドキドキする。
彼を好きな気持ちだけじゃない。不安が押し寄せてたまらなかった。
「ごめんなさい……あの、グレンさんが飛ばされるような気がして」
「飛ばされるって俺が? 風でか?」
訳のわからない事を言い出すわたしにグレンさんは吹き出す。
わたしはまだつかんだ手を離さない。
「グレンさん……あの、図書館なくなって、砦を借りる期間過ぎたら……その後、その後グレンさんはどうするんですか」
「ん? ……さっきも言ったけど、まだ考えてな――」
「いなくなっちゃったりしませんよね? 急に消えたりなんて……しませんよね?」
「…………」
彼は何も言わない。その間も柔らかい風がふわりと吹く。
いつもなら『いい風ですねぇ』なんてテオ館長の真似している所だ。
だけど、今は不安を煽って仕方がない。風が彼をさらって二度と見えなくしてしまいそうとすら思ってしまう。
ジョアンナ先生の失恋話を聞いたからだろうか。彼の空っぽの部屋を見たからだろうか。
不安だ。不安だ。何か言って欲しい。
わたしを好きになってくれなくてもいい。ただ、どこにも行かないって明言して欲しい。
いつもの調子で、ちゃらんぽらんな感じの適当な言動で煙に巻いて欲しい。
「真面目な話してたのに」「してただろう?」って、そんなつまらない掛け合いを――。
「……それは、どうだろうな。分からない」
「え……」
期待に反して、不安は払拭されない。
目の奥が熱い。涙が出ていないだろうか。
「砦は先月契約更新したけど次期間満了したらまたどこか別の所に行くかもしれない。……そうしないかもしれないが、先のことは分からない」
「……そんな、の、……寂しいです」
『嫌です』と言うのをぐっとこらえて言葉を絞り出し、彼から手を離した。
グレンさんは手が離れたあと少し笑って、また歩き出した。わたしもそれに続く。
彼はやっぱり一歩前くらいを進んでいるけど、つかず離れず歩調を合わせてくれている。
「まあでも、いきなり消息絶ったりはしない……それやったら今度こそ先輩にぶっ飛ばされるし」
「カイルに? ……今度こそって、一度消えたことがあるってことですか?」
「……まあ、そうだ」
「……ど、どうして――」
「ディオールで騎士をやっていて」
「え……?」
「……ちょっと疲れて、消えたくなった」
――先を歩く彼の顔は見えない。それでいい。わたしの顔も、今は見られたくない。
ディオールはノルデンとロレーヌ、そして竜騎士団領の三国に囲まれた、剣と武勇の国。
竜騎士団領と同じく実力社会で、地位や人種関係なく誰でも騎士になれる。でも騎士になるには相当の努力と鍛錬が必要だと地理と歴史の授業で習った。
栄誉あるディオール騎士になって……でも彼は、消えたくなるくらい疲れてしまった。
――どうして。
「ど、して、あの、図書館の司書に」
違う。聞きたいのはこれじゃない。だけど聞けるわけがない。
「この辺に来て半年くらい経った頃、フラッと行ったギルドであの図書館の仕事を見つけた。それだけだ」
「…………」
「レイチェル」
「は、はい」
「俺の行動言動に、意味を見つけようとしなくていい。栄誉あるディオール騎士なんてよく言われてるが、俺個人は何の矜持も理念も持たない、壊すのが得意なだけの空っぽの人間……欠陥品だ。そんなののために歩みを止めてあれこれ優しい気持ちを向けてやる必要もない。……それは時間の浪費だ」
グレンさんがこちらを振り返ると、また風がザッと吹き渡る。いつもなら心地よいはずの秋の風が、わたしと彼を分断する。
彼の灰色の瞳は何を映しているんだろう。わたしに目を向けているように見えて、実際はどこを見ているんだろう。
「な、なんですか、それ。急に……い、意味が、分かりません」
声が震えてしまう。
――他愛のない会話ができるのが好き。好きを共有できるのが好き。
わたしの彼に対する気持ちは、例えば雲の上でお昼寝しているみたいな、まだそんなふわふわしたものだと思う。
『行動言動に意味を見つけなくていい』『優しい気持ちを向ける必要はない』『時間の浪費』――それは、明確な拒絶だ。
気持ちがだだ漏れだったのかな。さっき腕をつかんだから?
グレンさんはきっとわたしの気持ちに気づいてしまった。
わたしが気持ちを確かなものにする前に、彼はそれを摘み取ろうとしている。
『君の気持ちには応えられない』『いつか君を同じ目線で見てくれる人に巡り会えることを祈ってる』
ジョアンナ先生が、担任の先生から言われたという言葉が頭の中を回る。
わたしもやっぱり彼には手が届かないのかな。
わたしはただ、『どこにも行かない』って、そう言ってほしかっただけなのに――。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!
ぽんちゃん
恋愛
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる