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2章 ロランと泥の人形
8話 提案
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「あれ? ロラン君。どうしたん?」
「『どうした』じゃない。魔力供給の時間だろう」
「えっ」
その日の夜。言いつけてあった時間になってもトモミチが来ないので、僕はトモミチの部屋――安置室へ向かった。
もしや溶けてしまっているのでは……と思ったが、ちゃんとした形でちゃんと活動していた。
机の上に「貝がら姫」の絵本が置いてある。絵本を見ながら何か書き物をしていたようだ。
この机とイスは、例によって「お願いがあんねんけど」と要求され用意してやったものだ。
「うわ……ホンマや。しまったな」
トモミチは壁掛け時計と砂が落ちきった砂時計を見て苦笑いしながら後頭部をポリポリと掻く。
「せやけどアレやな、時間過ぎたらすぐ溶けるわけちゃうねんな」
「恐らくお前の潜在魔力が大きいからだろう」
「せんざいまりょく。ふーん……なんかよう分からんけど」
「だがあまり時間はない。早く済ませるぞ」
「はいよ」
言いながらトモミチが立ち上がり、僕の方へ歩み寄ってくる。
「早く済ませるぞ」と言ったが、夜に唇を合わせる時はトモミチきっかけだ。
何か僕がキスをねだっているように思えて気分が良くない。
「あのさあ、ふと気になってんけど」
「…………っ」
……その上、唇を合わせるため僕の肩や頬を持ってもなぜかすぐに唇を合わせない。
「今日はありがとう」とか「おやすみ」とか、毎回何か一言あるのだ。
「な……何だ? 早くしないと」
「や、これだけちょっと聞きたくてさ。魔力供給のあとオレぶっ倒れるやん? そのあとどーやってここまで運んでんのかなって。アンソニーさんが運んでんの?」
「初日だけアンソニーが運んだ。以降は私が魔法でここへ飛ばしている」
「魔法で? へー、すごいな」
「別にすごくはない。飛ばせると言っても、術の範囲はこの庵の中にしか及ばないし」
「いやそれでも普通にすごいって。え、もしかして瞬間移動とかもできたり?」
「……瞬間移動の術はある。が、僕は使えない」
転移魔法は、人・モノを飛ばす術と自身が飛ぶ術がある。
師ゴーチエは転移魔法でニライ・カナイのどこへでも飛ぶことができたが、僕はそのどちらも不得手で、どれだけ意識を集中させても"モノを飛ばす"術しか習得できなかった。
失敗をするたびに「なぜ言われた通りにできない、愚図が」と詰められていた……。
「……へぇ~、奇遇やな。オレもでけへんで」
「え?」
「いや~、昔っから転移魔法だけはアカンかってんよな~」
"転移魔法"の部分を殊更に強調しながらトモミチが小さく手を広げ、首を振ってみせる。
アンソニーがやるような芝居がかったわざとらしい動作だ。これは……。
「……嘘をついてるだろう」
「あ、バレた? フフッ」
「…………」
「ゴメンゴメン、怒らんといて。オレらんとこでは魔法なんかないし、瞬間移動使われへんくらい大したことちゃうやろー思て。……で、本題やねんけど。オレをその魔法でここに運ぶのとキミが直接ここ来るのんやったら、どっちが労力使うんかな?」
「どちらもそう変わらない」
「じゃあさー、夜もロラン君がこの部屋に来て欲しいんやけど、アカンかな」
「え? ……なぜ」
「魔力供給終わったあとに受け身も取れんで石の床にぶっ倒れんの、何気に怖いんよな。ベッドに座った状態でファサーって倒れられたらエエのにーって昔から思ててん」
(昔から……)
――「4日しか経っていないだろう」とか、引っかかった言葉をいちいち拾い上げて指摘してはいけない。
こいつが会話に混ぜる小さい嘘の数々は、会話を違う方向に広げて長引かせる"策"なのだ。
昨日と今日で、嫌というほど分からされた……。
「……やっぱ、アカンかなあ。『オマエが来いや』って?」
トモミチが眉を下げて首を傾け笑う。
今の僕の沈黙を、僕が嫌がっているからと考えたようだ。
「あ……」
『なぜ私がお前などのために時間を割いてやらねばならん? 愚図が』
「っ……!」
