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6章 最後の1枚
1話 決心
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9日目の朝。
色々あったため、いつもより遅い目覚めだった。
顔を洗って服を着替え、トモミチが眠るベッドの前に立つ。
朝の魔力供給だ。
(…………)
昨夜――というか、数時間前。
2人で達したあと長いキスをしていたら、トモミチが突然ズシリとのしかかってきた。
どうした、と問う僕に彼が「ゴメン、電池切れみたい」と力なく呟いた。
「……ロラン君……オレこのまま、ここで寝たい。たのむ……から」
消え入りそうな声でそう言うと、トモミチはそのまま僕の横にごろりと横たわった――。
彼が意識を失ったあと、僕はお互いの体や服、寝具に付着した精液を湯で濡らした布で拭き取り、彼の服を魔法で着替えさせてやった。
自分も着替えをしたあと、彼の横で眠りにつく。
一緒にいられるのは嬉しかったが、ホロウである彼の体は冷たく、逆に寂しさに襲われた。
彼が完成体になったら、お互いのぬくもりを感じながら寝られるのだろうか……。
……そういうわけで、彼は今僕のベッドで寝ている。
ベッドに乗り上げて彼の頬に手をやり、唇を合わせる――何秒か後、トモミチが目を開けた。
「……おはよう」
「ん……おはよう」
トモミチが手を伸ばし、僕を抱き寄せる。
僕も彼にぎゅっと抱きついて、また唇を合わせた。
しばらく抱きしめ合ったあと、身を離す。
「あれ?」
トモミチが身を起こし、自分の着ている灰色の服を引っ張る。
「知らん間に、スウェットになってる。……服出してくれたん?」
「うん。あの……色々付いて、濡れてしまったから」
「うあ、……そっか。ゴメン、ありがとう」
そう言ってトモミチがまた僕を抱き寄せ、頭を撫でる。
(…………)
顔が熱くなる。
あんなことをしたあとでも、抱きしめて頭を撫でられるのはやっぱり気恥ずかしい。
「オレちょっと、風呂入ろかな」
「うん」
この庵には浴室が数カ所ある。各居室の簡易シャワー室、そして大きな浴槽つきの大浴場。
最初トモミチにその話をしたとき、なぜか驚かれた。
水はどこから引いているのか、どうやって湧かすのかを気にしていた。
「詳しいことは僕も知らないから、説明できない」と言うと、「まあオレも上下水道のしくみとかあんま知らんしな」と返してきた。
よく分からないが、納得したようだった。
「この部屋のシャワー借りていい?」
「うん。……トモミチ、朝食はどうする」
「メシか。相変わらず食欲ないけど……パンとかあったら、もらおかな」
「分かった。色は? 青と緑がある」
「うっ、んん……緑、かな」
「分かった。持ってくる――」
言い終わるやいなや、彼が唇を合わせてくる。
「……また、あとでな」
「うん……」
――心臓の鼓動がずっと早い。
起きてから今まで、何度キスをしたのか……。
今の僕は屍霊術師ではなく、ただの「ロラン・ミストラル」だ――そう感じる。
僕を僕たらしめるものだった〝屍霊術師〟という枠から大きくはみ出している。
それでいい。
もう冷たいところにはいたくない。
冷淡で情のない〝反魂組成〟はもうやりたくない。
これきり、最後にしたい。
……僕は、屍霊術師をやめようと思う。
色々あったため、いつもより遅い目覚めだった。
顔を洗って服を着替え、トモミチが眠るベッドの前に立つ。
朝の魔力供給だ。
(…………)
昨夜――というか、数時間前。
2人で達したあと長いキスをしていたら、トモミチが突然ズシリとのしかかってきた。
どうした、と問う僕に彼が「ゴメン、電池切れみたい」と力なく呟いた。
「……ロラン君……オレこのまま、ここで寝たい。たのむ……から」
消え入りそうな声でそう言うと、トモミチはそのまま僕の横にごろりと横たわった――。
彼が意識を失ったあと、僕はお互いの体や服、寝具に付着した精液を湯で濡らした布で拭き取り、彼の服を魔法で着替えさせてやった。
自分も着替えをしたあと、彼の横で眠りにつく。
一緒にいられるのは嬉しかったが、ホロウである彼の体は冷たく、逆に寂しさに襲われた。
彼が完成体になったら、お互いのぬくもりを感じながら寝られるのだろうか……。
……そういうわけで、彼は今僕のベッドで寝ている。
ベッドに乗り上げて彼の頬に手をやり、唇を合わせる――何秒か後、トモミチが目を開けた。
「……おはよう」
「ん……おはよう」
トモミチが手を伸ばし、僕を抱き寄せる。
僕も彼にぎゅっと抱きついて、また唇を合わせた。
しばらく抱きしめ合ったあと、身を離す。
「あれ?」
トモミチが身を起こし、自分の着ている灰色の服を引っ張る。
「知らん間に、スウェットになってる。……服出してくれたん?」
「うん。あの……色々付いて、濡れてしまったから」
「うあ、……そっか。ゴメン、ありがとう」
そう言ってトモミチがまた僕を抱き寄せ、頭を撫でる。
(…………)
顔が熱くなる。
あんなことをしたあとでも、抱きしめて頭を撫でられるのはやっぱり気恥ずかしい。
「オレちょっと、風呂入ろかな」
「うん」
この庵には浴室が数カ所ある。各居室の簡易シャワー室、そして大きな浴槽つきの大浴場。
最初トモミチにその話をしたとき、なぜか驚かれた。
水はどこから引いているのか、どうやって湧かすのかを気にしていた。
「詳しいことは僕も知らないから、説明できない」と言うと、「まあオレも上下水道のしくみとかあんま知らんしな」と返してきた。
よく分からないが、納得したようだった。
「この部屋のシャワー借りていい?」
「うん。……トモミチ、朝食はどうする」
「メシか。相変わらず食欲ないけど……パンとかあったら、もらおかな」
「分かった。色は? 青と緑がある」
「うっ、んん……緑、かな」
「分かった。持ってくる――」
言い終わるやいなや、彼が唇を合わせてくる。
「……また、あとでな」
「うん……」
――心臓の鼓動がずっと早い。
起きてから今まで、何度キスをしたのか……。
今の僕は屍霊術師ではなく、ただの「ロラン・ミストラル」だ――そう感じる。
僕を僕たらしめるものだった〝屍霊術師〟という枠から大きくはみ出している。
それでいい。
もう冷たいところにはいたくない。
冷淡で情のない〝反魂組成〟はもうやりたくない。
これきり、最後にしたい。
……僕は、屍霊術師をやめようと思う。
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