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2章 ロランと泥の人形
2話 "魂魄読み"
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「おはよう、ロラン君」
10日目の朝、またダリオが厨房にやってきた。
今日の夜に魔力供給を受けたらダリオは"完成形"――人間となり、中の都の市場へ売りに出される。
彼の話を聞けるのも、今日が最後……。
「もうすぐお別れだね、ロラン君。くだらない話をたくさん聞いてくれてありがとう」
「…………」
――くだらなくなんかない。ダリオの話はどれも楽しいものばかりだった。
もうこれきり、彼とは会えないのだろうか……そう考えるとなぜか目の奥が熱くなり、唇が震えてくる。
僕のその様子を見てダリオは目を細めて笑い、僕の頭の上に手をやった。
「……この世界には僕と同じように"作られた人"が大勢いると聞いたけど……僕が元いた世界の人もいるのかな。いるなら、同じ国の人に出会いたいな……」
「…………」
「僕は、どうして死んだんだったかな……。いつかここで、家族と会える日が来るんだろうか」
――その疑問には答えられない。
彼は元いた世界で、自死をした。
彼はまだ完成形じゃないから、死因を知ったらきっと崩れてしまう。
それに、彼が家族に会えることはない。彼の家族が自死をしない限りは……。
「……ロラン君」
ダリオが僕の頭に手を添えたまま、その手を数回動かす。
どういう行動なのか分からずダリオの顔を見上げると、ダリオは潤んだ目で唇を引き結び、しばらくしてまた口を開いた。
「ねえ、僕と一緒に、来てくれないか……」
「!」
「……怖くてたまらないんだ。家族も友達もいない知らない世界で独り生きるなんて、できそうにない。一緒にいてほしいんだ……」
「…………」
――行きたい。
ダリオと一緒に行きたい。
だけどそれはきっと許されない。僕はここで屍霊術師になる勉強をしなければいけない。
僕が何も言えないでいるとダリオは首を振って「ごめん」と笑った。
「そんなこと……できるわけないよね。君には君の生活があるのに」
「全くだ」
「!」
威圧的な低い声が響く。
声の方――厨房の入り口にゴーチエが立っていた。
ゴーチエは大きい靴音を響かせながら厨房に入ってきて、僕とダリオを引き裂くようにして間に立つ。
「あ……」
――肩がこわばる。
ゴーチエは怖い。暴力はふるわないが、僕が何かミスをするたび、彼が気に入らないことをするたびに長時間叱責してくる。
彼は僕に勉強を教えるとき、いつも僕の顔を見ない。
授業のペースも早い。いつも僕の理解など考慮せず早口で話す。
それなのに、叱責するときはそれと打って変わってハッキリとした口調でゆっくり言い聞かせてくる。
僕の肩を持って顔をのぞきこみながら、いかに僕に理解力がなく低脳であるか、いかに僕が愚かで無価値であるかを、完全に理解するまで延々と語るのだ。
僕を産んだ"ベラ"という女は、いつも悲鳴のように大きく高い声で僕の存在を否定した。
あれももちろん嫌だったが、叱責というよりは叫びに近いもので短時間だったからまだマシだった。
"ベラ"は僕と関わりを持つのを嫌っていたから、僕に「何が駄目であったか」を説明させることも、反省文を書かせることもしなかった。
――また長い話を聞かされる……今回は、何が駄目だっただろう。
僕はダリオに質問していないし会話もしていない。
言いつけ通りにしていたはず、決まり事を破ってもいないはず、悪いことなんか何もしていないはず――一体、何が、何が……。
「……すみません、ゴーチエさん。ロラン君に、お別れのあいさつをしていて――」
「死体が生者の名を呼ぶな、汚らわしい」
「…………」
にべも無い言葉にダリオはうつむき、拳をグッと握る。
「話を聞いていたぞ。子供を拐かして連れて行こうとは、大胆なことをするものだ。身代金でも取るつもりか」
「拐かすなんて! 僕はただ――」
「我が子に会えぬ寂しさを別の子供で埋めて紛らわそうと? ……愚かな。その穴はお前の子にしか埋められぬ」
「……それは……」
「そもそも、お前が子供に会えぬのはお前のせいなのだぞ」
「そんな! 僕だって――」
「『死にたくて死んだわけではない』か? 違うぞ。お前は死にたくて死んだんだ」
「……え?」
「!!」
「お前は自殺をしたんだよ、ダリオ・アモローソ。愛しい妻と子を置いてなぁ」
言いながらゴーチエは右手を少し後ろに引き、その手を勢いよくダリオの左胸に突き刺した。
「あ、が……っ」
「ひっ……」
ダリオの身体から青緑色の液体がじわりとにじみ出て、ゴーチエの手を伝い落ちていく。
赤い血じゃない。ダリオが"泥人形"である証拠だ。
彼はまだ完成体――人間になっていない。
自身の死因を知って、心臓も貫かれた。
終わりだ。ダリオは死ぬ。溶けて泥になる――。
――どうして? 何がいけない?
僕もダリオも、何もしていないのに!
顎をがくがくと震わせ呻き声をあげるダリオを見て、ゴーチエはくぐもった声で笑う。
「ロランよ」
「……ヒッ!?」
突然名を呼ばれ、肩が強ばる。
「これからお前に、新たな術を教える。まずはよく目に焼き付けておけ。"魂魄読み"という術だ。ホロウの中にある魂から、情報と記憶を読み取る」
「あ、ぐ……っ」
「……読み取ったあと、術者と対象者の間で魂の裁定が行われる。魂の力が強い者が勝つ。……負けた者は魂と魔力を相手に吸収され、消えてなくなる……!」
ダリオの身体がビクンビクンと痙攣し、青白い光を放ち始める。
光はゴーチエの手を伝ってゴーチエの身体を包み込み、ほどなくして消えた。
「……なるほどなあ。輸入雑貨の店を開いてうまくやっていたが、友人の借金の保証人になったために首が回らなくなった……と」
「っ……!?」
「その友人は音信不通……ハハハッ、裏切られたというわけか。店を抵当に入れても返せず……それで飛び降りてしまったというわけか、可哀想になあ。しかしそうなると、残された妻子が心配だなあ? ……どれ……」
「ぎゃあああ……っ!!」
絶叫と、「ゴボリ、ゴボリ」という湯が煮えたぎるような音が響く。
ゴーチエの肩越しに、ダリオの顔と手が徐々に薄青色に変わっていく様子が見える……。
「……!!」
――怖い。声が出ない。歯がガチガチと音を立てる。
「はっはっは、これはこれは……奥方は今、お前の借金を身体で支払わされているようだぞ。それと、お前の可愛い息子は人買いに連れて行かれた」
「そ、そん……な」
「口減らしだろうかなあ? ああ、可哀想に。お前の宝は今不幸のどん底だ。さて……誰の所為だろうかなあ……?」
高笑いをしながらゴーチエがダリオの胸元から手を引き抜く。
それと同時にダリオは膝から崩れ落ちた。足が形を為していない――泥になって溶けたのだ。
ダリオの顔の色は先ほどよりも青みを増している。もうじき、溶けてなくなるだろう。
「ヒッ、ヒッ、……ダ……」
「ダリオ」と呼ぼうとするも、うまく発声できない。
ダリオは僕の顔を見て涙をぼろぼろと流し、倒れ込むように僕に抱きついてきた。
「ダ、ダリ――」
「ティト……」
「!」
――それは彼が自分の世界に残してきた、彼の子供の名前。
ダリオは僕の背と頭をさすりながら、その名を呪文のように連呼する。
「ティト、ティト……ああ……」
「…………」
温かかった身体が冷えていく。
頭に置かれた手が、背に添えられた手が、どろりどろりと溶けていく――。
「……ティト、ごめん……とうさんを、ゆる、して……」
最後にそう言い残し、ダリオ・アモローソは青緑色の泥となって溶けた。
10日目の朝、またダリオが厨房にやってきた。
今日の夜に魔力供給を受けたらダリオは"完成形"――人間となり、中の都の市場へ売りに出される。
彼の話を聞けるのも、今日が最後……。
「もうすぐお別れだね、ロラン君。くだらない話をたくさん聞いてくれてありがとう」
「…………」
――くだらなくなんかない。ダリオの話はどれも楽しいものばかりだった。
もうこれきり、彼とは会えないのだろうか……そう考えるとなぜか目の奥が熱くなり、唇が震えてくる。
僕のその様子を見てダリオは目を細めて笑い、僕の頭の上に手をやった。
「……この世界には僕と同じように"作られた人"が大勢いると聞いたけど……僕が元いた世界の人もいるのかな。いるなら、同じ国の人に出会いたいな……」
「…………」
「僕は、どうして死んだんだったかな……。いつかここで、家族と会える日が来るんだろうか」
――その疑問には答えられない。
彼は元いた世界で、自死をした。
彼はまだ完成形じゃないから、死因を知ったらきっと崩れてしまう。
それに、彼が家族に会えることはない。彼の家族が自死をしない限りは……。
「……ロラン君」
ダリオが僕の頭に手を添えたまま、その手を数回動かす。
どういう行動なのか分からずダリオの顔を見上げると、ダリオは潤んだ目で唇を引き結び、しばらくしてまた口を開いた。
「ねえ、僕と一緒に、来てくれないか……」
「!」
「……怖くてたまらないんだ。家族も友達もいない知らない世界で独り生きるなんて、できそうにない。一緒にいてほしいんだ……」
「…………」
――行きたい。
ダリオと一緒に行きたい。
だけどそれはきっと許されない。僕はここで屍霊術師になる勉強をしなければいけない。
僕が何も言えないでいるとダリオは首を振って「ごめん」と笑った。
「そんなこと……できるわけないよね。君には君の生活があるのに」
「全くだ」
「!」
威圧的な低い声が響く。
声の方――厨房の入り口にゴーチエが立っていた。
ゴーチエは大きい靴音を響かせながら厨房に入ってきて、僕とダリオを引き裂くようにして間に立つ。
「あ……」
――肩がこわばる。
ゴーチエは怖い。暴力はふるわないが、僕が何かミスをするたび、彼が気に入らないことをするたびに長時間叱責してくる。
彼は僕に勉強を教えるとき、いつも僕の顔を見ない。
授業のペースも早い。いつも僕の理解など考慮せず早口で話す。
それなのに、叱責するときはそれと打って変わってハッキリとした口調でゆっくり言い聞かせてくる。
僕の肩を持って顔をのぞきこみながら、いかに僕に理解力がなく低脳であるか、いかに僕が愚かで無価値であるかを、完全に理解するまで延々と語るのだ。
僕を産んだ"ベラ"という女は、いつも悲鳴のように大きく高い声で僕の存在を否定した。
あれももちろん嫌だったが、叱責というよりは叫びに近いもので短時間だったからまだマシだった。
"ベラ"は僕と関わりを持つのを嫌っていたから、僕に「何が駄目であったか」を説明させることも、反省文を書かせることもしなかった。
――また長い話を聞かされる……今回は、何が駄目だっただろう。
僕はダリオに質問していないし会話もしていない。
言いつけ通りにしていたはず、決まり事を破ってもいないはず、悪いことなんか何もしていないはず――一体、何が、何が……。
「……すみません、ゴーチエさん。ロラン君に、お別れのあいさつをしていて――」
「死体が生者の名を呼ぶな、汚らわしい」
「…………」
にべも無い言葉にダリオはうつむき、拳をグッと握る。
「話を聞いていたぞ。子供を拐かして連れて行こうとは、大胆なことをするものだ。身代金でも取るつもりか」
「拐かすなんて! 僕はただ――」
「我が子に会えぬ寂しさを別の子供で埋めて紛らわそうと? ……愚かな。その穴はお前の子にしか埋められぬ」
「……それは……」
「そもそも、お前が子供に会えぬのはお前のせいなのだぞ」
「そんな! 僕だって――」
「『死にたくて死んだわけではない』か? 違うぞ。お前は死にたくて死んだんだ」
「……え?」
「!!」
「お前は自殺をしたんだよ、ダリオ・アモローソ。愛しい妻と子を置いてなぁ」
言いながらゴーチエは右手を少し後ろに引き、その手を勢いよくダリオの左胸に突き刺した。
「あ、が……っ」
「ひっ……」
ダリオの身体から青緑色の液体がじわりとにじみ出て、ゴーチエの手を伝い落ちていく。
赤い血じゃない。ダリオが"泥人形"である証拠だ。
彼はまだ完成体――人間になっていない。
自身の死因を知って、心臓も貫かれた。
終わりだ。ダリオは死ぬ。溶けて泥になる――。
――どうして? 何がいけない?