――頭の中に響く、師ゴーチエの言葉。
僕が何かを決めようとするときはいつもこうだ。
脳裏にゴーチエの顰め面が浮かび、あらゆる言葉で僕を貶め、罵倒し、僕の思考と言動を阻む。
『良いかロラン、私の時間は私のためだけにある。時間とは宝だ。私の宝を奪うのならば、それに見合う"対価"が必要だ。お前にそれが用意できるのか? できないだろう』
「…………」
――僕の時間は僕のためだけにある、時間は宝、奪うのならば対価が必要、対価を用意できないこいつのために、僕が時間を割いてやる必要など……。
「ロラン君? 大丈夫か」
「!」
トモミチに肩を揺すられ我に返る。
「ゴメン、変なこと言って。やっぱもらう側が行くのが普通やんな」
「あ……」
「でも今日だけちょっと、ベッドに座ってさせてくれる? たまにはフワフワのとこで倒れたいねん」
「わ、分かっ……た」
僕の返事にトモミチは微笑を浮かべ、僕の背中を軽く叩いてベッドの所へ誘導する。
先にトモミチがベッドに座り、「やっぱ、たまには靴脱いで寝たいよな」と言いながら革靴を脱ぎ捨てた。
その後、自分の隣を数回ポンポン叩く。そちらに座れということらしい。
おずおずとそちらへ歩み寄りゆっくり腰掛けると、トモミチは僕の肩を持って「今日はありがとうな」と笑った。
「……何がだ?」
「字教えてくれたし、本も買うてくれたやん」
「別に……『文字を覚えたら静かになると思う』と言うからそうしただけだ」
――全然静かにならなかったどころか、余計にうるさくなったわけだが……。
「ロラン君、教えんのうまいよなあ。オレ大学ん時バイトで塾の講師やっとってんけど、教えんのって結構ムズいねんよな」
「たかが30の文字を教えるのに上手いも下手もない」
「いやいや、でも色んなことよう知ってるやんか。勉強好きなん? 賢いなあ」
「勉強は日課だ、別に賢くはない」
「……めーっちゃ否定するやん」
「え?」
「褒めてんのに『自分なんか大したことない』ってめちゃめちゃプレゼンしてくるやん。なんで?」
「…………」
――『こんな当たり前のことができたからといって調子に乗るな、馬鹿め。今できていないことはいくつある? 言ってみろ』
「…………、全部、できて当たり前のことだ」
「当たり前ってことはないやろー」
「僕の知識も魔術も大したことはない。……先生に、比べたら」
「先生? えっと……屍霊術師の?」
「……そうだ。ゴーチエ・ミストラル――ニライ・カナイで彼を知らない者はいない。賢者と言われていた。魔術にも薬学にも精通していて」
「そらすごい。せやけどオレはロラン君個人をすごいって言うたんやで」
「…………」
――それに対する否定の言葉を出すよりも前に、トモミチが僕の背中をさすりながら口を開く。
「ロラン君は、田中君とちょっと似てるなあ……」
「タナカ君……?」
聞き返したらまた長話が始まってしまうのに、つい復唱してしまった。
「オレが塾の講師やってるときにちょっと教えてた子やねん。めちゃめちゃ頑張り屋で成績よくてさあ、全国でトップクラスの高校狙えるんちゃうって言われてて……」
ペラペラとよく喋るトモミチが、珍しく言葉に詰まる。
おそらくそのタナカ君という奴は、「トップクラスの高校」には行けなかったのだろう。
「……僕は、そいつとは違う……」
「はは……せやなあ、ゴメン。田中君とロラン君は違う人間。……それと、ロラン君とその先生も違う人間やで」
「え……?」
「その"ゴーチエ先生"がどんだけすごいんか知らんけど。少なくとも"栢木先生"は、ロラン君は色んなことよう知ってるし、すごいと思てるで。それは絶対、ウソとちゃうから……」
「!」
頬に手が添えられ、唇が重なり合う。
いつものようにトモミチの手が背中に回ってきて、僕はその手の中に収まる。
しばらくの間のあとトモミチは腕を離し、トロンとした目で「おやすみ」と言ってベッドに崩れ落ちた。
「…………」
用事は済んだ。さっさとこの部屋から出よう――そう思うのに、なぜか体が動かない。
顔が熱い。心臓がドクドクと脈打っている。
どういう現象なのか分からない。魔力供給の時刻を十数分も過ぎていたから、その分魔力が多く流れ出ていったのだろうか?
心臓の鼓動が収まってから部屋を立ち去ろうと思ったが、いつまで経っても収まらない。
結局僕はそのあとしばらく、ベッドに横たわっているトモミチの顔を見つめ続けていた。
ふと気になって頬を触ってみると、ひんやりと冷たい――やはり彼は間違いなく"死人"だ。
当たり前のはずのその事実に、なぜか頭がグラグラした。
「『どうした』じゃない。魔力供給の時間だろう」
「えっ」
その日の夜。言いつけてあった時間になってもトモミチが来ないので、僕はトモミチの部屋――安置室へ向かった。
もしや溶けてしまっているのでは……と思ったが、ちゃんとした形でちゃんと活動していた。
机の上に「貝がら姫」の絵本が置いてある。絵本を見ながら何か書き物をしていたようだ。
この机とイスは、例によって「お願いがあんねんけど」と要求され用意してやったものだ。
「うわ……ホンマや。しまったな」
トモミチは壁掛け時計と砂が落ちきった砂時計を見て苦笑いしながら後頭部をポリポリと掻く。
「せやけどアレやな、時間過ぎたらすぐ溶けるわけちゃうねんな」
「恐らくお前の潜在魔力が大きいからだろう」
「せんざいまりょく。ふーん……なんかよう分からんけど」
「だがあまり時間はない。早く済ませるぞ」
「はいよ」
言いながらトモミチが立ち上がり、僕の方へ歩み寄ってくる。
「早く済ませるぞ」と言ったが、夜に唇を合わせる時はトモミチきっかけだ。
何か僕がキスをねだっているように思えて気分が良くない。
「あのさあ、ふと気になってんけど」
「…………っ」
……その上、唇を合わせるため僕の肩や頬を持ってもなぜかすぐに唇を合わせない。
「今日はありがとう」とか「おやすみ」とか、毎回何か一言あるのだ。
「な……何だ? 早くしないと」
「や、これだけちょっと聞きたくてさ。魔力供給のあとオレぶっ倒れるやん? そのあとどーやってここまで運んでんのかなって。アンソニーさんが運んでんの?」
「初日だけアンソニーが運んだ。以降は私が魔法でここへ飛ばしている」
「魔法で? へー、すごいな」
「別にすごくはない。飛ばせると言っても、術の範囲はこの庵の中にしか及ばないし」
「いやそれでも普通にすごいって。え、もしかして瞬間移動とかもできたり?」
「……瞬間移動の術はある。が、僕は使えない」
転移魔法は、人・モノを飛ばす術と自身が飛ぶ術がある。
師ゴーチエは転移魔法でニライ・カナイのどこへでも飛ぶことができたが、僕はそのどちらも不得手で、どれだけ意識を集中させても"モノを飛ばす"術しか習得できなかった。
失敗をするたびに「なぜ言われた通りにできない、愚図が」と詰められていた……。
「……へぇ~、奇遇やな。オレもでけへんで」
「え?」
「いや~、昔っから転移魔法だけはアカンかってんよな~」
"転移魔法"の部分を殊更に強調しながらトモミチが小さく手を広げ、首を振ってみせる。
アンソニーがやるような芝居がかったわざとらしい動作だ。これは……。
「……嘘をついてるだろう」
「あ、バレた? フフッ」
「…………」
「ゴメンゴメン、怒らんといて。オレらんとこでは魔法なんかないし、瞬間移動使われへんくらい大したことちゃうやろー思て。……で、本題やねんけど。オレをその魔法でここに運ぶのとキミが直接ここ来るのんやったら、どっちが労力使うんかな?」
「どちらもそう変わらない」
「じゃあさー、夜もロラン君がこの部屋に来て欲しいんやけど、アカンかな」
「え? ……なぜ」
「魔力供給終わったあとに受け身も取れんで石の床にぶっ倒れんの、何気に怖いんよな。ベッドに座った状態でファサーって倒れられたらエエのにーって昔から思ててん」
(昔から……)
――「4日しか経っていないだろう」とか、引っかかった言葉をいちいち拾い上げて指摘してはいけない。
こいつが会話に混ぜる小さい嘘の数々は、会話を違う方向に広げて長引かせる"策"なのだ。
昨日と今日で、嫌というほど分からされた……。
「……やっぱ、アカンかなあ。『オマエが来いや』って?」
トモミチが眉を下げて首を傾け笑う。
今の僕の沈黙を、僕が嫌がっているからと考えたようだ。
「あ……」
『なぜ私がお前などのために時間を割いてやらねばならん? 愚図が』
「っ……!」
――頭の中に響く、師ゴーチエの言葉。
僕が何かを決めようとするときはいつもこうだ。
脳裏にゴーチエの顰め面が浮かび、あらゆる言葉で僕を貶め、罵倒し、僕の思考と言動を阻む。
