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6章 最後の1枚
8話 〝正義〟(2)
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――思えば、アンソニーが自死者である事実を示すヒントはそこかしこに散らばっていた。
銀髪に青の眼、焦茶色の肌――彼の身体的特徴は、ニライ・カナイ現地人のそれとは全く異なるもの。
しかし彼の明るく饒舌な振る舞いは、〝自死〟という暗い事実には到底結びつかない。
だから僕はアンソニーのことを、「異世界人同士の子供だろう」と認識していた。
だが……。
『〝ホロウ〟は自死者。でも簡単に命を投げ捨てたんじゃないわ。誰も死にたくなんかない、ほとんどの人は生きたかったの。でも追いつめられて追いつめられて……どうしようもないと思ってしまったから』
――先日、アンソニーがレミに言い放った言葉だ。
彼があれほどの怒りを示したのは、自身が当事者であったからこそ。
僕がホロウを軽視する発言をしたとき、いつも皮肉めいた口調でからかってきていた。
彼が僕や屍霊術師を嫌っているからだろうと思っていた。
なぜ屍霊術師を嫌うのかは考えたことがなかった。考えようともしなかった。
本当はずっと、心の底で怒りを燃やしていたのかもしれない。
……そう、今のように――。
「お前は、なぜ死んだ!? 本当は生きたかったんじゃないのか? そうだとして、生きたい世界はここじゃないはずだ!!」
空の連盟の男達が、アンソニーに向かってなおも吠え続ける。
奴らの主目的が分からない。仲間に引き入れたいなら、あの論調は悪手でしかない。
――自分の台詞に酔っているのか?
「上を見ろ! 何が見える!? ここには空が……太陽がない! 月も星も雲もだ! 雨は降らないし、雪も降らない。俺達の知っている〝朝〟と〝夜〟は訪れない! こんな摂理の世界で俺達はどう、……がっ!」
言葉の途中でアンソニーが鞘から剣を抜き、剣の表面で男の顔を平打ちにした。
男が痛さに呻く時間すら与えず、すぐさま剣の切っ先をアゴの下ギリギリのところに突きつける。
「……まったく、よく喋ること。お前達の〝正しさ〟になんて、毛の先ほどの興味もないわ。話をすり替えないで」
「ひぃっ……」
男が泣きそうな顔でアンソニーを見上げる。が、剣先はアゴの下に突きつけられたまま動くことはない。
「……確かに、このニライ・カナイという世界はおかしいわ。〝空〟をはじめ、本来あるはずのものをたくさん欠いている。そのうえ、今まで生きてきた世界の常識が通用しない。アタシ達みんな、混沌としている。……けどそんな中、アタシ達異世界人で定めた、アタシ達だけの〝法律〟があるわ。……もちろん、知っているわよねえ?」
水平に突きつけた剣の角度を鋭角に構え直し、アンソニーが問う。
男は何も答えない。……いや、「恐ろしさのあまり答えられない」というのが正しいか。
ガタガタと震えたまま、アンソニーの次の言葉を待つしかできないようだ。
アンソニーは男のアゴに突きつけていた剣を一旦引き、頭上に振りかざす。
「……っ!」
――怖気が全身を駆けめぐる。
アンソニーはあいつを斬る気だ……!
「『お互いの死を探らない、愚弄しない』……それが私達異世界人の、唯一絶対の法律だろうが!!」
「……アンソニー! やめろ!」
――その時だった。
「カン、カン、カン」という喧しい鐘の音が響き、こちらに近づいてきた。
鐘の音からやや遅れて耳に届くのは、車輪の音、そして馬が激しく嘶く声――。
(……消防馬車……!)