僕もダリオも、何もしていないのに!
顎をがくがくと震わせ呻き声をあげるダリオを見て、ゴーチエはくぐもった声で笑う。
「ロランよ」
「……ヒッ!?」
突然名を呼ばれ、肩が強ばる。
「これからお前に、新たな術を教える。まずはよく目に焼き付けておけ。"魂魄読み"という術だ。ホロウの中にある魂から、情報と記憶を読み取る」
「あ、ぐ……っ」
「……読み取ったあと、術者と対象者の間で魂の裁定が行われる。魂の力が強い者が勝つ。……負けた者は魂と魔力を相手に吸収され、消えてなくなる……!」
ダリオの身体がビクンビクンと痙攣し、青白い光を放ち始める。
光はゴーチエの手を伝ってゴーチエの身体を包み込み、ほどなくして消えた。
「……なるほどなあ。輸入雑貨の店を開いてうまくやっていたが、友人の借金の保証人になったために首が回らなくなった……と」
「っ……!?」
「その友人は音信不通……ハハハッ、裏切られたというわけか。店を抵当に入れても返せず……それで飛び降りてしまったというわけか、可哀想になあ。しかしそうなると、残された妻子が心配だなあ? ……どれ……」
「ぎゃあああ……っ!!」
絶叫と、「ゴボリ、ゴボリ」という湯が煮えたぎるような音が響く。
ゴーチエの肩越しに、ダリオの顔と手が徐々に薄青色に変わっていく様子が見える……。
「……!!」
――怖い。声が出ない。歯がガチガチと音を立てる。
「はっはっは、これはこれは……奥方は今、お前の借金を身体で支払わされているようだぞ。それと、お前の可愛い息子は人買いに連れて行かれた」
「そ、そん……な」
「口減らしだろうかなあ? ああ、可哀想に。お前の宝は今不幸のどん底だ。さて……誰の所為だろうかなあ……?」
高笑いをしながらゴーチエがダリオの胸元から手を引き抜く。
それと同時にダリオは膝から崩れ落ちた。足が形を為していない――泥になって溶けたのだ。
ダリオの顔の色は先ほどよりも青みを増している。もうじき、溶けてなくなるだろう。
「ヒッ、ヒッ、……ダ……」
「ダリオ」と呼ぼうとするも、うまく発声できない。
ダリオは僕の顔を見て涙をぼろぼろと流し、倒れ込むように僕に抱きついてきた。
「ダ、ダリ――」
「ティト……」
「!」
――それは彼が自分の世界に残してきた、彼の子供の名前。
ダリオは僕の背と頭をさすりながら、その名を呪文のように連呼する。
「ティト、ティト……ああ……」
「…………」
温かかった身体が冷えていく。
頭に置かれた手が、背に添えられた手が、どろりどろりと溶けていく――。
「……ティト、ごめん……とうさんを、ゆる、して……」
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