20 / 108
2章 ロランと泥の人形
9話 倫理:特進Aクラスの田中君(前)
しおりを挟む
倫理が塾講師のアルバイトを始めたのは、大学2年の時のこと。
担当は中2クラスの国語だ。
国語は得意だったが、教えるとなると途端に難しい。
研修はもちろんあったが、家でも「塾講師の手引き書」的な本を2、3冊買って読み、必死に脳内シミュレーションをしてから臨んだ。
「カッシー、分からんとこあんねん。塾の問題とちゃうやつやねんけど、ええかな」
「おー、ええよ。どれ?」
「えっとな……」
最初こそ不安だったが仕事は順調で、生徒との関係も自分では良いと思えた。
主に受け持っていたクラスが成績中堅どころで気楽な雰囲気だったから、というのもあるかもしれない。
講師の仕事をしていたのは1年ほどだったが、その中でひとつ、心の中にしこりを残す苦い出来事があった。
「おっ、田中君。おはよう~」
「……おはようございます」
「今日の"特A"の国語、オレやねん。安田先生休んでもうてさあ」
「……そうなんですか」
「特A」というのは「特進Aクラス」の略。中1の段階から難関高校を視野に入れているクラスだ。
他の先生の代理で、たまにここに教えに行くことがあった。
生徒の偏差値平均は69から70。高校受験当時の偏差値が65だった倫理からすれば、雲の上の存在とも呼べる子達だ。
その特Aクラスの中で飛び抜けて優秀な子が、この田中 奨君という男の子だ。
5教科の偏差値平均は77で、学校の定期テスト、塾の模試ともに常に1位。大阪府下どころか全国でもトップクラスの高校を狙えるほどの学力だった。
「選ばれし者」とは、こういう子のことをいうのだろうと思っていた。
「そんなわけで、楽しみにしといてな~」
「……ああ……はい」
小さく会釈をして、田中君は早歩きで特Aの教室に入ってしまう。
(嫌われてるよなあ、やっぱり……)
田中君に好かれている気がしない。
寡黙な彼にとって、「声が大きくノリが軽い上に髪が茶色い男」というのは極めて苦手な人間として分類されるのだろう。
確かにノリは軽いが髪は地毛だし、別にものすごい陽キャというわけではないのだが……。
◇
「田中君、体調でも悪かったんかなあ」
「え?」
ある日職員室で次の授業の準備をしていると、特Aで英語を教えている先輩講師がそうつぶやいた。
夏休み明けに塾内で実力テストが行われたが、いつもトップだった田中君が今回4位だったらしい。
「……そんな時もあるんちがいます? たまたまでしょ」
「うん、まあなぁ……」
倫理の言葉に先輩講師が渋い顔をして「何もなかったらええねんけどな」とつぶやく。
(4位でもすごいのになぁ……)
あれくらいできる子だと、やはりいつでも1位を期待されるものなのだろうか。
塾としては実績が欲しいから、超難関校に行けるかもしれない生徒の成績はそれは気になるだろう。
でも学校の定期テストではなく塾のものなのだから、そんなに気を張る必要もないだろうに――その時はそんなことを考えていた。
だが、事態は思っていたよりも深刻だった。
「すみません」
「はい」
10月下旬、1人の女性が塾の職員室にやってきた。
40代くらいの女性だ――生徒の母親か、それか入塾の申し込みだろう。他に誰もいなかったので、倫理が応対をした。
「特進Aクラスの田中奨の母ですけれども」
「田中さん。ああー、いつもお世話に――」
「お話あるんですけど! ……塾長さん、いてはります!?」
倫理の返答を待たず、田中君の母親が噛みつくように叫ぶ。
田中君の成績はあれからもじわじわと下がり続けていた。
学校の中間テストの成績も芳しくなく、全教科の平均点が1学期より10点以上下がっていたという。
塾のテストの成績も良くない。夏休み明けの時のように「そんな時もあるのでは」とはとても言えない状態に陥っていた。
母親のこの勢い――十中八九、「なぜ息子の成績が下がったのだ」と苦情を入れに来たのだろう。
そうやって乗り込んでくる親は少なくない、と、塾長や先輩講師から聞いたことがある。
応接室に田中母を通して塾長を呼んだ。
応接室は職員室のすぐ隣にある――聞くつもりはないが、田中母が大声で喋るから内容は筒抜けだった。
内容は予想通り、息子の成績が下がったことに対する糾弾。
一体何を指導している、こちらは高い金を払っているのに、夏期講習の成果が全然なかった、金を返せ――そんなようなことだった。
「何を指導している」――特Aをメインで受け持っているのは他の講師だったが、その人の代打で教えたことがあったので心に来るものがあった。