「よーしここで止まれ! ホース出せ!!」
馬車の後ろに立つ男が叫ぶ。
御者以外の男達が一斉に飛び降り、馬車に積んであるホースを引っ張り出した。
御者は馬車に乗ったまま手綱を引いて、馬をなだめている。
馬車の後ろに乗っていた男が険しい顔つきでこちらに駆け寄ってきた。
「退いてろ! 正義マン!!」
叫びながら男は空の連盟の人間を蹴り飛ばし、唾を吐いた。
「てめえら、あとで覚えとけよ!! ……おい、準備はいいか!?」
ホースを持った隊員達の接近を確認すると、男が手を振り上げて「放水はじめ!!」と叫んだ。
どうやら、あの男が隊長らしい。合図とともにホースの先端から水が吹き出て、炎に向かって飛んでいく。
消防馬車は2台。水が相当量出ているのに、火の勢いが強いためなかなか火が小さくならない。
放火する際、何か別のもの――薬品や油などを使ったのだろうか?
なぜ、そうまでして……。
消防隊の放った水が家屋の周辺にこぼれ、地面を濡らしていく。
(これ、使える……)
「……水よ……」
魔力を込めて念じると、家屋周りにこぼれていた水が集まってきた。
これで……!
「消えろ!」
叫びながら、燃える家に水球をぶつける。
「ジュワッ」という音とともに一部の火が消えたが、燃えている部分の火が再度浸食してきて小さな火を起こす――。
「おい、そこの! 屍霊術師のお前!」
「!!」
消防隊の1人が僕に駆け寄ってきた。
「そこはたぶんキッチンだ、燃えるモンがいっぱいある! 水の術の一撃はでけえが、ホースで断続的に放水しねえと消えねえだろう! 水かけるなら、他ンとこ頼む!」
「他の……」
「――そうだな、家のてっぺんから水ばら撒いてくれねえか! それは俺達じゃあできねえ!」
「……分かった!」
「頼んだぞ!! ……おい、こっちだ! こっちに水ぶっかけろ!」
男の呼びかけに、消防隊員がホースを引きずりながらこちらへ駆けてきて放水を開始した。
ここは彼らに任せよう。
僕は先ほど言われたように家屋の真上から水をかけることにする。
さっきまでと違って今は水が豊富にある。これだけの量があれば、少ない魔力の消費で水をぶつけ続けられるだろう。
ちら、とアンソニーの方に目をやると、周辺を見回しつつ、先ほど倒した空の連盟の人間の動向を見張っているようだった。
護衛を頼みたいところだが、それどころではなさそうだ。
僕1人で行動に移ろうと思う。ただし、アンソニーの目の届く範囲で――。
「……水よ、僕の元へ」
屋根の方へ手をかざし念じると、家周りにこぼれていた水が家の上部を覆うように集まっていく。
「……行け!」
手を振り下ろすと、水が「バン」という音を立ててトミーの家へと落下した。
屋根の部分の火が消えて煙が上へと舞い上がる。
だが、2階の一部と1階部分はまだ燃えたままだ。
早く次の一撃の準備を……。
「ギャアッ……!」
「!?」
後ろから男の叫び声が聞こえた。
振り返ると、枝が折れる音と葉擦れの音とともに木の上から男が落下しているところだった。
帯剣していたようで、男の近くに小ぶりの剣が転がっている。
さっきアンソニーが倒した奴らの仲間だろう。
右肩には矢が刺さっている。一体、誰が……。
「おう、小僧! なかなかやるじゃあねえか」
「!」
茂みの中から男の声がした。
「キム……」
服屋のキムだ。
縄で縛った男2人を引き摺りながらこちらへ歩いてくる。
キムの右手が光っている。
彼が拳をグッと握ると、光は縄のような形状で茂みに向かって伸びていき、やがて斧2つを引き連れて戻ってきた。家を出る前に持ち出していた斧だ。
