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15章 祈り(中)
31話 作戦会議
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「……時間は待ってくれない。3日後、イリアスはシルベストル邸の礼拝堂に現れる。その時、誰がどういう風に立ち回るか考えていかなければ」
「…………」
「どうやってイリアスを討つか話し合う」――それはつまり、彼をどういう方法で確実に殺すのかということ。
グレンさんが前に言っていた「殺害計画」をこれから本格的に考えていくということ……。
穏やかなセルジュ様の口からそれが持ちかけられたことに身震いしてしまう。
わたし自身は何もしない。でも、それでも、恐ろしくてたまらない。
ここ数日、ずっとイリアスについて話し合ってきた。
イリアスが属していた"光の塾"――彼はそこで、どういう目に遭ってきたのか。
なぜ彼はミランダ教の司祭という絶対的な立場を手にしながら、光の塾の司教も続けていたのか。そこから逃れることはできなかったのか。
残虐非道の司教"ロゴス"、優しく善良な司祭"イリアス"、そして光の塾に染まった"天使"……どれが本当の彼なのか、どれも本当の彼ではないのか。彼が信じる"神"とは、何なのか……。
答え合わせは出来ない。
全部見当外れかもしれない。
合っていたとしても、やることは結局変わらない。
イリアス・トロンヘイムという一個人の人生を、終わらせる。命を奪う……。
「!」
黒い世界に思考を吸い込まれそうになっているところ、手の上に感じるぬくもりで引き戻される。
机の下で握り合わせていた手に、グレンさんの手が添えられていた。
(……グレンさん……)
今日は、グレンさんとまともに話せていない。
やっと会えたと思ったら塞ぎ込んでしまって、不安でたまらなかった。
その彼がわたしの不安を和らげるために手を取ってくれた。
嬉しくて、つい彼の手に指を絡めてしまう。彼はそれを拒絶することなく握り返してくれた。
やっと安心できたけれど、少し悲しい。
ずっと塞ぎ込んで背を丸くしていたグレンさんが、その話題になった途端に眼光が鋭くなり、背筋を伸ばした。
彼を立ち上がらせて支えるのは、安らぎよりも戦いなんだろうか……?
しばらくして、グレンさんが口を開いた。
「……奴が現れるのは夜だと言っていた。どうやって現れるのか……その礼拝堂は、転移魔法で簡単に入れるところなのか?」
「いや、入れない。シルベストル邸の正門には強力な影の魔石が配置されている。転移魔法で中に入ろうとしても必ずそこで足止めを食らう。敷地内ならば、自由に行き来できるが……どの建物にも入り口に影の魔石がある。一部の認められた者以外、転移魔法で中に入ることは不可能だ」
――高等な術師でも、外部の者が影の魔石が発する障壁を越えて入ることはできない。
みんながシルベストル邸に転移できたのは、あちらにいる聖女様が内部から呼び寄せの術を使ったから。
でもイリアスは額に紋章を宿している。魔力もまた絶大だけれど……。
「……先日あの人があたしの部屋に忍び込んできた時、『サンチェス伯邸には影の魔石の防護がなくて助かる』と言っていました。額の紋章の力を以てしても、自然の摂理には逆らえないのではないでしょうか」
「だったら、どうやって飛んでくるんだ? やっぱり禁呪か?」
「その可能性は高いな。……しかし、そこまでしてなぜシルベストル邸の礼拝堂になど……」
「そこは考えても仕方ないでしょ。……どうしよう? 礼拝堂で待ち伏せするのかな」
話し合いが続く。
教皇猊下は「新月の夜」とだけ言った。具体的に何時頃に来るのかは分からない。
それならイリアスが来るまで礼拝堂で待ち伏せをするしかない。
けど、彼は紋章を持っているから、きっとグレンさんやルカみたいに"視える"力がある。
グレンさんもルカも、相手が隠れていても"火"や"水"で察知できる。
それなら、待ち伏せは無意味……?
「ジャミルの、使い魔の力は使えないか」
「えっ……」
グレンさんの言葉にジャミルがビクリと肩を強ばらせ、ペンを取り落とす。話を振られるとは思っていなかったのだろう。
「礼拝堂にイリアスが現れたら、ジャミルが転移魔法で俺とカイルとセルジュをそこへ飛ばす」
「で……でも、転移魔法は無理なんじゃ――」
「……いや。ジャミル君の使い魔なら可能かもしれない」
「え、え……」
――セルジュ様の予測はこうだ。
ウィルは"闇"の眷属で、"影"の上位の存在だ。影の魔石の防護を突き破って転移することができるかもしれない。
礼拝堂内部にイリアスが現れたら、すぐさまグレンさんとカイルとセルジュ様をそこに送って奇襲をかける――そうしたいところだけれど、それもまた難しいらしい。
「ウィルなら影の魔石の防護を突き破れる」といっても、それには大量の魔力が必要だ。
術者自身が転移するなら魔力の消費は少なくて済む。でも他者を短時間で続けざまに3人も送り込むことは不可能。できるとしたら、2人までが限度だろう とのこと。
それなら……。
「……私が囮になろう。礼拝堂の中で、イリアスを待つ。彼が現れたら、彼と話をして少しでも時間を稼ぐ。その間にジャミル君は2人を送ってくれ」
「は……はい」
セルジュ様の要求に、ジャミルは目線を泳がせながら静かにうなずいた。
そして先ほどまで話していたことをノートに書き留めていく。
ペンを持つ手が、わずかに震えている……。
(ジャミル……)
――作戦のたたき台が出来上がっていく。
作戦の最初の要はウィルだ。転移魔法のための魔力が枯渇しないよう、あらかじめウィルに魔力を受け渡しておく必要がある。
この中で魔法を使える人間は4人。
グレンさんとセルジュ様はイリアスと戦うため、魔力は温存しておきたい。
ベルは魔法が使えなくなってしまったため、魔力を紡ぐことができない。
そういうわけで、その役はルカが適任だ――ルカは魔力を受け渡す魔法をセルジュ様に教わり、完璧に使えるようにしておく。
転移魔法でグレンさんとカイルが礼拝堂へ飛び、イリアスを斬る。
でもそう簡単にはいかない。イリアスはきっと額の紋章の力を使い抵抗をするだろう。
術を封じられればいいけど、紋章保持者に沈黙魔法は効かない。
先日グレンさんが捕まったときのように、術師が数人がかりで同時に沈黙魔法を使えば話は別だろうけど……。
「あの……あたしの父の剣を使えないでしょうか?」
「! そっか、そうだったな……」
言いながらジャミルはウィルとともに転移魔法で消え、手に短剣を携え戻ってきた。
「な……何それ? 闇の剣……じゃなさそうだけど。なんか禍々しいな……なんていうか、呪物……みたいな」
「ああ……フェリペの杖ほどではないが、強い怨念を感じる。一体、これをどこで」
「ああ、えっと……」
ジャミルがこの剣のいきさつを知らないカイルとセルジュ様に、簡単に事情を説明する。
この剣は闇の剣の"なりそこない"の剣。
ベルのお父様、そしてサンチェス伯邸の人々がベルのお母様に抱いた「黙れ」という気持ちが閉じ込められている、怨念の剣。
この剣は魔力を吸い込み、魔法を無力化する。また、術師がこれを持つと魔法が使えなくなる。グレンさんやルカのような紋章保持者でもそれは例外ではない。剣そのものが"沈黙魔法"の役目を果たす。
しかしおそらく、発動のためにはこの剣が術者の近くになければいけない……。
「……なるほど。じゃあ、それは俺の役だな」
「!!」
カイルが短剣を手に取り、鞘から抜き取る。
そうだ……魔力を持つグレンさんとセルジュ様は、この剣を使うどころか手に取ることもできない。
これを使いこなせるのは、魔法を持たず、かつ戦士であるカイルだけだろう。
「けどカイル、お前」
「大丈夫だよ、俺強いし。たとえ懐に入るまでに奴の術が飛んできたとしても、その間をかいくぐって近づくくらい……」
「…………」
ジャミルが何か言おうとして口を開け、すぐに口をつぐむ。
カイルが抜き身の剣を頭上にかざし、据わった目で見上げている――自分のあずかり知らない弟の様子に、気圧されてしまったのかもしれない。
しばらくしてカイルは剣を鞘に戻し、斜め横に座っているグレンさんに目線を向けた。
(…………!)
――ずっと話についていけてなかったけれど、その動作が示す意味は、さすがに分かる。
「俺がこいつをイリアスの身体に突き立てて、奴の魔法を封じる。多分、それだけで命を奪うのは無理だろう。……だから」
「………………、ああ、俺が出る」
言うと同時にグレンさんは、つないでいた手を離した。
そしてその手をテーブルの上で組み合わせ、血管が浮き出るくらいにグッと握り込む。
「最後は俺が……確実に」
「…………」
「どうやってイリアスを討つか話し合う」――それはつまり、彼をどういう方法で確実に殺すのかということ。
グレンさんが前に言っていた「殺害計画」をこれから本格的に考えていくということ……。
穏やかなセルジュ様の口からそれが持ちかけられたことに身震いしてしまう。
わたし自身は何もしない。でも、それでも、恐ろしくてたまらない。
ここ数日、ずっとイリアスについて話し合ってきた。
イリアスが属していた"光の塾"――彼はそこで、どういう目に遭ってきたのか。
なぜ彼はミランダ教の司祭という絶対的な立場を手にしながら、光の塾の司教も続けていたのか。そこから逃れることはできなかったのか。
残虐非道の司教"ロゴス"、優しく善良な司祭"イリアス"、そして光の塾に染まった"天使"……どれが本当の彼なのか、どれも本当の彼ではないのか。彼が信じる"神"とは、何なのか……。
答え合わせは出来ない。
全部見当外れかもしれない。
合っていたとしても、やることは結局変わらない。
イリアス・トロンヘイムという一個人の人生を、終わらせる。命を奪う……。
「!」
黒い世界に思考を吸い込まれそうになっているところ、手の上に感じるぬくもりで引き戻される。
机の下で握り合わせていた手に、グレンさんの手が添えられていた。
(……グレンさん……)
今日は、グレンさんとまともに話せていない。
やっと会えたと思ったら塞ぎ込んでしまって、不安でたまらなかった。
その彼がわたしの不安を和らげるために手を取ってくれた。
嬉しくて、つい彼の手に指を絡めてしまう。彼はそれを拒絶することなく握り返してくれた。
やっと安心できたけれど、少し悲しい。
ずっと塞ぎ込んで背を丸くしていたグレンさんが、その話題になった途端に眼光が鋭くなり、背筋を伸ばした。
彼を立ち上がらせて支えるのは、安らぎよりも戦いなんだろうか……?
しばらくして、グレンさんが口を開いた。
「……奴が現れるのは夜だと言っていた。どうやって現れるのか……その礼拝堂は、転移魔法で簡単に入れるところなのか?」
「いや、入れない。シルベストル邸の正門には強力な影の魔石が配置されている。転移魔法で中に入ろうとしても必ずそこで足止めを食らう。敷地内ならば、自由に行き来できるが……どの建物にも入り口に影の魔石がある。一部の認められた者以外、転移魔法で中に入ることは不可能だ」
――高等な術師でも、外部の者が影の魔石が発する障壁を越えて入ることはできない。
みんながシルベストル邸に転移できたのは、あちらにいる聖女様が内部から呼び寄せの術を使ったから。
でもイリアスは額に紋章を宿している。魔力もまた絶大だけれど……。
「……先日あの人があたしの部屋に忍び込んできた時、『サンチェス伯邸には影の魔石の防護がなくて助かる』と言っていました。額の紋章の力を以てしても、自然の摂理には逆らえないのではないでしょうか」
「だったら、どうやって飛んでくるんだ? やっぱり禁呪か?」
「その可能性は高いな。……しかし、そこまでしてなぜシルベストル邸の礼拝堂になど……」
「そこは考えても仕方ないでしょ。……どうしよう? 礼拝堂で待ち伏せするのかな」
話し合いが続く。
教皇猊下は「新月の夜」とだけ言った。具体的に何時頃に来るのかは分からない。
それならイリアスが来るまで礼拝堂で待ち伏せをするしかない。
けど、彼は紋章を持っているから、きっとグレンさんやルカみたいに"視える"力がある。
グレンさんもルカも、相手が隠れていても"火"や"水"で察知できる。
それなら、待ち伏せは無意味……?