『良いかロラン、私の時間は私のためだけにある。時間とは宝だ。私の宝を奪うのならば、それに見合う"対価"が必要だ。お前にそれが用意できるのか? できないだろう』
「…………」
――僕の時間は僕のためだけにある、時間は宝、奪うのならば対価が必要、対価を用意できないこいつのために、僕が時間を割いてやる必要など……。
「ロラン君? 大丈夫か」
「!」
トモミチに肩を揺すられ我に返る。
「ゴメン、変なこと言って。やっぱもらう側が行くのが普通やんな」
「あ……」
「でも今日だけちょっと、ベッドに座ってさせてくれる? たまにはフワフワのとこで倒れたいねん」
「わ、分かっ……た」
僕の返事にトモミチは微笑を浮かべ、僕の背中を軽く叩いてベッドの所へ誘導する。
先にトモミチがベッドに座り、「やっぱ、たまには靴脱いで寝たいよな」と言いながら革靴を脱ぎ捨てた。
その後、自分の隣を数回ポンポン叩く。そちらに座れということらしい。
おずおずとそちらへ歩み寄りゆっくり腰掛けると、トモミチは僕の肩を持って「今日はありがとうな」と笑った。
「……何がだ?」
「字教えてくれたし、本も買うてくれたやん」
「別に……『文字を覚えたら静かになると思う』と言うからそうしただけだ」
――全然静かにならなかったどころか、余計にうるさくなったわけだが……。
「ロラン君、教えんのうまいよなあ。オレ大学ん時バイトで塾の講師やっとってんけど、教えんのって結構ムズいねんよな」
「たかが30の文字を教えるのに上手いも下手もない」
「いやいや、でも色んなことよう知ってるやんか。勉強好きなん? 賢いなあ」
「勉強は日課だ、別に賢くはない」
「……めーっちゃ否定するやん」
「え?」
「褒めてんのに『自分なんか大したことない』ってめちゃめちゃプレゼンしてくるやん。なんで?」
「…………」
――『こんな当たり前のことができたからといって調子に乗るな、馬鹿め。今できていないことはいくつある? 言ってみろ』
「…………、全部、できて当たり前のことだ」
「当たり前ってことはないやろー」
「僕の知識も魔術も大したことはない。……先生に、比べたら」
「先生? えっと……屍霊術師の?」
「……そうだ。ゴーチエ・ミストラル――ニライ・カナイで彼を知らない者はいない。賢者と言われていた。魔術にも薬学にも精通していて」
「そらすごい。せやけどオレはロラン君個人をすごいって言うたんやで」
「…………」
――それに対する否定の言葉を出すよりも前に、トモミチが僕の背中をさすりながら口を開く。
「ロラン君は、田中君とちょっと似てるなあ……」
「タナカ君……?」
聞き返したらまた長話が始まってしまうのに、つい復唱してしまった。
「オレが塾の講師やってるときにちょっと教えてた子やねん。めちゃめちゃ頑張り屋で成績よくてさあ、全国でトップクラスの高校狙えるんちゃうって言われてて……」
ペラペラとよく喋るトモミチが、珍しく言葉に詰まる。
おそらくそのタナカ君という奴は、「トップクラスの高校」には行けなかったのだろう。
「……僕は、そいつとは違う……」
「はは……せやなあ、ゴメン。田中君とロラン君は違う人間。……それと、ロラン君とその先生も違う人間やで」
「え……?」
「その"ゴーチエ先生"がどんだけすごいんか知らんけど。少なくとも"栢木先生"は、ロラン君は色んなことよう知ってるし、すごいと思てるで。それは絶対、ウソとちゃうから……」
「!」
頬に手が添えられ、唇が重なり合う。
いつものようにトモミチの手が背中に回ってきて、僕はその手の中に収まる。
しばらくの間のあとトモミチは腕を離し、トロンとした目で「おやすみ」と言ってベッドに崩れ落ちた。
「…………」
用事は済んだ。さっさとこの部屋から出よう――そう思うのに、なぜか体が動かない。
顔が熱い。心臓がドクドクと脈打っている。
どういう現象なのか分からない。魔力供給の時刻を十数分も過ぎていたから、その分魔力が多く流れ出ていったのだろうか?
心臓の鼓動が収まってから部屋を立ち去ろうと思ったが、いつまで経っても収まらない。
結局僕はそのあとしばらく、ベッドに横たわっているトモミチの顔を見つめ続けていた。
ふと気になって頬を触ってみると、ひんやりと冷たい――やはり彼は間違いなく"死人"だ。
当たり前のはずのその事実に、なぜか頭がグラグラした。
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