どうやら彼も相当の魔力の持ち主のようだ。戦闘用の魔力の生成が上手い。
斧を使うことから、戦いに身を置く人間だったのかもしれない。
「……おう、あんなとこにも〝オトモダチ〟がいやがるな」
アンソニーの足元にいる空の連盟の者を発見したキムはそちらに男を引きずっていき、アンソニーに倒された連中も縄で縛り上げた。
キムは僕の方を指さしながらアンソニーに何事かを告げ、それを受けアンソニーがこちらへ歩み寄ってきた。
アンソニーは先ほど落下してきた男の首根っこをつかんで座らせ、キムから受け取った縄で手と身体を縛る。
続けて男の肩に足を置き、刺さった矢を思い切り引き抜いた。
男は「ギャアッ」叫び声を上げるもアンソニーはそれに構わず、男を蹴り転がし、「うるさい」と冷たく言い放った。
「……お仲間が襲われているのに出てこなかったところを見ると、少しは戦闘経験があるようね。出てくるスキがなかったのでしょう? ……けど、お馬鹿さん。剣をメインの武器に使う人が上から襲いかかるなんて、『狙ってください』って言っているようなものよ」
アンソニーが言い放っている間も上方を矢が駆け抜け、都度誰かに当たった〝音〟がする。地上でも何かの衝撃音と呻き声が聞こえてくる。
全ての戦闘音が止んだあと、男が数人茂みから姿を現した。
みなその手に武器を持ち、捕らえたらしい男を引きずってくる。
おそらくキムが言っていた〝自警団〟の人間だろう。
全員強い。いや、それだけではない。先ほどからアンソニーが言っているように、空の連盟自体が弱いんだ。
アンソニー、キム、そして自警団で捕らえた人間は10人。
弱いくせに集団で寄ってたかってトミーを脅しつけ苦しめ、挙げ句の果てに火を点けた。
――一体彼が何をしたというんだ。
こんなこと、許されていいのか?
僕と消防団の放水により、火事はそれほど時間をかけることなく鎮火できた。
だが家はほとんど全焼だ。黒く焼け焦げた木材から、煙がもうもうと舞い上がっている。
アンソニー、キム、自警団、そして消防団が、捕らえた空の連盟の男達を囲んで見下ろしている。
火は消えた。
だがこの場にいる人間の〝怒り〟は消えない。
――いや、ちがう。
これから燃えて、炎上するんだ……。
銀髪に青の眼、焦茶色の肌――彼の身体的特徴は、ニライ・カナイ現地人のそれとは全く異なるもの。
しかし彼の明るく饒舌な振る舞いは、〝自死〟という暗い事実には到底結びつかない。
だから僕はアンソニーのことを、「異世界人同士の子供だろう」と認識していた。
だが……。
『〝ホロウ〟は自死者。でも簡単に命を投げ捨てたんじゃないわ。誰も死にたくなんかない、ほとんどの人は生きたかったの。でも追いつめられて追いつめられて……どうしようもないと思ってしまったから』
――先日、アンソニーがレミに言い放った言葉だ。
彼があれほどの怒りを示したのは、自身が当事者であったからこそ。
僕がホロウを軽視する発言をしたとき、いつも皮肉めいた口調でからかってきていた。
彼が僕や屍霊術師を嫌っているからだろうと思っていた。
なぜ屍霊術師を嫌うのかは考えたことがなかった。考えようともしなかった。
本当はずっと、心の底で怒りを燃やしていたのかもしれない。
……そう、今のように――。
「お前は、なぜ死んだ!? 本当は生きたかったんじゃないのか? そうだとして、生きたい世界はここじゃないはずだ!!」
空の連盟の男達が、アンソニーに向かってなおも吠え続ける。
奴らの主目的が分からない。仲間に引き入れたいなら、あの論調は悪手でしかない。
――自分の台詞に酔っているのか?
「上を見ろ! 何が見える!? ここには空が……太陽がない! 月も星も雲もだ! 雨は降らないし、雪も降らない。俺達の知っている〝朝〟と〝夜〟は訪れない! こんな摂理の世界で俺達はどう、……がっ!」
言葉の途中でアンソニーが鞘から剣を抜き、剣の表面で男の顔を平打ちにした。
男が痛さに呻く時間すら与えず、すぐさま剣の切っ先をアゴの下ギリギリのところに突きつける。
「……まったく、よく喋ること。お前達の〝正しさ〟になんて、毛の先ほどの興味もないわ。話をすり替えないで」
「ひぃっ……」
男が泣きそうな顔でアンソニーを見上げる。が、剣先はアゴの下に突きつけられたまま動くことはない。
「……確かに、このニライ・カナイという世界はおかしいわ。〝空〟をはじめ、本来あるはずのものをたくさん欠いている。そのうえ、今まで生きてきた世界の常識が通用しない。アタシ達みんな、混沌としている。……けどそんな中、アタシ達異世界人で定めた、アタシ達だけの〝法律〟があるわ。……もちろん、知っているわよねえ?」
水平に突きつけた剣の角度を鋭角に構え直し、アンソニーが問う。
男は何も答えない。……いや、「恐ろしさのあまり答えられない」というのが正しいか。
ガタガタと震えたまま、アンソニーの次の言葉を待つしかできないようだ。
アンソニーは男のアゴに突きつけていた剣を一旦引き、頭上に振りかざす。
「……っ!」
――怖気が全身を駆けめぐる。
アンソニーはあいつを斬る気だ……!
「『お互いの死を探らない、愚弄しない』……それが私達異世界人の、唯一絶対の法律だろうが!!」
「……アンソニー! やめろ!」
――その時だった。
「カン、カン、カン」という喧しい鐘の音が響き、こちらに近づいてきた。
鐘の音からやや遅れて耳に届くのは、車輪の音、そして馬が激しく嘶く声――。
(……消防馬車……!)
「よーしここで止まれ! ホース出せ!!」
馬車の後ろに立つ男が叫ぶ。
御者以外の男達が一斉に飛び降り、馬車に積んであるホースを引っ張り出した。
御者は馬車に乗ったまま手綱を引いて、馬をなだめている。
馬車の後ろに乗っていた男が険しい顔つきでこちらに駆け寄ってきた。
「退いてろ! 正義マン!!」
叫びながら男は空の連盟の人間を蹴り飛ばし、唾を吐いた。
「てめえら、あとで覚えとけよ!! ……おい、準備はいいか!?」
ホースを持った隊員達の接近を確認すると、男が手を振り上げて「放水はじめ!!」と叫んだ。
どうやら、あの男が隊長らしい。合図とともにホースの先端から水が吹き出て、炎に向かって飛んでいく。
消防馬車は2台。水が相当量出ているのに、火の勢いが強いためなかなか火が小さくならない。
放火する際、何か別のもの――薬品や油などを使ったのだろうか?
なぜ、そうまでして……。
消防隊の放った水が家屋の周辺にこぼれ、地面を濡らしていく。
(これ、使える……)
「……水よ……」
魔力を込めて念じると、家屋周りにこぼれていた水が集まってきた。
これで……!