その日の帰り、この母親が田中君と話しているのを偶然目にした。
……「話している」というより、母親が一方的にまくし立てているようだった。
「何よあの塾長、子供の成績で金取ってるくせにえらっそーに説教してきて。誰がお金出してる思てんのよ!」
「お金出してんの、お父さんやん」
「奨ちゃんっ! なんでそんなん言うの!? お母さんは奨ちゃんのために怒ってるのよ!?」
息子の思わぬ反抗に、田中母が塾長にやったようにまた大声でまくし立てる。
――奨ちゃんのことはお母さんが一番よう考えてる、お父さんはお金出してるだけ、塾の先生なんか奨ちゃんの成績しか見てへんの。
"先生"とか言われて偉そうにして! たかだかK大とかM大とかS大程度のアタマのくせして……。
(おいおいおいおい……)
K大もM大もS大も、いずれも相当に良い大学だ。
そこを"たかだか"と言われたら、そこより下の大学に行っている自分は立つ瀬がない。
……というか、ここは塾の駐車場だ。塾生やその保護者が頻繁に通りかかる。
不快に思われるだけならまだいいが、下手をすると「田中君がそう思っている」と思われる可能性がある。
止めるべきかもしれない。
だが、この仕事を始めるとき塾長に「相談されない限り生徒のプライベートな事情には決して踏み込まないように」と忠告を受けているし、もし会話に割って入ったら田中母がさらにヒートアップしてしまうかもしれない。
それで割を食うのは自分ではなく田中君だ――それは避けたい。
しかし、どうしても入らざるを得ない。
田中君達がいるのは駐輪場、それもちょうど自分のバイクが置いてあるところなのだ。
(どないしょう……)
田中君は母親に言い返すのをあきらめたようだ。色の消え去った顔で親指の爪をガジガジと噛んでいる。
それを見た田中母が「そのクセやめなさいって言うてるでしょ!?」と金切り声を上げ、「大体奨ちゃんは……」と、成績と何の関連もない説教を始める。
――見ていられない……。
担当は中2クラスの国語だ。
国語は得意だったが、教えるとなると途端に難しい。
研修はもちろんあったが、家でも「塾講師の手引き書」的な本を2、3冊買って読み、必死に脳内シミュレーションをしてから臨んだ。
「カッシー、分からんとこあんねん。塾の問題とちゃうやつやねんけど、ええかな」
「おー、ええよ。どれ?」
「えっとな……」
最初こそ不安だったが仕事は順調で、生徒との関係も自分では良いと思えた。
主に受け持っていたクラスが成績中堅どころで気楽な雰囲気だったから、というのもあるかもしれない。
講師の仕事をしていたのは1年ほどだったが、その中でひとつ、心の中にしこりを残す苦い出来事があった。
「おっ、田中君。おはよう~」
「……おはようございます」
「今日の"特A"の国語、オレやねん。安田先生休んでもうてさあ」
「……そうなんですか」
「特A」というのは「特進Aクラス」の略。中1の段階から難関高校を視野に入れているクラスだ。
他の先生の代理で、たまにここに教えに行くことがあった。
生徒の偏差値平均は69から70。高校受験当時の偏差値が65だった倫理からすれば、雲の上の存在とも呼べる子達だ。
その特Aクラスの中で飛び抜けて優秀な子が、この田中 奨君という男の子だ。
5教科の偏差値平均は77で、学校の定期テスト、塾の模試ともに常に1位。大阪府下どころか全国でもトップクラスの高校を狙えるほどの学力だった。
「選ばれし者」とは、こういう子のことをいうのだろうと思っていた。
「そんなわけで、楽しみにしといてな~」
「……ああ……はい」
小さく会釈をして、田中君は早歩きで特Aの教室に入ってしまう。
(嫌われてるよなあ、やっぱり……)
田中君に好かれている気がしない。
寡黙な彼にとって、「声が大きくノリが軽い上に髪が茶色い男」というのは極めて苦手な人間として分類されるのだろう。
確かにノリは軽いが髪は地毛だし、別にものすごい陽キャというわけではないのだが……。
◇
「田中君、体調でも悪かったんかなあ」
「え?」
ある日職員室で次の授業の準備をしていると、特Aで英語を教えている先輩講師がそうつぶやいた。
夏休み明けに塾内で実力テストが行われたが、いつもトップだった田中君が今回4位だったらしい。
「……そんな時もあるんちがいます? たまたまでしょ」
「うん、まあなぁ……」
倫理の言葉に先輩講師が渋い顔をして「何もなかったらええねんけどな」とつぶやく。
(4位でもすごいのになぁ……)
あれくらいできる子だと、やはりいつでも1位を期待されるものなのだろうか。