「ジャミルの、使い魔の力は使えないか」
「えっ……」
グレンさんの言葉にジャミルがビクリと肩を強ばらせ、ペンを取り落とす。話を振られるとは思っていなかったのだろう。
「礼拝堂にイリアスが現れたら、ジャミルが転移魔法で俺とカイルとセルジュをそこへ飛ばす」
「で……でも、転移魔法は無理なんじゃ――」
「……いや。ジャミル君の使い魔なら可能かもしれない」
「え、え……」
――セルジュ様の予測はこうだ。
ウィルは"闇"の眷属で、"影"の上位の存在だ。影の魔石の防護を突き破って転移することができるかもしれない。
礼拝堂内部にイリアスが現れたら、すぐさまグレンさんとカイルとセルジュ様をそこに送って奇襲をかける――そうしたいところだけれど、それもまた難しいらしい。
「ウィルなら影の魔石の防護を突き破れる」といっても、それには大量の魔力が必要だ。
術者自身が転移するなら魔力の消費は少なくて済む。でも他者を短時間で続けざまに3人も送り込むことは不可能。できるとしたら、2人までが限度だろう とのこと。
それなら……。
「……私が囮になろう。礼拝堂の中で、イリアスを待つ。彼が現れたら、彼と話をして少しでも時間を稼ぐ。その間にジャミル君は2人を送ってくれ」
「は……はい」
セルジュ様の要求に、ジャミルは目線を泳がせながら静かにうなずいた。
そして先ほどまで話していたことをノートに書き留めていく。
ペンを持つ手が、わずかに震えている……。
(ジャミル……)
――作戦のたたき台が出来上がっていく。
作戦の最初の要はウィルだ。転移魔法のための魔力が枯渇しないよう、あらかじめウィルに魔力を受け渡しておく必要がある。
この中で魔法を使える人間は4人。
グレンさんとセルジュ様はイリアスと戦うため、魔力は温存しておきたい。
ベルは魔法が使えなくなってしまったため、魔力を紡ぐことができない。
そういうわけで、その役はルカが適任だ――ルカは魔力を受け渡す魔法をセルジュ様に教わり、完璧に使えるようにしておく。
転移魔法でグレンさんとカイルが礼拝堂へ飛び、イリアスを斬る。
でもそう簡単にはいかない。イリアスはきっと額の紋章の力を使い抵抗をするだろう。
術を封じられればいいけど、紋章保持者に沈黙魔法は効かない。
先日グレンさんが捕まったときのように、術師が数人がかりで同時に沈黙魔法を使えば話は別だろうけど……。
「あの……あたしの父の剣を使えないでしょうか?」
「! そっか、そうだったな……」
言いながらジャミルはウィルとともに転移魔法で消え、手に短剣を携え戻ってきた。
「な……何それ? 闇の剣……じゃなさそうだけど。なんか禍々しいな……なんていうか、呪物……みたいな」
「ああ……フェリペの杖ほどではないが、強い怨念を感じる。一体、これをどこで」
「ああ、えっと……」
ジャミルがこの剣のいきさつを知らないカイルとセルジュ様に、簡単に事情を説明する。
この剣は闇の剣の"なりそこない"の剣。
ベルのお父様、そしてサンチェス伯邸の人々がベルのお母様に抱いた「黙れ」という気持ちが閉じ込められている、怨念の剣。
この剣は魔力を吸い込み、魔法を無力化する。また、術師がこれを持つと魔法が使えなくなる。グレンさんやルカのような紋章保持者でもそれは例外ではない。剣そのものが"沈黙魔法"の役目を果たす。
しかしおそらく、発動のためにはこの剣が術者の近くになければいけない……。
「……なるほど。じゃあ、それは俺の役だな」
「!!」
カイルが短剣を手に取り、鞘から抜き取る。
そうだ……魔力を持つグレンさんとセルジュ様は、この剣を使うどころか手に取ることもできない。
これを使いこなせるのは、魔法を持たず、かつ戦士であるカイルだけだろう。
「けどカイル、お前」
「大丈夫だよ、俺強いし。たとえ懐に入るまでに奴の術が飛んできたとしても、その間をかいくぐって近づくくらい……」
「…………」
ジャミルが何か言おうとして口を開け、すぐに口をつぐむ。
カイルが抜き身の剣を頭上にかざし、据わった目で見上げている――自分のあずかり知らない弟の様子に、気圧されてしまったのかもしれない。
しばらくしてカイルは剣を鞘に戻し、斜め横に座っているグレンさんに目線を向けた。
(…………!)
――ずっと話についていけてなかったけれど、その動作が示す意味は、さすがに分かる。
「俺がこいつをイリアスの身体に突き立てて、奴の魔法を封じる。多分、それだけで命を奪うのは無理だろう。……だから」
「………………、ああ、俺が出る」
言うと同時にグレンさんは、つないでいた手を離した。
そしてその手をテーブルの上で組み合わせ、血管が浮き出るくらいにグッと握り込む。
「最後は俺が……確実に」
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