「消えろ!」
叫びながら、燃える家に水球をぶつける。
「ジュワッ」という音とともに一部の火が消えたが、燃えている部分の火が再度浸食してきて小さな火を起こす――。
「おい、そこの! 屍霊術師のお前!」
「!!」
消防隊の1人が僕に駆け寄ってきた。
「そこはたぶんキッチンだ、燃えるモンがいっぱいある! 水の術の一撃はでけえが、ホースで断続的に放水しねえと消えねえだろう! 水かけるなら、他ンとこ頼む!」
「他の……」
「――そうだな、家のてっぺんから水ばら撒いてくれねえか! それは俺達じゃあできねえ!」
「……分かった!」
「頼んだぞ!! ……おい、こっちだ! こっちに水ぶっかけろ!」
男の呼びかけに、消防隊員がホースを引きずりながらこちらへ駆けてきて放水を開始した。
ここは彼らに任せよう。
僕は先ほど言われたように家屋の真上から水をかけることにする。
さっきまでと違って今は水が豊富にある。これだけの量があれば、少ない魔力の消費で水をぶつけ続けられるだろう。
ちら、とアンソニーの方に目をやると、周辺を見回しつつ、先ほど倒した空の連盟の人間の動向を見張っているようだった。
護衛を頼みたいところだが、それどころではなさそうだ。
僕1人で行動に移ろうと思う。ただし、アンソニーの目の届く範囲で――。
「……水よ、僕の元へ」
屋根の方へ手をかざし念じると、家周りにこぼれていた水が家の上部を覆うように集まっていく。
「……行け!」
手を振り下ろすと、水が「バン」という音を立ててトミーの家へと落下した。
屋根の部分の火が消えて煙が上へと舞い上がる。
だが、2階の一部と1階部分はまだ燃えたままだ。
早く次の一撃の準備を……。
「ギャアッ……!」
「!?」
後ろから男の叫び声が聞こえた。
振り返ると、枝が折れる音と葉擦れの音とともに木の上から男が落下しているところだった。
帯剣していたようで、男の近くに小ぶりの剣が転がっている。
さっきアンソニーが倒した奴らの仲間だろう。
右肩には矢が刺さっている。一体、誰が……。
「おう、小僧! なかなかやるじゃあねえか」
「!」
茂みの中から男の声がした。
「キム……」
服屋のキムだ。
縄で縛った男2人を引き摺りながらこちらへ歩いてくる。
キムの右手が光っている。
彼が拳をグッと握ると、光は縄のような形状で茂みに向かって伸びていき、やがて斧2つを引き連れて戻ってきた。家を出る前に持ち出していた斧だ。
どうやら彼も相当の魔力の持ち主のようだ。戦闘用の魔力の生成が上手い。
斧を使うことから、戦いに身を置く人間だったのかもしれない。
「……おう、あんなとこにも〝オトモダチ〟がいやがるな」
アンソニーの足元にいる空の連盟の者を発見したキムはそちらに男を引きずっていき、アンソニーに倒された連中も縄で縛り上げた。
キムは僕の方を指さしながらアンソニーに何事かを告げ、それを受けアンソニーがこちらへ歩み寄ってきた。
アンソニーは先ほど落下してきた男の首根っこをつかんで座らせ、キムから受け取った縄で手と身体を縛る。
続けて男の肩に足を置き、刺さった矢を思い切り引き抜いた。
男は「ギャアッ」叫び声を上げるもアンソニーはそれに構わず、男を蹴り転がし、「うるさい」と冷たく言い放った。
「……お仲間が襲われているのに出てこなかったところを見ると、少しは戦闘経験があるようね。出てくるスキがなかったのでしょう? ……けど、お馬鹿さん。剣をメインの武器に使う人が上から襲いかかるなんて、『狙ってください』って言っているようなものよ」
アンソニーが言い放っている間も上方を矢が駆け抜け、都度誰かに当たった〝音〟がする。地上でも何かの衝撃音と呻き声が聞こえてくる。
全ての戦闘音が止んだあと、男が数人茂みから姿を現した。
みなその手に武器を持ち、捕らえたらしい男を引きずってくる。
おそらくキムが言っていた〝自警団〟の人間だろう。
全員強い。いや、それだけではない。先ほどからアンソニーが言っているように、空の連盟自体が弱いんだ。
アンソニー、キム、そして自警団で捕らえた人間は10人。
弱いくせに集団で寄ってたかってトミーを脅しつけ苦しめ、挙げ句の果てに火を点けた。
――一体彼が何をしたというんだ。
こんなこと、許されていいのか?
僕と消防団の放水により、火事はそれほど時間をかけることなく鎮火できた。
だが家はほとんど全焼だ。黒く焼け焦げた木材から、煙がもうもうと舞い上がっている。
アンソニー、キム、自警団、そして消防団が、捕らえた空の連盟の男達を囲んで見下ろしている。
火は消えた。
だがこの場にいる人間の〝怒り〟は消えない。
――いや、ちがう。
これから燃えて、炎上するんだ……。
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