塾としては実績が欲しいから、超難関校に行けるかもしれない生徒の成績はそれは気になるだろう。
でも学校の定期テストではなく塾のものなのだから、そんなに気を張る必要もないだろうに――その時はそんなことを考えていた。
だが、事態は思っていたよりも深刻だった。
「すみません」
「はい」
10月下旬、1人の女性が塾の職員室にやってきた。
40代くらいの女性だ――生徒の母親か、それか入塾の申し込みだろう。他に誰もいなかったので、倫理が応対をした。
「特進Aクラスの田中奨の母ですけれども」
「田中さん。ああー、いつもお世話に――」
「お話あるんですけど! ……塾長さん、いてはります!?」
倫理の返答を待たず、田中君の母親が噛みつくように叫ぶ。
田中君の成績はあれからもじわじわと下がり続けていた。
学校の中間テストの成績も芳しくなく、全教科の平均点が1学期より10点以上下がっていたという。
塾のテストの成績も良くない。夏休み明けの時のように「そんな時もあるのでは」とはとても言えない状態に陥っていた。
母親のこの勢い――十中八九、「なぜ息子の成績が下がったのだ」と苦情を入れに来たのだろう。
そうやって乗り込んでくる親は少なくない、と、塾長や先輩講師から聞いたことがある。
応接室に田中母を通して塾長を呼んだ。
応接室は職員室のすぐ隣にある――聞くつもりはないが、田中母が大声で喋るから内容は筒抜けだった。
内容は予想通り、息子の成績が下がったことに対する糾弾。
一体何を指導している、こちらは高い金を払っているのに、夏期講習の成果が全然なかった、金を返せ――そんなようなことだった。
「何を指導している」――特Aをメインで受け持っているのは他の講師だったが、その人の代打で教えたことがあったので心に来るものがあった。
その日の帰り、この母親が田中君と話しているのを偶然目にした。
……「話している」というより、母親が一方的にまくし立てているようだった。
「何よあの塾長、子供の成績で金取ってるくせにえらっそーに説教してきて。誰がお金出してる思てんのよ!」
「お金出してんの、お父さんやん」
「奨ちゃんっ! なんでそんなん言うの!? お母さんは奨ちゃんのために怒ってるのよ!?」
息子の思わぬ反抗に、田中母が塾長にやったようにまた大声でまくし立てる。
――奨ちゃんのことはお母さんが一番よう考えてる、お父さんはお金出してるだけ、塾の先生なんか奨ちゃんの成績しか見てへんの。
"先生"とか言われて偉そうにして! たかだかK大とかM大とかS大程度のアタマのくせして……。
(おいおいおいおい……)
K大もM大もS大も、いずれも相当に良い大学だ。
そこを"たかだか"と言われたら、そこより下の大学に行っている自分は立つ瀬がない。
……というか、ここは塾の駐車場だ。塾生やその保護者が頻繁に通りかかる。
不快に思われるだけならまだいいが、下手をすると「田中君がそう思っている」と思われる可能性がある。
止めるべきかもしれない。
だが、この仕事を始めるとき塾長に「相談されない限り生徒のプライベートな事情には決して踏み込まないように」と忠告を受けているし、もし会話に割って入ったら田中母がさらにヒートアップしてしまうかもしれない。
それで割を食うのは自分ではなく田中君だ――それは避けたい。
しかし、どうしても入らざるを得ない。
田中君達がいるのは駐輪場、それもちょうど自分のバイクが置いてあるところなのだ。
(どないしょう……)
田中君は母親に言い返すのをあきらめたようだ。色の消え去った顔で親指の爪をガジガジと噛んでいる。
それを見た田中母が「そのクセやめなさいって言うてるでしょ!?」と金切り声を上げ、「大体奨ちゃんは……」と、成績と何の関連もない説教を始める。
――見ていられない……。
12
あなたにおすすめの小説
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
隊長さんとボク
ばたかっぷ
BL
ボクの名前はエナ。
エドリアーリアナ国の守護神獣だけど、斑色の毛並みのボクはいつもひとりぼっち。
そんなボクの前に現れたのは優しい隊長さんだった――。
王候騎士団隊長さんが大好きな小動物が頑張る、なんちゃってファンタジーです。
きゅ~きゅ~鳴くもふもふな小動物とそのもふもふを愛でる隊長さんで構成されています。
えろ皆無らぶ成分も極小ですσ(^◇^;)本格ファンタジーをお求めの方は回れ右でお願いします~m(_ _)m
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる